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単体駆動可能な一体型VRヘッドセットOculus GO体験レポート
軽量でサクッと遊べて高画質でヌルヌル動く! もうすぐやってくるOculus VRの未来
2018年3月23日 20:14
VRプラットフォーマーのOculusはGDC2018で、単体駆動可能な一体型VRヘッドセット「Oculus GO」を初お披露目を行なった。
既報のようにOculusは、現在VRヘッドセットについて、2つのモデルを開発している。1つが今回紹介するOculus GOで、もうひとつがSanta Cruzだ。いずれも単体駆動可能な一体型VRヘッドセットという点では共通しているが、前者は3DoFで方向情報のみ検知できるのに対して、後者は6DoFをサポートし、外部センサーなしでポジショントラッキングを実現する。
Santa Cruzが、Oculus Riftに準じたVR体験を、PCなしで実現するソリューションなのに対して、今回紹介するOculus GOはスマートフォンなしでGEAR VR相当のVR体験を実現しようというものだ。PCが必須なOculus Rift、スマホが必須なGEAR VR、共に10万円以上のイニシャルコストが掛かるが、Oculus GOはわずか199ドルぽっきりで楽しめる。イニシャルコストを一気に下げて、VRエンターテインメントを真の意味でマスにアピールする。その意味ではOculus GOは、Oculus Rift以上に戦略的に重要な製品と言える。
重要なのは、どの程度遊べるのかだ。中途半端なスマートフォンと中途半端なゴーグルによるVR体験の粗末さは、言葉にし難いものがある。GEAR VRはサムスンとの協業により一定のクオリティを確保しているが、厳密には対応するスマホを限定したクローズドなソリューションだ。そういったモバイルVRのハードルを一気に取り払ってくれる存在がOculus GOだ。今回3つのコンテンツで体験することができたので試遊レポートをお届けしたい。
なお、Oculus GOについては、価格が199ドルであること以外、ほとんどの情報を開示していない。重量や本体サイズも未公表で、発売時期も、噂レベルでは2018年上半期とされているが公式発表ではない。日本での発売も未定だ。ただ、日本で売らないつもりなら、最初から日本のメディアに触れる機会を与えないはずだ。その意味では日本でも発売されるのはほぼ間違いないと思う。
今回プレイしたのは、OculusがOculus GOのローンチタイトルとしている3タイトル。ちなみにこの3タイトルは、GEAR VRとの完全な互換性を備えており、GEAR VRでも遊ぶことができる。Oculus GOは、ローンチ直後から、GEAR VRのコンテンツ資産を活かすことができる。これはOculusにとって大きな強みのひとつであり、Oculus GOの魅力のひとつといえる。
実際に被ってみて最初に感じたのは「軽い!」ということだ。一体型なのでGEAR VRのような前に重心が掛かる感じを想像していたが、それがまったくない。実際の重量は、スマホ込みのGEAR VRと同等程度だと思われるが、重心バランスが極めて優れており、かつ装着感も軽いためか、これまで被ったあらゆるVRヘッドセットよりも軽いと感じた。
個人的には、PC向けのVRヘッドセットは、ググッとくる圧迫感がどうも好きになれないが、Oculus GOにはそれが感じられないのがとてもいい。装着後に細かい調整をする必要もなく、被っただけで綺麗に見えた。このあたりもこれまでの開発経験が活かされていると感じられた。逆に言うと、瞳孔間距離を調整する機能などはないため、万人向けとは言えないかもしれない。そのほか、眼鏡を付けたままの使用も可能で、強いて難点を挙げると、鼻が低い日本人には、鼻の位置から外部の光が入ってしまい、没入感が下がるということぐらいだろうか。
さて、気になる性能については、GEAR VRに勝るとも劣らないクオリティで、何より72Hzでヌルヌル動いていたのが印象的だった。Oculusのセッションレポートでもお伝えしたように、Oculus Riftで取り入れられているFixed Foveated Renderingの技法を取り入れ、正面中央以外の描画解像度を下げ、また、シーンに合わせて動的にCPU/GPUクロックを変えるテクニックを導入することで、72Hzのパフォーマンスを実現している。
もちろん、Oculus Riftと比較すると、そのVR体験のクオリティは一段下がるが、199ドルのヘッドセットで体験できるということを考えると、どちらを選ぶかというと、正直ほとんどの人がOculus GOを選ぶのではないかと思う。やはりプライスポイントは重要だ。
同梱のコントローラーは、プラットフォームとして基本的にGEAR VRに準拠しているためか、トリガーとボタンのみのシンプルな構成で、視点をポイントに向けるか、レーザーポインタで指し示してボタンを押して決定するぐらいの行動しかできない。そこはあえてハイエンドVRヘッドセットであるOculus Riftとは明快な差別化がなされている。
さて、ここからは試遊レポートに移りたい。
米国ニューヨークのデベロッパーExperiment 7が手がけた「Settlers of Catan」は、文字通り、ドイツのボードゲーム「カタン」がVR空間で遊べるVRボードゲームだ。デモでは4人掛けのテーブルとイスに座って試遊ができた。その風景を外から見るだけだとなんでテーブルに「カタン」が置かれているのにそれで遊ばないのかと思ってしまうが実際にはVR空間の風景を模していて、Oculus GOを被ると、そのままの位置関係で目の前の人物がアバターキャラクターに変わって思わず笑ってしまうという仕掛けだ。
当たり前だが実際にはオフラインで遊ぶものではなく、オンラインで最大4人で、まさに現実世界で4人で「カタン」卓を囲んでいるかのような感覚で遊べるVRボードゲームだ。ヘッドセットは完全にビューアーで、ゲームの操作は利き手に持つモーションコントローラーで行なう。右側面にコントロールパネルが浮かんでおり、そこのコマンドを指し示してサイコロを振ったり、資源の操作を行ったりする。このパネルはドラッグして置く位置を変えることもできる。道路の敷設や建物の建設は、正面に広がるマップを指し示すだけで良く、直感的だ。
コミュニケーションはボイスチャットで行なうようになっており、まさにリアル「カタン」と同じような感じで交渉していくわけだ。得点計算は当然すべて自動でやってくれて楽チンだ。「カタン」がVR世界で大流行する日が来るかもしれない。
「Ansher Online」は、VRでは定番と言える360度タイプのSFシューターだ。開発元のOzwe Gamesは、スイスローザンヌに拠点を持ち、Oculus Studiosとパートナーシップを結んでVRコンテンツの開発を行なっている。
ゲームの操作は、視点を動かして向きを変え、360度からやってくる敵戦闘機を、トリガーを引いて撃墜していく。今回プレイした中ではグラフィックスはもっとも綺麗で、高いフレームレートで動作し、高速で視点を変えても気持ち悪くなったりしなかった。
複数のウェーブをクリアすると次のステージに進むというシンプルな内容で、高層ビルや宇宙船に接触すると被撃破となり、ゲームオーバーとなる。頭を動かすだけのシンプルな操作で楽しめるため、VRビギナーにもピッタリで遊びやすいため、入門にピッタリのシューティングゲームだ。
なお、今回は体験できなかったが、最大6人でオンラインマルチプレイが可能。Oculus GO、GEAR VR、Oculus Riftとのクロスプラットフォームプレイに対応しているということで、オンラインプレイの出来映えも気になるところだ。
最後の「They Suspect Nothing」は、ロボットを操作して、与えられたタスクをこなし、得点を競うミニゲーム集。モーションコントローラーをフル活用し、独創的なロボット達を操作していくのが楽しい。
独特なルールを理解するのが難しいが、一旦遊び方がわかるとかなり夢中になって楽しめる。オンラインモードはないものの、得点を競うリーダーボードは実装予定だという。発売後にリリースされるダウンロードコンテンツも含めて20のミニゲームを収録予定。






























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