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【特別企画】山盛りミッションで終わりなき戦いを! 「エージェンツ オブ メイヘム」
13のヒーローを組み合わせてひたすら戦い、宝探しできるオープンワールド
2018年1月10日 14:30
オープンワールドのゲームの面白さは様々なものがある。「The Elder Scrolls V: Skyrim」のスカイリム地方の様に広大な地域を歩き回り、様々なイベントに出会う冒険を満喫する楽しさもあるし、「GTA オンライン」のロス・サントス周辺地域のように、都市や空港、山岳地帯や砂漠地帯に新しい要素が盛り込まれていくのも面白い。
一方、「エージェンツ オブ メイヘム(以下、「AoM」)」は「グランド・セフト・オートIII」や「セインツロウ」シリーズなどの、1つの地域にメインやサブミッションをギッシリ詰め込んだ面白さ、言ってみればオープンワールドの古典的な楽しさをより洗練させたゲームだ。ここに13人ものヒーローを盛り込み、組み合わせて各ミッションに挑戦することでさらなる楽しさを実現している。
筆者はレビューで本作の魅力を紹介したが、まだ語り足りないと感じていた。レビューが終わった後も本作を楽しみ、色々なヒーローでミッションをクリアしながら、もう1度本作の魅力をフォーカスして伝えたいと思っていたのだ。そこで今回、特別企画として、「AoM」の魅力を語りたいと思う。「年末に買ったゲームをクリアして今何か遊びたい」。「久しぶりにどっぷり、たっぷりとゲームを遊びたい」という方に、「AoM」をオススメしたいのである。
オープンワールドのベテラン開発者ならではの、たっぷりのやり応え
「AoM」は多彩なヒーローが活躍するオープンワールドアクションだ。発売時に追加されたギャットを入れれば13人(別売りのDLCを購入すればさらに追加される)のヒーローが3人1組のチームを組み、様々なミッションに挑んでいく。敵はLEGION。コンバットスーツに身を包んだ軍団で、幹部は様々な能力を持った“怪人”である。
本作の大きな特徴としてはそのボリュームがある。非常にたくさんのサブミッションと探索要素があって、ひたすらプレイしてしまう。本来サブミッションはミニゲームであり、おまけ要素なのだが、13人のヒーローで挑むと感触が異なり、しかもレベル格差を埋めるというところもあり、プレイしていて楽しい要素がたっぷりなのだ。まず、レビューでは多く触れられなかったサブミッションと探索要素をピックアップしたい。
「AoM」の舞台となる街は韓国のソウルだがかなりアレンジが為されていて「架空の未来都市」っぽい。ここに多彩な要素が詰め込まれているのだ。爆弾にくくりつけられた市民を救出する「人質救出」、パトロールを襲い次々と投入される増援を倒す「LEGIONパトロール」、周囲の敵と戦った事で上昇した警戒レベルを解除する「追跡システム」と言ったミッションがある。
オープンワールドアクションらしく車両関係のミッションも多い。輸送トラックや指定された車両を破壊するものの場合、ターボ加速できるスーパーカーで激突するだけでなく、うまく回り込んで銃撃を浴びせかけるという破壊もできる。チェックポイントを巡るレース形式のミッションや、指定された一般車両で走るミッションなどもある。カーブが多い街中をサイドブレーキを利かせて走って行くのは楽しい。さらに変わり種としてキャラクター自身が高速でダッシュしていく「リーコンラン」もある。
こういったサブミッションがマップを開いたときにみっしりとちりばめられているのもオープンワールドの楽しさだ。「スカイリム」や「Fallout 4」のように広大な地域を探索するタイプのゲームも楽しいが、街中の小さなミッションを次々こなしていくのも独特な楽しさがある。マップにある多彩なサブミッションが1つ1つ消化されていくと寂しさを感じてしまうほどだ。
もう1つオープンワールドで楽しいのが「収集要素」である。本作には様々な所に宝箱と、クリスタルがある。宝箱はリソース、クリスタルは10個揃えるとヒーロー達の能力をブーストでき、どちらも集めるほどゲームが有利になる。この「宝探し」が楽しいのだ。ミッションの開始ポイントへ移動しているときなど時には探索にハマるあまり、ポイントとは全く異なる方向までどんどん移動してしまうことも少なくない。
「AoM」のキャラクターは3段ジャンプができ、ソナーのように周囲に探知波を放ち、探索することができる。探査範囲内に宝箱がある時は壁を透かして見つける事ができる。そして、ヒーローの中には空中ダッシュができるキャラクターとできないキャラクターがいる。機動力に優れたヒーローを使って、ひたすら宝物を探すのも楽しいのだ。
マップにはとても上がれないような超高層ビルもある。「AoM」では飛行ガジェットがなく、どうにか上まで登らねばならない。高層ビルの周辺には大抵エレベーターやリフトなど稼働できるオブジェクトが用意されている。これらを探し出し、ものすごい高さにこれたときの楽しさは格別だ。また、高層ビルの上にはLEGIONが基地を築いていることもある。この戦いはとても激しいものになるだろう。
「AoM」のオープンワールドは、言ってみれば少しレガシーさを感じさせるものだ。これらのサブミッションや収集要素はストーリー要素が薄く、「ミニゲーム」であることを前面に出している。昨今のフィールドでの臨場感や、冒険へのフォーカスを強める作品とはベクトルが異なる部分もある。
しかし、だからこそそれが良いのだと思う。従来のゲームではこういったミニゲームはおまけ要素で、メインストーリーを進めるための“条件”として設定されており、ストーリーを進めるためにプレイしなくてはいけない側面があった。しかし、「AoM」では自由だ。多彩なサブミッション、そしてヒーロー達が用意されており、プレーヤーはどう進めても良い。
面白いもので、筆者は割とせっかちで通常はメインミッションに偏重してしまうタイプなのだが、あらゆる要素をいきなり提示されていると、まずヒーローをアンロックし、サブミッションをたっぷりやりこんでプレイしていった。同じようなサブミッションでもヒーローが違うと感触が異なり、新たな組み合わせを試したくなってしまう。次の章では、ヒーロー達を使った楽しさに触れていこう。
やっぱりヒーローがスゴイ! 中東風ニンジャまで登場
「AoM」はやはりヒーローが楽しい。本作の「よくできている」部分は、ヒーロー達のアクションゲームとしての描写にある。全体的に攻撃力が高めで、パワーアップ要素も多く、ゲームを進めていくとさらに強くなる。だからこそ、彼らで敵を叩きのめすのが楽しいのだ。
ヒーローは一部のキャラクターをのぞきダッシュが可能で、敵の攻撃を瞬時にかわせる。ダッシュができないキャラクターはステルスで姿を消して奇襲が可能だ。敵は常に数で勝りこちらを取り囲んでくるが、ヒーローごとに得意な距離で立ち回り、動き回って戦う事で有利に戦える。
そして各ヒーローの攻撃が大きく異なるのもいい。デイジーは巨大なガトリングガンをぶっ放すし、イエティは冷凍ガスで近くの敵を凍らせる、ブラドックの特殊攻撃は敵の防御力を減らせる強力な攻撃だし、ラーマは弓での長距離スナイプを得意とする。彼らをうまく使いこなしている、という気持ちよさが、本作の楽しさに繋がっていく。
筆者のお気に入りは「オニ」だ。元ヤクザだが、組がLEGIONに染まっていく中で、親分まで皆殺しにして自分の目指す“ヤクザとしてのあり方”を突き詰めるというエキセントリックな人物。彼の特殊能力は自身の気迫で相手を威圧し、敵を弱体化させるというもの。必殺技となる「メイヘムアビリティ」を発現させると、敵はパニックを起こしてオニから逃げだす。それをサイレンサー付き拳銃で撃ち抜いていくのだ。
「ギャット」は発売日に早期購入特典として追加されたキャラクター。ショットガンやSMGなど接近戦の強いキャラクターだが、「メイヘムアビリティ」では2丁拳銃を使って敵を次々と“狙撃”していく。技の発動時“ハト”が飛ぶのがポイントで、これは映画監督のジョン・ウー作品のオマージュだろう。2丁拳銃でハチャメチャな強さを発揮する。映画「リベリオン」の架空の武術「ガン・カタ」の要素も入ってる感じが楽しい。
各キャラクターはチームに編入するミッションがあるだけでなく、各キャラクターを掘り下げるミッションも用意されている。サブミッションも合わせて、メインミッションそっちのけで遊びたくなる要素がたっぷり詰まっているのだ。組み合わせを工夫するのも楽しい。各ヒーローで遠~近距離まであらゆるレンジをカバーすることを考えたり、移動が得意なキャラクターを1人入れたり、バランスを考えるのが楽しい。
「AoM」ではフィールドを進んでいるとき、キャラクター同士の会話が始まることがある。それは今使っているヒーローに限らず、基地で待機しているヒーローも含まれる。ギャットは実は「セインツロウ」に登場するキャラクターである。彼は多次元宇宙を認識できる中東風のニンジャ「シェヘラザード」との会話で、「実は他の次元の記憶があるような気がする」という会話をする。「セインツ・ロウ」を知っている人にはニヤリとさせられる所だ。このように、プレイを進めることに多彩なヒーロー1人1人に思い入れが深くなっていくのも、「AoM」の魅力だ。
「AoM」は見た目がちょっと地味だ。また、「セインツ・ロウ」シリーズとの関係性はアメリカでは大きなセールスポイントかもしれないが、日本国内では知名度がもう少しかな、という感じはある。触ってもらえればその面白さが伝わるのだが、そこが届いていなかったかな、とも思う。
しかし、オープンワールドアクションを作り続けたスタッフだからできるたっぷりのやり応え、そして多彩なヒーローでプレイするからこそのコンテンツの広がりは、体験して欲しいところだ。オープンワールドの楽しさ、「どっぷりとゲームを楽しむ愉悦」を本作は感じることができる。やり応えのあるゲームを求めてる人に、「エージェンツ オブ メイヘム」はオススメしたいタイトルである。
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