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「Fate/Grand Order Arcade」レポート。塩川氏「川澄綾子さんが楽しんで遊べるゲームを作りたかった」

12月7日 開催

会場:ベルサール秋葉原

左から川澄綾子さん、塩川洋介氏、伊神公博氏

 「FGO ARCADE PROJECT」(ノーツ、アニプレックス、ディライトワークス、セガ・インタラクティブ)は12月7日、2018年からの稼働を予定しているアーケードゲーム「Fate/Grand Order Arcade」(以下、FGO Arcade)の発表会を東京・秋葉原にあるベルサール秋葉原にて開催した。会場にはアルトリア・ペンドラゴン役の声優・川澄綾子さんのほか、ディライトワークスでFGO PROJECTクリエイティブディレクターを務める塩川洋介氏、「Fate/Grand Order Arcade」のディレクターを務めるセガ・インタラクティブの伊神公博氏が登場。トークセッション形式での発表が行なわれた。

ロケテストは12月8日より開始

 7月29日に行なわれたAndroid/iOS向けのゲーム「Fate/Grand Order」のリアルイベント「Fate/Grand Order Fes. 2017 ~2nd Anniversary~」で発表になった「FGO Arcade」。会場では公開されたPVに、3Dで動いているサーヴァントたちが登場するたびに歓声が上がっていたそうだが、いよいよ本格的なお披露目となった。

 今回は3DCGにこだわっていると塩川氏。「セイントグラフのキャラクターをそのまま3Dにするというコンセプトで作り上げた」(塩川氏)。

 「FGO Arcade」では、セイントグラフが実際のカードとして手に入るわけだが、これについて川澄さんは「すごくしっかりしてるんですよ。もらって集めてうれしいなという」とコメント。

 またロケテストが12月8日から開催されることについては「正直、こういうのって遅れることがあったりするもんじゃないですか(笑)。本当に実現するってすごいなと思いました。ボイスの収録もしていますが、このお話が来たときはアーケードのお話が動いているんだなと。それが結構前だったので、順調に、皆さんの期待にこたえるべく、スタッフの皆さんが頑張っていらっしゃったんだなと思いました」。これに答えて伊神氏は「必死でした(笑)」。

公開されたキービジュアル

 ここでまずキービジュアルを発表。川澄さんは実際に見た感想として「これまでにいないサーヴァントもいるんですね。躍動感もあるし、アーケードというバトルに特化したお話にもとても合ってるなと」。これに対して塩川氏は「普段のイラストよりも、より戦いを想起させるような躍動感のある表情やポーズにしました。「Fate/Grand Order」のサーヴァントをデザインされたイラストレーターさんにそれぞれ協力していただいて描き下ろしたものになっています」と説明した。

 初めてキービジュアルを見たときの感想を聞かれて塩川氏は「サーヴァントが集まっている絵はいろいろな機会で見ることが多いが、今までにない、戦いの様子というか、ジャンヌ・オルタも躍動感あふれるポーズを取っていたりしてそこがいいなと思うのと、ポスターの左上の方には、『なぜお前が』という意外性もあったりして、アーケードの展開が楽しみに感じられるものですね」と語る。「こちらのキャラクターのチョイスは、開発チームとしても意外な人選。10騎並んだとき、こんなに個性豊かなサーヴァントが1つのイラストになるとまとまりが出るのがすごい」と伊神氏。

 そして次には、実際に稼働する筐体もお披露目された。筐体について川澄さんは「初めて見たとき、色のきれいさや中心の青とかが『FGO』を表していますね。全体的に白と青の感じがゲームセンターにあったらとても目立つんじゃないかな」。塩川氏も「ひと目見ただけで『FGO』っぽくしたいというのと、でもこれは『FGO』そのものでないということを、いかに両立するかにこだわった」と語る。白い筐体になっているのは、コンセプトアートに合わせているからだそうだ。このほか第2弾となるプロモーションビデオについても公開された。

公開された筐体
【「FGO Arcade」第2弾PV】
ロケテストで登場するサーヴァントと概念礼装

 新PVを見て「実際にフィールドで戦っていると、アルトリアの小ささ、レオニダスの大きさなど、体のサイズが“ならでは”ですよね」と川澄さん。実際の身長についてはしっかりと再現しているとのこと。

 今回のロケテストで登場するリアルカードだが、アルトリア、エミヤ、エリザベート・バートリー、ジークフリート、アタランテ、レオニダスの6騎のサーヴァントと、概念礼装としてカレイドスコープ、プリズマコスモス、月霊髄液、2030年の欠片、理想の王聖の5つだ。

 そして今回起こされた3Dモデルについても、アルトリアとレオニダスの2騎について公開された。

アルトリアの3Dモデル
レオニダスの3Dモデル

 アルトリアのこだわりポイントは、「原作のファンが『Fate』の顔として認識しているキャラクターだと思うので、印象を大事にしつつ3Dに。前髪が透ける表現やインビジブル・エアにこだわって作っている」(伊神氏)とのこと。「セイバーのきゃしゃなところが出ていて。剣の表現もとてもかっこいいんですよね」と川澄さん。「2Dのものと見比べても、どっちがイラストだったかなというくらいにセイントグラフを再現した」と塩川氏。

 レオニダスについては、「鍛え抜かれた筋肉と重厚感あふれる金属ですね」と塩川氏はポイントを語る。「絵画風にイラストが表現されているので、それをできるだけ3Dにしたいと頑張った」(塩川氏)。川澄さんも「レオニダスは思った以上にかっこよくなっていて。きっとプレイされる方もレオニダスを動かすのが楽しいと思えるような、ダイナミックですね」と語る。描いているイラストレーターのユニークなタッチの差が3Dで表現されているとのことで、サーヴァントごとにちょっと違うところもポイントだそうだ。

 また「描き込まれたイラストをどのくらい3Dにするのか。あまりやり過ぎるとクドくなっちゃうし、ほかのキャラクターとの色合いが変わってしまうので、どうなじませるかに苦労した」と伊神氏。ちなみにレオニダスは動きを付けたら開発チームの中でも評価が変わったそうで、人気のキャラになったのだという。

 そして「FGO」といえばやはり見所は宝具。アタランテとエリザベートの映像が紹介されたのだが、それぞれのキャラクターごとに異なる宝具発動シーンは見物だった。宝具については「城を作るのは大変だが、違う惑星に行ってみたり、ピラミッドが出てきたり、プロレス技をしたりとすごいのがいろいろある。『FGO』の宝具を再現したいので、そこはどうにか実現する方法を考えていきたい」(塩川氏)。

川澄さんが実際にプレイしてみた

 実機プレイの準備が整ったところで、川澄さんがテストプレイ。「さっきからドキドキしていた」という川澄さんだが、「私はアクションゲームは得意でないということを塩川さんにお伝えしていて。塩川さんが『私もできる』と。プレイをやりこんでいる方も楽しめるけど、私でもできると言ってくださったので」と語る。開発チームには川澄さんが楽しめるゲームにする、ということをよく言っているのだという。加えて、「FGO」をプレイしているのはスマートフォンユーザー。普段はスマートフォンゲームを中心に遊んでいる方も遊べるゲームにするというのを目標にして制作してきたそうだ。

実際にプレイしてみる川澄さん

 チュートリアルはすでにクリアしたという川澄さん。3騎のサーヴァントを選んで編成して戦いに備える。アルトリアとエミヤ、アタランテを選択した。そして「グランドオーダー」(戦闘)へ。アクションボタンを連打して攻撃を決めていく。「宝具を撃てたらいいな」と川澄さんがつぶやくと、ちょうどNPゲージが100%になっていて、発動可能状態に。アルトリアの「約束された勝利の剣」を発動する。その後も順調に進めることができて、最後は勝利となった。「騎士の誓いは破れないという感じです」と川澄さん。「私でもできました! 簡単でした」。なお戦闘が終わって現界するカードはロケテスト専用となっているので、左上に「FGO秋葉原祭り 2017 限定」というマークが入っている。

 調子がよかったので2戦目に突入。今度はレオニダスを使っての戦闘に。レオニダスは1度も使ったことがなかったそうだが、こちらも勝利して終了した。途中、NPゲージがたまったのでレオニダスの宝具を発動し、川澄さんは攻撃を繰り出すものだと思っていたようだが、実は防御力を高めるものとターゲット集中をさせるというもの。しかし、そのまま戦いを進めて今回も勝利に。

 戦いを終えて川澄さんは「プレイする前は魅力が伝わるか不安だったのですが、プレイすると爽快感もありますし、ボタンを押しているだけでガードも攻撃もできるので、やってる感がすごいあります」とコメント。1つのボタンで操作するのは開発としてもこだわりのポイントだそうだ。

 なお3Dのアクションゲームでは、カメラを自分で操作するものが多いのだが、そのあたりは議論したのだという。「入れた方が自由度は上がるが難しくなってしまう。1個でもボタンを減らせればということでこだわった結果、このような形になった」(塩川氏)。しかし敷居は低いが、極めていこうとするととても深いゲームになっているとのことで、やりこみ要素もかなりありそうだ。

 なお「FGO Arcade」は2018年2月10日、11日に幕張メッセで行なわれる「ジャパン アミューズメント エキスポ 2018」でも出展されるとのこと。今回のロケテストでの評価を反映しての展示となるそうだ。

 最後に塩川氏は「本稼働までに見ていただいて、どんどんゲームをよくしていきたいのでロケーションテストに足を運んでほしい」とコメント。川澄さんは「登壇中もプレイをすることでドキドキしていたんですが、無事に終えることができてよかったです。本当に楽しめました。『FGO』を初めてやった時と同じような、3枚カードを選ぶだけだけどとても面白いし、奥が深いというのと同じようなものをこのゲームでも感じましたので、『FGO』プレーヤーの皆さん、アーケードゲームを好きな皆さんにも、楽しんでいただけるようなものになっていると思います。ぜひ本稼働まで楽しみにしてください」と語った。