【特別企画】

基本無料ルートシューター「The First Descendant」インプレッション。やり込みがいのあるカスタマイズ要素とやりがいのある高難易度バトルで期待度が高い1本

マルチプレイはクロスプラットフォームにも対応! ボイスチャットも搭載

 続いては、最大4人のオンラインプレーヤーによるマルチプレイについても紹介していきたい。なお、マルチプレイはクロスプラットフォームに対応する。

 ちなみに以降のマルチプレイについて、筆者以外のプレーヤーは、今回初対面の他メディアの記者たちとなっている。また、今回の試遊バージョン限定とのことで、継承者のキャラクター19人から自由に選択できたほか、レベルも最大の40まで上げた状態となっていた。さらには武器やスキルなどの強化モジュールも一通り用意されており、正に全部入りの状態で挑戦することになった。

 最初に挑んだのは、「侵入作戦」と呼ばれるインスタンスダンジョンだ。こちらはメインストーリーの進行に応じて解放されていくエンドコンテンツとなっており、繰り返し挑戦することで、報酬を稼いでいく仕組みだ。難易度はノーマルとハードが用意されており、ハードの方が報酬は豪華だが、敵の強さなども桁違いに強化されるようだ。解放後の初回の挑戦時はノーマル難易度、パーティープレイでのみ挑戦が可能だが、1度クリアすることで、ハード難易度やソロプレイも解放される。今回は、侵入作戦:ノーマル「封鎖エリア」に4人で挑戦した。

 予め揃ったメンバー同士で挑む場合には、事前にパーティを編成する必要がある。パーティーを編成した後は、リーダーが挑戦したいコンテンツを選択して、そこに同乗するような動きとなる。パーティー編成後はゲーム内のボイスチャットが有効になるため、こうしたコミュニケーションツールを活かして使用する継承者のキャラクターを選択したり、挑戦するコンテンツに応じた強化モジュールなどをチョイスすることが重要となる。

 なお、野良などでマルチプレイをしたい場合、ゲーム開始時の選択として、公開と非公開のいずれかでミッションに挑戦できるので、ここで「公開作戦開始」を選択する事で、野良プレーヤーと共闘も行なえるし、「非公開作戦開始」を選ぶことでソロプレイも行なえる。

ソーシャルメニューでフレンド登録やパーティ要請などが行なえる
ワールドマップを開いて目的地を選択するか、アルビオンに備える「侵入作戦デバイス」からアクセスすることで、「侵入作戦」のミッションが開始できる。マッチング最低人数が1人のミッションなら「非公開作戦開始」からソロでミッションに挑戦できるが、他の野良プレーヤーと遊びたい場合は「公開作戦開始」を選べば自動でマッチングしてくれる
パーティに参加すればそれぞれのプレーヤーたちがどこにいてもメンバー同士のクローズドなボイスチャットで会話が行なえるようになる

 「侵入作戦」はメインストーリーでプレイしたコンテンツのダンジョン部分を切り抜いた形なので、メインストーリーを事前にガッツリと遊んでおけば、進行方向や出現する敵などの展開が読みやすくなるだろう。今回は全員が初見だったこともあり、進む方向を間違えて谷底に落下してしまったり、敵との戦闘で想定以上の苦戦を強いられる場面もあった。

 また、パーティーを組んだ4人とも本作で初のパーティープレイであったため、敵の情報をチェックしてモジュールを変更したり、継承者のキャラクターを変更したり、といった事前準備は行なわずに、その時点で使用していた継承者キャラクターでそのまま挑戦した事も苦戦の要因だったろう。

 例えば終盤のボス戦では、ガードが非常に強固で体力もやたら高く、どんだけ弾をぶち込んでもなかなか体力が減っていかなかった。また一定時間が経過すると、すごく小さな弱点ポイント以外は一切のダメージを無効にするような状態に変化するのだが、アサルトライフルなどを連射しまくり、弾切れを起こすプレーヤーが続出してしまった。この場合、スナイパーライフルなどの精密攻撃可能な武器があれば攻撃しやすかったのだが……。

 継承者の中には補給のスキルを持つキャラクターもいたので、こうしたキャラクターがいれば、弾薬の補充が円滑に行なえたため、もっとスムーズにボスを撃退できたはずだ。

 最終的には4人の意地でどうにかボスを撃退し、無事に侵入作戦:ノーマル「封鎖エリア」のクリアに成功した。集まった4人とも温和な人たちばかりだったので、ボイスチャットでもミスに対して笑いあいながら遊べる環境だったのも、筆者のようなシューティング苦手な人間にとってはありがたいことだった。

「侵入作戦」スタート! 右側にはパーティ内の他プレーヤーたちの情報が表示されているので、回復担当などはチェックしておくのがよさそうだ。やっぱり多人数プレイは最高に面白い!
ラスボス、冷血の先鋒・ゴロスとの対決! 攻撃も激しくバリアでは食い止められない激しい攻撃が続き、補給のないチームは大ピンチ!無効化される攻撃もあるので、弱点をピンポイントで狙って削っていく
スナイパーライフルを構えると狙う場所が拡大されるスコープが表示される
かなり時間がかかったが、どうにかボスを撃破!
ミッションクリア後は報酬の情報や統計情報などが表示される

ボスレイドバトルも完備! 激ムズコンテンツも用意され、やり応えは満点

 続いては、「ヴォイド迎撃戦」にも挑戦した。こちらはいわゆるレイドボスバトル。今回挑戦したのは「スワンプ・ウォーカー」というボスと対決した。参加するまでの経緯は「侵入作戦」などと同じで、事前にパーティを組み、リーダーに選択してもらう。

 今回、プレーヤーの1人が弱点属性について語っており、ボスの弱点が「雷属性」ということだったので、前回の侵入作戦の反省を活かし、筆者はこれまで使い続けたタンクのエイジャックスをやめて、雷スキルを豊富に備えるバニーの上位バージョン・アルティメット・バニーをチョイス。スキンもかわいい感じに変更して挑戦してみた。

続いては「ヴォイド迎撃戦」の「スワンプ・ウォーカー」との対決!ここはシンプルにいきなり出現する巨大モンスターを相手に戦うレイドボスバトルとなる
雷属性に弱い相手とのことで、モジュールを交換するなどのカスタマイズを行なった

 ヴォイド迎撃戦では、開始するといきなりエリア内に巨大なボスが出現する。今回もそれなりに時間はかかったが、敵にダメージが通らなくなった時には他の仲間からダメージが通るポイントを指摘してもらい、そこを全員で集中攻撃したり、雷スキル「マックスパワー」による電気放出攻撃をくらわしたりして、どうにか撃退に成功した。これは気持ちいい!

グラップリングフックを活用して敵に近づいたり離れたりのヒットアンドアウェイのスタイルはかなり有効!
一定時間が経過すると、足から生えた杭のような部位にしかダメージが通らなくなったので、こういう時はスナイパーで各個撃破!
雷に弱いということで、アルティメット・バニーの「マックスパワー」の電撃攻撃を加える!
ということで、先ほどよりもスムーズにレイドボスの撃破に成功!

 最後にもう1戦、同じヴォイド迎撃戦から「ハングドマン」にも挑戦した。天井からぶら下がった巨大なボスモンスターが相手となるのだが、こちらがかなりハードだった。まずはダメージを与えるために、モンスターの真下にある赤い玉をプレーヤーの誰かが持って、モンスターから逃げなければいけないのだが、これがかなり難しい。

 さらに定期的に発動する範囲攻撃のダメージが強力で、これを回避できずに命を落とすプレーヤーが続出した。ヴォイド迎撃戦では、デスカウントと呼ばれる、死んで復活することが可能な回数が設定されており、この回数を越えて死んで全滅するとミッションは失敗になってしまうのだ。

同じく「ヴォイド迎撃戦」より「ハングドマン」だが、かなり強い! とにかくダメージは通らないし、敵は強力な範囲攻撃をかましてくる

 筆者も実際に赤い玉を持って逃げ回ってみた。アルティメット・バニーには加速装置のスキル「光速ダッシュ」があるのでこのスキルを活用すればいいのかと思ったが、スキルを発動すると、手にした赤い玉を落としてしまった。通常移動だけでは、モンスターからの追撃をかわせない。グラップリングフックやローリングを駆使して敵の追撃をかわす必要があったのかもしれないが、そこまで試す余裕はなく、あえなく撃沈。そのまま時間切れになってしまった。

 「ハングドマン」はかなり難易度の高いコンテンツとして設定していたようで、周囲のパーティーにも話を聞いたが、クリアできたパーティーはほぼいなかったようだ。最大レベルまで上げた強力な継承者キャラクターを使ってもこんなにあっさりやられてしまうボスがいるとなると、相当なやり込みが必要にはなるが、同時にやりがいも感じさせるコンテンツだと感じられた。

 また、「ハングドマン」に最適な強化モジュールがどのあたりか、など攻略のために精査するべき要素は非常に多い。当然「ハングドマン」との戦いにおいて、最も効率的な継承者キャラクターの組み合わせがどのような形か、攻略ルートはどうするか、など考慮すべき点が多い事もポイントだ。テクニックがあれば、もっと低レベルのキャラクターであってもクリアできるかもしれないわけで、この辺りは正式リリース後の動向などが気になるところ。

仲間がやられてあえなく撃沈……
「ヴォイド迎撃戦」のメニューからボスの詳細情報などをチェックして弱点などを確認。雷属性が有効ということは、バニーの出番だな!
再度雷使いのアルティメット・バニーに戻し、弱点もチェックした上で再戦を挑むも……やはり撃沈……
なお、仲間がやられてしまった場合は救助にいくことで回復させることも可能

半年先までアップデートの予定を計画! 動画配信者には嬉しいサポート制度を完備

 以上、三人称視点ルートシューター「The First Descendant」の試遊バージョンをプレイした感触について簡単に紹介した。カスタマイズ項目がとにかく豊富で同じ継承者キャラクターであっても、スキンを変えるだけで見栄えはかなり変化する。スキンについては共通の物もあれば、専用の物も用意されるとのことで、プレイを続けることで、カスタマイズ用のアイテムが増えていくのもありがたい。

 武器を強化できるモジュールや素材などはミッションなどで獲得できるので、とにかくメインストーリーをやり込んで、スキルや強化素材の不足を「侵入作戦」や「ヴォイド迎撃戦」で稼いでさらに強化する……。カスタマイズ性の高さは深みにハマる重要な要素なので、本作のキャラクターやゲーム性にハマると、そのままポジティブなスパイラルにハマって抜けられなくなりそうな魅力を秘めていると感じた。

 継承者キャラクターについても、現在の試遊バージョンで確認できる19キャラクターをざっと眺めてみたが、通常の継承者キャラクター14人、5人のアルティメットバージョンが確認できた。アルティメット継承者は、通常の継承者とは別キャラクターとして存在し、ステータスやスキルなどがより強力になっている。

 14人の通常継承者をチェックしても、補給特化のエンゾや、回復特化のユジン、炎魔法のようなスキルを駆使するイカした料理人ブレアや、暗殺スキルを駆使する闇の中の暗殺者シャレン、主人公っぽいビジュアルのカイルや、爆破スキルに特化したエシモなど、いずれも美男美女揃いのキャラクターが揃っており、ビジュアルで選ぶか、スキルで選ぶかなど、迷いどころは多そうだ。

スキンの変更で様々な見た目のカスタマイズが可能。あのいかついエイジャックスもかわいいパンダに大変身!
メカメカしいデザインのバニーもクールだが、着ぐるみパジャマに身を包んだバニーもかわいい。なお髪型は別のスキンパーツを組み合わせている
継承者一覧のフル状態。アルティメット継承者は入手も大変だが、ステータスやスキルも強力!
ゲーム開始時には、最後に使用した継承者が表示される

 サービス開始後のアップデートの展開についても色々と計画されており、同社クリエイティブディレクターの朱民錫(チュ・ミンソク)氏は「オンラインゲームにおいて最も重要なのは継続的なアップデートと考えている。そのため、リリースの準備と並行してアップデートについても準備を進めており、リリース直後に8週間継続した後、8月末にはSEASON1の大型アップデートを提供予定。その後は3カ月単位で大型アップデートを実施する予定で、12月早期にはSEASON2のアップデートも予定している」とし、継続的な大型アップデートの提供予定について発表した。

 なお、リリースから5週目の段階で、早くも新たな継承者キャラクターの追加や、新たな「ヴォイド迎撃戦」コンテンツの追加などを予定しているとしており、サービス開始後からガッツリやり込んでも、やることがなくなってしまうような事態にはならなさそうだ。

 なお、質疑応答においては、本作における難易度についての考えが語られた。本作は一般的なTPSアクションと比べると、グラップリングフックの存在などがあり、アクションが苦手な人にはやや難しく感じる面もあるそうだ。一方でストーリーなどソロで遊べるコンテンツを段階を追って遊んでいき、操作に慣れていくことでよりうまいプレイができるようになるため、アクションゲーム初心者から上級者まで幅広い層が遊べるように仕上げているとのこと。

 また、追加の継承者キャラクターの今後の方針の1つとして、日本のアニメやゲームなどとのコラボレーションは考えているかという問いには、現段階では何も決まっていないが、2人とも日本のアニメが大好きなので、今後は考えていきたいとした。

 NEXONの田尻氏からは「The First Descendant」の日本における「クリエイターズサポート」の施策についても解説があった。クリエイターズとは、同社提供ゲームを動画配信者たちが活用してゲームコンテンツを作成してもらい、そこからゲーム内課金などが発生した場合にクリエイターにも還元する仕組みで、同社提供のオンラインMMORPG「メイプルストーリー」などでも実施している施策だ。「The First Descendant」においては、サービス開始前の段階から事前にクリエイターを募集して実施する。

 NEXONクリエイターズ公式サイトからクリエイター申請を行ない、登録後「The First Descendant」のコンテンツを制作してサポーターを集める。このサポーターたちがゲーム内の商品を購入すると、購入金額の一部が「リワードポイント」として獲得でき、専用サイトで収益化される仕組みとなっている。

 クリエイターの募集は6月12日から開始されており、実際に登録されたクリエイターたちの発表はサービス開始時の7月2日を予定している。なおクリエイターの応募条件は、YouTubeまたはTwitchいずれかのチャンネル登録者数が250人以上の動画配信者とのことだ。

写真左がクリエイティブディレクターの朱民錫(チュ・ミンソク)氏、右がプロデューサーの李範俊(イ・ボムジュン)氏
NEXONクリエイターサポートを担当する田尻氏

 最後に、これだけの高品質グラフィックスのタイトルが、基本無料で誰でも遊べるというのはそれだけでもかなり得難い経験だ。しかもクロスプラットフォーム対応で、PS5/4やXbox Series X|S/Xbox Oneなどでも遊べてしまうという点も踏まえると、期待度がかなり高い1本となっている。

 一方で豊富なカスタム要素というのは初心者にとっての敷居の高さに直結してしまう場合もある。カスタマイズ画面を見ていると、豊富なモジュールをどう育てて、どう組み込んでいくか、スキル強化も最適解はどこかなど、見るべきところが多い点はやり込むプレーヤーにとっては魅力の仕組みだが、初心者プレーヤーにとってはやはり厳しく感じる面もあるだろう。

 もちろん継承者に装着するモジュールの項目にあるような「おすすめモジュール装着」のように、ある程度簡単な操作でカスタムが行なえる初心者向けのアイディアも随所に見られるので、こうした要素がどこまで初心者フォローになるのかが今後の注目のポイントと言える。

 TPSアクションが好きな人や、色々なスキルを使ったアクションが楽しみたいといった人なら是非1度試してみる価値のある1本と言えるので、様々なスキル発動が大好きな筆者も7月2日のサービス開始が今から楽しみだ。

会場にはPS5版の試遊台も置かれていたので軽く触れてみたが、パッド利用であればPC版と遜色ない動きを体験できた
キャラクター自身のカスタマイズもモジュールを使う事で、スキル強化やステータスなど様々な項目が強化できる。正式リリースが待ち遠しい!