【特別企画】

「HELLDIVERS 2」、協力プレイでボイスチャットがとにかく盛り上がる!メディア先行体験会プレイレポート

【HELLDIVERS 2】

2月8日 発売予定

価格:
スタンダードエディション 4,480円
スーパー市民エディション 6,480円

 プレイステーション 5/Steam用協力アクションシューティング「HELLDIVERS 2(ヘルダイバー 2)」が2月8日に発売される。

 本作は、プレイヤーは故郷となるスーパーアースに安寧をもたらすため、エリート兵士「ヘルダイバー」として、さまざまな惑星に赴いてエイリアンたちと死闘を繰り広げる協力シューティングゲーム。4人での協力プレイに重きをおいたゲーム内容で、2人1組で使用する武器や、チームワークが必要になるミッション、息をつく暇がないほどの激しい戦闘など、フレンドとプレイして盛り上がられるゲーム性になっている。

 今回、その「HELLDIVERS 2」のメディア先行体験会が実施された。体験会にはゲームの開発元Arrowhead Game StudiosのCEO 兼クリエイティブディレクターを務めるヨハン・ピールステッド氏も来場。メディア合同で90分間にわたる協力プレイの試遊体験が行われ、最後に合同インタビューを実施するかたちとなった。

 本稿ではメディア先行体験会で感じられた、ゲームプレイの感触についてレポートをお届けしていく。なお、本稿のスクリーンショットについては、編集部でキャプチャしたものではなく、別途ソニー・インタラクティブエンタテインメントより提供してもらったスクリーンショットとなっている。

【『HELLDIVERS 2』 - ミッショントレーラー |PS5 &PC用ゲーム】

見下ろし視点から肩越し視点のTPS(サード・パーソン・シューティング)に進化

 本作は、2015年3月5日に発売されたSFシューティングゲーム「HELLDIVERS」の続編タイトルだ。前作ではフィールドマップとキャラクターを上から見下ろす視点のシューティングゲームだったが、今作からは新たに三人称視点のTPSに変化を遂げている。対応ハードがPS5になったことで美麗な映像表現に加えて、デュアルセンスのアダプティブトリガー(コントローラーのトリガーボタンに重みが加わる機能)による体験が高い没入感を実現。SFの世界ながら、より“戦場の空気感”を漂わす、ハードコアなシューティングゲームにパワーアップした。

 本作のクリエイティブディレクター・ヨハン氏によれば、TPSが苦手なプレイヤーでも、後述するシステム「戦略支援」を活かしたチームプレイが楽しめるようになっているとのこと。また、TPSになったことで敵エネミーの手足を狙った部位破壊要素が加わり、敵の動きに制限を課す戦略性が生まれた。それに付随して、戦闘中手足を破壊された敵の挙動や、グレネード、ミサイルといった爆破エフェクトなど、戦闘中の演出に対するディティールにもこだわっているという。

前作「HELLDIVERS」の視点
「HELLDIVERS 2」からは“TPS”となり、戦いの激しさをプレイヤー自身がダイレクトに体験できるようになった

 今回の試遊では、前作からの魅力である“最大4人の協力プレイ”を体験した。今作を実際にプレイしてみると、障害物の裏手にいる敵や、背後または上空から奇襲を仕掛けられたときの切迫感が、自キャラクターを見下ろしている視点よりは、TPSのほうが強く得られた。というのも、前作のような見下ろし型では、ゲーム内カメラが上から被写体を捉えている仕組み上、プレイヤーの認知できる視界範囲が広大だ。言ってしまえば、操作キャラクターの視点から見えないはずの敵の位置まで把握できるため、襲撃には備えやすい。

 しかし、TPSになったがためにプレイヤーは活動するフィールド内において「どの方角から敵が襲撃して来るのか?」を、常に考慮しながらミッションに臨まなければならない。地中から突然這い出てくるクリーチャーや、輸送機から続々と降下してくる機械の兵士など、目前に迫る敵だけに気を取られていると、思いがけない場所から攻撃をもらってしまう。

 また、ミッション行動中は天候の影響などもある。雨の中だと視界の悪さが目立ち、敵の接近に気づきにくくなる。気が付いた時には大量のザコ敵に囲まれていたりもしていて、ピンチに陥る場面があった。

 ほかにも暗闇の中では敵の視線から逃れやすくなる一方、こちらが出す“音”にも注意を払わねばならなくなる。銃声、爆発音を聞きつけると、たちまち敵は接近してくるので、行動の慎重さが求められてくる。自分の目と耳で周囲の索敵を行い、チーム内でその情報を共有し合う遊び方が実にスリリングで面白い。TPSになったことで得られた恩恵と言うべきなのか、自キャラクターに接近した視点が生み出す没入感ゆえの魅力だ。

 ヨハン氏はこういったシステマチックな要素を前作以上に広げていると語っている。氏へのインタビューでは「1人プレイでも楽しめるゲームなのか」という質問に対し、敵に見つからないようプレイするなど、プレイスタイルを考える必要はあるものの、そういった1人だからこそ得られるメリットを駆使することで、クリアできるものになっているとのことだ。実はヨハン氏自身もすでに幾つかの難易度はソロプレイで攻略済み。ゲームの発売後は、ソロプレイで全難易度を攻略するユーザーが出現するのに期待しているようだ。

ミッション攻略の要「戦略支援」は使いどころに要注意!

 ここで、おそまきながらあらためて「HELLDIVERS 2」のゲームシステムについて紹介しておきたい。今作では全プレイヤーたちが「銀河大戦」に参加して、エイリアンたちからスーパーアースを防衛するための勢力争いに臨むことになる。銀河大戦はリアルタイムで進行し続け、プレイヤーの戦績が反映されるかたちで勢力図が変化していく。その過程では特定の周期ごとにプレイヤーたちに対し新たなチャレンジが用意されたり、作中のストーリーが進行したりするという。そして、ゲームで攻略対象になる各惑星には「解放率」が設定され、プレイヤーがミッションを達成すると、惑星の解放に貢献できる仕組みだ。

 体験会の協力プレイは弊誌を含むメディア3社の記者陣と、今回試遊ガイドを担当していただいた、ソニー・インタラクティブエンタテインメント Studio Director, Product Developmentの稲垣健氏による4人プレイとなった。稲垣氏をチームリーダーとして、操作説明や基本システムのレクチャーを受けながら3つのミッションに挑んでいく。

 最初に挑戦したのは虫のようなクリーチャー「ターミニッド」の卵を破壊するミッションだった。ミッション行動中は手持ちの銃で敵を撃つ以外にも、武器切り替え、ダッシュ、しゃがみ、ほふく、緊急回避、近接攻撃といった基本アクションが行える。とりわけ重要になるのが、前項で軽く触れた「戦略支援」と呼ばれるシステムだ。戦略支援は死亡した味方のリスポーンから、弾薬補給、強力な武器の要請、上空からの支援爆撃に至るまで、ミッション出撃前に自分が選択した支援などを頼めるというもの。ただし、L1ボタンを押して出現した各支援に記載の“コマンド入力”を行うことで使用できる。

 この戦略支援が中々にクセもので、戦闘中に要請したい支援があれば指定されたコマンド通りに「十字キー」を高速で入力しなければならないのだ。おまけにコマンドを入力したからといって即座に支援が始まることはない。装備や補給要請であれば支援ポットの着陸するポイントを自分で決めてから、そこにマーカーを投げて一定時間は待機する必要がある。攻撃支援であれば、敵の密集箇所にマーカーを投げ入れ、攻撃が始まるまで時間稼ぎも考えなくてはいけないだろう。

 しかも支援ポッドや攻撃要請には自分自身に対する攻撃判定が備わっている。フレンドリーファイア要素も存在しており、味方の要請した支援爆撃が運悪く直撃して死亡するケースもざらだ。もちろん、味方への誤射と味方からの誤射も忘れてはならない。

 戦略支援はミッション攻略のキモであることに変わりはないが、チームないし自分自身への事故を誘発しかねないため、取り扱いには注意すべき要素でもある。特に戦闘で苦戦を強いられている最中、戦略支援を呼ぶための十字キーの高速入力はミスを多発しやすい。敵から逃げながら、だいぶもどかしい気持ちにさせられた。ちなみにこの戦略支援は前作にも登場している要素だ。

 1つ目のミッションは難易度も考慮されていたため、全ての卵を無事に破壊できた。ミッションの最終的なクリアは、目標を達成したのち最後の指定エリアに到達してから、脱出用のシャトルが到着するまでの時間を生き延び、離脱するまでだ。

 呼び出したシャトルに誰かが乗り遅れる……なんてことも起こり得る。その場合はミッションクリア後にチームメンバーと報酬のシェアができないとのことなので、なるべく先走らないようにしてあげたい。

ワイワイ盛り上がる協力プレイの秘訣は“手応えある難易度”?

 次に挑戦する2つ目のミッションでは、人型の機械兵士「オートマトン」が出現するものだった。オートマトンはターミニッドとは異なり、さまざまなメカを駆使して襲撃を重ねてくる。近接武器を手に突撃してくる敵、遠方から射撃してくる敵、大型歩行兵器の火力で制圧を試みる敵など、ターミニッドとは全く違った戦い方のため、かなり翻弄される事態に。戦闘中は適度に回復を挟まないと生き残ることも厳しい。なんとかフィールド内にあるオートマトンの工場を破壊し、最後は大型ミサイルを発射するための準備に取り掛かる。

 ミサイルの発射シーケンスは幾つかのフェーズに分かれているようで、戦略支援のようなコマンド入力、ミサイル発射台装置の起動、そしてミサイル発射完了まで敵の襲撃に耐え抜いていく。

 今作では武器の銃弾管理がややシビアに設計されている。オートマトンからの襲撃に耐え抜いている最中もだが、頻繁に主兵装の弾薬切れを起こしてしまい、肝心なところでハンドガン頼みになる瞬間が多かった。そのため、適度にフィールド内から補給したり、戦略支援を呼び出して武器を変更するなどしなければ、戦闘中に困る場面も多い。死亡した仲間の装備はその場に落ちるので、場合によってはそれらも上手く利用することが重要になりそうだ。

 ミサイルを発射すると、マップの遥か彼方で巨大な爆発を起こすのが見られた。画像で紹介できないのが残念ではあるが、爆発後に時間差で土煙を巻き上げてこちらまで爆風が届く演出はSF映画さながらで、思わず見入ってしまった。

 そして最後にチャレンジしたミッションは、ラストを締め括るに相応しい巨大ボスを倒すという内容のもの。主要な敵は1つ目のミッションと同じターミニッドなのだが、巣には“女王”とでも言えそうな巨大な個体「バイルタイタン」が出現するという。

 稲垣氏はこのミッションのために特殊な武器を用意して出撃してくれた。その武器はかつて、兵役経験のあったヨハン氏により発案されたもので、“2人1組で扱う”シューティングゲームにしては少し変わった特徴を持つ武器であった。使い方は1人が兵器を支えながら弾倉に充填するアシスタント役をこなし、もう1人が目標に狙いを付けて発射そのものを行うガンナー役に分かれる。

 戦闘中は人員が単純に1人減ることから、扱いはラクではないのだが、2人で使用する武器に見合った高火力兵器であり、チームが連携して活用できれば大きな切り札になり得るところだろう。ただ、ピーキーな兵器は往々にして使いこなすのが難しいもので、今回の試遊において、その真価を発揮する場面は訪れることがなかった。

 最後のミッションは難易度も前2つのものより高めで、みるみる死亡回数が増えていく事態に。戦略支援を用いて味方をリスポーンできる回数は20回あったが、肝心の巨大ボスが登場したころには残り数回まで下回り、すぐに復帰させることも難しい状況だったと記憶している。

 筆者は巨大ボスと対峙する余裕がなく、ひたすら追いかけてくる中型のターミニッド「チャージャー」を捌くので精いっぱいだった。そうした中、苦し紛れに投げ込んだ恐らく筆者の戦略支援の爆撃が巨大ボスに運よく直撃したことで、そのまま目標達成となる。あとは指定のエリアまで到達し、シャトルで脱出するだけなのだが、シャトルが到着するまで持ち堪えることができず、ゲームオーバーになってしまった。

 最後のミッションはあまりに大量の敵とギリギリの激しい戦いが続いたため、約20〜30分間のミッション中、ボイスチャットは笑いと悲鳴の耐えないプレイになっていた。あの僅かな時間だけは確かに、異星の戦場で背中を預け合う戦友(とも)であった。

 今作の難易度バランスについてはヨハン氏がインタビューの中で、仲間が側にいる心強さや、他の人と一緒にプレイしたくなるようにと、あえて手応えあるものに調整しているという。中でも協力プレイをしたくなる雰囲気をつくるのには苦労したと語っていた。

 実際、横の仲間が自分の撃ち漏らした敵を倒してくれるサポートは非常に助かるし、心強い。また先述したように、困難な局面ほどボイスチャットはワイワイ盛り上がるので、一筋縄にいかない難易度がコミニュケーションの楽しさに作用するのは納得できるポイントだ。事故で発生したフレンドリーファイアがときに笑いを巻き起こすことだって十分あり得る話だろう。

 ただ難しい訳でもなく、ミッションのクリアで得たポイントを使用して、新たな戦略支援を解放したり、武器を購入したり、自キャラクターをカスタマイズするアーマーの購入など、装備カスタマイズ要素もミッション攻略の足掛かりになる要素として用意されている。無論、自分の個性を強調した装備で遊んでもよし、だ。

 なお、ボイスチャットが苦手でもテキストによるチャット機能のほか、エモートを用いた簡易的なコミニュケーションが行える。1人でミッションに望んでいる最中、SOSを出せば、誰かが援軍としてミッションに途中参加してくれる機能まであるそうだ。

 試遊会の最後はインタビューを終えてからヨハン氏のフォトセッションに移ったが、せっかくなのでゲーム内の「お気に入りのエモート」を要望してみると快く引き受けてくれた。ヨハン氏がお気に入りとするエモートは、他のプレイヤーと抱き合うことができる、いわゆる「ハグ」。今作の開発期間中はコロナ禍という時期であり、当時気分の落ち込んでいた親友に直接出会うことができなくても、ゲーム内のハグエモートで間接的にコミニュケーションを取ったところ、相手が喜んでくれたと思い出話を語ってくれた。

 前作の登場から約9年近い月日が経ち、「HELLDIVERS 2」はTPSに変化を遂げた。しかし、SF映画のような世界観や惑星に根を張るエイリアンたちの猛攻、システム面では戦略支援に至るまで、前作からそのまま踏襲している部分も大きいのは間違いない事実だ。多くのゲーム作品が辿る流れから見て、システムが肉付けされていく正統派の進化というよりは、数作品登場した後の転換期に等しい変化具合でもあるだろう。

 前作を長く遊んできた既存ファンを考えると、これは一種のチャレンジングな試みだろうが、「HELLDIVERS」の魅力はかたちを変化させつつも、しっかり受け継がれているのではないかと思える。スーパーアースを守り抜くヘルダイバーの一員として、ぜひ大きくパワーアップを遂げた今作の世界に飛び込んでみてほしい。