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爽快、硬派、超骨太! トップビューのカジュアル“激ムズ”シューター!!
PS4/3/PS Vita「HELLDIVERS(ヘルダイバー)」インプレッション
(2015/3/10 19:10)
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、プレイステーション 4/3、PlayStation Vita向けシューティングゲーム「HELLDIVERS(ヘルダイバー)」を、3月5日に発売した。価格は2,160円。CEROレーティングはC(15才以上対象)。3月5日~4月29日まで期間限定でDLC「レンジャー装備パック」が付属する「HELLDIVERSリミテッドエディションパック」が同価格で発売される。
「HELLDIVERS」は、トップビューのシューティングゲーム。舞台は西暦2084年、宇宙に進出した人類は、さまざまなエイリアンの襲撃を受け、窮地に立たされていた。プレーヤーは精鋭特殊部隊「HELLDIVERS」の一員として、エイリアンたちと戦うことになる。敵対勢力となるエイリアンは、昆虫が進化した「ムシ」、人体改造で強化された「サイボーグ」、高い技術を持った「イルミネイト」の3種族。各勢力の母性を目指し侵攻することになるが、キャンペーンが進むほど難易度が上昇。各ミッションの難易度は新兵~ヘルダイブまで全12段階が用意されている。
本作は最大4人までのオンラインプレイが可能。PS4、PS3、PS Vita間のクロスプレイにも対応する。惑星ごとにいくつかのミッションがあり、内容はその都度“自動生成”される。ミッションはマップ上に白いアイコンで表示。降下地点を選んだら、そこから各ミッションをクリアしつつ母船へ戻るための離脱地点を目指す。離脱地点に到着したら、コマンド入力で救援を要請。救助船はすぐには到着せず、着陸する際はさらに注意が必要。というのも、救助船の真下または近くにいると「そこにいたお前が悪い」とばかり容赦なく押し潰されてしまう。また、滞在時間の10秒が過ぎると、たとえ誰かが残っていても即飛び立ってしまう。
本作最大の特徴は“難易度”。降下地点の選定から戦いは始まっており、重要地点に近いほど敵の攻撃が激しくなるため、ルート選定はとても重要。エイリアンたちとの戦いは、質量を伴った激しさもさることながら“フレンドリーファイア(自分の攻撃が味方にも当たる“同士討ち”設定。一般的なゲームではオン・オフが選べるが、本作はオフにできない)”がプレーヤーたちの緊張を煽る。近接攻撃をのぞき武器や戦略支援は数に限りがあるため、無尽蔵に沸いてくるエイリアンたちとダラダラ戦っている余裕はない。こうしたシビアさを乗り越えるための最大のポイントが、戦友たちとのチームワーク。常に極限状態だからこそ、互助精神がより尊く光り輝く。
余談ながら、フレンドリーファイアで味方を撃ちまくったり悪評を積み重ねていると、次第にそうした“荒くれ者”同士でしかマッチングされなくなるとのこと。戦友たちと協力してエイリアンに立ち向かうか、あるいは「知るかそんなもん」と無法の荒野を突き進むかはプレーヤー次第だ。
武器などの装備や支援アイテムは降下前に各自で設定。最初は基本装備しかないが、ランクや惑星クリアでアンロックされ、調査ポイントによるアップグレードで少しずつ強化できる。戦略支援も、支援要請で補給物資を投下させることが可能。ゲームを進めていくと間接攻撃、砲台、車両、ロボットなど多彩な支援が要請できるが、ここでも注意したいのが“フレンドリーファイア”要素。ビーコンで指定した投下ポイントの真下にいればコンテナに「グシャッ!」と押し潰されるし、間接攻撃などは言わずもがな。味方を巻き込まないよう、くれぐれも注意されたい。
現状メインのギャラクシーキャンペーンモードは、約1~2カ月サイクルで全世界のプレーヤーのミッション結果が反映するとのこと。DLCは、追加ミッション、カスタムスキン、装備・戦略物資、ボス戦などが予定されている。
ファーストインプレッション ~シビアなマルチプレイが猛烈に楽しい!~
仲間と結束して人類を勝利に導く……なんという甘美な響きか。PVを見てもわかるとおり、某SF映画などに多大な影響を受けている本作。モチーフになっているであろうアレコレはいずれも筆者お気に入りのエンターテイメント作品で、そういった世界観がカジュアルに楽しめるという点で「HELLDIVERS」の存在は非常に気になっていた。
クライアントとアップデータのダウンロード完了後、早速ゲーム開始。まずは、新兵として訓練施設に放り込まれチュートリアルをプレイするお約束の展開。武器の使い方、種類、ダッシュや伏せ、戦略支援など基本操作が学べるが、いずれも先々必須となる内容だけに「はいはい、こんなの実際やりながらでもOKっしょ」などとおろそかにしてはいけない。
チュートリアルで基本操作を身につけたら、拠点となるインディペンデンス号の艦橋ことロビーに移動。他プレーヤーのゲームに参加したいときは画面真下にある「マルチプレイ」まで移動して○ボタン。検索は、途中参加、勢力、難易度、リージョンなどのフィルタリング項目が用意されている。ラグが気になるタイプの作風ではないたね、レイテンシー重視のリージョンしばりはあまり気にしなくても良さそうだ。
通常こうしたマルチプレイタイトルは、プレーヤーごとに自キャラクターを中心とした範囲がモニターに表示されるものだが、本作はオンラインプレイにおいても“パーティ全体でほぼ同じ視界の画面を共有”する。誰かひとりが違う方向にいっても、全体ポジションを見てバランスよく表示エリアの限界が設定されるため、単独で突出するといった真似はできない。仮に4人それぞれが好き勝手に動き回れる仕様だと“迷子”が強烈なストレスになりかねず、これはゲーム展開を破綻させないための“唯一の優しさ”ともいえる。
肝心のミッション本編は、慣れない人ほど「最初はシングルで……」となりそうだが、プレイした印象としては「初っ端からオンラインマルチでいいかな」と思う。というのも、本作には「マルチ推奨だが、シングルプレイでも楽しめる」といった配慮が微塵もないからだ。どんな装備や人数でプレイしても難易度は一緒。シングルだから敵の数が少なめだったり、手数が緩くなるといったこともない。シングルプレイに対しては「やるのは勝手だけど、無駄に難しくなるだけで得することなんてひとつもないですよ?」といわんばかりで、ある意味とても清々しい。
シングルへの固執は相当ストイックな人向けで、よほどひねくれた人でもなければオン・オフを問わずマルチプレイが絶対的におすすめ。フレンドリーファイア仕様のため、お互いの装備や立ち回りを意識しないと即大惨事になるのだが、一方で息のあった戦い方ができるようになると、これがもう脳汁があふれでんばかりの絶頂カタルシスが得られる。無限かつ断続的に襲ってくるエイリアン群、足をとられ思うように動けない深雪や沼、妨害電波により戦略支援が使えないエリアなど、難敵、難所には事欠かない本作。ゆえに、助け合いの精神が“馴れ合い”などではなく“生き残るために当然のこと”として呼吸をするかのごとく自然に行なえる。この按配が、実にいい感じなのだ。
ぶっちゃけ下手の横好きレベルの筆者だが、それでも半日でなんとか難易度9(鬼畜)に挑戦してたま~にクリアできるくらいのところまでは(それこそゲーム中の瀕死状態よろしく)這いつくばってこられた。さすがに難易度12(ヘルダイブ)は開始直後に全滅を余儀なくされているが、全世界の“頼もしい戦友”たちがいるかぎり、決してあきらめはしない。お世辞にも万人向けとはいいがたい難易度とシステムだが、歯ごたえのあるアクションやシューティングを求めている人であれば必ずピン! とくるものがあるはず。低価格ということもあり、なるべく多くの人に触れていただきたい良作だ。
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