【特別企画】
「ユニコーンオーバーロード」序盤試遊レポート! ”刺さる人にはとことん刺さる”これぞゲーマーが求めていたSRPG!
2023年12月25日 18:00
- 【ユニコーンオーバーロード】
- 2024年3月8日 発売予定
- 価格:
- 通常版 8,778円(税込)
- 限定版 17,578円(税込)
- ダウンロード豪華版13,178円(税込)
アトラスは2024年3月8日、開発会社ヴァニラウェアならではの拘りが存分に詰め込まれたプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch用SRPG「ユニコーンオーバーロード」を発売する。
ヴァニラウェアと言えば「ドラゴンズクラウン」や「十三機兵防衛圏」など、様々な大人気タイトルを生み出した開発会社。ジャンルに囚われないゲーム作りをしながらも、そのジャンルが好きなゲーマーにぶっ刺さる完成度のタイトルを提供してくる事で有名だ。そんな中で今回の「ユニコーンオーバーロード」は、超王道の冒険譚を描いた「ファンタジーシミュレーションRPG」と銘打たれたSRPG。往年のSRPGの雰囲気や良さをしっかり継承しながらも、やり込み要素が高いバトルシステムやオンライン対戦等の対戦要素、さらにはヴァニラウェアならではのヌルヌル動く高精細なグラフィックで、重厚なストーリーを楽しめるタイトルとなっている。
今回の試遊プレイでは、本作の序盤を4時間近く体験できた。それでも「ゲームはまだここからなのに!」と感じさせるほどシステムが奥深く、また、ストーリーに惹き込まれる内容となっており、期待していたゲーマー好みの完成度となっていた。
今回はそんな本作をプレイして判明した部分や注目すべき点をレポートしていこうと思う。SRPGが大好きな筆者に試遊中何度も「こういうので良いんだよ!」と首を頷かせてしまったその魅力に迫っていこう。
ストーリーは”超王道”! 国を追われた王子による世界解放の冒険譚が描かれる
本作の物語は”超王道”と銘打たれている事もあって、近年では逆に珍しく感じるほどの王道ストーリーを楽しむことができる。
本作の物語は、5つの国家からなる「フェブリス大陸」を舞台に、その国家の1つ「コルニア王国」で発生した武将「ヴァルモア」の反乱から始まる。自身を旧帝国「ゼノイラ」の末裔と名乗る「ヴァルモア」は「コルニア王国」の女王「イレニア」をその手にかけコルニア王国を征圧。その後破竹の勢いで戦火を大陸全土にまで広げていき、やがて全ての国を征圧すると「新生ゼノイラ帝国」を興して独裁的な意向で世界を支配してまう。
そんな中、「コルニア王国」の反乱の際に「イレニア」の決死の抵抗によって窮地を逃れた幼い亡国の王子「アレイン」を主人公として本作は物語が紡がれる。「イレニア」の最期の命を受けた忠臣「ジョセフ」は反乱の際に「アレイン」を連れて逃亡に成功し、逃げおおせた「パレヴィア島」で「アレイン」に剣術や軍隊戦術を叩き込む。17歳の青年へと成長した「アレイン」は王国再興のため、そして独裁的な支配で苦しむ人々を救うために、「パレヴィア島」で出会った「スカーレット」や「レックス」等の仲間たちや全国で反旗を翻している人々によって結成された「解放軍」のリーダーとして大陸全土を開放していく戦いに身を投じていく事になるのだ。
国を追われた王子、その後徐々に増えていく同じ志の仲間達、主人公達よりちょっと強い忠臣ポジションのキャラクターと、「THE・SRPG」と言っても過言ではない要素がこれでもかと詰め込まれていて逆に新鮮な気持ちになる程だ。
物語の冒頭は「コルニア王国」が陥落して行く様がしっかり描写される事で「アレイン」への感情移入もバッチリできる。そんな主人公「アレイン」も王位継承者としての責任や困難に立ち向かう”強い”精神を持ち合わせるしっかりした青年なので非常に見ていて気持ちが良い。それでも共に育った「レックス」や「スカーレット」には年相応の可愛らしい反応を見せる事があったりなど、変なキャラ付けがない分しっかりと王道主人公をしてくれるため安心感が凄まじいのだ。
とはいえ解放軍として立ち上がった「アレイン」達に待ち受ける試練は最初から波乱万丈。序盤から、王道ストーリーながら驚かされる展開がかなり多かった。物語についてはネタバレとなるので多くを語れないが、”超王道”を語るに相応しい世界観構築やストーリーラインが丁寧に構築されながらも、ただそれだけでは終わらない意外性やプレイヤーを物語に惹き込む要素がストーリー中に多数確認できた事を声を大にして伝えたい。
どんな物語を紡ぐかはプレイヤー次第! 自由度の高すぎる攻略システム
本作で驚かされたのは攻略の自由度の高さだ。プレイヤーは広大な「フェブリス大陸」のMAPを自由に歩き回り、様々なアプローチで物語を進めることができる。
物語を進めるためにメインクエストをそのまま進める事もできれば、各地に点在している町やダンジョンに立ち寄る事で、様々なサブクエストに挑戦する事も可能だ。「新生ゼノイラ帝国」の圧制によって窮地に立たされている村や町の「復興」を手伝ったり、その際に必要なアイテムをフィールド内で収集したりなど、プレイヤーの思うがままにストーリーを歩める。
サブクエストでは解放軍の仲間になってくれるキャラクターが登場したり、世界観をより深堀するような骨太なストーリーが展開されることがあったりなど、非常に内容が濃いコンテンツが多かったのでやり応えは十分。探索を進めていると、明らかに現状の自分たちの力では太刀打ちできない場所が出てきてワクワクさせてくれたり、MAPを進むには特定の仲間の力が必要になったりなど、未知の世界を自分で開拓していく感覚が本作では味わえる。SRPGでこの手のゲーム体験を味わえるのは中々に珍しいだろう。
筆者は最初のメインストーリーを進めるまでにマップ探索とサブクエスト巡りだけで2時間は使ってしまったのだが、序盤からここまで豊富な攻略ルートの選択肢を提示してくるSRPGは中々にないと感じた。
またサブクエストへの導線も美しい。例えばメインストーリーで防御力が高すぎる強敵が登場し何度か全滅したのだが、その敵に有効な職種のキャラクターが存在する事が知らされ、そしてその職種のキャラクターが登場しそうなサブクエストをクリアするには、また別の職種のキャラクターが有効そうという情報を入手して……といった具合に、部隊を強化する様々な方法のヒントがしっかり各地に点在していた。その情報を元にまずどのクエストをクリアするのか、どんなアイテムやキャラクターが必要なのかを自分なりに考える事が非常に面白く、1本道ではない様々なルートでの攻略を可能としている本作らしい面白味になっていた。
やり込み度が異次元レベルのストラテジー要素!奥深すぎるバトルがやみつきになる!
本作で一番驚かされたのがSRPGならではのシミュレーションバトル部分だろう。基本的なシステムは王道ながらも独自要素がふんだんに盛り込まれている事でやり込み始めたら止まらないほど奥深いモノとなっていた。
本作では、ストーリー上戦闘が発生する場面で「戦場(ステージ)」が発生し、その「戦場」を勝利する事がゲームのメイン部分となっている。「戦場」の勝利条件は様々で、相手群の拠点を落として征圧するオーソドックスなモノから、特定の位置までキャラクターを到達させるなどSRPGらしい攻略要素が揃っていた印象だ。
また、戦場に出撃するキャラクターは1人1人が動いて戦うのではなく、「部隊」と呼ばれる1~5名で編成された1つのパーティーで動くというのも本作の大きな特徴。「部隊」は横3列、縦2列の中で自由に味方キャラクターを設置でき、配置した場所や組み合わせによって様々な相乗効果が生まれる作りとなっている。
その為、今作ではキャラクター1人1人のステータスや強さよりも、実際に盤上を進む事になる1つの「部隊」のステータスや能力が重要となり、「部隊編成」の際にその「部隊」がどのような役割を持っているのか、どんな活躍ができるか等を想定してキャラクターを組み合わせる楽しさが存在するのだ。
そんな中で本作の大きな特徴となっているのが「時間制限」の概念だろう。
本作では敵・味方が順番に動くターン制ではなく、部隊の進行や操作等がリアルタイムで行われていくシステムが採用されており、特定の時間内に勝利条件を達成できないと「戦場(ステージ)」をクリアできない仕様となっている。ターン制でないため「部隊」の進軍も進軍方向を指示して進ませる形式であり、常に変化し続ける戦場を見極めて方向転換や向かう先等を考える必要がある。
いつでも時間を止めてゆっくり考える事が可能なのだが、部隊が増えてくると、どこに進軍させるか管理する必要が出てきたり、進軍スピードの違いや各部隊のパワーバランス、相手部隊と戦闘できる回数を示した「スタミナ」等、多くに意識を向ける必要があるので、どこまでマルチタスクができるか指揮官としての能力が試されるだろう。筆者はチュートリアル的なステージでも、3~4個の味方部隊を同時に管理するだけでも相当てんやわんやしていたので、この部隊指揮のゲームシステムは非常にやり応えのある要素だと強く感じられた。
さらに本作のシミュレーション部分を熱くさせてくれるのが「Brave」を使用した「戦場」での様々なアクションだ。この采配がプレイヤーの一番の手腕の見せ所と言っても過言ではない。
「Brave」は、敵部隊と抗戦して撃破したり、「戦場」で敵に征圧されていた村や場所を開放する事で溜まっていく。「Brave」を消費すると、自分の「拠点」から追加で「部隊」を戦場に呼び出したり、各「部隊」に存在するキャラクターのスキルを使用したりできるのだ。本作には「時間制限」の概念があるため、無駄な行動の1つ1つが重く響いてくる。「Brave」を無駄に消費する事は当然できない。素早く「部隊」を大量展開して一気に攻め込むか、自分の「拠点」が襲われたときのためにある程度「Brave」をキープしておくか、味方「部隊」が全滅しないように回復スキルを使うか、敵部隊を倒しきるために攻撃スキルでダメージを与えるか等々…多くの選択肢をプレイヤーに提示してくれるのだ。
他にも近くにいる味方部隊と「戦闘」を入れ替える事ができる「チェンジ」システムや、「弓兵」の「部隊」リーダーが近くにいる際に追加攻撃を行う「アシスト射撃」などのスキル、「戦場」に存在する「高台」などの兵器を活用するギミックなども用意されている。フィールド内で発生するアクションは書ききれないほど多種多様だ。
「部隊編成」の采配と合わせて今回まだ序盤しかプレイできてないのに既に自分の指揮の”下手くそさ”を痛感させられた。プレイヤーの腕が反映されるカスタマイズ性の高いシステムが構築されており、プレイ中は次はどうすれば良いのか、逆にどんな作戦や編成が正解だったのか、等を常に考えさせてくれる奥深いゲーム性を秘めていた。