【特別企画】
「ユニコーンオーバーロード」序盤試遊レポート! ”刺さる人にはとことん刺さる”これぞゲーマーが求めていたSRPG!
2023年12月25日 18:00
戦闘も戦略的! 自動戦闘ながら「作戦」が重要なシステム
そしてお待ちかねの「戦闘(バトル)」要素だ!「戦場(ステージ)」上で進軍している両軍の部隊が接触すると「戦闘」に突入し、部隊のキャラクター全員でぶつかり合うド派手で超戦略的な戦いが始まる。
今作のバトルは開始すると自動で進行する形となっており、キャラクター達は行動順速度が早い順に「AP」を消費する事で発動する「アクティブスキル」で相手を攻撃したり、特定の条件が達成された時に「PP」を消費して自動で発動するスキル「パッシブスキル」を活用して戦いを進める。両部隊のメンバー全員の「AP」がなくなる、または片方の部隊のキャラクターが全滅する事で1回のバトルが終了し、バトルで与えた総合ダメージの大きい部隊が”勝利”という扱いになる。
ここで面白いのが、1回の戦闘でどちらかが全滅しなくても勝敗の概念が存在する事。敗北してしまった部隊は一定時間「戦場」で動けなくなり、かつ敵部隊に「戦闘」を仕掛けられると一方的に先制攻撃を受ける危険な「ウェイト状態」になってしまう。
プレイヤー目線ではこれを利用して、相手部隊を「ウェイト状態」にさせつつ徐々に各個撃破していくのが基本となる。逆に味方が「戦闘」で敗北してしまうと自分も「ウェイト状態」になるため、リカバリングも非常に重要となってくるのだ。もし部隊が孤立していた場合は、リアルタイムで進む戦況の中で救援部隊を送る必要があったり、ステージクリアのためにある程度見捨てる選択肢を取らざるを得なかったり等、毎秒選択肢を突き付けてくる。
部隊のキャラクターが全滅した場合、その部隊は「撤退」となって「拠点」に戻り、しばらく再出撃はできないだけでなく、「Brave」を消費しないと再び「戦場」に呼び出す事もできない。ここでも「時間制限」のゲーム性が強く働いて、コストパフォーマンスに見合う采配をしないとクリアできないような難易度に仕上がっている。ちなみに本作は部隊が全滅したとしても2度とキャラクターを使用できなくなる「ロスト」は発生しないのでその点は安心だ。
加えてこの戦闘システムが難しいかつ面白いポイントとなっている。今回プレイした範囲では部隊に存在するキャラクターが最大で3人と少なかったので、初心者でもあまり深く考えずに「編成」できていたが、5人フルメンバーの部隊を効率よく「編成」するところに本作のやりこみ要素が集約されるように感じた。
純粋に「戦闘」の際にアクションの人手が増える事で強くなるのは間違いないのだが、この部隊では誰がどの順番で「アクティブスキル」を発動するか、何をされた際に誰の「パッシブスキル」が発動するのか、前衛と後衛の配置的にどのタイプの敵の攻撃が危険なのか等、各「部隊」ごとの特徴をある程度理解しておく必要がある。それとなく「この部隊は防御力の高い敵に強い」や「この部隊は騎馬兵が多いから移動スピードが早い代わりに少し脆い」などのようなイメージで部隊を編成することも可能だが、極めれば極めるほど「部隊」への理解度が「戦場」へ大きく響く難易度となっていたので、遊び応えが凄まじいだろう。
これだけでも十分プレイヤーに求められているスキルは高いのだが、本作ではさらにこのバトルシステムの”沼”に引きずり落とすシステムが存在する。それが各キャラクター毎に設定できる「作戦」だ。
本作のバトルは先述した通り、始まってしまえばプレイヤーが介入できる要素は殆どなく、部隊によって決められた行動を順々に処理していく形が基本だ。この際どのキャラクターがどの敵に攻撃するか等も自動で決められてしまうのだが、この「作戦」を駆使する事でキャラクターの「戦闘」における行動指針をある程度固める事ができる。
例えば防御力の高い重装系の敵に有効な魔法攻撃ができるキャラクターに「重装系の敵を優先」の作戦を指示する事で有利に戦闘を進めることができたり、逆に防御力の高い重装系キャラクターが持つ味方を庇ってくれる「パッシブスキル」に「HPが低い味方を優先」の作戦を指示しておく事で「部隊」内のキャラクター生存率を高められたりなど、自動戦闘でありながらプレイヤーが介入できる余地が十分に用意されているのだ。
そして末恐ろしいのは、これを各キャラクターの各スキル毎に設定でき、それを「部隊」に存在する5人分で組み合わせられるという事だ。
自分の手腕でコントロールして完璧な「部隊」を生み出す事ができたら気持ち良いだろうし、挑戦する「戦場」やボスに合わせてしっかりと対策を練られた「部隊」と「作戦」を生み出せれば圧倒的な強さを見せつけられるかもしれない。組み合わせや戦略を考えれば考えるほど自分がしっかり有利になるシミュレーションゲームの面白さの真髄をしっかりと本作で堪能できるだろう。
難易度は3段階! 初心者から上級者までやり応えあり
ただ安心してほしいのが、決してSRPG初心者お断りの作品ではないという点だ。本作には「CASUAL」、「TACTICAL」、「EXPERT」の3種類の難易度が用意されている。
この中で最も簡単な難易度である「CASUAL」に関しては「作戦」を上手く使いこなせなくてもクリアできるレベルに調整されているとの事だ。SRPG初心者で不安なプレイヤーや、物語をサクサク見たいというプレイヤーに向けた施策はしっかりとされている。とは言え筆者の体感では、「CASUAL」で普通のゲームの「Normal」位の難易度だったように感じている。
今回筆者はSRPG経験者ということもあり、基本「TACTICAL」でプレイしていたのだが、部隊が敗れる場面も多かったため、「TACTICAL」以上はきっちりと「編成」をして出撃をする必要がある印象だ。それだけ本作がやり応えのある作品という事でもあるので、歴戦のSRPGプレイヤーは本作を楽しめるだろう。
さらに本作では、自分の「部隊」を使った「オンライン対戦」要素まで用意されているから驚きだ。こんなに複雑かつ繊細な育成と設定が可能な作品で他プレイヤーとバトルができてしまうのである!
その際は「作戦」によって勝敗が分かれるほど重要な要素となるため、育成と合わせて多くの時間本作を楽しむことができそうだ。まだその詳細は公開されていないが、流行りのキャラクターや部隊傾向を読んで有利なキャラクターを育成したり、メタに合わせた「作戦」を考えたりできそうでとんでもないやり込み要素となってしまうのではと期待が止まらない。
今回序盤しかプレイできなかったにも関わらず、ここまで奥深く歯ごたえのあるゲーム体験ができたので、製品版でどのような冒険が待ち受けているのか非常に楽しみだ。総勢60名を超える味方キャラクター、圧倒的グラフィックとアニメーションで描かれるストーリーなど、RPG部分だけ見ても一級品な中でここまで拘りぬかれたゲームシステムを作り上げた事には驚きしかない。1990年代のSRPG黄金期の作風をベースとしながら、オリジナリティのある意欲的な新要素がアクセントとして多数加えられてゲームとしての完成度が高い事が予想される本作。気になる人はぜひ今後の情報も追ってみてはいかがだろうか。
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