【特別企画】
「プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠」先行体験レポート
メトロイドヴァニアとして高い完成度! 独自のアクションギミックがクセに
2023年12月13日 02:00
- 【プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠】
- 2024年1月18日 発売予定
- 価格︓6,600円
ユービーアイソフトは2024年1月18日、長い歴史を持つアクションアドベンチャー作品「プリンス・オブ・ペルシャ」シリーズの最新作となるPC/プレイステーション 5/4/Xbox Series X|S/Xbox One用アクションアドベンチャーゲーム「プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠(Prince of Persia: The Lost Crown)」の発売を予定している。
本作は所謂「メトロイドヴァニア」系の作品となり、広大な2Dマップを探索しながら、自由でテンポの良い、爽快感マックスなバトルアクションやキャラクタービルドを楽しむことができる。探索の中で入手できるスキルの中には「時間」を操れるギミックが存在するなど、既存のシリーズ作品を彷彿とさせる要素が散りばめられている点も注目されている。
総合して、爽快感の強いアクション性と「メトロイドヴァニア」らしい歯ごたえのある難易度に期待が寄せられている作品だ。今回はそんな本作の序盤を試遊できたので、ご紹介していきたいと思う。
独自のタッチで描かれる重厚な神話世界!
本作の物語は、神なども登場する神秘的なペルシャを舞台とした独自の世界観で展開される。主人公の「サルゴン」は戦いのスペシャリストが集った精鋭部隊「不死隊」の若き戦士であり、まだまだ粗削りな部分がありながらもポテンシャルの高さで仲間や王族たちに実力を認められている存在だ。
そんな「サルゴン」を操作してプレーヤーは誘拐された王子「ガッサン」の救出のために神聖ながらも呪われている「カーフ山」のダンジョンを冒険する事となるのだ。神々の存在すらも絡んで展開されるストーリーは、神秘的ながらも王道ファンタジーとして非常に見応えがあり、ダンジョン内では若者らしい強気な性格の「サルゴン」と、それを導くように手助けしてくれる「不死隊」のメンバーとの絡みで悦に浸れたり、「ガッサン王子」を誘拐した「アナヒータ」と呼ばれる女性は「サルゴン」の実は師匠にあたるキャラクターだったり、短い試遊時間の中でもドラマを感じるキャラクター関係を見ることができた。
この神秘的なストーリーと世界観を表現するにあたって、グラフィックスやムービーなど様々な表現技法で物語を盛り上げてくれているのもポイントだろう。基本的にストーリーはキャラクター同士の会話形式で進行していくのだが、間に挟まる力の入ったアクションムービーや紙芝居形式のストーリーテラーなど、本作の世界観に合わせた見せ方が随所でこだわりぬかれている。
プレーヤーが攻略するダンジョンでも背景やビジュアル面での世界観構築が良く、美しいのにどこか不気味さを感じる神秘的な自然風景や、オーバーテクノロジーや不思議な力で未来感のある風景が現われたりなど、”人知を超えた神秘さ”をベースに多種多様な景色を見せてくれた。この雰囲気は、刺さる人にはとことん刺さると思われる。
コンボ・カウンター・スキル攻撃にのめり込む! 独自に進化したアクション
本作の戦闘システムは、誰でも楽しめるシンプルなアクションの中に、しっかりとやり込める要素を入れた丁度良いバランスとなっている。
「メトロイドヴァニア」として基本的なアクションである移動・ダッシュ・ジャンプ・攻撃などは直感的で操作しやすく、それでいて最近のゲームらしい全体的に動きがスピーディーなイメージだ。
通常の攻撃アクションは、連続で入力する事で両手剣によるコンボ攻撃になり、さらにコンボ中に方向キーを入れる事で空中への打ち上げや地面への叩きつけ等にアクションを変化できる。また、途中でボタンを長押し入力することで相手のガードを崩す攻撃ができるなど、多種多様な攻撃方法が用意されているのが特徴的。「サルゴン」の華麗な剣技でアクロバティックに敵をバッサバッサと切り崩して進んでいく爽快感が堪らないのだ。
基本的な攻撃以外にも、「サルゴン」は様々なバトルアクションを駆使して戦う事ができる。例えば途中で入手できる「弓」(矢の数の制限あり)で遠距離攻撃が可能になり、空中にいる敵や距離を取りたい敵と有利に戦う事が可能だ。通常攻撃のコンボによって敵を吹っ飛ばした後の追撃なんかに使ってもオシャレだろう。
さらにバトルアクションで重要となるのが「アスラ」を用いた必殺技「アスラ神技」だ。「アスラ」は所謂必殺技ゲージのようなもので、敵と攻防を繰り広げる事で溜まっていき、ゲージを消費する事で状況を一変させる必殺技「アスラ神技」を放つことができる。純粋に威力の高い突進攻撃や衝撃波を繰り出す攻撃系の技もあれば、自身のHPやステータスを強化するサポート寄りな技までバリエーション豊かに用意されており、プレーヤーはその中から2つまでを選んでダンジョンに挑む事ができる。
今回の試遊版では追加武器は「弓」のみ「アスラ神業」は攻撃2種とサポート系1種の3つだけを確認できたが、これだけでも十分にアクションとしての選択肢が多く楽しむことができた。敵の大群が押し寄せた時に通常攻撃だけで応戦して「弓」を温存するか、遠距離から「弓」で攻撃をして安全に体力を温存するか、「アスラ神技」で一気に片付けるか……など、思考を巡らせながら爽快感のあるバトルを楽しめた。
製品版ではさらにプレーヤーを悩ませる武器や「アスラ神技」、全く系統の異なる「スキル」が登場する事が予想できるので、アクションゲームとしての面白さにより期待が増す一方である。
さらにバトルアクションで特に筆者を夢中にさせたのが「受け流し」と「返り討ち」のシステムだ。俗に言う「ジャストカウンター」や「パリィ」に近いカウンター攻撃を可能とするシステムで、相手の攻撃に合わせて特定のタイミングでボタン入力すると、攻撃を「受け流し」た上で相手を隙だらけ状態にする事ができる。
さらに相手の攻撃の中には、敵が黄色く光るものもある。威力が高い代わりに隙の大きい攻撃で、黄色く光ったタイミングで「受け流し」に成功すると、カッコいい演出が入るカウンター攻撃「返り討ち」を発動させる事もできる。
現代のアクションゲームではもはや必要不可欠になりつつあるカウンター要素を本作でもしっかり楽しめるのは嬉しいポイントで、成功するとカッコいいし戦闘が有利になる反面、タイミングを間違えた際に自分が大ダメージ+隙だらけの状態になってしまうデメリットも抱えているので、純粋に避けるか「受け流す」かというシンプルながらも面白い駆け引きを楽しめるだろう。
良バランスの謎解きや行き止まり記録要素など、探索が楽しい!
そして「メトロイドヴァニア」といえば広大なダンジョンの探索要素だが、本作でも謎解きやキャラクターの成長によって探索範囲が徐々に広がって行く「メトロイドヴァニア」らしい面白さの片鱗を味わう事ができた。
謎解きは、華麗にアクションを決め、その先にあるギミックを動かすものから、純粋に頭を使ってギミックを解除するタイプまで多種多様に用意されていた印象だ。
特に独自性を感じた謎解きギミックはブーメランの様に扱える「弓」を用いたギミック。今作の「弓」は射るだけでなくぶん投げる事で手元に戻るチャクラムのような道具としても扱う事ができる。これを特定の場所に上手く投げ入れる事でギミックを作動できる箇所が用意されているのだ。
投げる際の軌跡の角度やバランス調整、手元に呼び戻してギミックを解除させるタイミングが重要だったりなど、しっかり頭を使いつつ、きっちりアクションでも合わせていく必要があったりする。この頭と体を両方で謎を解いていく感覚が、非常に心地よかった。
ストーリーを進めるごとに入手できる「スキル」によって探索範囲がどんどん広がって行くのも「メトロイドヴァニア」の面白さの1つ。今回の試遊では、最初のボス「ジャハンダル」を討伐した際に空中ダッシュを可能とする「シムルグの猛攻」を入手でき、これだけでも一気にアクション性が進化して面白味が増した。
空中ダッシュが加わるだけだが、まず移動スピードが段違いに上がるし、足場のない場所を渡れるだけでなく、高所の壁にダッシュすれば壁ジャンプで一気に駆け上がれるようになるなど、より多くの場所へのアクセスが可能となった。
これがあまりに快適で、一度慣れると空中ダッシュがない頃を想像できないレベルでアクションが楽しくなった。製品版ではさらに多くの移動スキルが開拓され、ダンジョンの奥地を探索しつくす面白味をより一掃味わえる事だろう。
他にも「メトロイドヴァニア」を遊ぶ上でプレーヤーが快適かつしっかり面白味を感じ取れるような作り込みが随所に散見できた。例えば、現状のスキルだとまだ進めない場所を写真として記録しておける「記憶のかけら」や、「サルゴン」のアクションの復習や応用を「不死隊」メンバーの「アルタバン」から教えて貰える「チャレンジの間」と「訓練の間」などもある。こちらは「メトロイドヴァニア」やアクションゲームをそんなに遊んだ事がないプレーヤーにとっては非常にありがたい存在だろう。
実際に筆者は、この2つを利用していなかったら気付けてないアクションやマップ上のルートが幾つもあったので身を持ってそのありがたみを実感している。本作をしっかり遊びこめるような基礎的な部分の導線は完備されているので、初めてメトロイドヴァニアを遊ぶという場合でも問題なく遊ぶことができるだろう。
ビルド要素もシンプルながらプレーヤー毎に色が出る作りになっている。上記の「アスラ神技」などのほかに重要なのは「アクセサリー」で、スロットに当てはめることで「サルゴン」に様々な付随効果やバフ効果を付与できる。
アクセサリーはストーリー中や探索中に入手できる他、ダンジョン内の特定の「安息地」(チェックポイント)に現われる不思議な行商人「マギ」や鍛冶の女神「カヘヴェ」などのNPCからアイテムと一緒に購入する事ができる。
購入の際に必要なポイントはダンジョン内の敵を倒したりオブジェクトを破壊する事で少しずつ溜める事ができるが、アイテムポーチの容量を増やしたり「サルゴン」の装備を強化する際にも必要になるため無駄遣いはできない。他にも不思議な少女「ファリバ」からエリアのマップを購入したり、サブイベントで消費する事があったりなどポイントの使い道は多岐にわたるため、自身のビルドと合わせてプレーヤーの色が出た冒険を行えるようになっている。
「メトロイドヴァニア」として十分に楽しめる歯ごたえ!実際のプレイで感じた面白ポイントを紹介
最後に実際に今回の試遊版をプレイして判明した面白ポイントを簡単に取り上げたい。
まず「メトロイドヴァニア」としての難易度は、筆者としては”程よい”という印象だ。ザコ戦でも油断したり囲まれたりすると全然ゲームオーバーになる可能性がある位の難易度でありながら、アクションの爽快感を損なわない絶妙なバランスが保たれている。
アクションに慣れているプレーヤーでも全然死ぬ可能性がありつつ、それでいて初心者が難しすぎて詰んでしまうといった事がなさそうな調整は簡単にできるモノではない。実際今回の試遊でも、アクションゲームが下手な部類の筆者は想定されているプレイ時間ギリギリで最後まで行く事ができたのだが、同じ日に試遊していた別メディアの上手いプレーヤーは、筆者よりも早い時間でクリアしていながら難しい部分では何度かゲームオーバーになっていた。ゲーマーでもやり応えを感じられつつ、初心者でも何度も挑戦したくなる塩梅になっていて、そこがとても印象的だった。
ボス戦のギミックやアクション性も非常に優れていると感じた。今回戦う事ができたボスは最初のボスである「ジャハンダル」だったのだが、最初のボスながらも攻撃はしっかり苛烈かつ高威力で、しっかり「受け流し」を駆使して隙を突くように攻撃しないと倒されてしまう。
直前で入手した「弓」でしっかりダメージを稼いだり、毒攻撃を駆使してくる事からアイテムショップで毒耐性を付与するアクセサリーを購入するなど、ボスに挑む上でプレーヤーが試行錯誤ができるポイントが多かったのも嬉しいポイントだ。
慣れてくると相手の攻撃をほとんど「受け流し」できるようになって、戦い方がスタイリッシュに進化していくのを実感する事ができるのも面白く、「アスラ神技」の使い所など、戦いの中で選択を迫られる場面が多かったのも非常に楽しかった。
結果的に筆者は討伐までに20~30分リトライする事になったが、最初のボスでここまで熱い勝負ができるのなら、この先のボスにも期待できるだろう。
試遊のラストでは「ガッサン王子」を誘拐した「アナヒータ」の元へついに直接辿り着く所まではプレイできたのだが、何やら一筋縄では行かない不穏な空気で物語が進んでいき、詳細は言わないが怒涛の展開があってガッツリ本作の世界に惹き込まれてしまった。世界観構築やストーリー性などについても十分に期待できる完成度だったと言えるので、こちらも製品版が楽しみだ。
あくまで序盤のプレイではあったが、全体的に「メトロイドヴァニア」としての完成度が非常に高く、中でもスピーディーでアクロバティックなアクションには光る物を強く感じる作品となっていた。
それでいて絶妙なバランスで爽快感とやり応えを両立させている作品でもあったため、ある種人を選びがちな「メトロイドヴァニア」というジャンルの中では多くのプレーヤーが楽しめるような作りになっていたと感じている。気になる人は是非購入を検討してみてはいかがだろうか。
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