【特別企画】

「Left 4 Dead 2」発売から14周年! ゾンビの大群が襲い来る名作COOPゾンビシューティング

【Left 4 Dead 2】

2009年11月17日 発売

 Valveが開発したアクションホラーシューティングゲーム「Left 4 Dead 2」(以下、L4D2)。このゲームは4人のプレイヤーで協力しながら、襲い掛かってくるゾンビの大軍を倒し、最終的にそのキャンペーンの脱出を目指すゲームとなっている。

 ルール自体はシンプルながら、キャンペーン内に配置される敵やアイテムは基本的にランダム。誰とプレイするかも含め、遊ぶたびに新たなドラマが生まれるのが魅力のゲームだ。販売から10年以上経った今も配信者による実況が行われるなど、人気の絶えない名作となっている。

 筆者にとっても非常に思い入れのあるゲームで、Steamで初めて遊んだのがこの「L4D2」だ。今でもふとした時に遊んだり、毎年年末には学生時代の友人たちと「L4D2」をプレイするという変わった文化で、長い間楽しませ続けてもらっている。

 本稿では11月17日に14周年を迎える本作について、改めてプレイしながらその魅力を語らせて頂きたい。

【L4D2 Teaser】

仲間との協力が鍵となる爽快シューティングゲーム

 このゲームは、基本的に絶えず現れるゾンビを倒しながらキャンペーンと呼ばれるステージを進んでいくシューティングゲームだ。ゆっくり歩いてくるゾンビとは違い、ダッシュで近づいてくるうえに、1体2体ではなく数十体のゾンビが一斉に襲いかかってくるのが特徴となっている。

 難易度Normalでは銃撃や近接武器でサクサク倒しながら進んでいくことができるが、難易度が上がればゾンビ1体1体の攻撃も恐怖に。静かな場面でバッと驚かせるホラーゲームではなく、圧倒的な物量でパニックを誘うゲームだ。

 キャンペーン中にはラッシュイベントも発生。何かの装置を起動した音や、脱出直前の耐久など、何かあればゾンビが大量に集まってくる。ショットガンやグレネードランチャーでゾンビをなぎ倒しながら進むのはかなり爽快だ。

キャンペーンの最初には2種類の銃が置いてある。プレイヤーは最初にどちらかの武器を選び、道中で手に入る銃と持ち替えながらクリアを目指していく
アラームが鳴り響く中、正面から来るゾンビの大軍を蹴散らして目的地へと向かわなければいけない場面。爆弾なども使い敵を吹き飛ばしながら前へと進んでいく

 そんな爽快感の中に、さらなる緊張感を与えてくるのが特殊感染者の存在。彼らは通常感染者に比べてHPが高く、何発か攻撃を与えないと倒すことができない。また、プレイヤーにゲロをかけることでゾンビを呼び寄せるBoomerや、酸を吐き出しプレイヤーがダメージを食らうエリアを生み出すSpitterなど、それぞれが固有の能力を所持している。

 中でもHunter、Charger、Smoker、Jockeyの4体はプレイヤーを行動不能にする攻撃を持っており、一度捕まってしまうと自力で脱出するのは不可能になる厄介な存在だ。

Hunterに襲われると誰かに助けてもらうまで行動不能となる。筆者のように他のプレイヤーから先行した状況で襲われないように注意したい

 特殊感染者に仲間が捕まった時は即座に撃破したり、仲間を殴って特殊感染者を引きはがすといった協力が必要不可欠となる。ゾンビの大群に襲われながらも助けを求めている仲間を救ったり、救われたりと、ボイスチャットをつなぎながらの協力プレイが面白い。

いつの間にか姿が見えないプレイヤーが……という時は捕まっていないか後ろを振り返ってみよう

 さらに特殊感染者の中には、別格の強さを持つTankというボスキャラが存在する。難易度Normalでも、体力は他の特殊感染者の約10倍。攻撃力も3~4発食らえば倒されてしまううえ(最高難易度では1発)、執拗にプレイヤーを追いかけるため迅速な対処が求められる相手だ。

 このため火炎瓶などで燃焼ダメージを与えたり、仲間がやられると誰かが気を引いている間に蘇生したりと、Tank戦ではプレイヤー同士のチームワークが最も必要となる。

 Tankはフィナーレと呼ばれるキャンペーンの最後でも往々にして立ち塞がるため、チャプター次第では倒すべきか逃げ切るべきかの咄嗟の選択を迫られるのも面白い。

画面中央から登ってきているのがTank。一撃が重く、岩を投げる遠距離攻撃も行ってくるため、常に視界に収めながら戦いたい

やりこみ要素と遊び心を兼ね備えた実績にも注目

 このゲームは繰り返し遊ぶ楽しさもあるのだが、その中でぜひ注目してもらいたいのが実績要素だ。

 なんと「L4D2」には101種の実績が存在する。「○○のキャンペーンをクリアする」といったシンプルなものもあれば、「ある特殊感染者を倒さずにチャプターをクリアする」といった内容を知らなければクリアできないもの、さらには「近接武器のみを使ってTankを倒す」といった、内容を知っていても「そんなの無理では!?」といったものも存在する。

前述したTankを近接武器のみで倒すという実績「Tankバーガー」。筆者はたまたまドアに詰まったTankをタコ殴りにしてクリアした記憶がある

 実績関連外せないのは、「ダーク・カーニバル」という遊園地を元にしたキャンペーン。このキャンペーンは道中にミニゲームが存在したり、ジェットコースターを使ったギミックが存在したりと遊び心がある。そのミニゲームを使った実績など、このキャンペーンでしか達成できない実績も複数存在する。長年一緒に遊んでいる友人ですら知らなかった実績もあったので、一度実績を眺めて見るのもいいかもしれない。

「ゴングを強く鳴らせ」という実績は、回復アイテムのアドレナリンを使用して、パンチングマシーンに近接攻撃を行うとクリアできる。なおクリア時には爆音が発生し、ゾンビが集まってくる仕様だ

 そしてこのキャンペーン中の実績で最も楽しいのが、途中のミニゲームで手に入るノームをチャプターの最後まで運ぶというものだ。ノームを運んでいるときは武器もアイテムも使えなくなってしまうので荷物でしかないのだが、筆者はこのキャンペーンを遊ぶ時、可愛らしくて友人と必ずノームを運んでしまう。もちろん全員が実績を達成済みでもだ。そこにノームがあるなら運ばねば無作法だろう(そんなことは全くない)。

ダーク・カーニバル内で遊べるミニゲーム。高得点のボーナスがつく敵や、撃つことで減点対象となる敵もおり、ミニゲームながら凝った作りとなっている
ミニゲームで750点を取れば、ノームの人形を獲得可能に。運ぶ意味は実績以外にない。だが楽しい

既存のキャンペーン以外にも楽しめる要素が多数

 今回は基本モードであるキャンペーンを紹介したが、「L4D2」の魅力はそれだけにとどまらない。

 例えば、対戦モード。対戦モードでは、生存者側と感染者側のチームに別れて、1つのキャンペーンをプレイしていく。チャプターごとに生存者側と感染者側を交互にプレイし、生存者側は通常通りチャプターのクリアを目指し、感染者側はその生存者たちを妨害してなるべく早く全滅させるのが目的だ。

 特に面白いのが感染者側で、この感染者側では先ほど紹介した特殊感染者の操作が可能。どこから攻撃を仕掛ければ長い間生存者を行動不能にできるかなど、生存者とは違った視点が求められる。

 他のチームメイトと力を合わせ、敵プレイヤーをまとめて行動不能にできたときの達成感は格別だ。

対戦モードでは感染者側もプレイ可能。意思疎通ができないNPCを狙ったり、一方通行のところで出遅れたプレイヤーを狙ったりといった作戦もアリだ

 また、「L4D2」を語る上でもう一つ言及しておきたいのがワークショップだ。

 ワークショップ内では有志で作られたアドオンを追加することができ、キャラクターや敵の見た目を変えるものから、オリジナルのキャンペーンまでダウンロードすることができる。

 つまり元から遊べるキャンペーンを遊びつくしても、有志で作られたキャンペーンで無限に遊び続けることができるのだ。

 筆者もこのワークショップのキャンペーンを遊んで来た身。どこか見覚えのある日本の風景を元にしたものから、武器も敵も全く違う見た目に変化するものなど、非常に多くのアドオンが存在するため、こちらもぜひチェックしてみてほしい。

ワークショップには非常に多くのアドオンが並んでいる。面倒な操作なく、サブスクライブボタンを押すだけでダウンロードできるのも魅力だ

ハードルが低く手を出しやすい名作

 また、今となっては「L4D2」の魅力のひとつとしてその入手のしやすさがある。「L4 D2」は現在1,200円でSteamで販売。この時点で、昨今のゲームの中ではかなり安価なのだが、なんと定期的に行われるセール時には200円台で購入できてしまうのだ。

 ひとまずで買っておくのはもちろん、周りにSteamユーザーの友人がいれば一緒に遊ぶ用で気軽にプレゼントできる価格である。

 このゲームは一緒に遊ぶ仲間が多いほど面白いので、思い当たる友人が居るならぜひ贈ってみてほしい。

「L4D2」は非常に安価。約59万人のレビューが圧倒的に向上となっている点にも注目したい

 もっとも、一緒に遊ぶ知り合いが必須なわけではない。NPCと共に進むシングルプレイヤーモードも用意されているし、オンラインを開けば今なお「L4D2」を楽しんでいる世界各国のプレイヤーと遊ぶことができる。

 14周年の今でもこれだけのプレイヤーがいるのだから、その人気が伺えるだろう。

14年経った今でも多くのプレイヤーがオンラインでプレイ中。難易度もNormalから一番上のExpertまで様々だ

 もしかしたらその安さに「その分ボリュームも少ないのでは?」と思う方もいるかもしれないが、そんなことは全くない。上述したワークショップもあれば、ゲーム単体でも14種類のキャンペーン(ステージ)が用意されており、1つ1つが1時間は楽しめる代物だ。

 加えて敵の出現場所やアイテムの設置場所が固定ではなく、キャンペーンを遊ぶ毎に毎回変わる。何度も繰り返し楽しむことが可能で、その度に違ったドラマが生まれる。

 ちなみに筆者は現状で220時間以上プレイ済み。これで最高難易度などはまだクリアしていないので、プレイヤーの中ではライト勢に含まれるだろう。

キャンペーンは14種類存在。「ラスト・スタンド」発売から11年経過した2020年のアップデートで追加されたものだ

 「L4D2」は非常に安価でありながら、ワークショップなどの存在もあり無限に遊べるゲームだ。要求スペックなどから考えても、遊ぶためのハードルがかなり低いゲームとなっているため、プレイしたことがない人はぜひ触ってみてほしい。

□「Left 4 Dead 2」のSteamページ