Xbox 360/PCゲームレビュー

銃とチェーンソーの準備はOK? さあ行こう!
前作を遥かに超えるスケールの大ゾンビ祭り

「Left 4 Dead 2」

  • ジャンル:FPS
  • 発売元:エレクトロニック・アーツ/ズー/Valve Software
  • 開発元:Valve Software
  • 価格:7,665円(Xbox 360版)
       7,329円(PCパッケージ版)
       49.99ドル(PCダウンロード版)
  • プラットフォーム:Xbox 360 / Windows XP/Vista/7
  • 発売日:11月19日(発売中)
  • プレイ人数:1~8人
  • レーティング:CERO:Z(18歳以上対象)

今最も“旬”なゾンビを楽しもう

 FPSファンお待ちかねの「Left 4 Dead 2(レフト 4 デッド 2)」がXbox 360、Windows PCの各プラットフォーム向けにリリースされた。エレクトロニック・アーツが販売するXbox 360版、ズーが販売するPCパッケージ版、および開発元のValveが、Steamを通じて販売しているPCダウンロード版はいずれも日本語対応しており、同等の内容が収録されている。

 本作は昨年11月に発売された「Left 4 Dead」の後継作品。大量のゾンビが迫りくる危険地帯を4人の生存者が助け合いながら脱出していくという、協力プレイの面白さにすべてを掛けたFPSだ。4人の生存者チームと4人の特殊感染者チームで対戦するVSモードなど様々な対戦型ゲームモードも備えており、FPSファンが求める遊びを幅広くカバーするというのも特徴だ。

 それにしても、前作の発売からわずか1年で「2」がリリースされるというのは、FPS作品では珍しい。そのため本作「Left 4 Dead 2」は、当初は多くのファンから「拡張パック程度の内容になるのでは?」とも心配されていた。だが、非常にうれしいことに、実際にリリースされた本作は、考えうる限りで最高の後継作品に仕上がっている。

 大幅にスケールアップしたゲームステージや、新ゲームモード、プレイの幅を広げる数々の新規要素。様々なフィーチャーが絡み合い、前作「Left 4 Dead」で提供された協力プレイの面白さにさらなる濃厚な味付けが施されている。すべてのゲームファンを熱狂の渦に巻き込むパワーをもった作品だ。誰もが期待した以上の“ゾンビ祭り”が開幕する。



■ 前作から何が変わった? 何もかもが変わった!

新たな4人による新たな戦い。アメリカ南部の都市でゾンビ祭りが開幕する
全6種のゲームモードを搭載。遊びつくすのは何カ月先になるだろう?

 本作「Left 4 Dead 2(以下『L4D2』)」の舞台はアメリカ南部の都市。町は謎のウィルスによって凶暴なゾンビ=感染者となった人々で溢れかえり、正気を保っている人間はほとんどいない。そんな危険地帯に、ウィルスへの免疫を持つ4人の「生存者」がいる。まとめ役のコーチ、毒舌家のニック、紅一点のロシェル、お調子者のエリスだ。偶然出会ったばかりの彼らは武器を手にし、無数のゾンビを吹き飛ばしながら安全地帯への脱出を目指す。

 そんな設定の本作の基本ルールは、前作「L4D」と同じくシンプルだ。プレーヤーは生存者のひとりとなって他のメンバーと協力し、危険地帯を抜けて「セーフルーム」に到達することができればステージクリア。その道中で大量のゾンビとの避けられない戦いが待っているというわけだ。

 また本作には前作と同じく、ひとりでプレイする「シングルプレーヤーモード」、オンラインで協力プレイをする「キャンペーンモード」、生存者と特殊感染者で対決する「バーサスモード」といったゲームモードを備えている。このほか、前作ではアップデートで実装された「サバイバルモード」や、「スカベンジャー」、「リアリズム」という新ゲームモードもあって、遊びの種類がとても豊富だ。

 新モードについては本稿の後半で詳しくご紹介するとして、ここではゲームシステムに加えられた新規要素についてご紹介しよう。色々な意味でスケールアップした本作では、前作「L4D」でやりたくてもやれなかったアイディアをごっそり実現したかのような、面白いゲーム要素がてんこ盛りだ。


・3種の新たな特殊感染者。従来の特殊感染者もさらに厄介に成長

チャージャーにつかまれて「肉が柔らかく」(実績の名前)されているところ。どちらかが死ぬまで離してくれない
スピッターの酸で、倒れた味方を起こそうとする生存者を妨害
名騎手ジョッキー。生存者を好きな方向に連れまわせる

 プレーヤーの戦いを大いに盛り上げてくれる、危険なボスゾンビ=特殊感染者達。「L4D」シリーズの魅力は彼らの存在が握っていると言っても過言ではないが、本作では前作で登場した5種の特殊感染者に加え、新たに3種のユニークな特殊感染者が登場する。

 パワー型の特殊感染者「チャージャー」は、異様に発達した右腕を突き出して突撃=チャージし、生存者を最大25メートルも押し飛ばしてから掴み、地面にたたきつけるという能力を持つ。「ハンター」とは違い、チャージャーは死ぬまでターゲットを離さない。また、チャージ中にターゲット以外の生存者に接触すると、接触者を吹き飛ばしてダメージを与えるという特性もあるため、生存者が密集しているところに突っ込めばチームを全滅させかねない威力があるのだ。

 醜悪な女性の姿をした「スピッター」の異名は“キャンプ殺し”。口から強力な酸を飛ばし、周囲をダメージ地帯にしてしまうという能力を持つ。このせいで、前作では生存者の日常風景だった「狭い部屋に固まって、殴りを連打して急場をしのぐ」という戦術が非常に危険なものとなってしまった。あたりを酸の海にされて全員がダメージを受け、回避の対応が遅れれば一挙全滅もありえるという凶悪さだ。

 背の曲がった小男の姿をした「ジョッキー」は、従来の「スモーカー」並みに戦略的な役割を持つ特殊感染者だ。生存者の頭に飛び乗って自由に動かせるという能力があり、チームメンバーから孤立させたり、スピッターの酸液に突入させたり、あるいは足場の悪い場所から叩き落すということができる。体力が少ないため迎撃されれば脆いが、一瞬の隙を突くことで生存者全員にピンチをもたらせる存在だ。

 従来の特殊感染者にも変化がある。機能の変化ではなく、AIの変化だ。「タンク」はダウンさせた相手をひたすら殴り続けるということがなくなり、まだ動いている生存者にすばやくターゲットを切り替えるようになった。これによりタンクへの対応はさらに難しいものになっている。そして前作でも恐ろしい存在だった「ウィッチ」。暗がりで座りこみ泣いているだけだった彼女は、本作では立ってウロウロしているのである。といってもその修正は昼間のステージ限定で、夜間のステージでは前作同様に座って泣いているので、どうやらもともとこういう習性だったらしい……。


賢くなったタンク、ウロウロするウィッチ、そして大量のザコゾンビ。「L4D2」の世界は危険だらけだ。ステージによっては複数のタンクのウィッチが同時に出現するポイントもあるので、どんな凄腕のプレーヤーでも1度は絶望を味わうことになりそう



・プレイの幅を広げる新アイテム。あの伝説の武器も登場!

近接武器は目の前のゾンビを一撃でなぎ倒せる威力。死体のグロさも増して一石二鳥(?)だ
Valveファンならおなじみ、伝説の武器

 特殊感染者がさらに厄介になった分、生存者側にも強力なアイテムが用意されている。ぜひ注目したいのは、前作ではハンドガン専用だった武器スロットに格納される数々の「近接武器」だ。バット、フライパン、マチェット、斧、日本刀、様々な武器が用意されており、攻撃力は非常に強力。一振りで目の前のザコゾンビをまとめて両断し、特殊感染者のほとんども一撃で葬るほどだ。

 近接武器の極めつけは、まれに手に入る「チェーンソー」。燃料制限があるため無限に使えないというデメリットがあるものの、攻撃ボタンを押し続けている限り、前方にいるどんな敵も一瞬で肉片に変えてしまう。あのウィッチですら即死という威力である。さらに、Valveのヒーローである某物理学者が愛用するあの伝説の武器も登場。ブンブンと振り回せば「そういえばアレの続編なかなか出ないな………」と複雑な気分を味わえる。

 とはいえ接近戦しかできない近接武器では、ブーマーやスモーカー対策など色々な場面で不都合もある。ステージによっては遠距離からゾンビを減らせるハンドガンが役に立つというわけだが、こちらにも「マグナム」という強力な武器が追加されており、サブウェポンとは思えない凄まじい威力を楽しめる。一撃でゾンビの腹に大穴が開く勢いだ。

 このほか、メイン武器に火炎や炸裂の威力を与える特殊弾薬や、武器の命中精度を高める「レーザーサイト」など、武器まわりで楽しめる要素が満載だ。投擲武器として使える「ブーマーの胆汁」を使えば、タンクにゾンビを群がらせて足止めすることも可能。新規の回復アイテムである「AED」は、死亡した仲間をその場で復活させることができる。これにより前作とは違った戦術が可能になるだろう。


近接武器でばったばったとゾンビをなぎ倒す。タフなチャージャーですら、バットの一振りで倒せるほどだ。ダイナミックな血みどろプレイが好きなプレーヤーにはたまらないかも?

「ブーマーの胆汁」をボスゾンビにぶつけて、ザコゾンビをこちらの戦力にしてしまおう。もちろん、パイプボムや火炎瓶といった前作からの投擲武器も登場する

もちろん、メインウェポンも新たなバリエーションが登場する。アサルトライフルのAK-47は連射が遅いかわりに1発の打撃力があり、弾薬が長持ちするのが良いところ。SPASオートショットガンは従来のタクティカルショットガンよりも連射が速く、タンク対策に最適だ。グレネードランチャーを使えば多数のゾンビを1発で撃退できる



■ 新たな4人の脱出劇を描く、ボリュームたっぷりの5エピソード。驚くような仕掛けも満載!

5つのエピソードはどれも個性的。まずはソロプレイで散歩してみよう
ダーク・ローラーコースター。長大なコースをゾンビを掻き分けながら駆け抜ける

 ゲームシステムがグレードアップした事と同時に、ステージ構成にも前作からの大きな違いを見ることができる。本作には4~5ステージづつで構成される一連の「エピソード」が5種類搭載されており、総ステージ数は23。各ステージは全体的に前作のものよりも大規模化しており、様々な面白い仕掛けが施されている。

 その中でも特に面白いのが、第2のエピソードである「ダーク・カーニバル」だ。ゾンビまみれになった遊園地を舞台とする4つのステージには、射的、もぐらたたきなど、様々な遊具が存在するのだが、それらの遊具は実際に動作し、遊ぶことができるのだ。必死にゾンビラッシュに対応するチームメイトを横目に、射的ゲームでハイスコアを目指してみるのも悪くない。

 各ステージのクライマックスを演出する「クレシェンド・イベント」の出来もいい。「ダーク・カーニバル」第2面のクレシェンドでは、回転木馬を稼動させて通路を開くというイベントでは、電子音のかわいらしい音楽を聞きながらゾンビの群れを掻き分けることになる。第3面では長大なローラーコースターのコース上をひた走り、足を1歩踏み外せば即ピンチ。スモーカーやジョッキーの攻撃が恐ろしい。まさに遊園地ならではの展開である。

 そして劇的なフィナーレは夜のコンサート会場。生存者の4人は救援のヘリを呼ぶために、目印となるようにコンサート設備を稼動させ、ゾンビ相手(?)にロックコンサートを行なうのだが、その演出が非常に本格的なのだ。会場には爆音で音楽が鳴り響き、ステージ前面に配置された筒からは派手な花火が噴き出す。ステージ上に置かれたギターを武器として振り回せば、気分はロックスター! だ。


遊園地には面白おかしい遊具がいっぱいだ。そこでゾンビの群れがプレーヤーを殺しにかかってくるものだから、余計面白い
「ダーク・カーニバル」のフィナーレを飾る、ダーク・コンサート! ステージ前面から飛び散る花火はザコゾンビを焼き殺すという防壁にもなる。数曲のメドレーをこなしたらヘリに乗って脱出だ



コーラの箱を抱えてゾンビを殴る! 殴る!
クルマに燃料を集めるフィナーレ。モール内はかなり広く、燃料タンクが分散して置かれているので大変だ
「ハード・レイン」往路の大嵐。AIディレクターのさじ加減で視界が悪くなるという天候システムだ

 他のエピソードでも、前作では見られなかったような仕掛けを楽しむことができる。特に、前作のクレシェンドイベントやフィナーレは「スイッチを押して、ゾンビラッシュを一定時間耐える」という仕掛けばかりだったが、本作ではプレーヤーらが能動的に何らかのミッションをこなすタイプのイベントが増えているのが特徴だ。

 たとえば第1のエピソード「デッド・センター」の第2ステージ。ここでは密室に立てこもる武器屋のオヤジのために、近くのスーパーからコーラを奪取してくるというミッションを与えられる。スーパーの入り口を開けたら警報装置が鳴り響いて、ゾンビラッシュの始まりだ。

 プレーヤーはコーラを運ぶために手がふさがり、殴り以外の攻撃ができなくなるので、他のメンバーがしっかり援護して、オヤジの立てこもる部屋を目指さなければならない。しかも、目的を達するまで、ゾンビラッシュは永久に続くため、キャンプ戦術は意味がない。突破力が問われるのだ。

 また、「デッド・センター」のフィナーレでは、本作の新ルールである「スカベンジャー」の仕組みが使われている。モール内に展示されているストックカーを動かすために、周辺に配置されている燃料タンクを運んできて、車の燃料タンクに注ぎ続ける。規定量の燃料を集めきればステージクリアとなる。

 だが、そのためには3階層もある広大なモール内を駆け巡り、効率的に燃料タンクを掻き集める必要がある。もちろん、ミッションを達成するまでゾンビラッシュはやまない。あわてて足元を撃とうものなら、集めた燃料タンクに引火してそれまでの努力がパアになったりもするので、冷静沈着かつ効率的なプレイが要求される。

 第4のエピソード「ハード・レイン」もユニークな構成だ。このエピソード全体で、「燃料を確保して戻ってくる」と言う構成になっており、1面、2面で通過する場所を、3面、4面で再び通ることになるのだ。このとき、拾ったアイテム類はすべてそのまま記録されているので、行きでアイテムを使いすぎると、帰りで苦労するというハメになる(しかも帰りは大嵐になり歩きにくく、視界も悪い)。ステージを越えた戦略性が必要になるという点が、このエピソード最大の見所と言っていいだろう。

 と言った感じで、本作に搭載されている5つのエピソードはどれも個性的。ひとまずシングルプレイモードで全体をプレイするだけでも、かなりのボリュームを感じることができるだろう。


比較的明るいステージの多い「デッド・センター」。第1のエピソードということもあり、本作で導入された様々な仕掛けの一端を楽しめる構成になっている

沼地が延々と続いて気が滅入りそうなエピソード「スワンプ・フィーバー」。このステージにのみ登場するマッドマンというレア通常感染者は、常に姿勢を低くしながら迫ってくるので射撃を当てにくい。沼では歩くのも遅くなりゾンビに絡まれやすくなるので、チームの誰かが近接武器を装備しておくとよいだろう

最後のエピソードとなる「ザ・パリッシュ」。下町的な都市環境をひたすら進んでいくステージとなり、マップ構造が複雑で迷いやすい。このエピソードのフィナーレは他にないタイプのもので、初めてのプレイでは相当キツいチャレンジになるだろう



■ ラウンド制でスコアを競う! 新ゲームモード「スカベンジャー」

規定時間内にいくつの燃料を装置に注ぎ込めるかが勝負だ
燃料はマップ中の各所に分散配置されている
せっかく集めた燃料タンクを燃やしてしまう。射撃方向や火炎瓶の使用に注意しよう

 さて、本作で新たに追加されたゲームモードについて紹介しよう。そのひとつである「スカベンジャー」は、4人対4人で対戦するチームゲームだ。とはいっても通常の対戦モードとは全く異なるルールになっている。

 ゲームのフィールドとなるのは特定の閉鎖空間。「デッド・センター」のフィナーレのように、燃料タンクを集めて装置に注ぐことが目的だ。規定量を注ぎきるか、タイムアップするか、生存者チームが全滅すればラウンド終了。装置に注いだ燃料タンクの数がチームスコアとなり、即座に攻守交替してスコアを競うというルールだ。

 対する感染者チームは、装置に燃料を注がれるのを必死に妨害するのがこのルールでの役割。生存者チームは効率よく燃料を集めるために分散したがるので、スモーカー、ジョッキー、チャージャー、ハンターといった敵を拘束できる能力を使い、うまい連携で各生存者を孤立させてやろう。

 

 酸の海を作れるスピッターの役割も重要だ。燃料集めの中心となる装置の周辺にタイミングよく酸を撒き散らし、燃料を注がれるのを阻止。また、ゾンビラッシュを起こせるブーマーが良い仕事をすれば、あわてた生存者が足元に集めた燃料タンクに弾丸を当ててしまい、周囲が大炎上するという笑えるシチュエーションを作り出せる。

 このルールでは1ラウンドマッチ、3ラウンドマッチ、5ラウンドマッチのいずれかを選ぶことができる。1ラウンドに要する時間は3~6分程度なので、1時間以上もかかる通常の対戦モードをプレイする時間がないときなど、サックリとプレイできるのが良いところだ。


ラウンドの制限時間は、装置に燃料を注ぐたびに少しづつ追加される。もし制限時間切れになってしまっても、生存者のうち誰かが燃料タンクを手に持っていれば延長戦だ。そこで燃料を落としてしまうと即ラウンド終了となるので、なんとかしてがんばろう

方々から燃料を集め、装置に注ぐというのが基本ルール。効率的に燃料を集めるためには2人づつ別れて行動するほうが良い。感染者チームがそこを突くことができれば、生存者の一挙全滅も狙える



■ スゴ腕プレーヤーもこれで安心? “無理ゲー”極まる「リアリズム」モード

ゾンビを効率よく倒すにはヘッドショットが必要。胴体を狙ってもなかなか死なない
ほとんどの場合、ダウン=即死となる。マップを探索してAEDを見つけよう

 もうひとつの新ゲームモードは「リアリズム」。超上級者向けのチャレンジとして用意されたマルチプレイ専用のゲームモードだ。基本としては通常の協力プレイモードと同じルールなのだが、いくつかの点でゲームクリアが非常に困難な設定となっているのが最大の特徴だ。

 まず、このモードでは通常のザコゾンビが非常にタフだ。体や手足に弾丸を命中させても5~10発程度は耐えるという始末で、一撃で始末するにはヘッドショットが必要。的確な射撃をしなければ、ゾンビラッシュの圧力に押し負けてしまうのだ。さらにこのモードでは、フィールド上に落ちているアイテムのシルエットが相当近づかなければ表示されないため、常に注意深く周囲を探索しなければ、パイプボムのひとつも手に入らない。

 その上で「リアリズム」のリアルぶりに拍車をかけているのは、特殊感染者の攻撃を受けてダウンした場合、即死扱いになるということだ。ウィッチの攻撃を受ければ体力満タンでも一撃で死亡する。しかも、通常モードとは異なって、死者がクローゼットから復活するという救済措置も存在しない。死んだプレーヤーが復活するには今回新たに追加された蘇生アイテム「AED(自動体外式除細動器)」が必須なのである。

 「リアリズム」をプレイする際には、ザコゾンビの1匹づつを確実にヘッドショットでしとめつつ、マップをくまなく探索して「AED」を確実に拾い、すべての特殊感染者による攻撃に最大限の注意を払う。マップのどこにどんなアイテムが配置される可能性があるか、すべて知り尽くしてからでないと、序盤のステージすらクリアすることがむずかしいだろう。

 通常の協力プレイで難易度「Expert」もこなせるようになったら、この「リアリズム」モードに挑戦してみてほしい。より強いゾンビを前にして、チームメイトとの連携の重要性を再確認できるはずだ。


「リアリズム」モードでも難易度選択は可能で、EASY、NORMALあたりの難易度であれば最後のステージまで進むことができた。しかしADVANCED、EXPERT難易度では最初の面すらクリアできる気がしないという有様。ゲームに慣れてからまたプレイしてみたい



■ Xbox 360版とPC版。一緒にプレイする仲間が多いプラットフォームで楽しもう

「実績」は全50種類。両プラットフォームでほぼ同じものが用意されている

 基本となる協力プレイモードに、バーサスモード、サバイバルモード、スカベンジャーモード、そしてリアリズムモード。前作「L4D」も数百時間は全く飽きずにプレイできる内容を持っていたが、本作はそれ以上だ。内容の質とボリュームを総合的に評価して、本作は事前の期待を超えるほどの「続編」に仕上がっているといえる。前作を楽しめたユーザーならマストバイのタイトルだ。

 最後に、プラットフォームによる違いに言及しておこう。本作にはXbox 360用とWindows PC用の2バージョンが用意されているが、グラフィックスを含むゲーム内容としてはどちらもほぼ同じである。ただし、コントローラーとマウスという操作入力デバイスの違いから、若干プレーヤー側が有利なPC版のほうが出現するゾンビ数が多めに設定されているようだ。そのためハードコアにプレイしたいならPCで、という印象がある。とはいえ、それが選択基準になるかというとそこまでの影響力はなく、最終的には「フレンドの多い方で」という選び方で間違いないと思う。

 いずれにしても本作はランダムマッチングで他人とプレイするよりも、気心の知れた友人とチームを組んでプレイするほうが圧倒的に楽しい。チーム内で声を掛け合って、笑ったり、罵倒したり、ワイワイガヤガヤと楽しむのが「L4D」最大の醍醐味なのである。


【スクリーンショット】

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