【特別企画】

ド派手なアクションファンタジー漫画「ドリフターズ」はコミックス第1巻発売から本日で13周年!

古今東西の英雄達が異世界に集結して大合戦!

【「ドリフターズ」コミックス1巻】

2010年7月7日 発売

 少年画報社の漫画雑誌ヤングキングコミックスにて連載中のマンガ「ドリフターズ」は、コミックス1巻が発売された2010年7月7日より本日で13周年を迎える。

 「ドリフターズ」は漫画家の平野耕太氏による古今東西あらゆる歴史上の英雄達が登場するアクション系歴史ファンタジー漫画。2009年より月刊少年漫画雑誌「ヤングキングアワーズ」にて連載開始後、今も尚連載が続く人気漫画だ。(※2023年現在は作者の都合により休載中)

 物語は、西暦1600年関ヶ原の戦いの最中、島津家の武将島津豊久が戦いの退き口から、謎の人物「紫」によってエルフやドワーフ、ドラゴンなどが存在する異世界へ飛ばされてしまうところから始まる。

 そこでの志半ばで散ってしまった英雄「漂流者(ドリフターズ)」、憎しみと共に散った英雄「廃棄物(エンズ)」、英雄達が飛ばされた異世界の住人達との国盗り合戦を描いたストーリーだ。実在した英雄達が夢のような組み合わせで、派手でハイテンションなバトルが繰り広げるので、歴史の知識がない人はもちろん、歴史を知っている人には更に読み応えのある作品となっている。

【DRIFTERS放送開始PV】

 ちなみに2015年3月にアニメ化も発表され、2016年10月よりTOKYO MXをはじめ、作中登場するキャラクターにゆかりのある地域でも放送された。また、2017年には本作の主人公「島津豊久」のゆかりの地鹿児島県「仙巌園」をはじめ、東京都や宮崎県(佐土原市)にて原画展も開催されるなど、原作人気の高さが伺える。

 平野耕太氏といえば代表作に吸血鬼を題材にした「ヘルシング」(1997年より2018年にかけて「ヤングキングアワーズ」にて連載)もあるが、そちらとは打って変わって、歴史上の馴染みのある登場人物たちが登場しストーリーもサクサク展開していくのであまり人を選ばず物語に入りやすい作品ではないかと思う。

 昨今、こういった実在した英雄達が登場するバトル漫画やアニメはよく見られるが、その中でも特にジャンキーな雰囲気がある。歴史上の人物の濃密なバックボーンと作中のキャラクター設定や時に異常とも言える「侍」の表現に平野耕太氏の独特な作画が見事マッチしており、数ある作品の中でも突出する理由の一つではないかと筆者は思う。今回はそんな「ドリフターズ」の魅力を個性豊かなキャラクターの史実も交えつつお届けしたい。

物語を盛り上げる個性の色濃いキャラクター達。

 ストーリーを盛り上げるのはなんといっても個性の色濃い実在した英雄達。

 侍や兵士、ローマの戦士や錬金術師まで時代や国を超えて様々なキャラクターが登場する。平野耕太氏の迫力ある作画と、史実に基づきつつも誇張された設定やセリフは時にコミカルながらも、凄みと同時にその時代に生きていた人間の本質すら垣間見ることができるのも面白い。ここでは一部ではあるが、物語に登場するキャラクー達を紹介しよう。

【漂流者(ドリフターズ)】

紫(漂流物を異世界へ送り込んでいる人物)
 異世界に漂流者を送り込んでいるメガネをかけて腕カバーをつけた事務員のような男性。

 デスクに座って漂流者と廃棄物の動向が自動的に記述される新聞のようなものを読んでいる。人に対して愛を持っており、人を駒としか見ていない「Easy」とはかなり不仲である。

島津豊久
 本作の主人公。戦国最強と言われていた島津家の武将。ごりごりの薩摩弁を使用する30歳。

 西暦1600年の関ヶ原の戦いの最中、異世界へ召喚される。戦をするために生まれてきたと言っても過言ではないくらい戦の才能がある。妖怪「首置いてけ」とも言われており、生粋の侍故に敵将の首へのこだわりが強い。

島津豊久

織田信長
 戦国時代「第六天魔王」を自称し天下布武を目指し戦った戦国大名。年齢50歳だが、49歳の時本能寺の変の最中、異世界へ召喚。

 戦術家で右目の眼帯と無精髭が特徴。破天荒で悪ふざけもするが、本来は冷徹な策略家。軍事面における洞察力・想像力に長けており「漂流者とは技術の渡来者であり、思考の差異者である」事をいち早く認識している。明智光秀とは元の世界からの因縁がある。

織田信長

那須与一
 源氏に仕えた平安時代の武将。「与一」とは、十あまる一、つまり十一男の意味。

 作中の年齢は19歳。エルフ族に「ゲンジバンザイ」と言わせる等シュールでコミカルな一面があるが、実際は史実通り弓の達人で立派な武人。史実で語られているような性格とは違って食えない性格で、戦いを楽しむ戦闘狂な一面もある。

 女と見紛うばかりの美少年で、ヒロインのようなポジションだ。本人曰く11人の兄弟の中では一番ブサイクらしい。源義経とは因縁がある。

那須与一

菅野直
 大日本帝国海軍のエースパイロットで階級は大尉。

 口が悪く、時に操縦桿や機体を特に乱暴に扱う程破天荒な性格。1945年8月1日のB-24爆撃機編隊迎撃の際に異世界に召喚されたとみられる。不時着した山岳森林地帯で犬族や猫族を従えて王のように振る舞っている。山口多聞とは共に日の本を背負って戦った同士。

菅野直

十月機関(オクト)

安倍晴明
 平安時代の有名な陰陽師。作中では「漂流者(ドリフターズ)」たちを監視・集め、「廃棄者(エンズ)」達と戦わせる魔導士結社「十月機関(オクト)」を統率する存在。

 実年齢は83歳でかなり高齢である。常識人で豊久達武士の思考は理解できない。戦闘や科学は専門外で漂流者達に頼むことも多い。

安倍晴明

オルミーヌ
 「十月機関」の構成員でコードネームはセム。メガネとツインテールが特徴。

 主に豊久・信長・与一と行動を共にしており、織田信長には様々なニックネームをつけられがち。まだ未熟な導師で札から石の壁を出す符術くらいしかできないが、安倍晴明は「『石の壁』の符術だけは当世一」と評している。

廃棄物(エンズ)

Easy (廃棄物を異世界へ送り込んでいる人物)
 廃棄物を召喚している黒髪ワンピースの女性で、紫からは「継戦器」と呼ばれている。

 廃棄物達を「駒」だと思っており、紫とは仲が悪く暴言を吐きに来ることもある。紫は新聞で動向をチェックしているが、Easyはパソコンで動向を確認している。子供のような性格で、気に入らない事態になるとヒステリックに暴れる。

黒王(???)
 ズタズタのローブを纏い廃棄物やモンスターを指揮する黒王軍の指揮者。

 能力は生命の増幅で触れるだけで自軍の兵達を治癒させることができる。人ならざる者たちを対等に扱い、彼らからも敬われている。顔が見えず正体は不明。

土方歳三
 幕末の志士新撰組副長。廃棄物として黒王軍についているが、戦そのものにしか興味がない。史実で最期を迎えた箱館戦争の際の洋装姿をしており、普段は寡黙で口を開かない。霧状の新撰組隊士の幻影で敵を囲み切り付ける戦法だがその中に近藤勇や沖田総司は呼び出せないらしい。

 そのほかにもジャンヌダルクやジルドレ、ラスプーチンやアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァといった人物たちが廃棄物(エンズ)サイドに存在する。

3つの勢力が国を獲り合う壮大なストーリー

1~6巻までの大まかなストーリー

 西暦1600年関ヶ原の戦いの末、退路を断たれた島津豊久。

 突如謎の男「紫」により、瀕死状態のまま異世界へ飛ばされた豊久は、とある村で倒れていたところ二人のエルフに助けられる。その様子を見ていた那須与一はエルフから豊久を引き取り織田信長の元へと連れ帰る。

 豊久は助けてくれたお礼にと同じく戦慣れした信長・与一と共にエルフをオルテ帝国の弾圧下から救う。そして同時に十月機関のオルミーヌにより、自分たちが人の世界を人ならざる者のための世界へと塗り替えようとしている黒王軍率いる「廃棄物(エンズ)」達に対抗すべく集められたことも知る。

 戦力の拡大が必要だと悟った信長は豊久を総大将とし、後にエルフ族に加え、オルテ帝国の占領下にあったドワーフ族も解放した。各地で反乱が起きていることを知ったオルテ帝国領土の3分の1を保有していたサンジェルミ伯はオルテ帝国に見切りをつけ、豊久達ドリフターズ側に付き、帝国へのクーデターを手引きした。

画像はアニメ「DRIFTERS」より

 こうして順調に黒王軍への対抗勢力を広げていたところだったが、帝国へのクーデターの最中に黒王軍がオルテ帝都を襲撃してくる。十月機関と協力し、黒王軍を迎え撃つが、豊久・信長・与一を脅威と判断した黒王により黒王軍(エンズ)は強制的に一時退却、廃棄物側である漂流者、土方歳三と激戦を繰り広げていた豊久は一命を取り留める。

 しかし、このクーデターと黒王軍の襲撃によりオルテ帝国の首都機能が壊滅的となったことで次第に群雄割拠となっていく中、黒王軍により追い立てられた難民が「漂流者に対抗できるのは漂流者しかいない」とオルテ帝国に助けを求めて集まってくる。豊久は難民達に対し「共に行かんもんはいらん。いらんからここで死ね」と鼓舞し、難民から「兵」になった彼らを引き連れて、さらに進軍してきた黒王軍を迎え討つが「人ならざる者」達と「人」の戦力差に絶対絶命の状況の中、豊久はドワーフと共にしんがりとなり、信長・与一と兵を退却させる。そして満身創痍でほぼ瀕死の状態の豊久の前に再び廃棄物の土方歳三が現われる――。

 ざっくりいうとするならば、人ならざる者の世界を作ろうとしている黒王軍を止める「人VS人ならざる者」の話になる。

歴史を知ってても、知らなくても面白い「ドリフターズ」の魅力

「ドリフターズ」での主人公・島津豊久というクレイジーな侍

共に行かんもんはいらん。いらんからここで死ね。ここはどんづまりのどんづまり。泣いてわめいてめそめそ死ぬなら、腹裂いてさぱっと死ね。 」(第5巻187~189)

 見方を変えればある意味清々しいセリフに聞こえなくもないが、現実的に考えて非常に恐い。盾を持たず、その両手には刀のみで敵陣に向かっていたとされている侍達の死生観は現代の我々には到底想像もつかないような覚悟の元にあるのだろう。

 加えて作中で「妖怪首置いてけ」と言われてしまう程大将首を欲しがる豊久。それもそのはずだ。史実の島津豊久は元服前から武人として育てられ、初陣を飾った元服前の1584年(天正12年)15歳で「沖田畷の戦い」で敵の首級を挙げているのだ。(今の感覚で考えると中学生くらい)

 さらに「ドリフターズ」の導入でも描かれている「島津の退き口」(捨て奸:すてがまり)も自軍の総大将を逃がすためにしんがりを務め、全員が玉砕するまでその場で戦い続けるなんて、常人には到底真似できないどころか、体当たりすぎて逆に思いつきもしない作戦だろう。作者の平野耕太氏は島津豊久について「島津が生んだ殺人マッシーン。薩人マシーン。首を狩れれば後はどーでもいいごようす。ふと目を離せば捨てがまりじゃー。」と語っている。その見方で間違ってなかったんだなとなぜか筆者は安心してしまった。

 だが、島津家について色々な史実を見ていると好戦的・凶暴など「鬼島津」と言われるエピソードがよく見られるが、実はそれだけではなく、島津家の教育は「島津に暗君なし」と言われるほど文武共に長けており、知性もきちんと備わっていたそうだ。島津家、武将として無敵ではなかろうか。

 しかし完全に振り切った設定の本作の島津豊久は主人公として思考がシンプル過ぎるが故にかなりクレイジーなキャラクターだ。また、豊久が敵を斬るシーンは迫力もあるが、同時にぬんとしたおどろおどろしい雰囲気が漂っており、これが侍なのかと思ってしまうほどなんだかリアルだ。実際の豊久がどういった雰囲気だったのかはわからないが、平野耕太氏の独特なタッチが侍のある種の異様さを見事に描いているように思う。

 そんな物語を引っ張っていくに相応しいインパクトのある本作の島津豊久だが、史実上では文武両道の「美少年」だったと語られている。「ドリフターズ」での豊久は好青年で赤い甲冑がよく似合っている。年相応の青年誌の主人公らしいビジュアルだ。

画像はアニメ「DRIFTERS」より

島津豊久・織田信長・那須与一の組み合わせが良い

 物語のメインキャラクターである三人はそれぞれ、島津豊久が攻撃特化型の侍、織田信長は戦術、那須与一は隠密・密偵のような動きをしている。

 織田信長といえば一般的に広まっている史実だと桶狭間の戦いなど有名な戦で活躍し、残酷だが優れた戦術家でもありカリスマ性もある戦国大名だ。「ドリフターズ」の信長はそれに加えて、破天荒だがコミカルさもありどこか憎めないキャラクターだ。

 また、持ち前の破天荒さが異世界で功を奏しており、再び革新者として活躍している。土壇場に強く相手の心を読もうとする豊久と、相手の頭の中を読みきっちり戦略を練って挑む信長とでは、戦へのアプローチは真逆だが、それによって隙の無い戦術が展開されているところも読んでいてテンションが上がるポイントだ。

 史実では交わることのなかったこの二人の組み合わせの良さは多々あるのだが、特にエルフ族の女性をオルテ帝国側から奪還するストーリーで「お前はそのまま真っ直のまま生きろ、ねじくれやひずみはこの第六天魔にまかせとけ」と豊久を子供扱いした信長が豊久に殴られて怒られるシーンは印象的だった。時に親子のようでもあり、豪快で見ていて気持ちのいい組み合わせだ。

 そして二人の間にもう一人、華を添えるがごとく存在しているのが二人よりももっと前の時代から召喚されている平安時代の武将、那須与一だ。

 「ドリフターズ」の与一も史実通り弓矢を用いて戦うのだが、矢を放つ与一のシーンが筆者は大好物である。普段は信長同様にかなりコミカルなキャラクターだが、作中のエルフ族も「マジになるときれいでおっかない」と言っている。

 穏やかそうに見えるが、時折腹の底が見えない妖艶な笑みを浮かべるのも与一の魅力だろう。三人の中だと、まるで信長の小姓・森蘭丸かのように豊久や信長の身の回りのお世話をしているところも面白い。二人の破天荒っぷりや豪快さとのコントラストが良いのだ。単行本だと2巻くらいから、三人が見事に連携している戦闘シーンが見られるので是非注目していただきたい。

画像はアニメ「DRIFTERS」より

史実と合わせて読むことで更にテンションが上がる菅野直の登場シーン

 歴史を知らなくても面白いのは間違いないのだが、菅野直に関しては事前に少し史実を入れた上で読むと登場シーンで一気にテンションが上がるキャラクターだ。そのため、筆者はちょっと後悔をしている。正直初見では菅野直を知らない状態で読んでしまっていたからだ。

 旧日本海軍の零戦に乗るエースパイロットで漫画的な伝説が数々残っている菅野 直 (大尉)は、まずそもそも「才能があって努力家。破天荒で喧嘩も強くて誰にも負けない人気者」ってという情報だけでもどこぞの漫画の主人公なんだと言わんばかりの設定だが、加えて「実は文学少年」という設定過多なハイスペック男子なのだ。
ご本人の写真も合わせて確認してみたのだが、おまけに顔も良いときた。

 筆者が特に痺れた史実エピソードは、セブ島の基地に零戦を空輸して別の機体に便乗して帰国する際、敵に攻撃されてしまう菅野直が同乗者から「諦めろ」と言われたのにも関わらず「俺がやる」と操縦したこともない操縦桿で敵の攻撃を見事振り切りルパング島へ不時着。さらに「俺は日本のプリンス、菅野だ!」などと適当を言って原住民達の尊敬を集め、救援到着まで王として振る舞い過ごしていたというエピソードだ。

 「ドリフターズ」でも犬人の村で手作りの雑な王座に座り犬人達に「空の神様」と呼ばせ従えているシーンがあり、ストーリーの元ネタにもなっていることがわかる。各人物の史実を踏まえた上で再度「ドリフターズ」を読んだ筆者は、菅野直がボロボロの戦闘機(紫電改)に乗って空から破天荒に登場するシーンに「きたー!!!!!!!!」と妙にテンションが上がった。史実を知らなくてもちゃんと面白いが、史実を入れて読むとまた新しい面白さや伏線を見つけられるかもしれない。

「ドリフターズ」5巻

人を憎み人ならざる者の世界を作りたい廃棄者達のボス「黒王」の正体

 漂流者側が自分の人生に納得感を得て最期を迎えている英雄達の集まりだとすると、廃棄者側には人生に納得がいかないまま非業の死を迎えた英雄達が集まっている。

 紫が送り込む豊久らをはじめとする漂流者は元の世界の自然的な能力で戦うのに対し、Easyよって送り込まれているエンズ側の漂流者は異能力を与えられており超人的なスキルを使って戦う。また、エンズ側の漂流者は死亡すると肉体と同質量の塩になってしまうのもなんだか切ない設定だ。

 そんなエンズ達をまとめているのが「黒王」である。

 黒王は作中で「 人を救おうとした だが拒絶された ならば人ならざる者を救い 人を滅ぼすしかない 」(単行本第2巻15P)と「人間」へのかなりの憎しみを顕にしているが、同時に人ならざるもの(ゴブリンなどの亜人や廃棄者達)に対しては「 ゴブリンもコボルトも竜も 全て我が同胞(はらから)だ 救える者は一人残らず救う 」(単行本第2巻12P)と慈愛をもった発言をする。そのため、どことなく根っからの悪人とは言い切れないような、こうならざるを得ない過去の出来事があったのではないかと思わせる。

 しかし、作中ではまだ黒王の正体が明らかになっておらず、ネット上ではこの黒王の正体に対し様々な考察が行き交っている。両手の掌に傷があることや、自らの命を削って傷を癒す能力、時折新約聖書の言い回しをすることから、あの有名なイエス・キリストではないかと考察されているが、その他にもイザナミや神武天皇などまさにラスボスに相応しい人物がちらほらと候補に上がっており、今後の展開が待ち遠しい。

 筆者的には掌の傷というところでやはりイエス・キリストではないかと予想しているが、人々の罪を背負って自ら十字架に磔になったのか、それともそうじゃない不本意な理由で磔にされてしまったのか諸説あるとはいえ、人々に神と崇め讃えられた人が人を憎んでしまうというのは恐ろしくそして非常に悲しい結果だ。優しい人ほど怒ると怖いとよく聞く言葉だが、確かにそうなのかもしれない。

 本当は廃棄者達は純粋で心の優しい人たちの集まりだったりしたら……。という筆者お得意の薄い考察を披露してしまう前に筆者の見解はここまでにしておこう。

 語られている歴史は学校で習うことが全てというわけではなく、きっと後世に都合のいいように語り継がれていることも少なくないはずだ。「ドリフターズ」に登場する英雄達を見て、少し歴史に思いを馳せてみたり、自分なりに調べて多方面から考察してみるのもいいだろう。

 月刊「ヤングキングアワーズ」の方では不定期連載中のようであるが、平野耕太氏はTwitterにて最近「ドリフターズ」のキャラクターをデジタルで描いたイラストを投稿していた。まだまだ続く漂流者達の大合戦の行方を楽しみに待ちたいと思う。そんな「ドリフターズ」は現在単行本第6巻まで発売中だ。