【特別企画】

「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」発表会レポート。実機先行体験も

美麗グラフィックスにシームレスなフィールド。北欧神話の世界観に没入できるリアルダークファンタジー

【オーディン:ヴァルハラ・ライジング】

6月 正式サービス予定

利用料金:基本プレイ無料(一部アイテム課金制)

 カカオゲームズは、Android/iOS/PC用北欧神話オープンワールドRPG「オーディン:ヴァルハラ・ライジング(以下、オーディン)」のメディア発表会を4月27日に開催した。

 本作は、北欧神話をテーマにしたオープンワールドRPG。まるで実写のような華麗なハイクオリティグラフィックスを実現し、スマートフォンやPCでプレイできるクロスプラットフォームに対応する。2021年に韓国、2022年に台湾で正式サービスを開始し、ストアランキング1位となるなど高い評価を得ている。

 そんな「オーディン」が満を持していよいよ日本に登場。4月27日より事前登録がスタートし、メディア向け発表会では正式サービス開始が6月となることが明かされた。

 また、発表会ではサービスを担当するカカオゲームズより代表のチョ・ケヒョン氏、運営/プロジェクトマネージャーの岩﨑慎吾氏とソク・ミンジェ氏、開発を担当するライオンハートスタジオからは代表のキム・ジェヨン氏、開発統括副社⻑兼プロデューサーのイ・ハンスン氏、アート統括取締役のキム・ボム氏が登壇し、ゲームについての紹介や日本でのサービス開始に向けての決意などが語られたトークセッションが行なわれた。

 ほかにも、実機でのゲームプレイや、開発スタッフへ個別で質問をすることなどもできたので、本稿ではその様子をお伝えしていく。

【「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」 戦争の始まり】

日本ユーザーの獲得へカカオゲームズとライオンハートスタジオ両代表が意気込みを語る

 カカオゲームズは、日本での知名度はそこまで大きくはないが、韓国では「ウマ娘」、「プリンセスコネクト」といった日本のIPタイトルを展開する有名ゲームメーカーの1つ。カカオゲームズのチョ・ケヒョン代表は、「日本との深い繋がりを持ちつつも、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で頻繁に交流することができなかった。今回『オーディン』の日本リリースを通じて、日本のユーザーの皆様にも馴染み深い会社として成長したい」と語った。

 ライオンハートスタジオのキム・ジェヨン代表は、「カカオゲームズと協力し、日本のユーザーの皆様が『オーディン』を楽しくプレイできるよう最善を尽くして参ります」とコメント。また、「韓国と台湾での『オーディン』のサービス実績を踏まえて、より優れたレベルのゲームをお届けしたいと思います」と、日本でのサービス開始への熱い意気込みも述べていた。

カカオゲームズ代表のチョ・ケヒョン氏
ライオンハートスタジオ代表のキム・ジェヨン氏

北欧神話という明確な世界観。広大なフィールドをローディング無しでプレイできる没入感は本作の大きなポイント

 本作は北欧神話をテーマにしたMMORPG。公開されたトレーラーなどでも北欧神話特有の暗い雰囲気を確認することができるが、ビジュアルについてアートディレクターを務めるキム・ボム氏は「MMORPGでは中世ヨーロッパ風のデザインが多いが、『オーディン』は明確に北欧神話というカラーを持っている。リアルなダークファンタジーの世界に没入し、強いカタルシスを感じてほしいと思う」とコメント。

 また、このアート部分を存分に味わえるようこだわったのが美麗なグラフィックス、そしてどこまでも広がるシームレスなフィールドの制作だという。これらを実現するため、プログラマーとアートディレクターが密に協力。3Dスキャンやモーションキャプチャーによりリアルなグラフィックスの再現を可能にしたこと、さらには広いフィールドをローディング無く多くのユーザーと同時にゲームを楽しむことができるのは「オーディン」にとっては大きな魅力ポイントだとプロデューサーのイ・ハンスン氏は語った。

ライオンハートスタジオ アートディレクターのキム・ボム氏
ライオンハートスタジオ プロデューサーのイ・ハンスン氏

ゲームガイドの映像化や有名IPとのコラボなど日本ならではの施策を予定

 カカオゲームズは、日本での「オーディン」サービス開始に先立ち、多くの日本のユーザーに複数回テストやアンケートを実施し、MMORPGをプレイする上でどの部分に不便が生じるか、どんな改善が必要なのか、といった調査を行なったという。その中で“そもそもどうやってプレイしていいかわからない”という意見が一番多かったため、ゲームガイドをテキストはもちろん、全て映像化して提供することを予定しているとのこと。

 また、現在準備していることとして音声収録が進行中のようで、ゲーム内のキャラクターボイスには大塚芳忠さん、古川慎さん、楠大典さん、木村昴さんなど豪華声優陣が起用されることが明かされた。ほかにも、テレビCMに俳優のオダギリジョーさんが起用されることや、有名IPとのコラボを計画していることなども発表。こういった日本ならではの施策も非常に楽しみなポイントだ。

カカオゲームズジャパンPM 岩﨑慎吾氏
カカオゲームズジャパンPM ソク・ミンジェ氏
CVを担当する声優陣が発表
テレビCMには俳優のオダギリジョーさんを起用
会場にはオダギリジョーさんがCM撮影で着用した衣装が展示されていた

手軽に参加できる最大30vs30の対人戦「ヴァルハラ対戦」。クラス毎の役割もしっかり機能

 今回の発表会では、スマートフォンでのゲームプレイ体験時間が設けられていた。配布されたスマートフォンには予め作成されたアカウントデータが入っており、筆者はプリーストというクラスの「パラディン」でプレイすることができた。

 本作ではクラスは大きくわけて全4種。さらに、各クラスには2系統のスタイルが用意されている。魔法攻撃を得意とするソーサレスには「アークメイジ」と「ウィッチ」、耐久力に優れたウォリアーには「ロードナイト」と「バーサーカー」、素早い動きが特徴のローグには「アーチャー」と「アサシン」、回復やサポートに特化したスキルが使えるプリーストには「ビショップ」と「パラディン」。クラスはキャラクターごとに設定され後から変更することはできないが、2つのスタイルは常時切り替えが可能とのこと。今回は残念ながら切り替えを試すことはできなかったが、スタイルによって使用できるスキルなどが異なるようなので、コンテンツごとで臨機応変にスタイルを切り替えてプレイできるのは戦略の幅が広がって面白そうだ。

 今回の実機体験では、数分程度自由にフィールドを探索したり敵と戦ったりと基本操作を体験したあと、プレーヤーが最大30vs30で戦う対人戦「ヴァルハラ大戦」をプレイすることができた。ヴァルハラ大戦は大人数での共闘コンテンツだが、振り分けられるチームはランダムで、誰が敵で誰が味方になるか戦いが始まるまでわからない。そのため、予めパーティーを組んでおく必要もなく、ギルドに所属しなくとも参加可能。特定の時間にマッチングボタンを押すだけであとは自動的にチームが決定するので、MMORPGに慣れてない人でも参加しやすくとてもわかりやすいコンテンツだと感じた。

 勝敗に関しては基本的に相手チームを全滅させた方が勝ちとなり、勝利チーム全員に報酬が配布されるのだが、それ以外にも個人でのスコアランキングによる報酬が用意されているのがこのコンテンツの大きな魅力。対人戦というと敵を倒した数が重要となってくる場合が多いが、この「ヴァルハラ大戦」では戦いに“貢献”することでスコアを伸ばすことができるという仕様になっているため、前線で敵を倒すだけでなく、後ろから回復スキルなどで味方をサポートしてあげる、といった戦い方でも十分ランキング上位を目指すことができる。

 プレイ結果は、残念ながら筆者は全く貢献できず、ウロウロしている間に見事に瞬殺されてしまった。サポートが得意な「パラディン」だったので、ひとまず味方がいる場所を探るべく様子見をしていたのが大きな間違い。大人数が入り乱れ戦うコンテンツなので、一瞬でも判断に迷ってしまうとすぐにやられてしまう。まさに戦場だ。一度やられてしまうとその試合中は復活することはできないので、一戦ごとでかなりの緊張感があった。それにしても悔しい。今回すぐにやられてしまったということもあるが、すぐにでも再挑戦したくなる中毒性がこのコンテンツにはある。色々なクラスでぜひまた挑戦してみたい。

近接攻撃が得意なウォリアーは積極的に前線に出ていこう
ソーサラーは距離を置いて魔法で援護。クラスごとの役割をしっかりこなすことで貢献でき、スコアも伸ばすことができる

ソロでもパーティでも楽しめる豊富なコンテンツが充実。効率重視ならマルチプレイがおすすめ

 本作では大人数でプレイする対人戦や共闘コンテンツもあるが、基本的にはソロでプレイできるコンテンツがほとんどだという。パーティを組んで挑むダンジョンでもNPCを同行者とすることで挑戦が可能だ。ただし、他のプレーヤーと協力することで周回効率をぐっと上げることができたり、ギルドに所属することで「ギルドダンジョン」や、ギルドメンバーだけでアイテムの取引を行なえる「ギルド競売」といった専用コンテンツに参加できるので、積極的にマルチプレイを利用してみてほしい。

メインクエストは基本的にソロで攻略していく
メインクエストで訪れるダンジョンは初回はNPCが同行。以降は他のプレーヤーとパーティを組んで挑戦可能。強敵が出現するダンジョンではレアアイテムがドロップすることもあるので、効率良く周回していきたい
フィールドで特定の時間に出現する「フィールドボス」。その場で集まった他のプレーヤーたちと協力して討伐しよう
どこまでも続くシームレスなフィールド
今回はあまり探索できなかったが、見渡せる限りの場所までは移動できるらしい。ソロでまったりフィールド探索も面白そうだ
ギルドメンバーと協力して挑む「ギルドダンジョン」。仲間と強敵に挑んで豪華な報酬の獲得を目指そう

開発スタッフにアレコレ聞いてみた

 発表会終了後、会場内で展示されているPCやタブレットでもプレイが可能だったため少し触れてみた。やはり大画面だとグラフィックスの綺麗さが際立っていた。PCには最初マウスが付いておらず、もしやキーボード操作のみか?と思っていたのだが、途中でマウスを付けていただき、マウスでの操作もしっかり確認できた。細かいことだが、UIがスマホとPCで全く変わらないのは少し驚いた。これは開発初期段階からPCとスマホ両方での操作を想定していたため、このような設計が実現したとのこと。クロスプラットフォームに対応し、どのデバイスでも変わらない操作ができるのは嬉しいポイントだ。

PCでのゲーム画面。もちろんボタンの幅は違うが、基本的なUIの位置はスマホと変わらず
こちらはタブレット。画面は非常に見やすく綺麗だが、ボタンが押しやすいのは個人的にスマホサイズかなと感じた

 ここで開発スタッフさんが「何でも聞いてください!」と言ってくれたので、色々と質問してみることに。少し気になっていたサーバーについて話を伺ってみたところ、サーバーは日本独自のものとなるようで、先行してリリースされている韓国/台湾のプレーヤーと一緒にプレイしたり、対戦することはできないようだ。また、アップデートについては韓国/台湾版に適用されているものを順次実装していく形となる予定。ただし、日本独自のイベント(季節イベントなど)が開催されるかもしれないとのこと。

 主な課金要素については、アバターとライド(乗り物)を獲得できるガチャとなるが、ほかにもアイテムやダイヤ(ゲーム内通貨)がお得に購入できるパック商品なども販売されるようだ。本作ではプレーヤー間でアイテムの売買ができる「取引所」が用意されており、ここではダイヤが必要となるため、ダイヤが購入できる商品についてはぜひ注目したいところ。

 まだまだじっくりプレイしながら色々話を聞いてみたかったが、1人で試遊機を占領するわけにもいかずこの辺りで撤収。今回体験できた実機プレイはほんの一部だけだったので、コンテンツ全貌を確認できなかったのは残念だったが、本作の大きな魅力であるグラフィックス、世界観などについてはしっかりと体験できたように思う。そして何より一番すごいと感じたのは開発陣の皆さんの熱量。ソク・ミンジェ氏が、「日本のMMORPGのジャンルで絶対に1位を獲る」と語っていたのはとても印象深かった。

 「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」のリリースは6月予定。今後の続報やリリースを楽しみに待ちたいと思う。