【特別企画】

「ダークソウル3」が本日で7周年! アノール・ロンドが好きすぎてこじらせた者の末路。無名の王と闇喰らいミディールには大苦戦

【DARK SOULS III】

2016年3月24日 発売

 フロム・ソフトウェアが2016年3月24日に発売したプレイステーション 4/Xbox One/Windows用アクションRPG「DARK SOULS III」(以下、「ダークソウル3」)が、本日発売7周年を迎えた。

 「ダークソウル」シリーズといえば、一番の魅力はプレーヤーの心を容赦なく折ってくる高難易度なアクション。いわゆる「死にゲー」である。本作では、「ソウル」シリーズ産みの親である宮崎英高氏がディレクターへと戻り、そして初代「ダークソウル」のいわゆる「火を継ぐ者」エンドの続きが描かれた。

 本稿ではそんな「ダークソウル3」の思い出を振り返っていきたい。

【DARK SOULS III 発売ロンチトレーラー 【2016.3】】

初代「ダークソウル」を知っているか否かで物語の解釈は若干割れる

 さて、まず「ダークソウル3」の物語から振り返ろう。

 闇の世界で、王は“はじまりの火”を手にした。王たちはその力で古龍を駆逐し、世界を繁栄させた。だが、その“はじまりの火”が消え失せようとしていた時、再び闇の世界に戻さぬよう王自身がその火の薪となり、世界を永らえさせた。そして、火が消えかけるたびに新たな王がその身を焚き、世界を延命させていた。後に、彼らは「薪の王」と呼ばれるようになる。やがて時は流れ 再び“はじまりの火”が消えかけ、生死の境界が曖昧になったその時に一人の不死人が朽ち果てた門を潜り、薪の王たちの故郷が流れ着くという「ロスリック」へと向かう。それは新たに火を継ぐ王なのか。

(記事「「ELDEN RING」、次のフロムゲー何やる問題を解決したい!」より)

 冒頭で述べた通り、本作は初代「ダークソウル」の続編であり、ストーリーからもそれがわかる。「ダークソウル2」では世界観や敵などの雰囲気が変わった面もあったが、「ダークソウル3」では初代「ダークソウル」に近い雰囲気のエリアが多い。

 「ソウル」シリーズなどは基本的に「ストーリーは各プレーヤーの解釈に任せる」スタイルのフロムゲーながらも、本作は”続編”だったが故に、一部、初代からのキャラクターの末路が明確にわかるようになっていた。

 特に、初代「ダークソウル」にも本作にも登場する「アノール・ロンド」にまつわる話はほぼ明確な解が出たものが多い。例えば「竜狩りオーンスタイン」や「処刑人(『ダークソウル3』では騎士)スモウ」、「深淵歩きアルトリウス」について。その他、グウィンドリンや太陽の長子、プリシラなどの初代「ダークソウル」に登場したキャラクターらはもちろんのこと、ヨルシカ、サリヴァーン、エルドリッチといった「ダークソウル3」から登場したアノール・ロンド周辺の人間関係・背後関係のその多くが判明することとなった(もちろん一部推測の域を出ないキャラクターもいる)。

 ——のだが。さらにその隙間を埋めたくなるのがフロム脳なんですよね!(豪語)

アノール・ロンド

 スモウについては、アノール・ロンドを最後まで守り続けたというようなフレーバーテキストが残っている。つまりスモウの最後には、すでにオーンスタインはアノール・ロンドにはいなかったということ。サリヴァーンがアノール・ロンドを掌握するまでや、薪の王である人喰らい(戦う時には神喰らいになっている)エルドリッチとの関係性、グウィンドリンがエルドリッチに喰われる過程も、私気になります!

 という、アノール・ロンド病をこじらせた筆者、当時アノール・ロンドについての妄想をこじらせた同人誌を発刊するに至るのであった……(振り返らずとも相当こじらせているので、万が一持っている人がいたら、破り捨ててほしい。ちなみにわざわざこの場で言うくらいなので、全年齢対象の非常に健全な御本である)。

 忘れもしない、2016年の夏コミで新刊の「ダークソウル3」本と共にスペースに座り、通り過ぎる外国人に「Oh! DarkSouls! HaHaHa!」というような反応をされていたことを……(もちろん買ってはもらえない。悲しい)。

エルドリッチのソウル。このフレーバーテキストひとつからも、妄想を膨らませたものである

 話が横に逸れてしまったが、そんなわけで初代「ダークソウル」の物語を知った上で「ダークソウル3」の物語を読むとさらに楽しい、というのが「ダークソウル3」であった。フロム脳をこじらせ気味になりつつあるものの、実はまだ「ダークソウル」シリーズには手を出していないという人がもしもいたら、個人的には「ダークソウル(HD版)」→「ダークソウル3」のプレイ順序をおススメしたい。そのほうが(フロム脳的に)100倍楽しめるのは、間違いないからである。

 特にアルトリウスや「灰色の大狼シフ」といった、初代「ダークソウル」で思い出深いキャラクターたちもその後の考察が捗るようになっている。あまりいないとは思うのだが、初代「ダークソウル」をやったきりで「ダークソウル3」には触れていないという人がいたら、それはあまりにももったいない。

アノール・ロンドに思い入れはあるが、苦戦したのは「巨人の広場」と「無名の王」

 アノール・ロンドに並々ならぬ思い入れがある筆者であるが、プレイとしてはアノール・ロンドよりもさらに印象深いエリアがある。それは対人戦用の会場と化してしまっていた「巨人の広場」だ。

 というのも、筆者は当時「ブラッドボーン」を餌にフロム沼へと引き入れた友人と共にふたりで「ダークソウル3」の攻略を進めていたのだが、「冷たい谷のイルシール」で法王サリヴァーンを倒したあとのアノール・ロンドへ向かうルートである「巨人の広場」で、友人と進めようにもすぐに猛者に侵入されてしまうのだ。

 うまく倒せたとしても、また侵入されてしまう。倒しても倒しても、侵入されてしまう。時にはやられて戻される。結局友人と話し合った末、ここはお互いにオフラインで進め、次のエリアで再び落ち合おうということになった。

 この巨人の広場が、ソロで突破していくのがなかなかに難しいエリアだった。1体ずつ確実に倒していこうと思うにしても、敵対NPC「神喰らいの守り手・ドラン騎士」が2体いて、必ずこの2体を同時に相手にせねばならない。

 巨人広場をうまく抜けられても、その直後にあるのは大弓を撃ってくる騎士が何体もいるエリアで、大弓からの攻撃をかいくぐりながら、細い道を進んでいかなければならない。この大弓エリアは、もはや手伝ってくれる友人(白ファン)がいればいいというものではない。弓を盾でしのごうにも(魔術ビルドの筆者は)一発喰らっただけでよろめかされてしまい、よろめいたところに次の矢が来て死ぬ。細い道を走り抜けようにも、今度は普通に撃たれて死ぬ。いやはや、よく抜けられたものである。筆者もやればできる子だ。無事アノール・ロンドにたどり着けたときの感慨は、とても、とても深かった。

巨人の広場のSSは残っていなかったが、ラスボスエリアの赤サイン地獄が残っていたので、こちらを貼っておこう。ラスボスエリアも対人戦用会場となっている

 ボスとして苦戦したのは、「無名の王」。また少しアノール・ロンド絡みにはなってしまうが、これについては仕方ないだろう。恐らく多くのプレーヤーを屠ってきた、本作最強のボスなのではないかと思っている。

 ちなみにこれは作中のフレーバーテキストから明らかになっていることなのだが、無名の王の正体は、初代ダークソウルのグウィン王の長男。いわゆる「太陽の長子」である。竜狩りオーンスタインの主のような存在だからこそ、オーンスタインにどこか似た十字槍を操るのかもしれない。

 という設定はさておき、この無名の王だが、紙装甲の魔術ビルドの筆者は、とにかく早々に殺されてしまうという、ダメっぷり。一撃の火力があまりにも高い上に、ロックオンするとカメラがぐいんぐいん回ってしまうという状態で、とにかく訳もわからずやられてしまうという状態だった。

 ちなみに「2キャラ目(2周目)は潔く物理ビルドにしよう……」と決意したきっかけが、この無名の王だった。しかも第一形態だけでひぃひぃだったのに第二形態まであり、第一形態ではかろうじて即死を免れていたようなものの、第二形態では即死寸前まで一瞬で追い込まれることも多く、白ファンさんを呼べば解決するレベルの問題ではなかった。当時は己のプレイヤースキルの低さに、本当に心から泣いたことを覚えている(そして「ダークソウル3」は全体的に魔術ビルドが少々やりにくかったように感じられる。これまで純魔が強かったというのもあるが、少々不遇のビルドだった)。

無名の王。この時のSSは、すでに2キャラ目の筋力ビルドのものである
無名の王撃破後にエリアに落ちている、オーンスタイン装備。オーンスタイン装備については、遺体がないまま装備だけが落ちており、しかも無名の王撃破後のエリアにあることから、これまた謎が深まっている

 DLC込みでいえば「闇喰らいのミディール」も非常に苦戦した。ちなみにDLCが出る頃にはすでに完全に筋力ビルドのキャラクターが完成していたので、無名の王より即死しにくいという意味ではやりやすかったのだが、攻防共に常に接近戦を意識しなければならないという点ではやはり難しいボスだった。

闇喰らいのミディール。ソロのほうが戦いやすかったという珍しいボス。その域にたどり着く以前の問題で死んでいるのだが

 なお、苦戦ではないのだが、一番長い時間を過ごしたエリアはやはりアノール・ロンドなのであった。というのも、トロフィー解除のために必要なアイテム「約定の証」マラソンをひたすらしていたからである。発見力を存分に高めた状態で、篝火アノール・ロンドから階段を上って騎士2体、さらに赤目銀騎士を1体、この3体を倒して再度篝火へ。ひたすらこれを繰り返すだけの苦行もとい修行だったが、たった30個、されど30個、これが集まらないのだ。違った意味で心が折れそうだったのが、約定の証マラソンである(他の誓約の捧げ物は、約定の証ほどドロップ率は低くなかったように感じられる)。

 誓約アイテムのマラソンはドロップ率の運にも左右されそうなので、思い出補正も各自で違いそうだが、果たしてプレーヤーの皆さんの思い出の誓約アイテムマラソンは何だったのかが気になるところである。

発見力を上げまくっているので、これくらいのアイテムが一気に落ちることはザラなのだが、約定の証はない
約定の証マラソンをしていてよかったのは、売ってソウルにできる銀騎士装備がぼこぼこ手に入るのと、楔石の大欠片が大量に手に入ったことだった
無事30個の約定の証を納めた瞬間

美人レシピやコラボカフェ……色々ありました

 これは余談だが、「ダークソウル3」のあたりから、ネットで「僕私が作った美人キャラクター」というレシピもよく出回るようになってきたように感じられる。筆者もそんな中のひとつを作ってみたものである。

 なかなかの美人ができた……と思うのだが、兜をかぶってしまうことが多い作品なので、美人を作ったところであまり意味がない、と気が付く。そして見た目が亡者化したらもはや為す術もなしである(なお、「ダークソウル3」は死んだら即亡者化するのではない。「暗い穴」を所持して死亡すると呪いが蓄積し、その呪いの蓄積値で亡者化する)。

美人レシピ
だが亡者化してしまうと目も当てられない

 また、「ダークソウル3」発売当時、「ダークソウル3」コラボカフェが開催されていたのを覚えているだろうか? たまたまスマートフォンの写真フォルダから当時の写真が出てきたので、ぜひこちらも上げておきたい。

渋谷の109MEN'S館にて行われていた「ダークソウル3」コラボカフェ

 このコラボカフェで振る舞われていたエスト瓶を紹介しよう。こちらは中身は普通のオレンジジュースである。

極普通のエスト瓶。ちなみにこの形のグラスが我が家には無駄に4個ほどあり、自宅でエスト瓶気分を味わっている。友人などにこのグラスで振る舞うと好評である

 しかし、フードはなかなかにヘヴィであった。

こちらの黒い何かは、かりんとうではあるのだが、メニューには「闇菓子」とある。闇菓子というよりかは何かの糞である

 他のメニューについてはメニュー表で申し訳ないが(しかも昔の画像のため粗い)、「闇豆の丸薬」という名の落花生についてはまだいい。「貪食ドラゴンの反吐」という名のミルクカカオグラノーラについては、全グラノーラに謝れという域である。

コラボカフェのメニュー。ドリンクは普通なのに、何故フードがこうなったのか、変な笑いが零れてくる

 以上、「ダークソウル3」7周年にあたって、主にアノール・ロンド周りの話ばかりになってしまったが(決して意図はしていなかったのだが……)、FPを使用しての戦技も導入されていたりと、「エルデンリング」からフロムゲーに足を踏み入れた人にとってはなじみ深いシステムが導入されており、プレイしやすい作品となっているのも特徴だ。

 繰り返しになってしまうが「可能であれば! 初代『ダークソウル』からプレイしてほしい!」という気持ちは筆者の中に強くあるものの、難易度、テンポ、音楽、どれを取ってもハズレがないという「ソウル」シリーズの集大成に相応しい作品である。まだプレイをしていないという人には、ぜひプレイをしてみてほしい。