【特別企画】

「ダークソウル2」が本日で9周年! 歴代「ダクソ」シリーズの中でも凶悪難易度。アマナの祭壇やストーリーを振り返る

【DARK SOULS II】

2014年3月13日 発売

画像は全て「DARK SOULS II SCHOLAR OF THE FIRST SIN」より

 フロム・ソフトウェアより2014年3月13日に発売されたプレイステーション 3/Xbox 360/Windows用アクションRPG「DARK SOULS II」(以下、「ダクソ2」)が、本日発売9周年を迎えた。

 「ダークソウル」シリーズといえば、一番の魅力はプレーヤーの心を容赦なく折ってくる高難易度なアクション、いわゆる「死にゲー」である。だが、「ダクソ2」はいわゆるフロム系「死にゲー」の中で、唯一宮崎英高氏がディレクターを務めていない作品であり、それもあってか他の作品とは若干毛色が違う。

 本稿ではそんな「ダクソ2」の思い出を振り返っていきたい。

【DARK SOULS II Launch Trailer】

アマナの祭壇は忘れない

 これはあくまで筆者の体感だが、筆者は歴代「ソウル」シリーズの中でも「ダクソ2」の難易度が最も高いと感じている。筆者の中で「死にゲーオブ死にゲー」と呼ぶに相応しいのが「ダクソ2」である。

 その最たる理由は、数の暴力に他ならない。とにかく、敵の数が多い。「そんないっぺんにたくさん襲ってくる!?」というくらい、敵の数が多い。「デモンズソウル」や初代「ダークソウル」では詰将棋のようなバトルが可能だったが、そういった戦略性という難易度よりも、数で襲ってくる難易度へと変わったように感じる。ただ、敵の動きが比較的遅く、数で襲われても対処はしやすいようになっていた(その代わりプレーヤーの動きも重かったのだが……)。

 つまりは反射神経などを問うてくるよりも、落ち着いて状況を判断できるかどうかが攻略の鍵となっている。逆に言えば、反射神経を求められるゲームの方が辛い、という人にとっては「ダクソ2」が最もプレイしやすいのかもしれない。だからこそ、頭を使うのがとことん苦手だった脳筋筆者にとっては、”最も難しい「ソウル」シリーズ”の位置付けになるのである。

 敵を倒しまくってソウルを稼ぎまくり、レベルを上げまくろうにも、本作には雑魚敵のリスポーン回数制限が設定されている。一定数復活させると以後は敵がいない無人のエリアとなってしまうため、無限にソウルを稼ぐことはできなくなった。

 雑魚敵が(いつか)いなくなる=そのエリアを安全に進める、ということでもあるが、ぶっちゃけそこまで甘くないのが「ダクソ2」。まず狩りつくすまでに死ぬ。狩りつくせずに死ぬ。さすが死にゲーオブ死にゲーである。

 そんな筆者が未だに強く根に持っているエリアがある。それは「アマナの祭壇」だ。

 「アマナの祭壇」では、まず足元が水のため、基本的に走れない。そこにこちらの攻撃がまるで当たらないほど超長距離から異常に追尾性の高い魔法弾をガンガン打ってくる魔術士たち。こちらを出血させてくる敵も水中に潜んでいて、視認できない。筆者は基本的に毎回どの「ソウル」シリーズも魔術系のビルドで進めるのだが、こちらの遠距離魔法は届かないのに、なぜ敵の魔法弾には当たるのか……実に納得がいかない。

 だが、そんな「ソウル」シリーズにも救済がある。そう、白サイン(白ファントム)の存在だ。自身が白ファントムとなって他者の世界の救済にいくこともあるが、自分が白ファントムを呼んで攻略を手伝ってもらうこともできるという、素晴らしいシステムだ。

 そうだ、今こそ白ファントムを呼ぶべきである。きっと強くてうまい人たちが、アマナの祭壇を攻略してくれる。そう願いを込めて白ファンを呼ぶものの、皆、為すすべなく倒れてゆく。大体は何もできずに死んでいくのを見守り、結局自分ひとりになって自分も死に篝火に戻される。再び白ファンを呼んでも同じことの繰り返し。

 それがアマナの祭壇だった。

 本作のキャッチコピー文に「絶望を焚べよ」という一文があるのだが、この絶望を焚べるのに相応しいのがアマナの祭壇だ。むしろ他にない。いや、他のエリアも難しい場所は多々あった。だがアマナの祭壇よりも絶望を感じる場所はなかった。

残念ながら白ファンで攻略をお手伝いした時の画像しかなかったのだが、アマナの祭壇は本当にしんどかった

 ちなみに筆者の夫も「ソウル」シリーズのファンなのだが、日頃から矢使い……むしろほぼ矢しか使わないと言っても過言ではない“ハンターオブハンター”である。そんな夫はアマナの祭壇がそこまで苦手ではない。「そうか……最適解は矢なのか……」と思うものの、筆者は後戻りしたくないタイプである。ここまで進んできた以上、この戦力で先に進みたい。魔術で抜けたいのである。しかし無情にも、さくっとプチっと倒される。結局最後には矢を買ってきたのであった。

 そして、2周目以降は筆者も魔術ビルドでありながら、ハンターオブハンターとして活躍したのである。確かに矢が重要な場面が多いシリーズではあるが、矢がこれほどまでに必要とされたのは、本作だけ(アマナの祭壇だけ)であろう。

歴代シリーズ最高の広さを持つ広大なエリアを探索する

 文句ばかり連ねてしまったが、筆者は「ダクソ2」が好きである。少々数の暴力に理不尽さを感じる部分はあれど、こちらを確実に殺してこようとするゲーム性そのものは嫌いではない。むしろ好ましささえ感じる。さすがに現在はなかなか本作をプレイする時間もなくなってしまったのだが、定期的に「『ダクソ2』やりなおしたいなぁ」と思う中毒性がある。

 そんな「ダクソ2」の魅力のひとつといえば、前作の1.5倍もあるシリーズ最大のボリュームだ。特に広かったのはDLCエリア。不死廟からDLCエリアにいくことが可能で、DLC1 「深い底の王の冠」、DLC2「鉄の古王の冠」、そして本作最大のエリアとなるDLC3「白王の冠」。実に広かった。これ以外の感想が出てこないくらい、広かった。行けども行けども、篝火がない。「これだけ進めばそろそろ篝火があるのではないか」と思うのだが、ない。そして死ぬ。理不尽に死ぬのは、DLCと言えども変わらない。やり直して、また死ぬ。実に容赦がない。

 なお、個人的に印象深いのは「凍てついたエス・ロイエス」だ。吹雪解除のギミックや篝火の位置などが絶妙で、「なんでこの位置にあるんだ……」というようないやらしい篝火配置になっていたり、吹雪を解除するまで凍り付いて手に入れられない宝箱や通路があったり……。アマナの祭壇の次に印象に残っているのが、この凍てついたエス・ロイエスだった。

凍てついたエス・ロイエス。NPCの放浪騎士グレンコルを呼べるマップで、囮になってくれたり、特大剣で攻撃もしてくれたりと、とても頼れるNPC

 そんな容赦ないゲームではあったが、やはり救いは白ファンである。自身が白ファンを呼んでお手伝いをしてもらうのはもちろんのこと、白ファンで他の人のところのお手伝いに行き、どんなエリアでどんな敵の配置でどんなところに宝箱があるのか様子見をする、というのにも役立っていた。

 また、初代「ダークソウル」では大分難しかった「フレンドと交互に白ファンで攻略しあう」という手段も取れるようになっていた。「ダクソ2」では合言葉マッチングこそなかったものの、「名を刻む指輪」で同じキーワードを選んで召喚サインを出し、互いに召喚し合う、という方法だ。

 「ダクソ2」はマッチングにソウルの総取得量が関係してくるため、フレンドとのマッチングも少々面倒ではあるが、確実にフレンドを白ファンで呼んで、まったり攻略できるので、気の置けるフレンドがいる人にはオススメの方法であった。

 フレンドが無事にボスを倒してエリア攻略を終えたら、今度は自分の攻略を手伝ってもらう……というように、このゲームの「確実に殺しにくる」というゲーム性を、こちらも数の暴力で「確実に殺しにいく」というゲーム性に変えるのである(それすら全く役に立たたなかったのが、前述のアマナの祭壇なのだが)。

 ちなみに、一応言っておくと白ファンさんが居てくれれば必ず「確実に殺しにいく」ゲーム性にできるのかというと、全然そんなことはない。白ファンさんも倒れてゆく。自分も倒れる。これだから「ダクソ2」はやめられない。

「ダクソ2」では最大3名の白ファンを呼ぶことができた。合計4名で殴りかかれば、何も怖くない……とはいかないのが、「ダクソ2」である。ボスも「ダクソ2」あたりから徐々に硬くなってきたため、しっかり事前準備をしてボスに挑むことが多かった。もちろんソロ専門のひともいるが、筆者はマルチ大好き人間タイプである。呼ぶのも呼ばれるのも大好きです

「ダークソウル2」のストーリーをとっても簡単に解説!

 さて、そんな数々の「ソウル」シリーズとは異なる本作であるが、ストーリーは難解だったとも言われている。だが、簡単にまとめてみると実は歴代「ソウル」シリーズの中ではわかりやすいほうである。なので、ここで物語についてまとめてみよう。

 本作でも「火」がキーワードなのは変わらず、古代の時代に発現したといわれる「はじまりの火」がストーリーの中心となる。火の煌めきが弱りはじめ、それと共にいくつもの国が興り、幾人もの王が生まれては滅亡していった、というのが物語の冒頭。

 やがて、ヴァンクラッドという男が、ドラングレイグという国を作る。ヴァンクラッドは、「はじまりの火」から「ソウル」と呼ばれる力を見出し、各地を征服していった。一方で、その力が大きくなるほど、不死者の刻印「ダークリング」を発現する人間たちが増えていってしまう。

 不死者は何度も死を繰り返すことで精神が徐々に擦り切れ、やがては「亡者」へと変貌する。不死者のことで頭を悩ませた王は、王妃デュナシャンドラの助言を得て、北の大地に存在するという巨人の国へ侵攻。人が不死者になるという因果を断ち切るため、巨人の国から「何か」を奪い去った。

 こうして巨人たちの力を使って城やゴーレムを作ったヴァンクラッドは、さらに大きな力を持つようになった。だが、怒り狂った巨人たちの復讐が始まる。巨人たちはドラングレイグを徐々に滅ぼしていき、人が死に、不死者が生まれ、やがてドラングレイグが亡国と呼ばれるまで、長い時間が必要だった。

 そして、一人の不死者(プレーヤー)が「終わった地」マデューラへとたどり着くところから物語は始まると言って良いだろう。マデューラの篝火の前に緑衣の巡礼服を着た女性が「貴方は継ぐ者か」と問う。「名を禁じられた4つの強いソウルを持つものを目指せ」と言われ、プレーヤーはまず4つのソウルを求めることとなる。

 ……という物語の冒頭から始まり、「最後の巨人」、「忘れられた罪人」、「鉄の古王」、「腐れ」という4つのソウルを得て、不死者はドラングレイグ城へと赴く。亡者蠢く城の奥地で、プレーヤーは王妃デュナシャンドラに出会う。そこでデュナシャンドラに「ヴァンクラッドの元に行け。王は2人もいらない」と告げられる。

 「不死廟」と呼ばれる場所に、かつて王と呼ばれ、この地を征服した「亡者」がいた。それは既に精神の死を迎え、体は腐り果てた、ヴァンクラッドだった。プレーヤーはそこから、かつて王が身に着けていた指輪を持ち帰る。「王の指輪」を持ったプレーヤーに、デュナシャンドラは「玉座を目指せ」と告げる。

 王の指輪をつけたプレーヤーは、王城にあった開かない扉の前へと訪れる。するとそこに緑衣の巡礼が現れ「この先に進めばデュナシャンドラが襲ってくるだろう」と言われる。実際、全ての出来事はデュナシャンドラによる企みで、デュナシャンドラは世界の始まりとされる火の力を奪うことが目的だったのだ。

 デュナシャンドラを倒したプレーヤーは、問われる。火を継いで同じ世界を望むか、火を拒むか。エンディングはこの2つに分かれており、そして「渇望の玉座」エンドと、「拒絶」エンドに分かれている、というのが本作の大まかなストーリーだ。

 このように短い文章でまとめてみれば全てはデュナシャンドラの企みであったことも簡単にわかるのだが、そこに至るまでがあまりに長く(まず4つのソウルを得るまでが長い)、「今、何のために何をしているのかよくわからない」となりがちだったのが、本作であった。

 なお、これはとても簡略化しているため、実際にはここにもっと様々な人物が登場し様々な思い・策略をぶつけあうというのもあり、それもあってストーリーがわかりにくくなっている、というのもある。

始まりの地でありつつ「終わった地」であるマデューラ

 以上、「ダークソウル2」9周年にあたって、様々な思い出やストーリーを振り返ってみたが、いかがだっただろうか。数の暴力という理不尽さはあれど、筆者にとっては未だに好きなゲームの1本である。昨年発売されたばかりの「エルデンリング」で洞窟系のエリアの敵の配置が「ダクソ2」に似ていた、と感じる。洞窟系エリアの攻略には苦労した人も多いと思うが、あのエリアの攻略が楽しかったという人にとっては、本作はとても楽しめる1本となるだろう。

 なお本作は、DLCも全て入ったHD版「DARK SOULS II SCHOLAR OF THE FIRST SIN」が発売されているため、現在でもプレイしやすい。ぜひプレイしてみてほしい。そしてアマナの祭壇で、ただでさえ折れている心をさらに折られてほしい。

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