【特別企画】

プロの姿勢も直す、イトーキの最新ゲーミングチェア「Act Gaming」がすごかった!

オフィスチェアの技術をゲーミングに昇華。新レーベル「Daidara」を立ち上げ

【Act Gaming】

3月3日 発売

価格:149,900円

 イトーキは3月3日、最新ゲーミングチェア「Act Gaming」を発売した。価格は149,900円。同時に、エクストリームゲーマー向けの新レーベル「Daidara」の立ち上げを行なった。

 発表情報の速報はすでにお伝えしているとおりだが、本稿では本日実施された発表会の模様をお伝えする。また「Act Gaming」を実際に座って試すことができたので、合わせてご紹介したい。

自在アームレストに威力がすごい

 まず「Act Gaming」について詳しくご紹介したい。「Act Gaming」は、イトーキが展開しているオフィス向けチェアのなかでも人気の高い「Act」をベースとしたゲーミングチェアとなっている。

 特徴的な機能には、背面がぐにゃぐにゃとねじれるように動く、肘置きが広い可動域で上下左右に自由に動かせる、といったものがある。オフィス向けのチェアとして、8時間から10時間を座りっぱなしでいることを想定した、人間工学に基づいた構造設計で体を支えてくれる。

Act Gaming

 「Act」と「Act Gaming」は基本的な機能は共通するものの、「Act Gaming」では基準となる座面を15mm下げているという。これは、オフィス向けの「Act」では靴底の厚みを想定しているため。「Act Gaming」は主に家での使用が想定されており、その分の座面基準を下げている。

 なお「Act Gaming」は東京ゲームショウ 2022でも出展していた。出展版では座面にレザー素材が使われていたが、ユーザーからの反響を踏まえた上で、製品版では座面の素材が抗菌加工されたファブリック素材へと変更されている。

 実際に座ってみると、「柔らかいのにしっかり支えてくれる」という第一印象を持った。これはクッションの柔らかさに加えて、座面の樹脂シートにスリットなどを多く入れ込むことで、座面の体圧を分散させる構造になっているからだという。

 背面はメッシュ構造で、もたれかかると背中にフィットしつつぐいーっと倒れ込んでいく。全体では包まれているようでもあり、柔らかく支えてくれる感覚がより強まる。

ファブリック素材となった座面
座面シートの内部構造。この構造が独特の柔らかい座り心地を生んでいるという
メッシュ構造の背もたれは、体を左右にひねると追従するようにグニャグニャと曲がる

 さらに、かなり気に入ったのは肘置きの動かせる範囲。肘置きは上下左右に動かせるが、特に上下の幅がかなり広い。下は腰あたり、上はみぞおちあたりまで来て、肘置きの使う、使わないをはっきりと切り替えられる。

 これは例えば、VRゲームのような腕を広い範囲で動かすようなゲームプレイにも有効だろう。肘置きが固定されていると、腕を動かす範囲に肘置きがあったりしてぶつかったり邪魔になったりする。大抵は我慢するような状況だが、Act Gamingは肘置きをガッと下げればいい。

自在に動く肘置き。肘置き下のボタンを押したまま動かして、離したところで止まってくれる

 また発表会で登壇したVARREL「スプラトゥーン」部門所属のらきょるん選手は、Act Gamingのアームレストを活用することによって、プレイ中の姿勢が改善したという。

 「スプラトゥーン3」のプレイでは、Proコントローラーのジャイロ機能を駆使するため、肘を支えることで安定する。以前は座った状態で前かがみの姿勢を取り、首や背中にかなりの負担をかけていたそうだが、Act Gamingの肘置きを腰の位置に持ってくることで、椅子に深く座った状態のまま肘を支えることができ、負担のない姿勢でプレイできるようになったという。

 ゲームには様々なプレイスタイルの幅があるが、Act Gamingの自由度の高い肘置きがプロプレーヤーの姿勢を改善した、という点は大変興味深い。この肘置きは、他の多くのゲーマーにとっても注目すべきポイントになると思う。

VARREL「スプラトゥーン」部門所属のらきょるん選手。Act Gamingの肘置きを活かした、独自のProコンの持ち方を「らきょるん持ち」と提唱していた
必要に合わせて高くも低くも左右にも動かせる肘置き。はっきり言って便利
TEQWING e-Sports「スマブラ」部門所属のよっシィ選手。普段は背もたれに寄りかかってプレイするそうで、背中にフィットする「グニャグニャ感」が気に入っているそうだ
ほかにも座面の前後幅を調整できる機能などがある
リクライニングを固定するスイッチも。背もたれを使いたいがリクライニングはしたくないときに最適

あえて“エクストリームプレーヤー”に絞った「Daidara」

 イトーキが立ち上げたレーベル「Daidara」は、日本各地に伝承の残る「ダイダラボッチ」に由来している。ダイダラボッチは「人々を助けるために土地を整えることで崇められてきた、この巨人の持つ献身性と強さ」がデザインに込められているという。

「Daidara」について語るイトーキ代表取締役社長の湊宏司氏
「Daidara」ロゴ

 「Daidara」がターゲットしているのは、日本一を目指すような、より本格的なゲーム環境を求める“エクストリームプレーヤー”。イトーキが持つ、オフィスチェアの技術を最大限活かしたゲーミング製品を提供するために、あえて最高級路線に踏み切ったのだとした。レーベル最初の製品となるAct Gamingは、初年度2,000脚の販売を目標としている。

 「Daidara」では今後、ゲーミングチェアだけでなくデスクなどの製品も展開してラインナップを拡充する予定。東京ゲームショウ 2023においても、何を出展するかは未定なものの、「Daidara」として参加予定だそうだ。

 なお3月3日より販売となったAct Gamingは、一部のヤマダ電機店舗や、東京タワー内「RED° TOKYO TOWER」4階にて体験可能となっている。まずは座ってみて、Act Gamingの特徴を体感していただくといいだろう。

カラーは赤とライトグレーの2色