【特別企画】
【TGS2022】「ストリートファイター6」新たに参戦が発表されたケンの最速試遊レポート!
新必殺技多数! 新生ケンは前作までとどう違うのかを徹底解説
2022年9月16日 16:45
- 【ストリートファイター6】
- 2023年 発売予定
- 価格:未定
TGS2022に出展されているカプコンブースにて、2023年発売予定の新作対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」を試遊することができた。本作は35年の歴史を誇る「ストリートファイター」シリーズに新たな息吹を吹き込むべく、往年のキャラクターたちのデザインを刷新し、ブレイクダンスやヒップホップ、グラフィティなどのストリートカルチャーに立ち戻った世界観が特徴のゲームで、ファンたちの期待も高い。
今回の試遊ブースでは、9月15日に参戦が発表されたばかりのケン・マスターズをプレイすることができた。ケンといえば主人公リュウのライバルとして「ストリートファイターII」から登場しており、シリーズでも最も人気の高いキャラクターのひとりだろう。そんなケンの新たな出で立ちやバトルスタイル、新規追加の必殺技等について、本稿でじっくりとレポートしていきたい。
道着を脱ぎ去って貫禄が増したケン
「ストリートファイター」のケンといえば、赤い道着を身に纏った金髪の二枚目キャラといった印象が強いが、今作のケンはそんな印象から離れ、これまでと全く異なった出で立ちをしている。前作までは辛うじて着ていた道着も今作では完全に脱ぎ去られ、ボンバージャケットにミリタリーブーツといった、いかにもアメリカンな服装をしている。しかし道着要素が完全になくなったというわけでもなく、よく見ると左腕には帯が巻かれている。
トレードマークの金髪はそのままだが、あまり手入れされているようには見えず、さらに顎には無精ひげが生え、前作までの陽気な印象とは裏腹に、どことなく悲壮感の漂う面相をしている。それもそのはず、公式サイトの情報によると、今作のケンは「組織犯罪の首謀者という嫌疑をかけられたため、家族の元を離れ地位を捨てて潜伏」中の状態だそうだ。もしかすると道着を脱ぎ去った背景には、そんな事情もあったのかもしれない。
スタンダードなプレイスタイルはそのままに
外見は大きく変わったが、肝心のプレイスタイルはというと、前作までのスタイルを概ね引き継いでいる印象だ。通常技のリーチは中程度で、モーションはどれもスタンダードで使いやすい。波動拳や昇竜拳といったおなじみの必殺技もそろっており、また飛び込み攻撃も従来通り強そうなので、中近距離で戦っていくキャラクターになるだろう。
ケンのプレイスタイルを解説するうえでまず注目したいのが、キックボタン2個同時押しで発動できるダッシュ技「奮疾脚」だ。素早い動きで相手との距離を詰めるこの技は、前作ではVスキルとして登場していたが、今作では特殊技という扱いになっている。中間距離からの奇襲に使えるほか、立ち強パンチなど一部の通常技からキャンセルで出すことも可能で、ケンの試合運びの核になってくるであろう技だ。
「奮疾脚」には三つの派生があり、弱キック入力で急停止、中キック入力で中段技「紫電カカト落とし」、強キック入力でリーチの長い「踏み込み前蹴り」を出すことができる。中キック派生のカカト落としは前作までは特殊技として出せたが、今作では「奮疾脚」の派生としてのみ出すことができるようだ。また「奮疾脚」は必殺技でキャンセルすることができ、キャンセルした必殺技は通常時よりも強化されるという性能がある。これは、各必殺技の項目で説明していこう。
次に必殺技だが、まず紹介したいのはケンの代名詞ともいえる「竜巻旋風脚」だ。この技はヒットで相手をダウンさせる突進技で、前作と異なり、弱中強のどれで出しても地上を直線的に進むようになっている。そして「奮疾脚」をキャンセルして出すと脚に炎を纏い、技の性能が変わる。ダッシュの慣性が乗って移動距離が伸び、またヒットしても相手をダウンさせず、密着の状態を作り出すことができる。差し返しなどから密着有利の状態を作り出し、ここから投げと打撃の攻めを仕掛けるのが強力になりそうだ。
そして気になるのが「空中竜巻旋風脚」だ。この技は空中から降りてくる際の軌道を変化させるため、相手の対空攻撃のタイミングを乱し、長年ケンの攻めを支えてきた。今作の「空中竜巻旋風脚」は、比較的緩やかな速度で降下し、ヒット時はダウン誘発という性能。角度がよければめくりヒットにもなり、昇竜拳などでの追撃も可能なようだ。またオーバードライブ版は速度が増し、ヒット時は地上技からコンボに行けるようなので、これはケンの切り札として相当強力になるだろう。
次に波動拳と昇竜拳を紹介しよう。まず波動拳は従来通り、まずまずの性能を持った飛び道具といった感じで、やはりリュウの波動拳と比べると硬直が長く感じた。オーバードライブ版は2ヒットだがダウンせず、この点も従来通りといえよう。
昇竜拳も従来通りのモーションで、当たると連続ヒットするのが気持ちいい。強版を出しても炎を纏わないので困惑していたが、「奮疾脚」をキャンセルして出すと技の強度に関係なく炎を纏い、技の性能も強化されるようだ。やはりダッシュの慣性により前方への攻撃性能が増している感があり、もし弾抜けなどに使えるなら強力だろう(無敵性能については未検証)。
ここからは新規に追加された必殺技だ。まずは昇竜拳コマンドとキックボタンで出る「龍尾脚」。こちらは跳び上がりながら相手に突っ込む突進技で、コンボに組み込んで使うほか、相手の下段技を避けながら攻撃することもできる。技説明を見ると攻め継続に効果的と書いてあるので、ガードされても確定反撃は無さそうだ。全体的に、サガットの「タイガーニー」に近い技と言ったら分かりやすいだろうか。この技も「奮疾脚」からキャンセルで出すことで強化され、ダッシュの慣性を乗せて相手に奇襲を仕掛けることができる。
もうひとつの新技は「迅雷脚」。この技は初段が上段の回し蹴りで、そこから三つの派生技を出すことができる。弱キック入力で出る下段判定の「風鎌蹴り」、中キック入力で出る中段判定の「轟雷落とし」、強キック入力で出る上段判定の「閃火脚」がその三つだ。派生技で中下段の攻めを迫れるというのがポイントで、初段をガードされてもそこからの選択で相手のガードを揺さぶることができるようになっている。近距離で通常技からのキャンセルで出すのが有効な使い方だろう。
そして最後にスーパーアーツを紹介しよう。本作では各キャラクターに三つのスーパーアーツが用意されており、それぞれが少しずつ異なった性能を持っている。まず1ゲージ消費の「龍尾烈脚」は無敵性能があり、ヒット後は強制ダウンから起き攻めをすることができる。サードストライクでおなじみの「疾風迅雷脚」は2ゲージ消費で、発生が早くコンボなどに組み込みやすい。そして3ゲージ消費の「神龍烈破」はケンの技の中で最もハイダメージな技で、さらにヒット時は強制ダウンなので強力な起き攻めを仕掛けることができるようになっている。
また、これは試遊をしていてたまたま気づいた点だが、今作ではスーパーアーツで攻撃すると、ヒットしても相手のゲージが溜まらないようになっている。今作はそもそも、Vゲージのようないわゆる「逆転ゲージ」がないのが特徴だが、スーパーアーツで攻撃すれば相手に一切リソースを与えずにダメージを取ることができる。そういった戦略的な意味でも、スーパーアーツは強力な攻撃手段となってくるだろう。
「ストリートファイター6」の今後に要注目!
以上が「ストリートファイター6」のケンの概要だ。全体的な印象としては、前作までの感覚をそのままに素直にプレイできる、比較的スタンダードなキャラクターといった感じを受けた。各種突進技や「空中竜巻旋風脚」など、相手の懐に潜り込む手段が豊富で、近距離の読み合いを制して相手を崩していくスタイルが強力になりそうだ。
2023年に発売が予定されている「ストリートファイター6」は、現在までに11名のキャラクターの参戦が発表されており、これからもまだまだ新たなキャラクターが発表されていく予定だ。往年のシリーズファンも、そうでない方も、是非今後の「ストリートファイター6」の動向に注目してみてほしい。
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