【特別企画】

【TGS2022】「ライザのアトリエ3」試遊レポート

イルカに跨がるライザ、良い。鍵を使った爽快バトルや進化した採取を試遊では堪能しきれない大ボリュームでお届け

【ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~】

ジャンル:錬金術RPG

開発・発売元:コーエーテクモゲームス

プラットフォーム:PS5、PS4、Nintendo Switch、Steam(PC)

発売日: [PS5、PS4、Switch] 2023年2月22日

[Steam] 2023年2月24日
価格: [通常版] 8,580円(税込)

[プレミアムボックス] 11,935円(税込)
[スペシャルコレクションボックス] 22,550円(税込)
[ダウンロード版] 8,580円(税込)

 コーエーテクモゲームスは2022年9月15日から18日まで、千葉県幕張メッセにて開催される東京ゲームショウ2022にて、「アトリエ」シリーズ25周年記念作品となる「ライザのアトリエ3」の試遊台を設置した。

 「アトリエ」シリーズは、1997年の「マリーのアトリエ」から続く一連の作品で、最新作「ライザのアトリエ3」は、「秘密」シリーズ3作目にして都合24作品目となるタイトル。プレイヤーは主人公のライザとその一行として、彼女たちの住むクーケン島の周囲に突如として現れたカーク群島の調査へと赴く。

 今作では新たに「鍵」を使ったシステムなどが導入されたが、TGSバージョンでは新要素だけでなく採取や調合、戦闘、探索といった全般的なシステムを体験することができるようになっている。体験版とはいえ非常に大ボリュームで、1度のプレイでは絶対にすべてを堪能することができないほど。あらかじめ気になる要素を決めておき、そこを中心に楽しむのが良いだろう。

 なお、今回の試遊台はPS5を使用しているとのことで、グラフィックのクオリティがPS4で見たときと比べて一段階きめ細かいのがわかった。もちろん、気になる人には気になるライザの太もももバッチリPS5仕様なので、ぜひともじっくり見て欲しい。

“鍵”の登場でさらに爽快感が増したバトル

 TGSバージョンは、ライザからカーク群島の調査を一緒に行きましょうと誘われ、クラウディア・レント・タオ・ボオスの5人でパーティを組み現地入りしたところ、敵に襲われるシーンからのスタートとなる。そのままバトルシステムのチュートリアルとなるのだが、ここは基本的に前作「ライザのアトリエ2」と大きく変わってはいなかったので、「ライザ2」をプレイ済みの人であれば戸惑うことはないはず。このシリーズが初めてという人でも、基本は簡単なので悩むことはないだろう。ただし、新要素となる「鍵」を使ったシステムが追加されているので、その部分はシッカリと見ておきたい。

戦闘シーンの基本的な操作方法はすべて解説してくれるので、初めてプレイする人でも心配なく遊べる。新システムの「鍵」を使用しまくって、どんなものなのかの感覚をつかむのも良いだろう。

 チュートリアルでは基本的に◯ボタン連打でも問題ないが、せっかくなので解説された後衛キャラクターと入れ替わるシフトスキルや、鍵の新システムとなるキーチェンジを積極的に使ってみよう。特にキーチェンジは、使うとキャラクターがパワーアップするなどの効果があるため、爽快感も大幅に増す。

キーチェンジ中は、通常攻撃の連打が可能。いつもならAPが溜まるまで待つ必要があるのだが、それをしなくても良いため相手を一方的にタコ殴りにできる。これがかなりキモチイイ。

 バトル自体は非常にスピーディに展開するので、ストレス感は皆無。またパーティを組んでいるものの、プレイヤーが操作しなければならないのは1キャラのみで、ほかのメンバーは自動的に行動してくれるのもありがたい。なお、フィールドではシンボルエンカウント方式を採用しているので、戦いたくないときは敵を避けて移動すればOKだ。時間の限られている体験版では、なるべく戦わないのも選択肢の一つ。

フィールドには敵がそこかしこで活動しているが、動きはそれほど速くないので避けるのは簡単。
とある地点までたどり着くと、ボスっぽい敵の姿も。かなりの強敵だと思われるので、もしも遭遇したときは心して戦おう。

フィールドに繰り出し採取や調合。いろいろ試せる自由時間

 バトルのチュートリアルが終わると、いよいよ自由行動開始となる。初期クエストとして4つが用意されているのだが、画面上部には選んだクエストの目標位置を指し示すマーカーが現れ、その方向に進むことでクエストクリアに近づけるようになっている。これを目印にすれば、広大なフィールドでも迷子になることなくクエストの目的地にたどり着けるという便利な機能だ。上手に活用すれば、初期クエスト4カ所すべてを回りきることもできるかもしれない。

画面上部に表示されるマーカーは、ピンクがクエスト対象のある方向で、その下の数値が距離を表している。“?”がついた家のような形のアイコンは、ランドマークなどの目印になるような目立つ場所。
現在位置や目的地を確認するには、右下のマップを参照するか、タッチパッドを押しっぱなしにすると表示される地図を見る方法などがある。迷うことはないだろう。

 まずは目の前に見えるジップライン(2点間を移動できるロープウェイのようなもの)を利用して隣の島へと移動し、高台に位置している建物に入ってみた。どうやらそこはアトリエで、たどり着ければ調合を体験することができる。

 調合方法は前作譲りで、直感的に行えるのも同じ。まずは作りたいアイテム(チュートリアルではフラム)を選ぶと、マテリアル環と呼ばれるスポットが複数出現する。その中の、ベースマテリアル環という場所に最低限材料を投入すれば、調合に入ることが可能だ。さらに、条件を満たすことで現れる特性環などにも材料を入れることで、より品質の良いアイテムを調合で生み出すことができるとのこと。調合自体は失敗することはないので、材料のある限り様々なアイテムを作ってみよう。ただし、これだけでも面白いため、あっという間に制限時間の15分が経過してしまうことも。事実、一度目は各種アイテムをああでもないこうでもないと悩みながら作っているだけで終わってしまった(笑)。

最低限、円の外側に三角形が描かれているベースマテリアル環と呼ばれる場所に材料を投入すれば、調合が可能だ。ただし、それで完成するアイテムの品質などはイマイチなので、より完成度の高いアイテムを目指して素材を吟味していくこととなる。
同じ場所でも、入れられる材料の種類が異なることも。属性を考慮しながら選んでいると、あっという間に時間が過ぎてしまう。

 調合に欠かせないのが、フィールドで採取したり、敵を倒してゲットする素材だ。今作では、◯ボタンで回収できる一部素材は、歩いたり走り回ったりしながらでも採取できるようになったので非常に快適。もちろん地上物だけでなく、海上に浮かんでいる素材も泳ぎながら◯ボタンを押すことでゲット可能となっている。

動しながら◯ボタンを押すだけで、材料の回収完了となる。「ライザ3」はフィールドが従来作以上に広大になっているので、いちいち止まって回収しなくても良いのは本当に嬉しい仕様だ。

 それ以外の、□ボタンで武器を振り下ろし破壊することで採取する方法も、L1ボタンを押すと表示される3種類の武器から選択できる。同じ素材でも、採取武器が違えば異なる材料を入手できるので、何度も試したくなってしまうだろう。

ライザが持っている武器は錬金術士の杖、ハンマー、薪割り斧の3種類。どれを使うかで、採取できる材料が変わってくる。なお、ハンマーでは草から素材が回収できないなど、武器による制約も。

広大なフィールドは移動アクションもさらに多彩に

 広大になったフィールドを歩き回るには、これまでの作品と同じく歩くほかL1ボタンを押しながらのダッシュ移動が用意されている。これに加えて水上ではなんと、何カ所かにあるポイントにいるイルカに近づくことで、その背中に乗って泳ぎながらの高速移動が可能になるのだ。さらにL1を押していると、水面をジャンプして飛び跳ねながら動くことができてしまう。最初にイルカでの移動を体験したときは、その早さに思わず「早い!」と言葉が漏れたほど。カーク群島は小島が多いので、探索するならイルカの助けは必須となるだろう。

地上では歩くか走るくらいの違いだが、海中では通常移動が平泳ぎでダッシュ移動がクロールになり、イルカの場合はダッシュ移動すると飛び跳ねながら運んでくれる。そのシーンを見たら、人によっては「七つの海のティコ」か、「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」のラスト近くを思い出すかもしれない?
探索での、ライザのお転婆っぷりは健在。ツタやはしごを上り下りしたり、危険な崖をすり足で移動したりと、今回も見せてくれる。ちなみに、どんな高所から飛び降りてもダメージを受けたりはしないので、スタート地点近くから飛び降りて、一気に海岸付近に行くこともできる。
フィールド移動中に突然、メインクエストとは別のランダムクエストと呼ばれる突発的なイベントが発生することもある。時間に余裕があれば、世話を焼いておきたい。

 探索を続けると、あちこちに目立つ建物や木々があるのがわかる。それらはランドマークと呼ばれ、近づいて発見することでエリアマップに表示される情報が増えるほか、専用のクエストも発生する。なかには、新システムの「鍵」に関わるイベントが発生することもあるので、優先的に立ち寄りたい。

体験版開始時のクエストにあった灯台は、近くまでたどり着けるとイベントが発生し、鍵を生成できるようになる。
ランドマークを見つければ、エリアマップを使うことでランドマーク間を一気に移動できるファストトラベルが利用可能になる。体験版でお世話になる機会はないが、製品版で長距離を移動するときには重宝しそうだ。

15分では遊びきれない大満足のボリューム感

 戦闘や調合、探索と一通り駆け足で試してみたのだが、とにかくボリュームがありすぎて、制限時間の15分ではどれもこれも中途半端にしか体験できなかったのが残念だった。特に、新システムである「鍵」システム周りをもっと堪能したかったのだが、あれも試したいこれも見たいと浮き足立ってしまったおかげで、細かい部分まで確認することができなかった。この際、そのまま体験版として配って欲しいと思ったほど、充実した内容になっていることは保証したい。また、PS5を使用してのプレイということで、グラフィックはインタビュー記事で使用したPS4版の写真よりもきめが細かく、より美しく表現されていたのも見所と感じた。これにより、ライザの太ももも従来作以上に際立って美味しそうに(?)見えたほどだ。

 これからプレイしようと思っている人は、最初に書いたようにあらかじめ方針を決めてから列に並ぶことを強くオススメしておきたい。時間的余裕があれば2、3周くらい体験すると、より本作のおもしろさ、奥深さがわかることも間違いない。今回体験版をプレイしたことで、筆者的にも発売が待ち遠しい作品リスト入りしたと報告しておこう。