【特別企画】
PSVR2は“頭の振動”が没入のキモ!「Horizon Call of the Mountain」インプレッション
機械獣の大きさと力強さ、特徴的な崖登りや弓矢アクションも体験
2022年9月14日 21:00
- 【Horizon Call of the Mountain】
- 発売日:未定
- 価格:未定
GuerrillaとFirespriteが開発中のPlayStation VR2向けの「Horizon」シリーズ最新作「Horizon Call of the Mountain」。今回は開発中の本作序盤部分をプレイする機会に恵まれた。
プレイした率直な感想は、「『Horizon』シリーズの世界の中に飛び込んだ体験」だ。VRコンテンツの体験では何度も繰り返されてきたフレーズかもしれないが、あえてこの言葉を使いたい。それほど、PSVR2の新たな機能を活かした体験の没入感は目新しいものだったからだ。
特に、視点トラッキングやヘッドマウントディスプレイの振動などのハードウェア面での進化は大きい。そしてそれらを最大限に引き出すソフトウェア側という双方の工夫の成果だろう。
開発者は、今回の体験会に合わせたインタビューで「PSVR2の機能を存分に使って、視線トラッキングや、ハプティックフィードバックといったあらゆることを活用しながら、『Horizon』らしい弓を使った戦闘、そして工作や、謎解きを組み込んでいます」と自信たっぷりに話してくれた。
では、そんな本作のインプレッションをお届けしていこう。
VRゴーグルで見る巨大な機械獣に圧倒
今回プレイできたのは、ゲームの最序盤らしきパートだ。ゲームは小舟に乗っているところから始まる。小舟にはプレーヤーのほかに2人が乗っており、森の中に流れる川を進んでいく。
森は巨大な機械獣が闊歩しており、その迫力には圧倒される。これまでのシリーズ作品でも巨大な機械獣はもちろん存在していたのだが、やはりモニター越しに見るのと、目の前に迫るようなVRの体験は一味違う。
機械獣の歩みに合わせてPSVR2のヘッド部分が振動し、地面や空気の揺れを感じさせる。開発者のインタビューでも「なんといっても機械獣の大きさを体感してほしい」と話していたが、見た目だけでなく音や振動によってもその大きさが伝わってくる点で、まさにそのとおりだった。
ある程度川を進むとアクシデントが起こり、2人とバラバラになってしまう。主人公はまったく別のところで目覚めるのだ。
ここからプレーヤーが操作するパートが始まる。移動するときはコントローラーを前後交互に振って前に進むという操作だった。イメージとしては、歩いたり走る時に手を振るようなイメージだ。動作が大きめになるので、ある程度広い場所でプレイする必要があるかもしれないが、開発者によると、コントローラーのアナログスティックで移動することも可能だという。そういったオプションを使いながらやりやすい形でゲームを進めていくのが良さそうだ。
また崖を登るシーンがあり、両手のコントローラーで崖の出っ張りを掴みながら登っていく。出っ張りに手を合わせて手をグイッ、グィッと引き寄せるように動かすことで、先へ進める。こちらも現実世界で壁を登るような動きで、かなり直感的に操作できた部分だ。
直感的な戦闘は好印象。巨大な機械獣との戦闘に苦戦
今回の体験では、機械獣との戦闘も体験できた。戦ったのは「Horizon」シリーズに登場する、小型の機械獣「ウォッチャー」と巨大な機械獣「サンダージョー」の2体だ。
使用できた武器は弓。筆者は右利きなのだが、その場合は左手に弓を持って右手で矢を射るという現実と似たような操作になる(持ち替えて逆にもできる)。矢は背中にあるので、右手で背中に手を伸ばして掴み、矢を弓につがえて、引っ張って狙いながら射るという操作になる。
それぞれの機械獣には弱点になるポイントがある。プレーヤーはスキャンというアクションが可能で、弱点などをサーチできる。ここを的確に撃ち抜くと大きなダメージを与えられたり、部位を破壊して相手の一部の攻撃を封じることができた。このあたりは「Horizon」シリーズのシステムを継承している印象だ。
戦闘中は移動システムが変化。前後には移動できず、コントローラーのボタンを押しながら左右に振ることで、スッスッと左右に避けられる。移動を極力シンプルにすることで、戦闘操作に集中しやすいような形だ。ほかにも、大きな尻尾を振り回してくるような攻撃では体を屈めることで回避できた。この部分は既存の「Horizon」シリーズとは異なる動き方だった。
ウォッチャーは比較的簡単に倒すことができた。特に弱点を矢で射抜くと大ダメージを与えられるので、それほど苦労はしない。だがサンダージョーはそうはいかなかった。
まずはとにかくサンダージョーの巨大さに圧倒された。PSVR2ならではの迫力も相まって、「こんなに巨大な敵と戦わなければいけないのか」という雰囲気で弱気になってしまう。
加えて、サンダージョーの攻撃は非常に激しい。マシンガンのような装備でこちらにどんどん銃弾を打ち込んでくる。遮蔽物があったので隠れてみたが、遮蔽物も銃弾の雨ですぐに壊れてしまい、左右のステップで避けることになる。攻撃のスキもあるようでそこまで長くないので、回避行動をしながら矢をつかむ動作が忙しく、防戦一方という具合だ。
なんとか攻撃のスキで矢を射るのだが、焦って照準がうまくあわず部位破壊ができる弱点などを毎回は狙えない。弱点以外でもダメージは入るので、とりあえず数を撃つ作戦に出てみたもみたのだが、それでも倒し切れるほどのダメージを与えられず、筆者はダウン。数回チャレンジさせてもらったのだが、筆者は倒すことができなかった。初見ではなかなか手ごわい存在になりそうだ。
手と頭の振動が合わさると体験の情報量がグンと上がる
PSVR2には様々な新機能があるが、筆者が特に印象に残ったのが「視点追従型フォビエートレンダリング」という機能だ。これはPSVR2に搭載されている視線トラッキングを使った技術だ。
プレーヤーが見ているところを視線トラッキングで判定し、見ているエリアのレンダリング解像度を高くするという技術だ。この機能により体感の解像度はかなり高くなっている。それが没入感が高まった1つの理由だろう。
またPSVR2のコントローラー「PS VR2 Senseコントローラー」には「フィンガータッチ」という機能が追加されている。これはコントローラーのボタンにそっと触れると、プレーヤーがボタンに触れている信号を検出できる機能だ。本作ではこの機能を使ってゲーム内で指を動かすことができ、ピースサインや親指を立ててサムズアップをすることができる。この機能によりゲーム内の主人公と、プレーヤーである自分自身の一体感がより増すのだ。
また新機能でインパクトがあったのが上記でも紹介した「ヘッドセットの振動」だ。これがコントローラーの振動と重なると、体全体が振動しているような感覚になる。近くを巨大な機械獣が通ったり、敵からダメージを受けたときなどの情報量がグンと上がっている。これは完全に新しい体験だった。
「Horizon」ならではの機械獣が闊歩する世界でリアルで迫力のある戦闘が楽しめたり、PSVR2ならではの新機能で次世代の体験ができる本作。ぜひチャンスを作って体験してみて欲しい。