インタビュー

PSVR2で「Horizon」の良さをさらに引き出す。「Horizon Call of the Mountain」開発者インタビュー

こだわりは「高さ」。山登り、弓の引き絞りなどのアクションも重視

【Horizon Call of the Mountain】

2月22日 発売予定

価格:7,980円

 2月22日に、PlayStation VR2用アクション「Horizon Call of the Mountain」が発売される。

 「Horizon Call of the Mountain」はアクションゲーム「Horizon Zero Dawn」、「Horizon Forbidden West」に続くシリーズ作品だ。「Horizon」シリーズの世界では、壮大な自然が目の前に広がっており、かつての文明の発展を思わせる様々な遺跡が残されている。各地にバラバラに暮らす部族たちが時に関わり合いながら、巨大な機械獣が闊歩しているこの世界を生き延びている。

 本作はそんな「Horizon」シリーズの初のVR作品となっている。世界観などはこれまでと共通しているものの、PSVR2ならではの新しいゲームシステムが盛り込まれており、これまでの作品とは異なった体験が得られる作品になっている。

 今回は発売に先駆けてGuerrilla Gamesスタジオナラティブディレクターのベン・マコ―氏に本作のお話を伺うことができた。その模様をお届けしたい。

Guerrilla Gamesスタジオナラティブディレクターのベン・マコ―氏

あまりの高さに「自分でも驚くことがある」

――本作を開発するに至ったきっかけを教えてください。

マコー氏:「Horizon」シリーズ最大の特徴である美麗なビジュアルや、オープンに広がる大自然、そして機械獣といった要素を、VRを使うことでより魅力的に映し出せるのではないか、という話がきっかけだったと思います。また高さを使った表現や、機械獣のスケールなど、大きさの表現をPSVR2の性能を存分に引き出して楽しい作品ができるのではないかと思いました。

――本作のチーム体制と連携などについて教えてください。

マコー氏:本作はGuerrilla GamesとFirespriteが協力して開発しました。非常に素晴らしいコラボレーションができたと考えています。Firespriteが「Horizon」の世界をの魅力を余すことなくVRの中に作り上げてくれたと思っていて非常に感謝しています。

――開発者として本作で最も見てほしいポイントを教えてください。

マコー氏:どのようにゲームを遊ぶかは個々人に委ねられていて、それぞれ違うのが面白いところだと思います。山を登るところや、機械獣との戦闘も大きな要素の一つです。大自然を眺めたり、物を拾って投げたり、ぜひみなさんにお気に入りの遊び方を見つけて探検していってほしいと思います。

――従来の「Horizon」シリーズの作品は激しいアクション要素がありますが、本作ではそれをどのようにVRのゲームに落とし込んでいますか?

マコー氏:VRで戦闘を実現するにはVRらしさを存分に出さないといけないと考えていました。そこで大きく注目した点は機械獣の大きさの表現です。機械獣の大きさを目の当たりにできる点や、ハプティックフィードバックで弓を引き絞る体験などは重視しています。またVRでの体験がプレーヤーにとって快適であるために、豊富なカスタマイズオプションも用意しています。

――PSVR2はヘッドセットの振動機能などが特徴だと思うのですが、戦闘中に被弾するなどした場合も振動するのでしょうか。

マコー氏:PSVR2のハプティックフィードバックの一環として、ヘッドセットの振動は素晴らしい機能だと思っていて、手のハプティックフィードバックは戦闘中や山を登っているところなどで体験することができます。もちろんヘッドセットの振動も使っており、ゲーム中でプレイの没入感を高めるために重要な要素として考えています。

――豊富なアクセシビリティオプションはどういう意図で追加されたのか、また今後プレーヤーからのフィードバックを聞いてオプションが増える可能性があるか教えてください。

マコー氏:快適性を追求するために様々なオプションを用意しており、移動速度の調整や、山登り中に落下しない、戦闘中のサポートなどで様々なオプションでユーザーの快適性に寄与したいと思っています。今後のオプションについては申し上げることができません、申し訳ありません。

――本作の開発で苦労した点を教えてください。

マコー氏:もちろんVRでゲームを開発するのはとても難しいことではあります。今回PSVR2というプラットフォームで開発できたことは様々な利点があります。例えば解像度や、広い視野角、ハプティックフィードバックなど、そういった機能に助けられて、このような没入感のあるゲームが作れたと思います。

 特に今作では、山登りがプレイの中心になっていますが、そうした垂直方向の動きを重要視しています。高さにこだわわって開発したところが苦労した点ですし、成功した点でもあると思っています。私自身、プレイしていてその高さにびっくりすることがあります。

――シリーズ作品における本作のタイムラインについて教えてください。また今作の主人公は今後別の作品にも登場するのでしょうか。

マコー氏:あまりネタバレはしたくないのですが、本作は「Horizon Zero Dawn」の間の話です。プレイしたことがある方は、ストーリーのどの辺りかは想像がつくと思います。申し訳ありませんが将来の「Horizon」シリーズの作品についてお話しすることはできません。

――物語作りで苦労した点や工夫した点はありますか?

マコー氏:新しいストーリーを新しいプラットフォームで語ることはいつもチャレンジングなことです。今回は、特にVRの機能を最大限活かせるようにストーリーテリングはこだわりました。本作では新しい主人公である「レイアス」が登場します。彼を山登りや戦闘の達人、という設定にすることで、高さの表現などで活躍してもらいました。もちろん「Horizon」の魅力である本編での仲間や、テーマである自然×近未来の機械といった要素を盛り込んでいて、そちらでも楽しめると考えています。

 本作は独立した物語になっているので、これまでシリーズ作品をプレイしたことがない人でも問題なく楽しめるものになっています。もちろんシリーズ作品をプレイしたことがある人が楽しめる要素も盛り込んでいますので、どちらの方も楽しめるものになっています。

――全体では何種類くらいの機械獣が登場しますか?

マコー氏:具体的に何種類とは申し上げられないのですが、色んな種類の機械獣を見ることができます。また矢の属性の種類なども、戦闘をよりリアルに感じるための様々なメカニックが盛り込まれています。

――最後に日本のユーザーへのメッセージをお願いします。

マコー氏:PSVR2は非常に魅力あふれるプラットフォームで驚きに満ちているので楽しんでいただきたいのと、もちろん本作もぜひ楽しんでいただきたいと思っています。日本のファンは厚くサポートしていただいているので感謝していますし、本作を楽しんでいただけることを願っています。

――ありがとうございました。