【特別企画】

クレーンゲーム入手のゲームパッドが意外に良かったので緊急レビュー!

一言にすると“便利”。Switch、スマホ、PCに有線/無線対応の「NS CONTROLLER 3」

 街中のゲームセンターで、ふとクレーンゲームをやってみたくなる瞬間というものがある。景品が魅力的だったり、時間を持て余していたり、「取れそうかも」と思える配置だったり、それぞれの理由が合わさっていたり。筆者は熱心と言えるほどのクレーンゲームファンではないのだが、そういう気まぐれがたまに起こる。

 で、今回そんなクレーンゲームで手に入れたのがゲームパッド「NS CONTROLLER 3」である。ゲームの周辺機器系がクレーンゲームの景品としてあるのはよく見るが、このゲームパッドもそんな光景のひとつであった。「きっと取れる確立は5%くらいだけど、新しいゲームパッドが増えたらいいな」くらいの感覚で100円を投入したら、まさかの一発で取れてしまった。相当運が良かったのだと思う。

 そして、ここからが本題である。獲得できた嬉しさもそこそこに、せっかくなので「NS CONTROLLER 3」を実際に使ってみたところ、この使い心地が結構良かったというわけだ。一言にすると、実に「便利」だ。さっそく、使用感をお伝えしていきたい。

「NS CONTROLLER 3」の箱

アミューズメント景品のコントローラー「NS CONTROLLER 3」

 「NS CONTROLLER 3」の箱をチェックすると、メーカーはトーシン産業とある。ホームページを見てみると、事業内容のひとつに「アミューズメント景品の製造・販売」とあり、つまりクレーンゲームなどの景品を専門的に作っているメーカーのようだ。

 ほかの景品を見てみると、組み立て式のスナイパーライフル型トイガンや、Wi-Fi接続可能なリモート用カメラなど、バラエティに富んだ製品が並んでいる。「NS CONTROLLER 3」もその中のひとつ(正確にはサイト上には「NS CONTROLLER 2」の表記しかないが、「3」はこの後継品だと考えられる)で、どうもアミューズメント景品用の製品のようだ。

■トーシン産業のホームページ

 「NS CONTROLLER 3」の特徴は、Nintendo Switchのほか、スマホ(iOS、Android)、そしてPCの無線接続に対応しているところにある。充電式で、充電約2時間で稼働は約8時間。上部にUSB Type-Cの差込口があり、充電やNintendo SwitchとPCとの有線接続が可能となっている。

 大きさ的にはDualSenseやXbox ワイヤレス コントローラーなどと同じくらいに作られていて、思いの外しっかりしている。重さは手元のはかりで138gと軽めだが、ボタンの押し込み感や反発もしっかりしていてチャチさはない。コントローラーとしては堅実な手触りになっている。

各方向からの「NS CONTROLLER 3」
DualSense、Xbox ワイヤレス コントローラー、Nintendo Switch Proコントローラーとの大きさの比較

3プラットフォームを自由に行き来。無線接続方法をチェック!

 では無線接続など機能を見ていきたい。面白いのは、Nintendo Switch、スマホ(iOS、Android)、PCに接続する際はそれぞれ別の操作が必要ということだ。

「NS CONTROLLER 3」のボタン配置

 Nintendo Switchでは、本体メニュー画面で「持ち方/順番を変える」画面を開いて、「NS CONTROLLER 3」の「ホーム+Bボタン」を同時に長押しすると、ペアリングが開始される。一度登録されれば接続解除後も、ホームボタンを押すだけで再度ペアリングを始めてくれる。

 続いてスマホ。iOSでは、Bluetoothの接続画面で「ホーム+Yボタン」を同時に長押しする。すると認識するデバイスとして「DUAL SHOCK 4」の文字が出るので、こちらタップしてペアリングができる。Androidは「ホーム+Xボタン」で接続する。

 PC(Windows)では、設定の「Bluetoothとその他のデバイス」から「Bluetoothまたはその他のデバイスを追加する」を選択。さらに「Bluetooth」を選択してペアリング待機状態にして、「NS CONTROLLER 3」は「ホーム+Aボタン」を同時長押し。「Gamepad」が認識されるので、これを登録すれば接続完了となる。

Nintendo Switchでの設定画面
iOSでの設定画面
PCでの設定画面

 一度登録すれば、再起動後は直前に使っていたプラットフォームでペアリングし直してくれるし、プラットフォーム間で接続を変える場合も上記方法で比較的手軽に接続できる。Nintendo SwitchとPCに関しては有線接続にすればいち早く操作開始できるので、「そっちの方がラク」という場合は有線での使用も選択肢に入るかと思う。

 ちなみにPCの場合だが、すでに他の「Gamepad」を登録していた場合、ペアリングを開始しても認識されない現象が筆者では起きた。登録済みの「Gamepad」を削除することでPCが「NS CONTROLLER 3」を認識するようになったので、同じ症状が現われたら上記方法を試していただくといいかと思う。

振動・ジャイロ機能はないが使いやすさでは一見の価値あり

 また独自の機能には連射機能がある。中央付近の「T」ボタンと、連射したいボタンを同時長押しすると、ボタンから手を離しても自動的に連打する、というものだ。ボタン連打が長時間必要な場面では役立つと思う。

 逆に、ジャイロ機能や振動機能はない。ジャイロ機能の活用がスタンダードな「スプラトゥーン2」などでは、「Nintendo Switch Proコントローラー」の完全な代わりにはならないだろう。しかしながら、ジャイロ機能を使わなくてもいい「モンスターハンターライズ」などでは、「NS CONTROLLER 3」でも十分に楽しめる。

ホームボタンの左にある「T」ボタンで連射機能をオン/オフできる

 総合すると、「これひとつでSwitch、スマホ、PCを行き来できる」というフットワークの軽さはかなりいい。そもそものゲームパッドとしての作りが堅実なので、どのプラットフォームでも違和感なくプレイに集中できる。

 ジャイロや振動機能のことを考えると純正や他のゲームパッドに負ける部分はあるが、たとえばサブのコントローラーとして、旅行や外出のお供などにすると大変便利かなと思う。高価なコントローラーを持ち歩き、もし何かあったら代償が大きいが、「NS CONTROLLER 3」ならショックを受けるものの「100円だし……」と割り切れそうだ(筆者の場合)。

 気まぐれにクレーンゲームをプレイしたことで思わぬ良品に出会えたし、正直、アミューズメント景品専門のゲームパッドがここまで良い性能だとは思いもよらなかった。今後、クレーンゲームコーナーを見て回るのが楽しみになったという意味でも、いい出会いだったと思う。