【特別企画】

英会話で学べる英語学習ゲーム! 「ベティア ペラペラ英語アドベンチャー」先行プレイレポート

勉強らしさを感じさせないアウトプット・インプット学習

【ベティア ペラペラ英語アドベンチャー】

4月29日 発売予定

価格:6,578円(税込)

※プレイにはUSBマイクかヘッドセットが必要

 「英語話せるようになりたいな〜、でも勉強するのはちょっとな……。」という方は多いのではなかろうか。できれば楽しく学びたい、無理せず自然にコツコツと。そんな方に向いているのが、でらゲーから4月29日発売予定であるNintendo Switch用イマージョン体験型英語学習ゲーム「ベティア ペラペラ英語アドベンチャー」だ。

 「ベティア ペラペラ英語アドベンチャー」は、個性豊かな人々が暮らす「ベティア」という異世界が舞台。プレーヤーは「リンカー」という選ばれし者となり、「ベティア」の人々と“英会話”を楽しみながらも平和と安全を脅かす「チャンクモン」や「デビルモン」と戦っていく。

 英語学習という側面では、Nintendo Switchでは初となる音声認識による体験型英語学習ゲームとなっている。USBマイクないしはヘッドセットを用い、主にリスニングとスピーキングによる英会話コミュニケーション力を育むような作りだ。出題される英語の内容は英検5級~3級程度で、学年にすると中学卒業程度のレベル。どちらかというと子ども向けのゲームだが、英語なんてすっかり忘れてしまったという大人にとっても勉強になるはずだ。

 本稿では、「ベティア ペラペラ英語アドベンチャー」の製品版を先行プレイした感想をお伝えしていく。英語学習ゲームを探している方は参考にしてほしい。

【【Nintendo Switch】『ベティア ペラペラ英語アドベンチャー』プロモーション映像【公式】】

“英会話”を学ぶ! 独自の音声認識エンジンによるスピーキングのアウトプット学習

 「ゲーム×英語学習」という組み合わせは、何も珍しいものではない。「ゲーム 英語学習」と検索するだけで、どれにしようか悩めるぐらいにはゲームタイトルが存在しているのがわかる。では本作は何が違うのか。それは、英会話コミュニケーションに重点を置いてあるところ、ゲームらしさを感じさせるつくりになっているところだろう。

 本作では、RPGのようにストーリーに沿って街の人々と会話をするのが基本の流れだ。普通のRPGであれば、NPCとの会話中は主人公が自動で話すが、本作ではプレーヤー自らが決められたセリフをマイクに向かって“スピーキング”するようになっている。もちろんNPCは話すのはすべて英語。英語のネイティブスピーカーが声優を担当しており、“リスニング”も鍛えられる。NPCとの会話で、英語学習で大事だと言われているインプットとアウトプット、この両方で学べるというわけだ。

画像はゲーム最序盤の会話。英語でこの世界について教えてくれている

 また、本作の最大の魅力はこの“スピーキング”にある。本作には発音の認定ができる独自の音声認識エンジンが搭載されており、自らの発音をセリフ毎に0〜100点の間で採点されるのだ。その点数が一定数より少ない=正しい発音ができていなければ、NPCに「Excuse me?」と聞き返される。再度同じセリフに挑戦できるので、間違った発音のまま覚えてしまわないようになっている。

発音が違うと会話がストップ。正しい発音になるまで何度もトライできる。発音がわからない場合はXボタンでお手本を聞くことも可能だ
発音のクリア点数を40点以上(やさしい)、55点以上(ふつう)、70点以上(むずかしい)に設定できる。発音が苦手であれば、最初のうちは低めに設定しておいてもいいだろう
どうしてもクリアできない場合はセリフをスキップすることも可能だ。クリアできなかったセリフはメモし、後日復習するのも手だ

 筆者はいくつか英語学習ゲームをプレイしたことがあるのだが、ひとつ問題を答えたら次の問題、そしてまた次の問題、と淡々と問題をこなしていく英語ドリルのようになっているものが多かった。究極的に言ってしまえば、本作もスピーキング問題の連続で進んでいるのだが、ただ淡々と問題を解いていくわけではなく、キャラクター同士の会話の中に自然と問題が盛り込まれているので勉強感が薄い。“ゲームをプレイしている”という感覚で英語学習できる。

キャラクターと会話を進めることで仲を深めることも。やりこみ要素のひとつだ

ゲームらしいだけじゃない! 復習・反復学習で本気の英語学習も

 NPCとの会話で英語を学ぶ作りになっていることで、勉強しているという感覚ではなく英語学習できるのは確かだ。ただし、英語学習という面だけで見れば少しテンポが悪いのも事実。長い移動時間ではないものの、ゲームの性質上、会話→移動→会話→移動の繰り返しになってしまうからだ。しかしながら、本作にはテンポよく反復学習できるコンテンツもしっかり用意されている。今日はガッツリ勉強したい、あの発音が不安だから復習したいというニーズにも応えてくれるのだ。

 まず、英会話を復習するゲームモードとして「Time Guardian」がある。「Time Guardian」は、これまでのストーリーで会話した英会話がエピソード毎に分けられており、それを一気に復習できるコンテンツだ。選択した範囲内の英会話を決められた制限時間内にすべて終えられればクリアとなる。

 この「Time Guardian」では、キャラクターに会いに行くための移動が省かれるので、非常にテンポよく英語学習ができる。また、ストーリー上では自分のセリフがすべて画面内に表示されているのに対し、このゲームモードでは一部の単語が隠された状態になっている。ただただ表示された文章を読むのではなく、この会話ではどの単語が正しいのかを考えながらスピーキングすることになるため、アウトプット学習に非常に向いているゲームモードだろう。

これまでクリアしたエピソード毎に、まとめて英会話を復習できる
Time Guardianではセリフの一部が隠されているが、時間経過でモザイクは消えていく。答えがわからない場合でもサクサクと進められる

 また、本作の基本の流れは「ストーリーに沿って街の人々と会話をする」ことだと前述したが、ストーリーを進めるためには「LUE エナジー」と呼ばれるエネルギーを規定量まで溜める必要もある。このLUE エナジーを溜めるには、街のキャラクターたちやマップに配置されたオブジェクト、チャンクモン(RPGでいうモンスター)などで出題される英語問題を解くことになる。

 これらの英語問題には、英単語の意味を答えるようなシンプルな問題から、いくつかの英単語から連想される英単語を選択式で答える問題などバリエーションがある。少し作業的になってしまうLUE エナジー集めを飽きさせない仕組みだ。

問題はちょっとした謎解きクイズのようになっている。単語の意味をただ覚えるのではなく、単語を覚えさせるための工夫が見られる
英会話を聞いてどの風船を欲しているのか当てるような問題も。会話中に相手が何と言っているかもしっかり聞いておかなければならない
LUE エナジーを集められると次のエピソードに進める

 中でも、チャンクモンとはRPGのようなバトルを楽しめるようになっている。バトルでは、「Chunk」と呼ばれる英語のセリフを使うのだが、まずは「Chunk」の説明をしよう。実はこのゲーム、エピソード毎にテーマになっているセリフが用意されており、それが「Chunk」と呼ばれている。「Chunk」は、「Hello there.」や「How are you?」など、英会話でよく聞く・よく使うセリフになっており、“このエピソードではこのセリフを重点的に覚えようね”というのを明確にするためのシステムだ。「Chunk」となったセリフはNPCとの会話中に登場するのはもちろんのこと、バトルでは反復学習をする仕組みになっている。

邪悪な力で操られた動物たちがチャンクモン。とてもかわいらしいデザインだ
ストーリー中に登場する「Chunk」。手に入れたエピソードではこの「Chunk」を重点的に覚えていけるようになっている

 ではバトルシステムだが、ゲーム視点でいうなればコマンド式のターン制バトルになっている。だが、本格的なRPGのように、どのコマンドを選ぶかを深く考える必要は基本的にはない。チャンクモンのオーラと同じ色のコマンドを選択し、弱点を突くことが基本戦術だ。

 肝心の英語要素はコマンド選択後にある。コマンドを選択したら、そのエピソードの「Chunk」となっているセリフの発音・スペル・文法の3つの問題が出題される。これらを解くことでチャンクモンにダメージを与えられるというシステムだ。

 チャンクモンと戦闘するたび、コマンドを選択するたびに同じ問題が出題されるようになっているため、これが結果的に反復学習となっている。日常でよく使うセリフだからこそ、何度も解かせて頭に定着させる、インプットさせるという狙いだろう。

バトル画面。緑のオーラを持つ敵には緑、青には青の攻撃が弱点となる
発音・スペル・文法の3つをそれぞれ答える

 こういったように、「ベティア ペラペラ英語アドベンチャー」では、ただただ英語を覚えるだけでなく、英語学習をする楽しさを見失わないような工夫が多数なされている。また、独自の音声認識エンジンで正しい発音を学ぶことができ、英語学習で重要なアウトプットも容易だ。子どもに英語を学ばせたいという方や、英語を1から学び直してみようという方にも英語学習の導入として遊んでみてはどうだろうか。

エピソード毎に登場した、特に大事な単語やセリフは後からまとめて意味を確認できる。意味がわからない単語が出てきたらチェックしよう
「Linker Board」にはできることが書いてある。エナジー集めなどで困ったらここをチェック
ゲーム開始から1時間経過するとお知らせしてくれる機能も。無理せず毎日1時間だけプレイする、という日課にもしやすい