【特別企画】
物語を作るのは自分自身! たった1度きりの冒険がここに!「シン・クロニクル」プレイレポート
仲間との絆、運命の選択、全てがプレーヤーの記憶に残るRPG!
2022年3月10日 15:00
- 3月23日サービス開始
昨年の東京ゲームショウ2021での発表から数カ月、セガのAndroid/iOS用新作RPG「シン・クロニクル」が、3月23日よりついにサービスが開始される。「一本道ではない、一度きりの物語」というコンセプトで、自分だけの物語を辿ることができる作品だ。
リリース日の決定を記念して、「シン・クロニクル」のストーリーやゲーム性、開発中の最新版のプレイで感じ取れた本作の魅力をお届けしていこう。
救いがあるのかすらわからない、ダークな世界観
本作の舞台は、滅びが約束された世界「ヘルドラ」。大陸の中心に開いた巨大な大穴「奈落」から湧き出る「黒の軍勢」と呼ばれる魔物が、地上の人々を脅かしていた。人類は、奈落と地上の境界の大障壁を守る「境界騎士団」を結成。境界騎士団と黒の軍勢の長きに渡る戦いが続いている。
ダークファンタジーを銘打っているだけあり、ストーリーの冒頭から人類は既に存亡の危機に瀕している。オープニングシーンの、奈落から溢れ出る黒の軍勢による侵攻「蝕」はまさに絶望的で、境界騎士団の騎士たちがいともたやすく蹂躙されていく。人間の無力さを突きつけるヘビーな展開である。
そんな絶望の中に、まだ何者でもない新人騎士の主人公が、仲間と共に奈落の底を目指し、死の運命に抗っていく――というのが本作の大筋の物語だ。ダークな方向に振り切っているので好みは分かれそうだが、本作が持つ“最初からクライマックスな空気”と“救いの結末があるのかが読めない展開”はRPG好きならば心躍るはずだ。
ゲームはスタミナ制を採用。APを消費して出撃し、奈落を攻略していく。従来のスマートフォン用RPGならば、戦闘を数ウエーブ行なって全て勝利すればクリアという流れが一般的。しかし本作は3Dフィールドのダンジョンが用意されており、最奥で待つボスを撃破すればクリアとなる本格的な作りとなっている。フィールド中を探索してアイテムを回収したり、ダンジョンに蔓延る魔物を撃破してレベル上げをしたりと、まさにコンシューマRPGさながらの面白さをスマートフォンで手軽に味わうことができるのだ。
本作はシンボルエンカウント制となっており、フィールドの敵に攻撃を仕掛けるか接触することで戦闘に突入する。攻撃を当てて戦闘に入れば敵全体に先制ダメージを与えられ、バトル開幕から大きなアドバンテージになる。戦闘を有利に進めるために可能な限り狙っていきたいところだ。
RPGの面白さを左右するといっても過言ではない、戦闘システムにも触れていこう。本作はターン制のコマンドバトルで、キャラクターを自由に移動させてBPという行動値を使用して敵を攻撃することができる。強力な攻撃ほどBPの消費量が多く、本作の戦闘ではこのBPの使い方がカギとなってくる。
画面に表示されるそれぞれのアイコンをタップすれば攻撃を繰り出せる。タップで攻撃するテンポとシンクロ感が小気味良く、連続攻撃で敵を撃破する瞬間は非常に爽快。淡々としたものになりがちなコマンドバトルを、触っていて気持ち良くなれる戦闘へと昇華させたのは流石のセガである。
通常戦闘はテンポが良くサクサクと遊びやすさが光る作りなのだが、その反面、ボス戦は思考しながらじっくりと戦うゲームバランスとなっている。
ザコ敵とボスの大きな違いは「シールド」にある。ボスにはシールド値が設定されていて、攻撃をしてシールドを破壊して初めてまともなダメージが通るようになる。キャラクターをうまく動かして如何に効率よくシールド破壊するか、このボス戦ならではの駆け引きが、歯応えのある戦闘を見事に演出している。
ボス敵は、体力の高さに加えて攻撃力もザコ敵とは比べ物にならない強さ。通常戦闘ではさほど活躍することが無いタンク系のキャラクターが真価を発揮する。
初期のパーティでは、RPGではめずらしく主人公がタンクタイプのキャラクター。丈夫さと体力の高さはもちろん、敵から注意を引きつける挑発スキルを身につけているので、仲間の被害を抑えることができる。
タンク役が頑張れば後はイージーなのかといわれればそうではなく、他のメンバーの立ち回りも重要。ボスは1人のターゲットを狙うだけではなく、強力な広範囲攻撃も使用してくる。なので敵が行動する付近のターンでは相手の攻撃範囲を意識して、範囲の外へ退避しながら慎重に戦う必要がある。このように、ボス戦では戦略を練る面白さも存分に味わうことができるのだ。
クセ者揃いのキャラクターが、かけがえのない仲間になる!
本作に登場する魅力的なキャラクターたちも、「シン・クロニクル」の世界へとグイグイと引き込んでくれる。ストーリー上で仲間になるキャラクター以外の探査騎士隊のメンバーはジェムを消費して回す、いわゆるガチャで仲間にすることができる。
主人公率いる探査騎士隊のメンバーは、ローブやマフラーで顔と素性を隠す者、奴隷出身の少女や国王殺しの男など、一癖も二癖もある面々が揃っている。この時点で薄々お気づきかもしれないが、筆者が確認できた範囲では特徴的なキャラクターばかりだ。
どいつもこいつも個性的すぎるやつらばかりなのだが、本作には「絆システム」というものが存在し、冒険を共にして絆が深まっていくことで、謎に包まれていたキャラクターたちの内に秘めている部分が垣間見えてくるのだ。
初めは主人公のことを信用していない“ただの仕事上の関係”が、いつしか“本物の仲間”という関係になる。絆システムにより仲間たちとの繋がりを感じられ、プレイすればするほどキャラクターへの思い入れがどんどん強くなってくる。かけがえのない仲間たちとの旅を“ゲームの中の主人公ではなく”、“プレーヤー自身が”体感することができるのだ。
クセは強いが多種多様なキャラクターが揃っており、間違いなく自分に刺さるキャラクターがいるハズだ。「プレイしても1人もピンとくるキャラクターがいない」なんてことは絶対にないと断言できる。そんな自分だけのお気に入りキャラクターを、とことん強くできる成長システムも本作の魅力である。
敵を倒してレベルが上がっていくのはもちろん、武器や精霊の装備、パラメータの成長やスキルを習得できる「アビリティパネル」など、とにかく幅広い成長システムで最強のキャラクターを作り込むことができるのだ。極限まで育てるのは一筋縄ではいかないので、その分やり込み甲斐がかなりあるのも良い。
何が正解かもわからない、魂を揺さぶる運命の選択
最後に触れていきたいのが、本作最大のキモである「運命の選択」だ。主人公たち探査騎士隊は常に死の運命がつきまとっており、運命を変える書物「クロニクル」の力で死を回避していく。
しかし、死を回避するといっても全てを救える訳ではなく、“必ず何かを犠牲にしなければならない”。何を切り捨て、何を生かすのか、その非情な選択を決めるのはプレーヤーなのだ。
各章ごとに、物語の中心となるゲストキャラクターが登場する。そのキャラクターと共に旅を続けることで、絆も深まり、かけがえのない仲間になっていく。しかし、章のラストの選択によっては、詳しい理由は語れないが、別れなければならないこともある。
ぽっと出のゲストキャラクターならば単純に性能やビジュアルで決めることも容易だ。だが、苦楽を共にし、どういった人間なのか内に秘める部分にまで触れた後に決断を下すのは非常に難しく、頭を抱えさせられる。
このクライマックスの決断を下せるのはたったの1度きり。選択の先にどんな運命が待っていようともやり直すことはできない。逆に選ばなかった方の選択がどういう運命を辿ったのかも知ることはできない。仮に選んだ選択に後悔が残るものであっても、その決断と犠牲の上で物語を紡いでいかなければならない。
今回プレイできた範囲はまだ序盤も序盤なので運命の選択も章ごとに完結しているが、先のストーリーでは、過去に選んできた数々の決断が複雑に絡み合い、物語が変化していくのだそうだ。
プレーヤーの数だけ、自分だけの物語が作られるというスケールの大きさは、“あなたが 結末を選ぶRPG”の名に恥じない作品になることだろう。
©SEGA
※画面は開発中のものです