【特別企画】

ゾンビの街を駆け抜ける興奮! 「ダイイングライト」ならではの生き残る楽しさ

「ダイイングライト プラチナエディション」をプレイして、「ダイイングライト 2」を待ち望もう

【ダイイングライト プラチナエディション】

1月13日 発売

価格:6,380円(税込)

CEROレーティング:Z(18才以上のみ対象)

 ゾンビに占拠された世界でどう生き残るか? ゾンビにより崩壊した社会を生き残るゲームは様々なタイトルが出ているが、「ダイイングライト」はひと味違う。その大きな特徴は"移動の楽しさ"だ。街はゾンビに占拠されており立ち止まればあっという間に取り囲まれる。

 道路をのんびり歩くなど本作では不可能だ。主人公は卓越したパルクールスキルを使い、ゾンビに占拠された街を駆け抜ける。ゾンビは容赦なくこちらを包囲するように取り囲んでくる。ゾンビの間をすり抜け、壁の引っかかりに指をかけよじ登り、家の屋根を飛び越えゾンビの追撃をかわしていく。自分の身体能力を充分に活かし自ら道を切り開いていく。この移動の楽しさは、他のゲームでは体験できない。

 「ダイイングライト」は2015年に発売され、その独特のゲーム性と緊張感に多くのファンを獲得した。続編の製作もすぐに発表されたがその開発は難航、ついに2月4日に「ダイイングライト2 ステイ ヒューマン」が発売されることとなった。「ダイイングライト 2」は前作である「ダイイングライト」の特徴を受け継ぎながら様々なゲーム要素をプラスしている。

 今回、「ダイイングライト 2」の発売に先がけ、スパイク・チュンソフトから過去に発売されたすべてのDLCを同梱し、Nintendo Switch向けとなった「ダイイングライト プラチナエディション」が発売された。本稿ではこの「ダイイングライト プラチナエディション」の魅力を紹介し、来たるべき「ダイイングライト 2」への期待を盛り上げていきたい。

【『ダイイングライト プラチナエディション』ローンチトレーラー】

ゾンビだらけの街をバルクールで駆け抜ける! そのスピードが最大の魅力

 「ダイイングライト」は中東の海沿いの都市・ハランでの物語となる。ハランでは謎のウィルスの流入により、人々がゾンビとなってしまうゾンビパニックが発生、外界から遮断されて2カ月が経過していた。ハランに支援を行なっている世界救援活動会(GRE)は、ある極秘任務のため、傭兵をハランに送り込む。

 その傭兵こそ主人公のカイル・クレイン。GREはアウトブレイク後の秩序を保つために役割を与えていた「カティール・スレイマン」に極秘書類を盗まれてしまった。その書類には未完成のウィルス治療プロセスが書かれており、ウィルスの詳細も記録されている。スレイマンはこの書類を全世界に公開するとGREを恫喝してきた。カイルは行方をくらませたカティールを探し出し、極秘書類を奪還することを任務として、ハランを訪れるのだ。

【ゾンビパニックの街】
ゾンビパニックから2カ月、ハランはゾンビ達が闊歩する地となっていた
逃げようとした人たちが殺到した橋の上は特にゾンビ達の数が多い

 しかし到着直後暴漢に襲われ、さらにはゾンビに噛まれてしまう。彼を助けたのは"タワー"で命を繋いでいる人々だった。彼らはリーダーのブレッケンからパルクールの技術を学んだ"ランナー"の活躍で町中の物資や、投下される救援物資などを確保していた。一命を取り留めたカイルもランナーとして街に出て行くこととなる。カイルはタワーの一員として、ハランにはまだ救助を待って生き残っている人たちが必死に戦っていることを知る。

 そしてスレイマンが武装集団「ライズ」を率いるリーダーになっているのを突き止める。彼は恐怖と暴力でハランを支配する狂気のリーダーとなっている。彼が持つ極秘ファイルはどこにあるのか、タワーの人々は生き残ることができるのか? カイルは非情な命令を下すGREに対して葛藤を抱えながら日々を生き抜いていくこととなる。

【生きている人々】
カイルの命の恩人であるジェイド。彼女は"タワー"を拠点とする生き残りの1人だ

 最初にも紹介したが「ダイイングライト」の大きな魅力はパルクールを駆使した"移動"にある。本作では他のオープンワールドのゲームのような、のんびりとした探索や、風景を楽しむことはできない。街はゾンビにあふれていて、足を止めるとあっという間に倒されてしまう。ゾンビを倒そうとしても後から後から新手が現われる上に手持ちの武器は壊れ、じり貧になる。

 このため、いかにゾンビを避け目的地まで急ぐか、その移動こそが大きな楽しさになっている。ゾンビの間をすり抜け、建物のヘリにしがみつき、とにかく目的地に向かって進む。「どこに掴まれるか」とか、「どのくらいの幅がジャンプできるか」、「どういうルートで進めば良いのか?」そういったことを学んでいくうちに、より速く、より効率的に移動できるようになる。

【「ダイイングライト プラチナエディション」、ゾンビをかわし街を駆け抜けろ!】
本作は街が完全にゾンビに占拠されていて、戦おうにもあっという間に囲まれてしまう。ゾンビに触られず、屋根の上を飛び移り、横を全力ですり抜けて目的地まで進む。移動そのものにゲーム性を持たせているのが本作の大きな魅力なのだ

 本作における戦闘はバランス的にかなりきついところがある。通常の武器は極めてもろく、振り回しているとあっという間に壊れてしまう。連続で攻撃するとスタミナがなくなって攻撃力もなくなるのでスタミナの回復も大事だ。奇襲や遠距離攻撃を効率的に使うなど、戦闘する際は準備を整え短期間で終わるように工夫する必要がある。

 さらに"夜"が怖い。「ダイイングライト」のゾンビ達は夜になると凶暴化する。しかもこちらをつかんで即し攻撃を仕掛けてくる強力な変異種「ボラタイル」もいて必死に逃げないとあっという間に倒されてしまう。夜から逃れるためには安全地帯に逃げ込むしかないが、夜でしか進行しないクエストも存在する。

【恐ろしい夜】
夜は視界が大きく制限される上、ゾンビ達の叫び声がそこかしこで上がっていて非常に怖い
強力なボラタイルは、捕まると即死攻撃を仕掛けてくる。振り切れなければそのまま死だ

 最初にプレイすると移動すらままならず、手に入れた物資はすぐに底をつき、「なんてきついゲームだ」と感じるだろう。筆者自身、「プラチナエディション」をプレイして「こんなに大変なゲームだっけ?」と思った。とにかく武器の耐久力の減りが激しくて気持ちが焦る。しかし一方で、きつい世界だからこそゾンビを振り切り目的地まで到達した時の達成感や、クエストをクリアした時の爽快感は格別だ。プレイしていて「やっぱり『ダイイングライト』は面白いなあ」と実感した。

 また、ストーリー展開やサブクエストの面白さも触れておきたいところだ。命の恩人である女性ランナー・ジェイドは魅力的なキャラクターだし、望まずリーダーになったブレッケンの苦悩、そしてスレイマンの狂気。ゾンビパニックによって社会は一変しているが、それでも人々は生き抜かねばならない。

 GREは「人類を救う」としながらもその命令の非情さは眉をひそめるものがある。カイルはその中で苦悩しながら様々な決断を求められていく。物語がどうなっていくのかグッとこの世界に引き込まれる。サイドクエストの豊富さも本作の魅力だが、そこで語られるキャラクター達も面白い。極限状態ではあるが、皆悩みはつきないのだ。この状況で生き生きとしているような人もいるし、サイドクエストも大きな楽しさの1つだ。

【魅力的な物語】
タワーのリーダー・ブレックスは必死に自分の役割をこなそうとしている
武装集団・ライズを恐怖で支配するスレイマン。恐ろしい男だ

 さらに「プラチナエディション」である本作の大きな魅力は「これまでのDLCがすべて入っていること」だ。DLCでは様々な特殊武器やアイテムの設計図が使えるようになり、これらを活用することで序盤からかなり強力になる。特に戦闘力の高い武器、耐久力の高い武器は特に重宝する。

 DLC最大の注目は「ダイイングライト:ザ・フォロイング」である。本編とはまた別のストーリーが展開するボリュームたっぷりの大型ストーリーDLCだ。ここでは愛車としてバギーをカスタマイズし広大な世界を探索していくという本編とはひと味違うゲーム性も楽しめる。「プラチナエディション」はたっぷりのボリュームで「ダイイングライト」の世界を満喫できるのだ。

【盛りだくさんのDLC】
これまで発売されたDLCをすべて同梱
ゲーム序盤から強力なDLC武器を作成できる
大きなダメージを連続で与えられる「ボラタイルハンターのナイフ」
「フライパン」。見た目は面白いがかなり強力な武器だ
属性効果を持つ武器も多い
様々なコスチュームは、マルチプレイ時で個性を発揮できる

思わずぐぐっとのめり込む、携帯モードならではの臨場感あふれるプレイ

 「ダイイングライト プラチナエディション」ならではの「携帯モード」におも触れておこう。Nintendo Switch版「ダイイングライト プラチナエディション」はどこでも気軽にプレイできるという大きなアドバンテージがある。

 今回はさらに有機EL版Switchも使ってみた。比べると画面はワイドに、表示も明るくなってさらにプレイしやすい。そして携帯モードではコントローラで画面に向かって遊んでる以上の"臨場感"が楽しめるのだ。

【有機EL版Switch】
通常版と比べると画面サイズが大きいところが大きな特徴、発色も鮮やかだ
【通常のSwitch】
もちろん通常版でも快適にプレイできる。携帯プレイができるのが魅力だ

 今回はプレイ中の動画も撮影してみたのだが、やはり「ダイイングライト」の緊張感はスゴイ。カメラに向かって画面を向けていたいのだが、ゾンビに囲まれ、ジャンプがうまくいかないと思わず姿勢が前のめりになったり、屋根のヘリがつかめないと首が動いてしまう。コントローラでも飛のく際など体が動いてしまうが、携帯モードで画面が目の前にあるとより一層体の動きがダイレクトに画面に影響する。

 「ダイイングライト」は移動そのものが大きなゲームの楽しさだ。キャラクターと同一化し、高いところから勢いをつけて飛んだり、間一髪で屋根のヘリをつかんだりとそのギリギリの感触が楽しい。思わず体が動いてしまうのが、携帯モードでよりはっきりする。その"ゲームにのめり込む感じ"を自覚できる携帯モードは、「ダイイングライト」が持つ面白さをとてもうまく表現したモードと言えるのではないだろうか。

【据え置きプレイも!】
据え置きプレイも有機EL版Switchは大きな画面で楽しめる。サウンドも強化されているので、臨場感も増す
【「ダイイングライト プラチナエディション」、有機EL版Switchの据え置きモードでプレイ!】
マップ内で特にゾンビが多い高速道路を抜けてみた。この場所には時には脅威が跳ね上がる夜に来なければならないこともある

 「ダイイングライト プラチナエディション」は1月13日発売、本原稿の掲載時にはもう発売している。この記事で興味を持った人はぜひ手に取って欲しい。2月4日に発売される「ダイイングライト 2」を期待している人、他機種版でプレイした人も、"おさらい"としてこの機会にプレイしてみてはいかがだろうか?