【特別企画】

「リネージュ2M」に「ワールド攻城戦」が実装。超大規模対人コンテンツの初戦をレポート

6サーバーの戦士たちが集う数百人規模の戦闘でバチバチに盛り上がる

 NCSOFTがサービス中のAndroid/iOS/PC(NCSOFTの独自クロスプラットフォーム「パープル(PURPLE)」を経由)用次世代オープンワールドRPG「リネージュ2M」。PC用MMORPG「リネージュ2」の正統後継作品としてモバイル向けにリメイクされており、3Dグラフィックス技術によりシームレスなオープンワールドが実現された作品だ。また多様性と自由度を兼ね備えた成長を楽しむことができるゲームデザインになっており、1万人以上が集まる大規模バトルを体験できる作品になっている。

 「リネージュ2M」の進化は止まることを知らない。2021年3月の配信開始から約7ヶ月が経とうとしているが、アップデートにより様々な新要素が追加されてきた。そのどれもが筆者にとっては印象深いもので、弊誌でも情報をお届けしてきた。

 そして10月6日にも大きな新要素が追加され、10月10日ついに実施された。それが「ワールド攻城戦」だ。「ワールド攻城戦」とは同じワールドの01~06サーバーに属する血盟が一堂に会し、1つのワールドに1つしか存在しない「アデン城」を巡って同時に戦闘を繰り広げる大規模対戦コンテンツだ。

 今回はこの「ワールド攻城戦」についてと、実際にジグハルトワールドで行なわれた第1回の「ワールド攻城戦」のレポートをお届けしたい。

桁違いに大規模でアツい対人コンテンツが「ワールド攻城戦」だ!

 これまでの記事でも熱く語ってきたが筆者は「リネージュ2M」における攻城戦というコンテンツが大好きだ。

 攻城戦とは「リネージュ2M」の花形の大規模PvPコンテンツである。本作の舞台であるアデン大陸に限られた数(現時点ではサーバー毎にディオン城と、ギラン城の2城)しかない「城」の城主になる権利を、プレーヤーの集合体である「血盟」同士、または複数の血盟の集合体である「連合」同士で奪い合うコンテンツである。

 各血盟の盟主や血盟員が、盟主を城主にするために、キャラクターのスペックアップに力を注ぐ。だが攻城戦は個の力だけで勝てるような甘いコンテンツではない。血盟員同士の連携も重要だ。例えば同じターゲットを集中して攻撃するテクニック、体力が減っている味方を的確に回復するテクニック、素早く味方にバフをばらまくテクニック……パーティ単位、血盟単位での連携が重要だ。

 これらが血盟内の戦力アップだが、さらに重要なのが外交だ。同じ目的を持った血盟同士……いや、利害関係が一致する血盟同士という表現が良いだろう。例えば1つの血盟では戦力が足りない場合でも数の力で押せば戦力で上回る血盟にも勝てるかもしれない、逆にサーバー内に存在する全ての城を自分の仲間たちで独占したいがために強力な血盟同士が同盟を結ぶこともある。1つの血盟は1つの城の城主にしかなれないので、仲間内で独占するには最低でも2血盟以上が必要になるからだ。あえて極端な表現を使うと戦力的に足りない血盟でも外交で強力な血盟の傘下に入れば城主になることができるかもしれない。

 そういったゲーム的な要素と、その上で繰り広げられる人間関係。その総力戦が「リネージュ2M」における攻城戦というコンテンツなのだ。

様々な要素が交差するのでとにかくアツいコンテンツ、それが攻城戦だ

 さて、それでは「ワールド攻城戦」ではどうなるのだろうか?一言で言えばもっと熾烈なコンテンツである。そのため現時点で「アデン城」の城主といえば「リネージュ2M」でもっとも名誉のあるポジションといえる。

 理由はいくつかあるが、シンプルに城の数の問題がある。通常の攻城戦はサーバー毎に2つあり、戦いはサーバーの中で完結する。だが「ワールド攻城戦」は6サーバーで1つしかない。その1つの城の城主の権利を6つのサーバーの血盟が取り合うのだからその戦闘の激しさたるや想像を越えるものだ。

 というのもとにかく規模が桁違いである。1つのサーバーの攻城戦でも100人以上の規模で行なわれる攻城戦が、単純に計算しても6サーバー分集まる。そのため数百からタイミングによっては1,000人を越えるような規模の攻城戦が行なわれるのだ。この規模の対人戦に興奮しないゲーマーはいないだろう。そんなワクワクするコンテンツが本作の「ワールド攻城戦」なのだ。

 その報酬も魅力的だ。通常の攻城戦では勝利した血盟はアジトとしての城と領地からの税収を得られるが、「ワールド攻城戦」で勝利し「アデン城」を獲得した血盟は、ワールド税金(勝利した血盟が所属している連合の連合員に自動分配)、アデン城の内城アジト、専用のチャットマークなど様々な恩恵を得ることができる。

通常の攻城戦だけでも規模が大きいのに、それをさらに上回る圧倒的に熾烈な戦いが行なわれるのが「ワールド攻城戦」だ

 では通常の攻城戦と重複する部分もあるが、改めて「ワールド攻城戦」の進行とルールを確認していこう。

 まず「ワールド攻城戦」と通常の攻城戦は1週間ごとに交互に開催される。「ワールド攻城戦」への参加は通常の攻城戦と同じ方法だ。すでに各サーバーのディオン城・ギラン城の城主血盟であっても、「ワールド攻城戦」への参加(「アデン城」へ布告)することが可能となっている。

 「アデン城」に布告した血盟は「アデン城の広場」というエリアにテレポートできる。「ワールド攻城戦」中はここを拠点に戦うことになる。ここから「アデン城」の「外郭左側集結地」、「外郭中央集結地」、「外郭右側集結地」の3つのポイントにテレポートできる。

 そこから外城門を破り、その中にある広場の「守護石」を破壊、そうすると内城に移動可能なゲートが出現するので、その先にある「玉座」を制圧し刻印を行なうことで一旦城主の権利を獲得できる。これを15分間、または攻城戦終了時刻まで防衛し切ることで正式に城主になれる。攻城戦開始時に城主だった血盟は20分間守りきればOKだ。

「アデン城の広場」を拠点に、「アデン城」に侵攻していく。まずは3拠点へのテレポートからスタートだ
まずは外城門を突破し、広場にある守護石を破壊、その後出現するゲートで内城に入り、玉座に刻印をする。それぞれのポイントでどう守るか、どう突破するかが鍵になる

圧倒的な戦力で制圧する「HOALOHA」連合に敗北。リベンジ勢力に期待

 さて今回筆者はジグハルトワールドの「ワールド攻城戦」に参加した。確認できた参戦血盟は累計で29血盟、それぞれの血盟毎に所属人数も異なるし、傭兵も入るので総参加人数を推測することは難しいのだが、軽く数百人は参加しているだろう。そしてスクリーンショットにある盾のような紋章の中に四角形のエンブレムを掲げた血盟が、同盟を結んでいる連合だ。

 具体的に言うとこの連合は「HOALOHA」血盟を中心とする集団。「HOALOHA」血盟は他のゲームでも活躍しており、筆者もプレイしていた「リネージュM」でも強豪クランの1つとして知られる。今回の「ワールド攻城戦」では同血盟を中心とした超巨大連合が形成された。

参戦血盟は全部で29血盟。もっとも大きい規模だったのが「HOALOHA」血盟を中心とする連合だ

 筆者は現在血盟に所属していないため、ジグハルト02サーバーで唯一傭兵を募集していた「ちょろっぴー」という血盟で「ワールド攻城戦」に参戦した。筆者が加入した時点で傭兵の数は80人を越えており、数だけで見れば充分参戦して戦えるレベルだと思っていた。だが「ワールド攻城戦」はそんなに甘い世界ではなかった。

 スクリーンショットを見ていただければわかる通り、同じエンブレムの連合がエリアを制圧していた。「アデン城」には3つのワープ地点があり、そこにワープしてから戦うのだが、その3地点がほぼ制圧されていたのだ。一瞬城内に入ることができたタイミングもあったのだが、中できっちりと防衛ラインを張っており、突破することは難しかった。

 統制が取れた相手に対して小競り合いも難しく、こちらの動きを封じ込められている間に、「HOALOHA」血盟が城主の座を獲得した。そこからはワンサイドゲームだった。城門前は制圧されており、テレポートした瞬間にキャラクターは集中砲火を受けて倒されてしまう。他の血盟員とタイミングをあわせて飛んでみてもその結果は変わらず、戦意を喪失。そうしている間に「HOALOHA」血盟が城主の座を守りきり、ジグハルトワールドの初代城主は「HOALOHA」血盟に決まった。

敵に戦場を制圧されており、手を出す隙間もなかったというのが最初の「ワールド攻城戦」の結果だ

 通常の攻城戦もそうだが思いつきで参戦して勝てるようなコンテンツではないことを痛感した。本気で「アデン城」の城主を狙うならサーバー内はもちろんサーバーを越えた外交が必要になるのは間違いない。

筆者が気になるのは今後の展開だ。「アデン城」の城主はその名誉はもちろん、⼤量の税収を⼊⼿できることもメリットの1つである。今回は「HOALOHA」⾎盟が城主になったが、今回の圧倒的な敗北に奮起した新しい勢⼒が⽣まれないか、また裏切りによる別の勢⼒の誕⽣など今後も注⽬したい点がたくさんある。

 また筆者もアデン大陸に生きる一人の冒険者として、引き続き傭兵として参加するのか、それとも今回「ワールド攻城戦」に参加していた血盟に正式に所属するか、様々な分岐点がある。大局を見つつ自分の身の振り方を考える、そういった楽しみ方も「リネージュ2M」ならではの楽しみだと思う。

 ぜひこの記事を読んだ読者の方にもこの圧倒的なスケールの戦場を体験していただきたいと思う。そこには「リネージュ2M」でしか体験できない様々な思惑が交錯する超大規模な戦場コンテンツが待っているからだ。