【特別企画】

かげっちが満を持して立ち上げる社会人eスポーツリーグ「B2eLEAGUE」の概要が発表

【B2eLEAGUE】

年度内実施予定

 NTTe-Sportsは、東京ゲームショウにおいて特別配信を実施し、同社が6月に発表した社会人eスポーツリーグ「B2eLEAGUE」を取り上げ、年度内の開催を目指していく方針を明らかにした。競技種目、開催時期については後日改めて発表するとしている。

【【TGS2021 NTTe-Sports】NTTe-Sports スペシャルプログラム】

 NTTグループのコーポレートミッションのひとつである“地域活性化”のアプローチとして、NTTが全国に保有する膨大なアセットやICT(情報通信技術)と、NTT東日本の社員でありながら、趣味でeスポーツイベントを主催してきた“かげっち”こと、影澤潤一氏のノウハウと人脈をフル活用するために設立されたのがNTTe-Sportsだ。

【影澤潤一氏】
【NTTe-Sports】

 設立は2020年1月で、奇しくもその直後に新型コロナウイルスが蔓延する事態となった。影澤氏は、「これからだというときにコロナになって、いろいろあったが、こうして立って生きているというところでございます」と自嘲的に語りながら、東京秋葉原のeスポーツ運営施設eXeField Akibaの立ち上げを皮切りに、様々なイベントの実施やコンサルティング、ゲーミングギアの開発に到るまで、コロナ禍の中で、地道に経験値を積み上げてきたことを紹介。そして“コロナ後”を意識した施策を考える中で、攻めの一手として発表したのが「B2eLEAGUE」だ。

【NTTe-Sportsのこれまでの取り組み】

 「B2eLEAGUE」は、自身数々のeスポーツイベントを実施してきた影澤氏が、「ゲーム先進国日本を、eスポーツ後進国にしてはならない」という強い想いのもと、まさに満を持して立ち上げた取り組みだ。

【「B2eLEAGUE」のビジョン】

 筆者も散々指摘しているが、日本のeスポーツの問題点は、プロか、そうでないかという2択でしか語られないところだ。どこまでいってもアマチュアがいない。これは現在日本のeスポーツでリーダーシップを採る日本eスポーツ連合(JeSU)が、プロ選手を管轄する団体としてスタートしたところも大きいし、プロゲーマーの大会ばかりを追う我々メディアにもその責任の一端があるが、根本的な問題は、プロ向け以外の大会が少なすぎるところだ。このため、あたかもeスポーツを親しむゲーマーは全員がプロを目指さなければいけないかのような窮屈感があり、eスポーツ人口を拡げる上での大きな障害となっている。もちろん、大会がなくても、アマチュアeスポーツは成立しうるが、目指すべき目標がなかったら、簡単に“折れてしまう”。やはり、個人やグループの目標としての大会やリーグは必要だ。

 影澤氏は、自身アマチュア大会の主催者としてその必要性や内在する課題をよく理解しており、あえてプロでもなく学生でもない“社会人”にターゲットを絞る形でeスポーツリーグを企画。

 影澤氏は設立のモチベーションについて、「オープントーナメントがあって、仕事の合間を縫って参加してもなかなか勝てない。プロはおろか、学生たちのやり込みにもまともに戦えない。そういう環境にある社会人はたくさんいると思う。そんな僕らと同じような“ゲーム仲間”がモチベーションにできるようなリーグを作りたかった」と語り、そもそもそういう需要が本当に存在するのかを確かめる機会が、過去2回実施された社会人を対象としたeスポーツ大会「eXeCUP」だったという。「B2eLEAGUE」は、日本のeスポーツ界にとっての甲子園であり、天皇杯のような“目指すことが当たり前”となるような存在を目指していく。

【「eXeCUP」優勝者によるエキシビション】

 ただ、こうした社会人eスポーツ大会/リーグ構想は、20数年の日本のeスポーツの歴史において幾度も彗星の如く現われては彗星の如く消えている。その理由は、リーダーの不在や、逆に船頭が多すぎたりなど様々だが、意外と大きいのは、学校と違って、会社を名乗って出場することが難しい、ということが挙げられる。このため、「将来的には会社の看板を背負って戦うことが理想」とはしながらも、立ち上げの時点では、会社を名乗らなくてもよしとする。こうした目に見えないハードルをひとつひとつ排除しながら、おそらく国内初となろう、本格的な社会人eスポーツリーグの実施になんとかこぎ着けたい考えだ。

【「B2eLEAGUE」開催概要】

 配信後半は社会人eスポーツ関係者が集まり、社会人eスポーツについてディスカッションが行なわれたが、「帰宅してから、ゲームをやるのか、eスポーツをやるのか。eスポーツをやるとゲームがやれないし、(eスポーツをやらずに)ゲームをやると、昨日できたことができなくなる」という切実な意見や、「スマホならながらで(練習が)できるが、うっかり舌打ちしてしまうともの凄く怒られる」など、様々なしがらみ、限られた時間の中で、それでもeスポーツに取り組みたい社会人アスリートの悲喜こもごもが語られた。

 影澤氏は、自身の全盛期を振り返り「社会人に負ける気がしなかった」と苦笑しながら語ると、当時のゲームコミュニティには「仕事してるヤツに負けてたまるか」という考えがあったと同調意見も現われ、場が大いに盛り上がったが、「現在は、働きながらプロゲーマーとして活躍する人材もいて、そういう存在を憧れとするようなリーグにしていきたい」と抱負を語り、社会人のまっとうな趣味としてのeスポーツ、あるいはプロのセカンドキャリアの活躍の場として、使命感を持って取り組みたい考えだ。

 筆者は、過去に存在した、社会人eスポーツ大会で見られた選手達の真剣な表情や、勝利の笑顔、負けたものの心地よい達成感で満たされた顔などが脳裏をよぎる。eスポーツ人口を増やす上において社会人リーグは必要不可欠であり、その旗頭をアマチュア大会を主催してきた影澤氏が担うというのが心強い。今後、競技種目、ルール、競技日程などが発表されていくものと思われるが、どういったタイトルがチョイスされるのか、社会人が参加しやすい施策がどれほど盛り込まれるのかなど、今後の発表に注目していきたい。