【特別企画】

ゲーミングノートPCを買うなら予算15万円がオススメ! 「GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載」でその実力を検証する

【GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載】

9月30日発売

価格:149,980円(税込)

 筆者は、学生時代からPC/IT雑誌に原稿を書くようになり、そのままフリーランスのライター業を続けている。ライター歴はもう30年にもなるが、特にPC本体レビューの経験が豊富なので、その仕事柄、「PCを購入したいんだけど、何がいいの?」などと相談を受けることが多い。

 用途や予算を聞いて、その人にふさわしい製品をいくつかリストアップすることになるが、最近増えているのが「ゲーミングノートPCが欲しいんだけど、何を買ったらいいのかよくわからないので教えて」という大雑把な相談だ。

 この設問に対する答えは、遊びたいゲームや、時代によって絶えず変化するが、筆者は15万円をひとつの目安にするのがいいと考えている。なぜ15万円なのか、15万円のゲーミングノートPCでは何が得られるのか。本稿ではサードウェーブのゲーミングノート「GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載」(149,980円)を例に、15万円ゲーミングノートの実力を検証していきたい。

ゲーミングノートPCのスイートスポットは15万円

 最近、ゲーミングノートPCを買いたいという相談を受けることが増えている。「Apex Legends」や「VALORANT」などの人気FPSを快適に遊びたいとか、ゲーム実況配信をしたいとか、目的は人によってさまざまだが、そうした相談を受けたときに、まず私が聞くのが「予算額」である。数年前はゲーミングノートPCといえば、ボディが大きくて重く、価格も20万円を超える高価なものが多かったのだが、最近はゲーミングノートPCのニーズが高まったことで、10万円前後で購入できる製品も登場している。ゲーミングノートPC購入の金銭的なハードルはかなり下がったといえるだろう。

 しかし、値段だけでゲーミングノートPCを選ぶのはよい方法とはいえない。今出ているゲームをそこそこの画質と60fps前後のフレームレートでプレイできれば十分だというのなら、10万円前後のエントリークラスのゲーミングノートPCでも問題はないが、最新FPS/TPSを100fps以上の高フレームレートでプレイしたいとか、せっかく購入するのだから、今後出てくるより負荷が高いゲームも快適にプレイしたいというのなら、残念ながらエントリークラスのゲーミングノートPCでは力不足だ。

 それなら、お金を出せば出すほどいいのかというと、そう単純な話でもない。ゲーミングノートPCに限らない話だが、一般的にコンピューターの価格と性能は、対数関数的な関係にあると考えられるからだ。対数とは指数の逆で、身近なところだと地震の大きさを表すマグニチュードは地震のエネルギーを対数を使って表したものである。対数関数とはなにかというと、Xが大きくなればなるほどYの増え方が小さくなっていくものだ。例えば、10万円のPCがあったとして、20万円のPCなら性能が2倍になったとする。しかし、30万円出したら性能が3倍になるかというと、そこまで上がらず、せいぜい2.5倍にしかならないのだ(この数字自体はあくまで説明のためのもので、考え方として捉えて欲しい)。40万円出しても性能は2.7倍程度と、価格が高くなるにつれ性能の上がり方が小さくなっていく。つまり、いわゆるコストパフォーマンスは価格が高くなるにつれ低くなっていくのだ。

 筆者は、現在のゲーミングノートPCの価格と性能の関係から、15万円前後がもっとも性能と価格のバランスがよく、お買い得だと判断している。コスパだけを考えれば、もっと安い価格帯のモデルのほうが高くなるが、ゲーミングノートPCの場合は、ゲームを快適に動作させるための絶対的な性能や、将来性も担保する必要がある。

 その一方で、15万円を超えるゲーミングノートPCに意味がないといっているわけではない。15万円のゲーミングノートPCよりも20万円や30万円のゲーミングノートPCのほうがさらに性能は高いため、そうした性能が必要なユーザーもいるだろう。しかし、一般的なゲームプレイヤーでは、そこまでの性能は不要なことが多い。

 つまり、15万円という予算は、ゲーミングノートPCの一番の狙い目、スイートスポットなのだ。そこで今回は「予算15万円」という枠を設けて、おすすめのゲーミングノートPCをチョイスしてみたい。

【人気PCゲームがゲーミングノートPC購入の動機になる】
人気のバトルロイヤルFPS「Apex Legends」。コンシューマー機でも遊べるが、高フレームレートで快適にプレイするにはゲーミングPCが必須
2チームに分かれて戦うFPS「VALORANT」。現時点ではゲーミングPCでしか遊べない人気タイトルだ

ゲーミングノートPCを選ぶ際のポイント

 ゲーミングノートPCを購入する場合、いくら予算の枠があっても、譲ってはいけないポイントがいくつかある。まず、譲れないのが、「メモリ16GB」と「NVMe対応高速SSD 512GB」という条件だ。通常のノートPCでは、標準搭載メモリが8GBの機種が主流であり、実使用においてもそれで問題ないことが多いが、ゲーミングノートPCならやはり16GBは欲しい。最近は、ゲーム実況配信をしたいという人も増えているが、ゲームをプレイしながらリアルタイムに配信するには、十分なメモリと高速なCPUが必要になる。

 また、ストレージについては、SSDに比べると遅くて衝撃に弱いHDDは避けた方が良いが、SSDならばなんでもいいかというとそういうわけでもない。SATA対応SSDではなく、NVMe対応高速SSDが搭載されているものを選ぶべきだ。最近は、ゲーミングノートPCの多くがNVMe対応高速SSDを搭載するようになっているが、まだ現在は移り変わりの過渡期なので、搭載SSDの仕様がなんであるかはしっかりチェックしておきたい。

 もちろん、SATA対応SSDでも、HDDよりは格段に高速で快適だが、NVMe対応高速SSDの読み出し速度は、SATA対応SSDの数倍から十倍以上に達する。最近のAAAゲームはグラフィックスの精細化やオープンワールド対応によって、データサイズがどんどん大きくなる傾向にあるため、高速なNVMe対応SSD搭載PCとそうでないPCでは、ゲームの起動時間やステージのロード時間などに差が出てくる。

 メモリとストレージの要件をクリアした上で重要になるのが、CPUとGPU、そして忘れてはいけないのが液晶のリフレッシュレートだ。CPUとGPUに関しては、予算が許す範囲で高性能なものを選べばよいが、どちらかというとGPUを重視したい。NVIDIAのGPUの場合、GeForce RTX 2070あるいはGeForce RTX 3060以上なら、最新ゲームはもちろん、今後登場するゲームも快適にプレイできるだろう。CPUは、6コア以上ならほぼ問題はない。

 リフレッシュレートとは、画面の書き換え回数のことで、1秒間に最大何回書き換えができるかで表す。一般的なノートPCでは、リフレッシュレート60Hz対応の液晶が採用されているが、FPSやTPSなどで勝ち残るためには、60Hzでは遅いのだ。FPS/TPSを快適にプレイしたいのなら、最低でも120Hz、できれば144Hz以上の液晶を搭載した製品を選びたい。ゲーミングデスクトップPCの場合は、液晶モニターが外付けなので、リフレッシュレートに不満を持つようになったら、よりリフレッシュレートが高いモニターに買い替えることも容易にできる。しかし、ゲーミングノートPCでは、本体と液晶が一体化しているため、液晶だけを交換することはできないので、購入時にしっかりチェックしておく必要がある。

【SSDの違い】
左が2.5インチSATA対応SSD、右がNVMe対応SSD。右のほうが格段に高速である

15万円以下ではトップクラスの性能を誇る「GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載」

 それでは、上記の条件を元に15万円以下のゲーミングノートPCのおすすめ製品を選んでいきたい。当然、広くおすすめするためには、期間限定の特別セール品などは除外される。製品ラインナップの多さや納期の早さ、サポートの充実度などを考慮して、サードウェーブのゲーミングPC「GALLERIA」から選択することにした。GALLERIAは、高性能でコストパフォーマンスが高いゲーミングPCブランドとして定評があること、また、製品ラインナップが多く、ベンチマークテスト「3D Mark Time Spy」のスコアが一律で公開されているため、性能の比較がしやすいことがその理由だ。

 GALLERIAのゲーミングノートPCは、執筆時点(2021年10月下旬)で8モデル(コラボモデルやゲーム推奨モデルを除く通常モデル)が販売されており、価格も99,800円から169,980円(すべて税込)までと幅広い。8モデルのうち、5モデルがIntel製CPUを搭載し、3モデルがAMD製CPUを搭載している。GALLERIAのゲーミングノートPCは、一番低価格なモデルでも、上記の条件「メモリ16GB」「NVMe対応高速SSD」「リフレッシュレート120Hz」を全て満たしている。エントリーモデルでも、ゲーミングノートPCに求められる要件をしっかりカバーしているのは素晴らしい。さすがはサードウェーブといったところか。

 GALLERIAのゲーミングノートPCで、15万円以下という条件にぴったりと当てはまるのが、149,980円で販売されている「GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載」(以下、XL7R-R36 4800H)である。15万円以下で購入できるゲーミングノートPCとしては、トップクラスの性能といってよいだろう。GALLERIAのゲーミングノートPCの中では、ミドルレンジに位置する製品だが、コストパフォーマンスは特に優秀だ。

【GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載】
15.6型液晶を搭載したゲーミングノートPC「GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載」

AMDの8コアCPU「AMD Ryzen 7 4800H」とNVIDIAの最新GPU「RTX 3060」を搭載

 それでは、15万円以下ゲーミングノートPCのおすすめ製品としてチョイスした「XL7R-R36 4800H」を詳しく見ていきたい。その基本スペックは以下の通りだ。

【GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載】
CPU:AMD Ryzen 7 4800H(8コア/16スレッド、2.9GHz~4.2GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU(6GB)+AMD Radeonグラフィックス
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz SO-DIMM(8GB×2)
ストレージ:512GB NVMe SSD / HDDなし
液晶ディスプレイ:1,920×1,080ドット(FHD)、15.6型144Hz 非光沢液晶
光学ドライブ:なし
OS:Windows 10 Home 64bit
電源:180W ACアダプター(19V)
本体サイズ:360×244×23mm(横×縦×厚さ)
本体重量:約2.0kg
価格:149,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=&mc=10476&sn=3091

 XL7R-R36 4800Hは、CPUとしてAMDのRyzen 7 4800Hを搭載している。Ryzen 7 4800Hは8コアのCPUで、Zen 2アーキテクチャーを採用した高性能CPUである。基本動作クロックは2.9GHzだが、ブースト時の最大クロックは4.2GHzまで向上する。インテルのCore iシリーズと同様に、1つのコアで同時に2つのスレッドを実行できるSMT技術を搭載しているため、最大16スレッドの同時実行が可能だ。15万円以下のゲーミングノートPCに搭載されるCPUとしては、トップクラスの性能を持っているといえるだろう。

 XL7R-R36 4800Hが、上記ベンチマークテストで高いスコアを叩きだしている最大の理由として挙げられるのが、価格15万円以下のGALLERIAゲーミングノートPC 5モデルの中で唯一、GPUとしてNVIDIA GeForce RTX 3060が搭載されていることだ。本製品以外の15万円以下の製品では、RTX 3060よりも下位に位置するRTX 3050 TiやRTX 3050、GTX 1650 Ti、GTX 1650が搭載されている。RTX 3060はNVIDIAの最新GPU「RTX 30シリーズ」の中ではミドルレンジに位置するGPUだが、前世代の1つ上位のモデルRTX 2070とほぼ同じ性能であり、最新ゲームを快適にプレイできるパフォーマンスを誇る。

 メインメモリが16GBであることや、ストレージとして、NVMe対応高速SSD 512GBが搭載されていることも、最初に挙げた条件をクリアしており、不満はない。

 本体は、GALLERIAの現行ゲーミングノートPC共通のデザインであり、目立ちすぎないオーソドックスなデザインは、さまざまな空間に違和感なく溶け込むであろう。ボディの厚さは23mmと、ゲーミングノートPCとは思えないスリムさを実現しており、カバンなどへの収まりもよい。本体の重量も約2.0kgと軽いため、部屋から部屋への移動はもちろん、友人の家に持っていって遊ぶことも楽にできる。

 付属のACアダプターは180W仕様でやや大きいが、重量は実測で788g(ケーブル込み)であり、本体と一緒に持ち運びできる範囲に収まっている。バッテリー駆動時間は約5.5時間と、ゲーミングノートPCとしては十分な駆動時間を確保している。ただし、ACアダプターを接続せずに、バッテリーでゲームをプレイしようとすると、液晶のリフレッシュレートが30Hzに固定されてしまうため、FPSなどのゲームをプレイするには向かない。バッテリー駆動時は、フレームレートをあまり意識しなくていいブラウザゲームやSLG、ポーカーなどの思考ゲームで遊んだり、メールチェックやネットサーフィン、文書作成などに使うことをおすすめする。

 また、Windows 11へのアップグレード要件も全て満たしている。ゲーミングという観点からは、慌ててWindows 11にアップグレードする必要はないが、今後のアップグレードパスが用意されていることは安心できる。

【本体外観など】
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の上面
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の底面
付属のACアダプター
ACアダプターの仕様
本体の重量は実測で1996gであった
ACアダプターの重量は実測で788g(ケーブル込み)であった
デバイスマネージャーを開いたところ。最大16スレッドの同時実行が可能であり、OSからはCPUが16個あるように認識されている

フレームレートにこだわるFPS/TPSプレイヤーも満足できる144Hz対応液晶を採用

 最初に述べたように、ゲーミングノートPCを選ぶ際に重要になるのが液晶のリフレッシュレートだ。本製品では、一般的なノートPCに搭載されている60Hz対応液晶の2.4倍の書き換え回数を実現する144Hz対応液晶が採用されている。

 ゲーミングノートPCを買うなら、最低でもリフレッシュレート120Hz、できれば144Hz以上の液晶を搭載した製品を選ぶべきだ。特に、「VALORANT」や「Apex Legends」、「フォートナイト」などのFPSやTPSで遊んでいるプレイヤーで、上位ランカーを目指すのなら、144Hz環境が望ましい。もちろん、液晶のリフレッシュレートは、あくまで液晶が書き換え可能な最大スペックを表しているものなので、CPUやGPUの性能とのバランスが重要だ。いくら液晶が高いリフレッシュレートに対応していても、CPUやGPUの性能が低ければ、実際のゲームでその高リフレッシュレートを活かすことはできない。逆もまたしかりだ。例えば、300Hz対応液晶にGeForce GTX 1650を組み合わせたゲーミングノートPCがあったとしよう。せっかくの高リフレッシュレート対応液晶だが、GPU性能が低すぎて、ゲーム中でそこまでのフレームレートを出すことができない。逆に、60Hz対応液晶にGeForce RTX 3080を組み合わせたゲーミングノートPCがあったとしても、今度は液晶の表示能力がボトルネックとなり、せっかくの高いGPU性能を活かすことができない。

 筆者は過去に本製品と似たスペックの製品をレビューしたことがあり、本製品のスペックなら、「フォートナイト」の最高画質でも平均110fps程度、画質を少し下げれば平均130fpsを出せると予測できる。つまり、8コア/16スレッドのRyzen 7 4800Hと最新のミドルレンジGPUであるGeForce RTX 3060を搭載した本製品なら、適切な画質設定を行うことで現行のほとんどのFPS/TPSで、144fpsに近い平均フレームレートを実現できるため、144Hz対応液晶の性能を十分に引き出すことができるわけだ。本製品は、CPUとGPU、液晶の性能がちょうどいいバランスであり、どれか一つのパーツが他のパーツの性能を引き出す妨げになることはない。

 また、液晶の表面処理が、光を反射しやすい光沢(グレア)加工ではなく、つや消しの非光沢(ノングレア)加工になっていることも、ゲーマーにはありがたい点だ。光沢液晶は、一見鮮やかでコントラストも高いため、映画などの視聴には向いているが、周囲の外光が液晶表面に映り込みやすく、目への負担も大きいため、集中してゲームをプレイするゲーマーなどには向いていない。

 液晶周囲の額縁(ベゼル)部分も狭く、ボディのフットプリント(机の上などでの専有面積)も小さく、省スペースで見た目もすっきりしていることも高く評価できる。液晶上部には、HD画質のWebカメラとWindows Hello対応の顔認証用IRカメラが搭載されており、ビデオ会議で活用したり、顔認証でのログオンが可能だ。実際に顔認証を試してみたが、認証精度、速度ともに満足がいくものであった。

【液晶ディスプレイ】
液晶は144Hz対応で、解像度は1,920×1,080ドット。表面処理は非光沢仕様なので、目への負担が小さい
液晶上部には、HD画質のWebカメラとWindows Hello対応の顔認証用IRカメラが搭載されている

自由に発光色を変更できるRGBバックライトLED搭載のテンキー付キーボードを採用

 キーボードは他のGALLERIAゲーミングノートPCと同じ、テンキー付きの全102キーで、配列は日本語仕様だ。キーボードはユーザーと直接接するパーツであり、やはり重要度は高い。GALLERIAゲーミングノートPCは、エントリーモデルでも上位モデルと同じキーボードが使われており、エントリーモデルでも、使い勝手を左右する重要なパーツの品質を下げるつもりはないというポリシーが感じられる。

 主要キーのキーピッチは実測で約19mmとゆったりしており、いわゆるフルピッチである。大人の男性の手でも窮屈には感じないが、逆に手の小さな子どもだとややピッチが大きいと感じるかもしれない。キー配列も標準的ではあるが、「ね」や「る」などの右側の一部のキーピッチがやや狭くなっていること、右SHIFTキーが小さいことなど、多少気になるところもある。ただし、ゲームではそのあたりのキーはあまり使わないので、ゲームプレイという観点からは、ほとんど影響はないだろう。キーストロークも適度で、キータッチもしっかりしており、キーボード全体の剛性感も高いので、タイピングも心地よく行える。

 また、キーボードにはRGBバックライトLEDが搭載されており、デフォルトでは青色に光る。キーボードバックライトには、見た目の格好良さという側面もあるが、暗い場所でも快適にキーボードが打てるという利便性もある。キーボードバックライトの発光色や明るさは専用ユーティリティ「Gaming Center」によって自由に変更できる。キー1つ1つを別の色で光らせることはできないが、キーボード全体の色を無段階にレインボーカラーで変えていくことも可能だ。このあたりの仕様は、いかにもゲーミング製品らしい。なお、キーボードのバックライトは、無駄な電力消費を減らすためにバッテリー駆動時は点灯しない。

 キーボード右上には、電源スイッチと動作モード変更スイッチが用意されている。動作モードはOfficeとGaming、Turboの3種類があり、動作モード変更スイッチを押すたびに切り替わる(Gaming Centerでも変更可能)。Officeモードでは、液晶のリフレッシュレートが30Hz固定となり、パフォーマンスも低下するが、その分ファンの音やバッテリー消費を抑えられる。ゲーム以外の用途で使う場合は、Officeモードで十分であろう。

 ポインティングデバイスとしてはタッチパッドを採用。タッチパッドとクリックボタンが一体化したタイプで、タッチパッドのサイズは実測で約116×75mmと大きく、操作性も良好だ。ただし、FPS/TPSなどをプレイする場合は、基本的にゲーミングマウスなどを接続することになるだろう。

【キーボードとタッチパッド】
キーボードはテンキー付きの全102キーである
デフォルトのキーボードバックライトの発光色は青
キーボードバックライトの発光色を赤にしたところ
設定ユーティリティの「Gaming Center」でキーボードバックライトの色を設定できる
大型タッチパッドを搭載
キーボード右上に電源スイッチと動作モード変更スイッチが用意されている

USBポートを4基搭載するなどインターフェイスも充実

 XL7R-R36 4800Hは、インターフェイスも充実している。右側面には、SDカードスロットとUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、左側面には、USB 2.0 Type-Aとマイク端子、ヘッドホン端子、背面には、USB 3.2 Gen2 Type-C(DP1.4対応/PD非対応)とHDMI出力、有線LANポートが用意されている。

 USBポートは合計4つ用意されているので、ゲーミングマウスやゲーミングヘッドセットなどのゲーミングデバイスを接続するにも十分だ。HDMI出力が用意されているので、外部に液晶モニターを繋いでデュアルモニター環境で仕事をしたり、プロジェクターに接続してプレゼンに使うといった用途にも対応できる。

 さらに、ゲーム用途とは直接はあまり関係ないが、SDカードスロットが用意されているので、Nintendo SwitchのSDカードのバックアップや、デジカメなどで撮影した画像の取り込み・管理にも便利だ。

 有線LANは2.5Gbps対応であり、高速なデータ転送が可能だ。無線通信機能も充実しており、最新世代のWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応したインテル製無線LANモジュールを搭載。最大2.4Gbpsの高速通信が可能だ。また、Bluetooth 5.1もサポートしている。Wi-Fi経由でも高速な通信が可能なので、快適にオンラインゲームが楽しめる。

【XL7R-R36 4800Hのインターフェイス部分】
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の右側面
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の右側面のアップ。SDカードスロットとUSB 3.2 Gen1 Type-A×2が用意されている
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の左側面
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の左側面のアップ。USB 2.0 Type-Aとマイク端子、ヘッドホン端子が用意されている
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の背面
GALLERIA XL7R-R36 4800H搭載の背面のアップ。USB 3.2 Gen2 Type-CとHDMI出力、有線LANポートが用意されている

人気FPS「VALORANT」はフルHD最高画質で平均178fpsを実現

 それでは、気になる最新ゲームでのパフォーマンスについて見ていこう。今回は、ライアットゲームズ初のFPSであり、eスポーツタイトルとしても人気の「VALORANT」のパフォーマンスを中心に検証してみた。

 「VALORANT」は、現時点ではPS4/PS5やSwitchなどのコンソール機ではプレイできず、PCのみでプレイできるeスポーツを意識したタイトルであり、ゲーミングノートPCの性能を測るのに適したタイトルといえる。フレームレートの計測は、グラフィック品質を最高に設定し、Frapsを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート、最低フレームレートを5回計測し、その平均を採用した。計測に利用したマップは「ブリーズ」である。

 「VALORANT」でのフレームレート計測結果は、平均フレームレートが178fps、最高フレームレートが212fps、最低フレームレートが137fpsという、好結果となった。前述したように本製品はリフレッシュレート144Hz対応の液晶を搭載していることが魅力だが、「VALORANT」の平均フレームレートは対応リフレッシュレートを大きく上回っており、液晶の性能を十分に活かしていることになる。

 「VALORANT」は、「Apex Legends」や「フォートナイト」などに比べるとやや負荷が軽いタイトルではあるが、「VALORANT」でこれだけのフレームレートが出ているのなら、他のFPS/TPSも十分快適にプレイできるといえる。

【「VALORANT」での検証結果】
「VALORANT」では、マップ「ブリーズ」を使った
「VALORANT」のプレイ中の画面
「VALORANT」のグラフィック品質の設定

11月発売予定の「ファイナルファンタジーXIV」の最新拡張も快適!

 さらに、国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行してみた。1,920×1,080ドット最高品質でのスコアは14,474で「とても快適」という評価に、1,920×1,080ドット高品質(ノートPC)でのスコアは15,733で「非常に快適」という評価になった。

 「暁月のフィナーレ」は2021年7月11日に公開された最新ベンチマークで、2021年11月に配信が予定されている最新拡張を前提として、スコアの評価基準が大きく変更されている。以前のベンチマークでは、スコアが7,000を超えると、一番上の評価である「非常に快適」になっていたのだが、今回のベンチマークでは、15,000超が「非常に快適」に変更されている。最高品質では15,000にはわずかに届かなかったが、高品質(ノートPC)では最高評価を達成しており、これから発売される最新拡張も問題なく遊べるといえる。

 さらに、ストレージ性能を計測する「CrystalDiskMark 8.0.4」は、シーケンシャルリード(Q8T1)が3,119.21MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が1,895.98MB/sという結果になった。ロットによって搭載されているSSDが異なるため、この結果はあくまで参考値だが、シーケンシャルリードが2,000MB/s以上、シーケンシャルライトが1,500MB/s以上の性能を持つSSDが搭載されているとのことなので、ストレージ性能についても満足できる。

 また、ゲーミングノートPCとしては静音性も優れており、Webブラウズや文書作成など、負荷が軽い作業をしている際は、ファンの音もほとんど気にならない。ゲームプレイ中は、ファンの回転数が上がり、音もやや大きくはなるが、ヘッドセットを装着してゲームをプレイしていればほとんど気にならない。ファンの回転数制御もきめ細かく、負荷が下がれば、すぐに回転数が下がってファンの音も小さくなる。

【各種ベンチマーク結果】
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット最高品質の結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」1,920×1,080ドット高品質(ノートPC)の結果
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

初めてゲーミングノートPCを買う人にもおすすめの製品

 今回は、15万円以下という縛りの中で、おすすめのゲーミングノートPCを筆者が選び、実際に実機を入手してレビューとベンチマークテストを行ってみた。

 ベンチマーク結果からわかるように、筆者がチョイスしたXL7R-R36 4800Hは、15万円以下とは思えない高パフォーマンスを実現しており、使い勝手も優れている。「VALORANT」を始めとする現在発売されている最新ゲームを快適に遊べるだけでなく、今後登場するさらに負荷が高いゲームでも快適に遊べるだけの性能的な余裕がある。長く現役として利用できる製品であり、ゲーミングノートPCとしての完成度も高いだけでなく、コストパフォーマンスも抜群だ。初めてゲーミングノートPCを買うという人にも自信を持っておすすめできる。価格が10~12万円程度のゲーミングノートPCを買おうかどうしようか迷っているのなら、もう少しお金を貯めて、XL7R-R36 4800Hを買うことをおすすめしたい。きっと後悔しないはずだ。ゲーム用途以外にも、動画編集や3D CADなど負荷の高い作業も快適に行えるため、そうした作業を頻繁に行う方にもおすすめだ。

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