【特別企画】
「タワー オブ アイオン クラシックサービス」で「炎の神殿」と「ドラウプニル洞窟」を歩く
嗚呼懐かしのアビス! 激戦の中立地帯も今再び
2021年6月30日 00:00
- 【クラシックサービス】
- 7月14日 サービス開始
- プレイ料金:無料(アイテム課金制)
エヌシージャパンが7月14日開始予定のPC用MMORPG「タワー オブ アイオン クラシックサービス」。「タワー オブ アイオン」は当時最先端の美麗なグラフィックスを引っさげて2009年にサービスが開始されたタイトルであり、現在も継続アップデートが行なわれながらライブサービスが運営されている。
年月を重ねてサービスが円熟していくうち、ゲームの姿形が変わっていったり、かつてあったものがなくなるというのはよくあることだ。特に2009年当時と現在では”MMORPG”というゲームジャンルのあり方も変わり、ユーザーの時間の使い方にも変化があった。「タワー オブ アイオン」もその例に漏れず、サービス開始当初とは大きくその姿を変え、よりわかりやすく、より手軽に遊べるタイトルとなっている。
そんな中発表された「クラシックサービス」は2009年配信当初のバージョン1.2をベースに、以降のバージョンで追加された一部要素を導入し、現在のライブサービスとは別のサービスとして提供されるものだ。6月26日に配信された「AION.TV特別編 クラシックサービス直前生放送」でその基本システムや課金要素などが明かされたが、中でも注目なのは中立地帯「アビス」、そしてインスタンスダンジョン(以下、ID)「炎の神殿」と「ドラウプニル洞窟」の復活だろう。
「アビス」は天族と魔族が入り乱れる中立地帯で、天魔2陣営とNPC陣営の龍族によるPvPvEを旨とした、本作において極めて重要な意味を持つ場所だったが、ライブサービスにおいては後のアップデートで消滅。「ドラウプニル洞窟」も現在ゲーム内には存在せず、「炎の神殿」は存在こそしているものの、調整により当時とは異なるバランスになっている。
今回はクラシックサービスの開始に先駆けて、「炎の神殿」「ドラウプニル洞窟」、そして「アビス」を実際に歩くことができたので、SSとともにご紹介したい。なお、撮影にあたっては開発版のビルドと特別なキャラクターを用いて行なっている。
在りし日のID「炎の神殿」&「ドラウプニル洞窟」、そして中立地帯「アビス」
本作は天魔+龍のRvRを主軸とした作品だが、キャラクターの強化にあたりまずは”IDを周回して装備を収集・強化していく”という側面が強い。IDにはそれぞれ専用のマップやギミックが用意されているほか、登場するモンスターやボスも強力。モンスターの数そのものも多い上、マップ内を徘徊するモンスターたちもいるので、ひとたびリンクを誘発してしまうと敵に囲まれ、どんなに熟練のPTでもあっさり全滅……なんてことも日常茶飯事だ。こういった歯ごたえのあるIDの攻略も本作の面白さのひとつだと言える。
中でも往年のプレーヤーにとって、特に魔族のプレーヤーにとって思い出深いのは「炎の神殿」だろう。「炎の神殿」はゲームの進行上最初の本格的なIDとなり、さらに初めて”伸びる武器”が獲得できるチャンスのある場所である。事実上ほとんどのプレーヤーが籠もることになるIDであり、ここでPTプレイの腕を磨いたり、待ち時間の交流でフレンドが増えていくというゲームを象徴する場所でもあった。ちなみに”伸びる武器”というのは文字通りビヨーンと伸びることで攻撃の射程が伸びるという本作における特徴的な武器で、素の性能の高さとそのレアさっぷりから、追い求めるユーザー多数、ただし獲得できるのは一握りという全プレーヤー垂涎の装備であった。
さて、「炎の神殿」はその名の通り溶岩と炎に包まれた神殿で、モンスターは炎や岩などをモチーフにしたものが数多く出現する。ボスとして控えるのは本作屈指の人気モンスター「クロメデ」であり、彼女を倒すことで”伸びる武器”が入手できる可能性がある。また、運が良ければ道中に「タフ シプス」や「ブロークン ウイング クティセン」などのネームドモンスターが出現していることがあり、彼らからは貴重な装備が獲得できる。中でも神殿中を駆け巡っているリング状のネームドモンスター「シルバー ブレード ロータン」は、その見ためやドロップアイテムの美味しさからアイドル的な人気を誇る一方、他のモンスターとの戦闘中に急に現われてPT壊滅の一因となったりする恐ろしい敵でもある。ちなみに「クロメデ」も通常は「コラプト ジャッジ クロメデ」だが、確率でより強く、よりレアドロップの確率が上昇した「アングリー ジャッジ クロメデ」として出現することもある。喜び勇んでチャレンジするも強すぎて全滅……みたいなこともあるので、出現した際は浮かれずに慎重に戦いたいところだ。
一方「ドラウプニル洞窟」は推奨レベル的に「炎の神殿」を卒業した後に向かうことになり、「炎の神殿」よりもマップは広く、道中は長く、そしてモンスターとボスはさらに強いというかなり攻略難度の高いIDだ。こちらは注意していても普通に全滅したり、ボスクラスのモンスターのギミック(スタンなどで適宜詠唱を止める必要があったりする)に対応できずにPTが崩壊したり、マップをショートカットしようと飛行したものの、敵地のど真ん中に不時着して合流できなくなるPTメンバーが続発したり……と、ここでは高難易度故に「炎の神殿」に負けず劣らずドラマティックな出来事が頻発していた記憶がある。
そんな「ドラウプニル洞窟」は龍族の巣窟となっており、洞窟を抜け、内臓を思わせる有機的でちょいグロな施設を抜け、”軍団”のボスたちを倒しながら溶岩の中で待ち受ける最終ボス「軍団長 ヴォカルマ」の元に向かうという構成になっている。攻略はボスの数が多い=ドロップアイテムの獲得チャンス多数、ということでボスをそれぞれ倒していくパターン、ひたすら「軍団長 ヴォカルマ」がドロップする作中最強クラスの武器を求めて最短ルートで攻略していくパターンなど色々あり、中でも当時は”ヴォカ直”と呼ばれる、飛行によるショートカットを駆使して最短で「軍団長 ヴォカルマ」に向かうパターンが一部プレーヤーの間で流行していた。
これは道中のモンスターをほぼ無視するため、着地場所など間違えるなどの事故が発生するとそのメンバーの回収も合流もほぼ不可能になるという素人にはオススメできない攻略法であったが、「クラシックサーバー」では後のアップデート内容の一部が適用されており、「訓練教官 アクバル」、「カインド サラスワティ」、「ビューティフル ラクシュミ」、「指揮官 ニムバルカ」を討伐しないと「軍団長 ヴォカルマ」が出現しない仕様となっている。正攻法での攻略が求められるということで、ある程度の育成に加えてモンスターを的確に処理していくチームワークや腕が必要となるだろう。ちなみに「ドラウプニル洞窟」にもアイドル的存在として、ドロップが美味しくて出現自体がレアという「千年物の黄金のニンジン」がいる。
最後に「アビス」。ここは天族と魔族の中立地点となっており、モンスターとして龍族が存在している。バチバチの3すくみが発生する場所であること、加えてここでは滑空に限らず自由に飛行できることから、最も「タワー オブ アイオン」らしいマップであるとも言えるだろう。「アビス」に初めて訪れた際、文字化けしたような表示となった赤い名前の天族プレーヤーと遭遇(筆者は当時魔族側だった)した際の緊張感や、初の自由飛行フィールドということでそこらを飛び回った爽快感などは未だに忘れられない。
また、ふとしたPKがきっかけとなって派生的に発生するライン戦(天族と魔族が列をなして一進一退の攻防を繰り広げるフィールド戦のこと)や、獲得することで多大な恩恵が得られる「要塞」をめぐる要塞戦、ボスモンスターの妨害合戦など、RvRやPvP好きにはたまらない遊びが詰まった場所でもあった。別種族=敵であり、別種族のチャットや名前は文字化け風になっていて判別不能、つまりコミュニケーションすらとれないので、情け容赦も遠慮もなく殺ったり殺られたりできるのも本作ならではのポイントだと言える。ライブサービスでは「アビス」に代わるコンテンツがあるとはいえ、当時の「アビス」の熱を再び体感できると思うと嬉しい限りである。
古き良き「アイオン」を楽しめる「クラシックサービス」に期待!
今回の体験はダンジョン攻略やPvP要素の体感というよりは、特別なキャラクターを用いて当時のマップを歩く、というものに留まったが、通いまくって思い入れのありすぎる当時の姿のID、個人的にPK&RvRに目覚めるきっかけとなった「アビス」を訪れることができたのは非常に感慨深かった。
「クラシックサービス」の開始は7月14日予定で、残すところ2週間少々。思い出を抱えた当時のプレーヤーはもちろん、当時を知らないプレーヤーにとっても”あの頃の「アイオン」”を体感する良い機会となるだろう。7月7日からは事前登録キャンペーンなども行なわれるので、是非チェックしておきたい。
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