【特別企画】
「Diablo II」の原体験はそのまま!「ディアブロ II リザレクテッド」テクニカルαテストレポート
良い意味で変わらないゲーム体験。老舗アクションRPGの麻薬のような中毒性を堪能せよ!
2021年4月9日 22:31
- 【テクニカルαテスト】
- 実施期間:4月10日~13日2時まで
20年の時を経て恐怖の帝王が再び蘇る。
「Diablo II」は今から遡ること約20年、西暦2000年に発売されたハック&スラッシュRPGだ。前作に当たる初代「Diablo」(1996年発売)は当時のPCゲームファンの間ではカルト的な人気を誇っており、様々なパソコン雑誌で話題になっていた記憶がある。
そんなゲームファン達が待望していたのが続編の「Diablo II」だ。かくいう筆者もその1人で、念願のPCを手に入れ、カプコンから発売された日本語版のパッケージを購入してのめり込んだ一人だ。
とにかく「Diablo II」は衝撃だった。薄暗いフィールドには赤く小さなデーモンの様なモンスターがうろついている。左クリックすると自分のキャラクターは無慈悲に武器を振り下ろし、断末魔と共にモンスターは死体になる。そして周りに散らばる戦利品。ゲーム内では短時間だが、この密度の濃いサイクルがあまりにも気持ちよかった。
モンスターごとに死に際のSEは異なっており、どれもが強烈に耳に残るサウンドだ。このサウンドを堪能しながら夢中になってモンスターを倒しているとポロリとレアなアイテムがドロップして大興奮する。ドロップしたアイテムを使って強くなったキャラクターでまたモンスター達を一掃していく、この繰り返しが麻薬のような中毒性だった。
そんな「Diablo II」が20年の時を越え、我々の前に帰ってきた。それが高解像度化とサウンドリマスターが施された「Diablo II: Resurrected(ディアブロ II リザレクテッド)」だ。今回はBlizzard Entertainmentから4月9日より開催されているテクニカルαテストをプレイできる権利を得たのでレポートをお届けしたい。
なお日本時間の4月9日23時より一般の応募者にも招待メールが順次発送される予定になっている。当選した幸運なユーザーはぜひ体験して欲しい。
今回はジャベリンでサクサクと戦うアマゾネスをプレイ!
今回のテクニカルαテストではACT1、2のストーリー、そして使用できるクラスも「アマゾネス」、「バーバリアン」、「ソーサレス」の3クラスのみに絞られている。「Diablo II: Resurrected」には「Diablo II」本編と、拡張版「Diablo II: Lord of Destruction」が収録されるので、最終的にはACT5までのストーリーと、「アサシン」、「ドルイド」、「ネクロマンサー」、「パラディン」を加えた7クラスのプレイが楽しめる。
本作は1つのクラスでも運用方法で戦い方が全く異なる。
「アマゾネス」はジャベリンという投げ槍を持って戦うのがスタンダードな使われ方だ。弓の扱いにも長けており、そちらを中心とする運用も行なわれている。
「バーバリアン」はゴリゴリの近接アタッカー、吠えて自分や味方にバフを掛け、両手に持った武器で攻撃する。自身がグルグルと回転しながら敵に突っ込んでいくスキルを持っているのだが、見た目のシュールさに反して本クラス最強の攻撃スキルのため「バーバリアン=回る」というイメージが非常に強い。
「ソーサレス」は魔法を使って戦うクラスだ。攻撃魔法を使って戦うのは基本だが、炎/雷/氷のどのスキルをメインにするかで若干変化がある。
どのクラスも非常に魅力的なのだが今回はジャベリンを中心にした「アマゾネス」を使ってゲームを進めることにした。理由は今回はテスト期間も短いため、序盤からそこそこ安定したクラスを使用したかったからだ。「ソーサレス」はある程度スキルが整うと装備が貧弱でも安定するのだが、最序盤は厳しいイメージがあった。「アマゾネス」と「バーバリアン」はかなり悩んだのだが、バーバリアンをプレイするならスキル「ワールウィンド(Whirlwind)」で回りたい。しかしスキルの要求レベルが高いこともあり、覚えるまでのプレイ時間を考えて今回はアマゾネスをセレクトした。
良くも悪くも「Diablo II」の原体験が楽しめる!20年越しにプレイしてるんだ!
昔話や前置きが長くなってしまったが、「Diablo II: Resurrected」について紹介しよう。
最初にお伝えしたいのがオリジナルの「Diablo II」からゲーム体験が変わっていないことだ。これこそが本作の最も大きなアピールポイントで、筆者が感動したポイントである。
ビジュアルとサウンドは向上しているし、UIなども細かく調整されたものになっている。またスタッシュ(倉庫)が広くなっており、オフラインでも他のキャラクターとアイテムを共有できるようになっているところは「Diablo II」からの大きな変更点だ。
だが、それ以外の部分はオリジナルの「Diablo II」をまた体験できるようにシビアに作り込んでいるように感じた。
それなりの時間を「Diablo II」に捧げてきた筆者にはマウスを握る手が、サウンドを聞く耳が当時の体験を覚えているのだ。
不気味なBGMが流れる中、無心になり敵をカチカチとクリックして築く敵の死体の山と断末魔、そしてジャラジャラと散らばるドロップ品の落ちる音。自分のクリックとキーボード操作で紡がれる地獄のメロディーの気持ちよさは「Diablo II: Resurrected」でも全く変わりはない。
サウンドもリマスタリングしているとのことだが、普通のヘッドホンで聞く範囲では「Diablo II」とほぼ変わらない。元のSEのクセの強さを殺すことなく、奥行きを引き出している印象だ。
とにかく良い意味でゲーム体験が変わらない。特に新たに本作をプレイするプレーヤーは広くなったとは言えまだまだ狭いスタッシュや、序盤の難易度の高さ、演出の地味さを感じるかもしれない。だがそれは「Diablo II」の原体験を失わないための開発者からの愛だと筆者は感じるのだ。もっと親切な作りにすることはもちろんできるだろう、あえてそれをやらない。「Diablo II」は決して完璧なゲームではないが、当時の体験を今そのままプレイさせてくれるのだ。
もちろん本作はそのままベタ移植されているわけではなく、最大4K(2160p)解像度、7.1chサラウンドサウンドなど現代的な仕様も実現されている。
この解像度の拡張はプレイ上非常に大きい。というのもオリジナルの「Diablo II」は対応解像度が640×480か800×600しか選べなかった。リリース時期を考えると妥当なのだが、さすがにフルHDが当たり前のような2021年の今にはこの解像度はさすがに厳しすぎる。現代的な解像度で「Diablo II」が遊べるのはもうそれだけで価値がある。
もちろん解像度以外にもグラフィックス面の調整は入っており、自分のキャラクターのモデリングもより精巧になっているし、スキルで発動する雷や、燃え盛る炎のエフェクトなどは美しいものになっている。またゲームのフレームレートが上がっており、キャラクターを動かしているだけでもオリジナルの「Diablo II」より気持ちが良い。
他のハクスラも面白いが、やっぱり「Diablo II」の体験はユニーク!
今回はテクニカルαテストということで非常に限られた範囲のプレイになった。「Diablo II」の原体験が楽しめることを強調したが、製品版ではプレイステーション4/5、Xbox Series X|S、Nintendo Switchでもプレイできるし、ハードを越えて進行状況を共有できる「クロスプログレッション」なども実装される予定だ。また今回はシングルプレイのみだったがオンラインで他のプレーヤーと協力しながら遊ぶこともできる。まだまだお楽しみは残っているという状況だ。
筆者もこういったスタイルのアクションRPGが好きで、「Diablo III」や「Path of Exile」などをプレイしているが、改めて感じたのは「『Diablo II』ってやっぱり良いな」ということだ。自分がやり込んだタイトルだからというのもあるが、2021年の今改めてプレイしても魅力は全く霞むことはなかった。
「Diablo II: Resurrected」は2021年内に発売を予定しており、公式ブログによると「少なくともあと1回は次のテストに参加するチャンスがある」とのことだ。ぜひ最新情報をチェックしておいて欲しい。