【特別企画】

なんだなんだこのPCケース庭園は!? ドスパラ座間相武台店レポート

車で乗り付けてガッツリPCを組める待望の郊外型PCショップが神奈川座間市に誕生!

【ドスパラ座間相武台店】

11月28日オープン

 サードウェーブは、神奈川県座間市に新店舗ドスパラ座間相武台店を11月28日よりオープンする。正式オープンに先駆けてメディア向けの内覧会が開催されたので、その模様をお届けしたい。

 ドスパラ座間相武台店は、サードウェーブのPCショップ「ドスパラ」の中でも非常にユニークな立ち位置の店舗だ。駅で言うと小田急線の小田急相模原と相武台前駅の丁度中間あたり、双方の駅から、南北を貫くようにのびる町田厚木線をてくてく歩いて20分ほどの位置にある。

 お世辞にも交通の便が良いとは言えない立地だが、最大の特徴は“PCショップであるにも関わらず、駐車場がある”というところ。地方では当たり前の話だが、首都圏のドスパラ店舗としては初となる。

 ドスパラ座間相武台店は、お店の前に9台分の無料駐車場を完備し、時間無制限でPCパーツ選びを楽しむことができる。PCパーツは、ビデオカードやハードディスクならともかく、PC本体やモニターともなるとかなり大荷物となる。ドスパラ座間相武台店では車で乗り付けて、PCを持ち込んでPCパーツを組み込んだり、PCケースを買ってそのまま車で持ち帰ったりできる。

【ドスパラ座間相武台店】
ドスパラでは珍しい郊外型の店舗となる
広々とした店内
たっぷりの駐車スペース

 ドスパラとしても新店舗のオープンは数年ぶりということだが、都心や大都市ではなくあえてこの座間市を選んだのはいくつか理由があるという。

 1つは立地の良さだ。“立地が良いとは言えない”と書いたばかりだが、それはあくまで我々消費者の視点で、サードウェーブとしては、GALLERIAをはじめとしたあらゆるPCが製造され、オンラインショップの倉庫にもなっている物流の拠点である綾瀬工場がすぐ近くにある。

 今回取材させていただいた綛谷考史(かせたにたかふみ)店長によれば、必ずしも綾瀬市に工場があるからこの地を選んだというわけではない、ということだが、店舗在庫が切れていても、綾瀬工場からすぐ持ってこれるのは特徴のひとつだという。実際店舗には、綾瀬工場でリノベーションされたばかりの中古PCが並べられており、“綾瀬倉庫”はひとつの強みになるのは間違いなさそうだ。

【綛谷考史店長】
前GALLERIA Lounge店長ということで、ゲームやeスポーツに詳しい

 もう1つは、地価の安さだ。首都圏や大都市の店舗と比較して地下が安いため、スペースが広々取れる。ドスパラ座間相武台店は、秋葉原の各店舗では信じられないほどスペースがゆったりとしており、他の客との接触を気にしたり、いわゆる密を意識する必要がない。車で来てゆったりした空間でじっくりゲーミングPCやPCデバイスを物色できるのだ。

 そして3点目がニューノーマルへの対応だ。新型コロナウイルスの蔓延により、都心へのアクセス、秋葉原店舗への往来を躊躇うユーザーが増えているという。座間相武台店なら、車で往復でき、店舗も広いため、先述したように他の客との密状態を気にせず買い物ができる。

 座間相武台店は新店舗ということで、このニューノーマルへの対応が徹底しており、主要PCパーツである、CPU、GPU、ストレージ、メモリ、電源、マザーボードといったお馴染みのアイテムは、ショップに陳列されていない。これは不特定多数の接触による感染の可能性をゼロにするためだという。これらのアイテムは座間相武台店では、すべてキャッシャー後方のバックヤードにあり、安心して買い物できる環境とは何かを考えた上での決断だという。

 そんな座間相武台店だが、店舗スペースに余裕のある郊外型の新店舗ということで、店舗内では実験的な試みが数々行なわれている。順番に紹介していこう。

【価格表】
この価格表にあるアイテムはすべて陳列がない。番号を発券機に入力してレジで精算する形になる。PCショップでは珍しい思い切ったアプローチだ

【在庫はバックヤードに】
CPU、GPU、HDD、SSD、電源、マザーボードなどはすべてバックヤードにある。陳列はされていないが、声を掛ければ見せてくれる

入ってすぐのコンセプトエリア

 店に入るとまず目に飛び込んでくるのは、理想的なPC環境が構築されたコンセプトエリアだ。オープン時の装いは、専用のゲーミングデスクにマルチモニター、パールホワイトのゲーミングチェアに、専用ラックには複数のゲーミングマウスとキーボード、ヘッドセットが完備という、ゲーマーならそのまま全部持って帰りたくなるようなクールな空間が構築されている。

 こうしたコンセプトエリアは、なんばや新横浜などの大型店にもあるが、入り口スペースを丸々贅沢に使って展示しているのは座間相武台店だけだ。このスペースでは実際に座って、そうした環境を実際に試してみたり、自分だけの環境構築をシミュレーションしたり、自由に楽しむことができる。ここは一定期間ごとに内容を入れ替えていくという。

【コンセプトエリア】

ファミリーに嬉しいゲームグッズゾーン

 ゲームショップにゲームグッズがあるのは今や当たり前だが、PCショップにあるのは珍しい。入り口入ってすぐ右のエリアに広がるのは、「Minecraft」をはじめとしたゲームキャラクターのグッズが所狭しと並べられたゲームグッズゾーンだ。

 家族で来店することを考えた場合、小さな子どもは退屈してしまう可能性があるが、このゾーンのおかげで退屈せずに楽しく過ごせるかもしれない。駐車場完備店舗らしくファミリーでの来店を強く意識した施策だ。

【ゲームグッズゾーン】

GALLERIA Loungeのノウハウを活かしたゲーミングチェアゾーン

 ゲーミングやeスポーツに力を入れるサードウェーブだが、実はゲーミングチェアに関してはスペースの関係で、東京秋葉原のアンテナショップGALLERIA Loungeでしか取扱がない。GALLERIA Loungeにゲーミングチェアを持ち込んだのが、現座間相武台店店長の綛谷氏だという。綛谷氏がGALLERIA Lounge店長時代にゲーミングチェアの販売を開始し、かなり売りまくったようだ。

 座間相武台店でも「ゲーミングチェアは試してみないとその良さがわからない」という信念の元、このゲーミングチェアゾーンも1階に用意されている。ぜひ座り比べてみては如何だろうか。

【ゲーミングチェアゾーン】

ドスパラ初の試みとなる動画配信&動画編集体験コーナー

 座間相武台店が初の試みとなるのが動画配信&動画編集体験コーナー。PCの体験、タブレットの体験、eスポーツの体験というのは様々な店舗で行なわれているが、座間相武台店ではそこからさらに一歩進んで、動画配信や動画編集を体験できるコーナーを常設で設置している。PCやモニターのみならず、ビデオカメラやマイク、セレクターなどが設置され、気軽に動画配信にトライできる。その隣には動画配信や編集に使用するデバイスやソフトウェアも販売されており、ワンストップで環境を構築することができる。

【動画配信&動画編集体験コーナー】
綛谷店長が自慢のエリアとして紹介してくれた
配信/編集機材はその場で購入することができる

その場でガッツリPCを組める「ドスパラボ」

 現在なんばと札幌の大型店限定展開となっているPC組み立てスペース「ドスパラボ」が、首都圏ではじめて設置される。購入したパーツをその場で組んだり、PCをその場でセットアップしたり、使い方は自由で、テスト用のモニターやネジの類いは、すべて無料で利用できるほか、PCに詳しいドスパラスタッフの助けを借りられるところが大きな特徴となっている。

 ちなみに“駐車場があるドスパラボ設置店舗”は、座間相武台店が初ということで、自前で組んだPCを持ち込んでその場でアップグレードしたり、その場で自作PCを組み上げて車で持ち帰ったりなど、従来は難しかったようなことが気軽に実現できるようになる。

【ゲーミングチェアゾーン】

将来性を備えた休憩スペース

 現在コロナ禍ということで、デスクとイスのみが置かれた休憩スペースとなっていたが、イベントスペースも完備している。将来的にはeスポーツ体験エリアとしたり、ゲストを招いてイベントを実施することもできそうだ。

【休憩スペース】
各種イベントが実施できそうなイベントスペース
raytrekタブレットを試遊できる

「GALLERIA Lounge」を彷彿とさせる充実のゲーミングデバイスコーナー

 一階左手のゲーミングデバイスコーナーもおもしろい。マウスは、USBハブで1台のPCに9台接続され、9種類のマウスを同時に同一環境で試せるようになっており、キーボードは30枚ほどがRGBライトを確認した上でキータッチを試せるようになっている。ヘッドセットも視聴が可能。写真で見ても分かるように品揃えもなかなかのもので、「体感型パソコンショップ」というコンセプトは伊達ではない。

【ゲーミングデバイスコーナー】

掘り出し物を探せ! デジタル価格表

 ドスパラ本店をはじめ、多くの店舗で導入されているデジタル価格表。毎朝更新される最新の価格表をチェックして発券機で番号を入力するとレシートが吐き出される。それをレジに持っていくことで価格表のアイテムを購入できるという仕組みだ。

 ちなみに在庫は秋葉原の各店舗とはまったく別に持っており、秋葉原で売り切れているアイテムでも在庫がある場合があるという。筆者が確認した際は、全国で売り切れているRyzen 9 5000シリーズや、GeForce RTX 30シリーズなどの人気商品はいずれも在庫があった。足繁く通えば意外な掘り出し物に出会えそうだ。

【デジタル価格表】
価格が表示されているものはすべて在庫があるか、綾瀬から取り寄せが可能なもの。ただ、この在庫は取材時点のもので、明日まで在庫が残っているかどうかはわからない

ぐるぐる回して四方から眺められるPCケースコーナー

 今回の取材でもっとも驚いたのがPCケースコーナーだ。PCケースは1つ1つが場所を取るため、PCショップの奥にまとまって狭っ苦しく置かれるのが当たり前だったが、座間相武台店のPCケースコーナーは、同店の主役として2階中央に鎮座し、二階建て構造の展示エリアが3つも確保されている。それだけでも驚きだが、展示エリアに置かれたPCケースは、すべて台座ごと回るようになっており、ぐるぐる回してPCケースの全体像を把握することができる。2階に入ってくると目に飛び込んでくるこの珍妙な光景は、まさに座間相武台店の名物だ。

 ちなみにこのお洒落な台座は、座間相武台店オリジナルということで、現時点ではここにしかない。最新かつ大量のPCケースを、電源が入った状態で、あらゆる角度から眺められるという、この1点だけで、PC自作派はこのお店に足を運ぶ価値があると言える。筆者もこれまで様々なPCショップを訪れてきたが、これは驚いた。皆さんもぜひ自身の目で見て貰いたい。

【座間相武台店名物PCケース庭園】
見たものの目を奪うPCケース庭園。ぜひPCユーザーは自身の目で確かめて欲しい
この台座が回るようになっている

綾瀬工場直送!? 中古PCコーナー

 ドスパラでは、各店舗で買い上げ、もしくは買い換え等で引き取った中古PCは、一旦綾瀬工場に集められ、リノベーションを施して全国のドスパラに再出荷されている。座間相武台店のすぐ近くに綾瀬工場があるため、基本的に1点モノの中古PCの在庫を確保しやすいという地理的な強みがある。中古PCを求めている方は、こちらも狙い目だ。

【中古PCコーナー】

 久々の店舗取材だったが、座間相武台店はまったく飽きなかった。1階の体験スペースは、ゲーミングPC「GALLERIA」をはじめ、ゲーミングチェア、各種ゲーミングギアの体験コーナーが豊富にあり、2階は販売エリアながらも、PCショップではお馴染みのCPU、GPU、ビデオカード、電源、マザーボードをあえて展示せず、その代わりにたっぷりのPCケースコーナーがあり、ゆったりとした空間でPCショッピングが楽しめるという極めてユニークな空間が構築されていた。

【広々とした空間が嬉しい】

 時節柄、車で行けるというのも大きなポイントで、秋葉原まで電車で行くのは躊躇われるという方や、人混みを気にせずゆったりとした空間でPCパーツを見たいというPCファン、ゲームファンにはまさに理想的な空間になっていると思う。

【店内の様子】
既存店と同じ展示については特に触れなかったが、PCのタッチアンドトライコーナーや、モニターエリア、上海問屋エリアなども用意されている

 綛谷氏は「神奈川には、横浜、町田にもドスパラがありますが、座間相武台店は、PCゲーマーさんをはじめ、PCに関心のある方に気軽に立ち寄っていただけるような店舗を目指していますので、ぜひおひとりでもご家族でも足を運んでいただければと思います」と抱負を述べてくれた。

 なお、ドスパラ新店舗お馴染みのオープンセールについては、新型コロナウイルスの状況を考慮し、先着販売から事前抽選に切り替えられ、すでに募集も締め切られているが、Ryzen 9 5950Xの在庫があるなど意外な掘り出し物もあり、この週末足を運んでみるのも悪くないだろう。28日と29日は電車でも行きやすいように小田急相武台前から送迎バスが出る予定となっているのでこれを利用して行ってみては如何だろうか。

【11月28日オープン!】
こっそりRyzen 9 5950Xの在庫を見せてくれた綛谷店長。果たして明日まで残っているか!?