【特別企画】
次なるドスパラ新店舗は盛岡! ドスパラ盛岡都南店プレオープンレポート
地方進出を凄まじいスピードで進めるサードウェーブ。その狙いと戦略をレポートする
2021年4月27日 19:35
- 【ドスパラ盛岡都南店】
- 4月29日11時オープン
サードウェーブは4月29日、岩手県盛岡市に、PCショップ「ドスパラ」の新店舗となるドスパラ盛岡都南店(もりおかとなんてん)をオープンする。本日正式オープンに先駆けて、関係者向けのお披露目が行なわれたので、その中身と狙いをレポートしたい。
サードウェーブというと、最近はeスポーツのイメージが強くなりつつあるが、本業はあくまでもPC屋だ。PCショップ「ドスパラ」をプラットフォームに、自社オリジナルのゲーミングPC「GALLERIA」をはじめ、各種PCパーツ、ゲーミングデバイスなどを販売している。
そのサードウェーブのPC事業においてとりわけ力を注いでいるのが地方展開だ。2020年11月に神奈川県座間市にドスパラ座間相武台店、2020年12月にドスパラ前橋インターアカマル店、2021年2月には愛媛県松山市にドスパラ松山環状枝松店、そして今回、岩手県盛岡市にドスパラ盛岡都南店と、地方ばかりに出店している。しかも、これまで千葉、大阪、名古屋、仙台、札幌、博多など、政令指定都市もしくはそれに準ずる大都市ばかりに展開してきたが、直近の4店舗は、いずれもそうではなく、しかもロードサイド、駐車場もたっぷりで、明らかに意図的に出店戦略を変えてきている。これは何を意味しているのだろうか?
今回はそれを取材しに岩手県盛岡市を訪れた。プレオープンに合わせて新店舗の展開戦略や支援を行なっているSA企画開発部SA開発支援課のグループ長 上間クリスティアン氏に話を伺うことができた。
ドスパラが地方展開を強化したきっかけは新型コロナウイルスだったという。従来型の店舗では、店舗内のスペースが窮屈で密になりやすく、PCユーザーが気軽に足を運びにくい。であれば、足を運びやすいようにロードサイドを選び、駐車場も確保し、店舗スペースもたっぷり取ることで、気軽に訪れやすい環境を整えた。この構想は、新店舗を続々出店していることからもわかるように大当たりし、テレワーク需要や、後述する配信需要の高まりといった追い風もあり、サードウェーブの主要な成長事業の1つとなっている。
出店コンセプトは共通しており、「見て、触って、楽しめる」店舗。PCショップでPCパーツやゲーミングデバイスを見て触って試せるのは今や当たり前だが、ドスパラ新店舗ではそれを徹底的に、なおかつ新しい領域でやっているところが大きな特徴となっている。
出発点になっているのは東京秋葉原のGALLERIA Loungeだという。ここではゲーミングマウスを横一列で触り比べることができるが、これは上間氏が所属するSA開発支援課が主導した事例のひとつだという。それまでPCショップでは、メーカー側のロジックが強く、ショップインショップのような形で、メーカーごとにコーナーができていた。しかしこれでは、メーカーをまたいで直接比較することができない。そこで上間氏は、メーカーの垣根を越えて試遊エリアを設置、同じ条件で異なるメーカーのデバイスを触り比べられる環境を整えたことで、来店者の購入率が高まったという。この成功事例が新店舗に活かされているわけだ。
そして現在、このコロナ対策から生まれたロードサイドの出店戦略と、GALLERIA Loungeに端を発する「見て、触って、楽しめる」店舗作りをミックスさせる形で、新たな出店計画が進められており、今後も引き続き日本全国を対象に新店舗を増やして行く計画だというから楽しみだ。あなたの街にドスパラがやってくるかもしれない。
ちなみに見て触って試せる対象となるデバイスは新しい店舗が生まれる度に増えており、PC、モニター、マウス、キーボード、ヘッドセット、ドスパラ座間相武台店では、PCケースを自由に回してどの角度からも見られるようになっていたが、ドスパラ盛岡都南店は、それらに加えてさらにゲーム配信が驚くほど充実していた。
入り口から入ってすぐのところに、ゲーム配信用のデモエリアやStream Deckの試遊コーナー、配信デバイスの販売コーナーが並べられていた。陳列されている配信デバイスは、これまでPCショップでは置かれていなかったようなプロ仕様のマイクやマイクスタンド、ショートカットキーなども含まれ、ゲーミングPCやゲーミングデバイスがいつのまにかPCショップの王座から脱落したと同時に、PCショップの定義が変わりつつあることを実感した。ゲーム配信デバイスがフルセット揃ったデスク環境で、クロマキーなどを駆使して実際に試すことができ、気に入ればその場で買うこともできる。これがドスパラ盛岡都南店の魅力となっている。
店舗としては1階のみで、それほど大きくはないが、2階建てのドスパラ座間相武台店をコンパクトにしたような印象で、PCあるいはPCゲーミング、そして配信に必要なデバイスがそつなくまとめられている印象だ。
ドスパラ盛岡都南店の初の取り組みとしては、店舗中央に鎮座する「お見積もりカウンター」がある。これはお持ち帰り品以外のBTO PC(PCパーツをカスタマイズしたPC)を、専用端末からオンラインでオーダーするというもの。傍らにはスタッフが付き、入力の仕方がよく分からない、どのパーツを選んだら良いかわからない場合でもサポートしてくれるという。余談ながら、この場合の売上は店舗側に計上されるということで、店舗スタッフがオンライン通販のPCを売る時代が到来している。ahamoをドコモショップの店員が案内するような話だが、技術がどれだけ進化しても、人とコミュニケーションを取りながらものを買いたいという需要はなくならないということだろう。
ドスパラ盛岡都南店の店長は、新卒4年目25歳の鈴木空輝(すずきたかき)氏。秋葉原本店を皮切りに、店舗スタッフとして様々な店舗でキャリアを積み、大宮店からの大抜擢となる。目指す店舗像としては、スタッフの平均年齢が22歳と、全店舗の中でもっとも若いことから、お客様を楽しませるだけでなく、スタッフも楽しむ、笑顔があふれる楽しい店舗にしたいという。鈴木氏のお休みは月曜と火曜で、それ以外は常に店舗にいるという。若さあふれるドスパラ盛岡都南店に一度足を運んでみては如何だろうか?
最後に、ドスパラ新店舗恒例のオープンセールについては、新型コロナウイルスに配慮し、主要アイテムについては先着販売から事前抽選に切り替えられている。ただ、ドスパラ秋葉原本店やほとんどの店舗で品切れとなっているRyzen9 5000シリーズや、GeForce RTX 3000シリーズなどは、特別に在庫を確保し、29日のオープンから数日に分けて少量ずつ販売するという。欲しい方は朝から狙ってみるのもいいかもしれない。
ケースの展示準備もほぼ完了しました。
— ドスパラ盛岡都南店 (@dospara_Morioka)April 23, 2021
オープンの際は、実際に冷却ファン💨が動いている状態での展示をお見せできる予定です。pic.twitter.com/f2pMdnK3Nu