【特別企画】
日本発の国際eスポーツ大会「RAGE ASIA 2020」、いよいよ8月29日より開催
eスポーツ観戦ができるバーチャル空間「V-RAGE」ついに正式ローンチへ
2020年8月28日 11:31
8月29・30日に開催が予定されている「荒野行動」及び「APEX Legends」のアジア大会「RAGE ASIA 2020」に際して、同大会のメディア向け説明会が27日にオンライン形式で行なわれた。
「RAGE」はCyberZが2016年に立ち上げたeスポーツ大会のブランドで、現在ではエイベックス・エンタテインメントとテレビ朝日もその運営に加わっている。
「RAGE ASIA 2020」は前述の3社による合同開催になり、メディア説明会には各社から代表者が1名ずつ登壇した。CyberZからはeスポーツ事業管轄取締役の大友真吾氏、エイベックスからはライブ事業本部イベント創作グループGMの坂本茂義氏、そしてテレビ朝日からはビジネスプロデュース局ビジネス統括部担当部長の石田要氏だ。
現状日本発のeスポーツ大会は国内プレーヤーたちによる大会がほとんどで、「RAGE ASIA 2020」のような国際大会は稀である。今回のメディア向け説明会を通じて、同大会はどのようなヴィジョンをもって開催され、そして将来的にはどのような展望を持っているのかが明らかになった。
ヴァーチャル会場「V-RAGE」を活かした大会形式
まず大会の概要を説明すると、「RAGE ASIA 2020」は国内外からチームが招待され、競い合うeスポーツの国際大会だ。大会は完全オンラインで行なわれ、開催初日の29日は「荒野行動」、30日は「APEX Legends」の大会が催される予定だ。大会には日本のみならず、韓国・中国・台湾といった国からもチームが招待されており、各ゲームの優勝チームは“アジア最強”の称号を与えられる。
また大会の公式配信には豪華ゲストの登壇も予定されており、大会MCにはお笑いコンビの霜降り明星が、29日のゲストにはFUJIWARAの藤本敏史氏、30日のゲストには佐藤寛太氏が招かれている。大会の模様はOPENREC.tv、ABEMA、YouTube、Twitch(30日のみ)で配信され、さらに本大会はeスポーツ観戦ができるバーチャル空間「V-RAGE」でも観戦することができる。
本大会の目玉のひとつである「V-RAGE」はCyberZが3月にベータ版をローンチしたヴァーチャルイベントプラットフォームであり、本大会を以て正式ローンチとなるサービスだ。大会期間中にPCやスマートフォンから「V-RAGE」に接続することで、ユーザーはアバターを作ってヴァーチャル会場を訪れることができる。ヴァーチャル会場には観戦スクリーンの他に来場者が集うロビーも用意されており、ボイスチャット機能を使えば来場者同士でコミュニケーションをとることも可能になるようだ。
「V-RAGE」はOculusやHTC ViveといったVRヘッドセットにも対応しており、これらを使えばより臨場感のあるイベント体験を得られる。また「V-RAGE」会場内にはVTuberの登壇も予定されており、MCは電脳少女シロが担当する予定だ。
本大会のスポンサーにはLenovo、Google Playが付いており、「V-RAGE」のヴァーチャル会場内では各スポンサーのブースも用意される。さらに「V-RAGE」会場内では物販と連携したブースも用意されるとのことで、BEAMSとRAGEのコラボTシャツが購入可能になるようだ。CyberZ大友氏によると、「V-RAGE」はリアル開催の大会にとって代わるものではないが、オンラインならではの新しい体験を提供できるプラットフォームであるとのことだ。
各社が描く今後のeスポーツシーンのあり方とは
説明会後半では、登壇者3名によるトークショーが催された。
――「RAGE ASIA 2020」開催に際して、どのような意気込みをお持ちですか?
大友: 本大会は東京五輪を意識して一年以上前から構想を始めていました。残念ながら東京五輪は延期になっていまい、「RAGE ASIA 2020」もオンライン開催になりましたが、開催に至れてよかったです。現状国内のeスポーツ大会の多くはどうしても日本のプレーヤー中心になってしまいますが、本大会は国際大会であることにこだわりました。eスポーツに限らず国別対抗戦は感情移入しやすいですから、本大会を通じて好きなプレーヤーやチームを見つけていただければと思います。
坂本: eスポーツは若者に夢を与えられるコンテンツだと思っているので、「RAGE ASIA 2020」を通じて日本のeスポーツを国際的なステージにもっていくことは、非常に大きなステップだと感じています。選手たちが世界へ羽ばたけるような舞台を作っていくため、今後も我々がリーダーシップをとって国際展開をしていかなければと感じております。また我々としてはスター選手の発掘に力を入れており、こうした大会からカリスマ性のある選手が生まれてくれるといいですね。
石田: 我々は毎週日曜日にeスポーツ番組「ReAL eSports News」を4月からレギュラー放送しているなど、意欲的にeスポーツに取り組んできています。また本大会に関しては8月21日に1時間の枠を使って特番「eスポーツ頂上決戦 RAGE ASIA 2020 直前SP」を放送するなど、地上波の力を活かして盛り上げに貢献しています。我々はeスポーツを“スポーツ”と捉えることが重要と考えており、これまで数々のスポーツ番組を作ってきたテレビ朝日のノウハウをもって、eスポーツの盛り上がりを応援していきたいです。
――「RAGE」ブランド今後について、どのような展望を描いていますか?
大友: まずは「RAGE ASIA」がeスポーツファンにとっての夏の風物詩になるよう、これから毎年開催していきたいと思っています。そしてゆくゆくは「RAGE WORLD」の開催も視野に入れています。日本のeスポーツは徐々に発展してきていますが、視聴者数などを取ると海外のシーンにはまだまだ劣ります。我々がリーダーシップをとって業界の発展に貢献し、最終的な目標としては、夢は大きく「同時視聴100万人」ですね(笑)
坂本: 日本のeスポーツ人口は2019年時点で480万人程度と言われていて、同時視聴100万人というのは全く不可能な話ではないんですよ。特に本大会は「V-RAGE」を通じて、今までリアルのイベントに足を運んでいなかったようなファンにもアピールできると思っています。また今後の展開としては、大友さんが仰った世界大会の他にも、「RAGE」独自のポイントランキングを設けるようなアイデアもあります。
eスポーツは若者が発言力を持てる貴重なコミュニティです。本大会のスポンサー各社も、我々のコンテンツの持つ若者への訴求力に魅力を感じて協賛してくださいました。今後も大会運営やスポンサー獲得に尽力し、選手たちにしっかりとお金が回るようなシステムを築き上げていきたいと思っています。
石田: 我々としては地上波で確実に露出を増やしていくことを目標としています。先述のレギュラー番組に関しても、詳細は明かせませんが10月にパワーアップを予定しています。今はまだ深夜帯の放送が多いですが、タイトルごとにきっちりとガイドラインを設けていけば、いずれは朝やゴールデンの時間帯でも放送できるようになると思います。一歩一歩の積み重ねから、eスポーツを盛り上げていきたいですね。
――最後に、本大会の見どころはどこでしょうか?
大友: 「RAGE ASIA 2020」はコアなeスポーツファンはもちろんのこと、キャストや演出面のちからも借りて、ライト層の方にも楽しめる内容になっています。まだeスポーツ観戦をしたことのない方も、是非本大会を観戦して、eスポーツの楽しさを味わってもらいたいです。