【特別企画】
「デススト」は240Hzの夢を見るか? 240Hz対応のゲーミングモニター&2080Ti搭載ゲーミングPCでハイフレームレート&ヌルヌルプレイにチャレンジ
2020年7月30日 18:00
- 【DEATH STRANDING】
- 7月14日 発売
- 価格
- 8,690円(税込、パッケージ版)
- 7,590円(税込、ダウンロード版)
7月14日に発売を迎えたPC版「DEATH STRANDING」。プレーヤーは「伝説の配達人」と呼ばれた男、サム・ポーター・ブリッジズとして、世界を分断と孤立に陥れた現象「デス・ストランディング(DS)」後のアメリカをたった1人で横断し、点として孤立した拠点をつなぎ直す旅に出る。
PC版でポイントとなるのは大きく2点、アスペクト比21:9での表示に対応したことと、60fpsを超えるハイフレームレートに対応したことだ。これにより、さらに美しく、さらに快適なゲームプレイが可能となった。21:9のモニターを用いたゲームプレイは過去にもご紹介している通り、16:9モニターを用いて擬似的に21:9の画面を表示するのとは全く異なる没入感とプレイ感を味わえる。
さて、ではPC版「DEATH STRANDING」のもう1つのポイント、「ハイフレームレート対応」にはどのような効果があるのだろうか。そもそも高精細で美しいグラフィックスを誇る本作において、設定の上限となる「240fps」を出すことは可能なのだろうか?そして細やかに設定できる「最高」から「低」まででのグラフィックスは、それぞれ表現力にどこまでの違いがあるのだろうか。
今回はLGエレクトロニクスの27インチゲーミングモニター「27GN750-B」と、GeForce RTX 2080Tiを搭載するゲーミングPCという最高クラスの環境を用意し、ハイフレームレートでのプレイ体験と、様々なロケーションでのfps上限値と画質設定による違いを探ってみた。
最高クラスの環境で「DEATH STRANDING」を検証!
PC環境において、一般的なリフレッシュレート60Hzを超えるような高いリフレッシュレートに対応するためには、まずゲームを動かすマシンが高フレームレートを出せる必要がある。さらにモニター側も出力されるフレームレートに対応したリフレッシュレートが必要になる。今回使用した「27GN750-B」は「DEATH STRANDING」の最大設定と同じく240Hzのリフレッシュレート対応、応答速度は1ms(GTG)のゲーミングモニターだ。一般的な60Hz対応のモニターに対して4倍ものリフレッシュレートを誇り、応答速度も速い本機では、よりなめらかな画面でのプレイが期待できる。
一方、ゲーミングPCはCPUにCore i9-10900K、ビデオカードはGeForce RTX 2080Tiを搭載したマシンを使用した。今回の使用機材について、仕様をまとめると以下の通りとなる。
LGエレクトロニクス「27GN750-B」
画面サイズ:27インチ
液晶パネル:IPS
応答速度:1ms(GTG)
リフレッシュレート:240Hz
視野角(水平/垂直):178°/178°(CR≧10)
色域:sRGB99%(標準値)
アスペクト比:16:9
解像度:1,920×1,080ピクセル
輝度(標準値):400cd/㎡
その他:フリッカーセーフ/ブルーライト低減モード、AMD FreeSyncテクノロジー/ NVIDIA G-SYNC Compatibleに対応
サイズ:614(W)×465-575(H)×274(D)mm(スタンドあり)
重量:5.8kg
参考価格:47,000円前後
ゲーミングPC
CPU:Core i9-10900K
ビデオカード:GeForce RTX 2080Ti(10コア/20スレッド/コアクロック3.70GHz/ターボブースト時最大5.30GHz)
メモリ:16GB(8GB×2 ( PC4-21300 / DDR4-2666 ) / デュアルチャネル)
ストレージ:512GB NVMe M.2 SSD+2TB HDD
OS:Windows 10 Home 64ビット
ハイリフレッシュレートで「DEATH STRANDING」をプレイする快感
そもそも「リフレッシュレート」は、ゲーム中において、カメラをぐるぐると動かしたり、頻繁に視点を変えてプレイしなければならないときに重要となる、PCモニターのスペックのひとつだ。リフレッシュレートが高いモニターであれば、戦闘シーンなどで激しく視点を動かしても、とてもなめらかできれいな画面でのプレイが可能だ。
低リフレッシュレートのモニターでは、激しく視点を移動すると物体が横にずれたり、カクカクとしか動かない画面となってしまう。これは視点移動に描画が追いついていないときに起こるもので、それぞれ「ティアリング」と「スタッタリング」と呼ばれている。ではなぜリフレッシュレートが高ければ、これらの現象は起きないのだろうか。
リフレッシュレートとは、モニターが1秒間に何回書き換えられるのかを表す指標で、60Hz(ヘルツ)なら60回、144Hzなら144回、240Hzなら240回書き換えている。書き換えられる回数が多ければ多いほど、細かい動きに対応しているとも言え、画面がなめらかに見えるわけだ。
なお描画のクオリティを表す似たような指標に「フレームレート」がある。これは1秒間にどの程度PC側で描画できているかを表すもので、こちらの単位は「fps(frame per second)」。リフレッシュレートとフレームレートはほぼニアリーイコールで、リフレッシュレート60Hzに対してフレームレート80fpsでは描画性能を生かせていないし、144Hzなのに60fpsでは逆に、モニターの性能を十分に使っていないということが言える。
リフレッシュレートの違いについては「testufo.com」という、リフレッシュレートのテストサイトを訪れてみるとよくわかる。自分が使っている液晶モニターの最高リフレッシュレートと、その1/2、1/4での描画を確認できる。これを見ればリフレッシュレートがどれだけ大事かがわかるだろう。
このテストを見てもわかるように、リフレッシュレートが高い液晶モニターでプレイすると、グラフィックスの残像感がなくなり、なめらかな絵でプレイすることができるわけだ。「そんなに違わないのでは」と思うかもしれないが、実際にプレイしたときにはティアリングを実感するし、その差を明らかに感じることができる。
今回プレイした「DEATH STRANDING」でもそれは同じだ。フィールドを歩いていると目的地の建物がふと目に入ることがある。そこへ行くためには、目指すべき場所を知るために、移動しつつカメラをぐるぐると回すことだろう。そのときには高いリフレッシュレートでプレイできればなめらかな絵で判断できるので、オブジェクトがどこにあるのかわかりやすい。何よりもティアリングが低減されているので、見ていても目が疲れない。
またBT戦を考えてみたらどうだろうか。ストーリーが進むと、大型のキャッチャーが2体同時に現われることがある。そのときには2つを順番に攻撃していかなければならないし、場所も変わるので、どこにいるのか見るためには、やはりこれもカメラを回しながらの戦いとなる。そのときに少しでも残像感があると目標を正確に狙うことができないし、捉えづらい。こうしたことからもハイリフレッシュレートの液晶モニターがあると、より快適なプレイができるというわけだ。
フレームレートの差を示すために、今回2本の動画を作成してみた。シーンは序盤に登場する「ミドルノット・シティ 廃墟地帯」。ここでのBT戦をキャプチャしてみた。右下にフレームレートを表示させているので参考にしてほしい。動画を比べると、カメラを動かしたときに描画のなめらかさが変わるのがおわかりいただけると思う。
各設定でフレームレートを測定!
ここまで見てきたところで、ゲームプレイにおけるハイリフレッシュレートの重要さがおわかりいただけたかと思う。では次に「DEATH STRANDING」の各ロケーションにて、フレームレートを計測してみたい。
今回フレームレートを測定するシチュエーションとして、草原や岩などのフィールド、ジャンク屋がいる赤茶けたフィールド、トラックを使っての国道での移動、雪山を選び、それぞれについて移動している際のフレームレートを画質ごとに測定して、最大値、最小値、平均を出してみた。画質は、デフォルトで用意されている「最高」、「標準」、「中」、「低」を選び、DLSSを「パフォーマンス」に設定。そのほかはアンチエイリアスをTAA、被写界深度とモーションブラーはオフにして測定した。その結果は下のグラフの通りだ。
グラフを見るとわかるのだが、フレームレートはどのシーンを測定してもあまり変わらず、だいたい90fps前後といったところ。雪山はさすがにストラクチャーが少ないのでフレームレートは上がっているように見える。また画質を落とした際のフレームレート向上もそれほど大きいとは言えないようだ。
この結果を見ると「90fpsしか出てないじゃん」と思うかもしれないが、「DEATH STRANDING」はかなり描き込まれているグラフィックスでシーンが展開されるので、このパフォーマンスを持つマシンだからこそ、これだけのフレームレートが出ているのだ。実際に筆者が持つCore i7-9750H、GeForce RTX 2060(ビデオメモリは6GB)、メモリ16GBのマシンでフレームレートを測定して比較するとこのようになる。
ご覧の通り、当然マシンパワーがあればあるほど、高いフレームレートでのなめらかなプレイが可能となるわけだ。筆者のマシンではフレームレートが低いため、左右にカメラを振ると、思いっきりティアリングが発生した。
ところでフレームレート測定結果を見ると、画質を変えてもそれほどfpsの値が変わらないようにも見えるが、実際の画質はどの程度変化しているのだろうか。試しに「最高」、「標準」、「中」、「低」での画質を比較してみよう。DLSSは「クオリティ」で設定している。
その2:フィールドを流れている川と草原
その1とその2の2パターンについて画像を見ていくと、画質が低下するに従って描画が省略されていくのがおわかりいただけたと思う。今回の測定では画質におけるフレームレート差はそれほど大きくなかったが、これはGeForce RTXシリーズを使っているためと考えられる。「DEATH STRANDING」は最新の「DLSS2.0」に対応しており、グラフィックス設定を下げても高いクオリティで描画してくれるためだろう。
DLSSとは「Deep Learning Super Sampling」の略で、GeForce RTXシリーズであれば、ゲームの画面を学習して、粗い画面でもきれいな画面と同じクオリティで表現してくれる技術だ。これにより、クオリティの低い画質でも、よりきれいな画面でゲームをプレイできる。
ここで実際にDLSSをオン、オフした状態でのフレームレートはどのくらい違うかを測定してみた。結果を見るとわかるように、DLSSオンにした方が、高いフレームレートで遊べるということになる。実際にDLSSをオンにして「最高」画質の設定でプレイしてみたが、「27GN750-B」の高いリフレッシュレートのおかげもあり、“ヌルヌルプレイ”で十分楽しめた。
以上のように、「DEATH STRANDING」をハイパフォーマンスマシンでプレイしてみたが、「DEATH STRANDING」のフレームレート上限、そして「27GN750-B」が持つリフレッシュレートの上限240Hzには届かなかったものの、「最高」画質であっても十二分になめらかなプレイとなることが確認できた。
ハイスペックPCとハイリフレッシュレート対応のゲーミングモニターを揃えるという意味で価格面でのコストは決して安くないが、用意された中で最高の画質設定で、グルグルと忙しくカメラを回しても破綻がなく、かつスムーズな画面移動ができる環境というのは「DEATH STRANDING」の楽しさをより深く味わわせてくれる。
なお、本機ではより軽いゲームである「フォートナイト」では最高画質設定で200fps、最低画質設定では270fpsという結果が出ている。ゲームとPCこそ選んでしまうものの、負荷の軽いゲームであれば「27GN750-B」などを用いることで144Hzの液晶モニターよりも高いリフレッシュレートでプレイできるし、受ける恩恵はあまりある。「27GN750-B」はリフレッシュレートだけでなく、応答速度も1ms(GtoG)と極めて速く、IPSパネルを使っているので左右からの視認性もよい。さらに細かいところではあるが、背面に用意されている、ハブとして機能するUSB3.0ポートを使えるのも便利だ。「27GN750-B」は240Hzを体感するにはうってつけのモニターだと言える。
ここまで、LGエレクトロニクスの27インチゲーミングモニター「27GN750-B」と、ハイスペックゲーミングPCを使って「DEATH STRANDING」でどのような体験ができるのかをご紹介してきた。「DEATH STRANDING」はとてもきれいなシーンが展開されるので、フレームレートは高い方がいいし、それであればBTとの戦闘も楽しめるというものだ。つまり、ハイスペックのシステムであれば、より高次元のゲーム体験ができることはおわかりいただけたと思う。予算の都合などいろいろな条件はあるかもしれないが、できる限りいいスペックのデバイスをそろえて、よりよいゲーム体験ができる環境を作り上げてみてほしい。
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