【特別企画】
「あつ森」始めたてでもわかる! メトロポリタン美術館の「あつ森」ボタンを100%使いこなす方法
「MET部屋」完成! マイデザインの使い方、美術作品の取り込み方をまるっと解説
2020年5月3日 15:01
Nintendo Switch「あつまれ どうぶつの森」(以下「あつ森」)の世界的なブームはどこまで広がっていくのだろうか。5月2日、アメリカのニューヨークにあるメトロポリタン美術館が「あつ森」への参入したというニュースが駆け巡った。
この参入によって、同美術館収蔵の約40万点の作品を「あつ森」で公式に取り込めるようになった。つまり、つねきちの到着を待たずして、世界の名だたる美術品が「あつ森」で鑑賞できるというわけだ。
しかし、これらを最大限楽しむにはちょっとコツがいる。スマホ連動機能「タヌポータル」を含めた「マイデザイン」を最大限駆使しないといけないし、メトロポリタン美術館のサイトから何をどのように検索し、どうやって「あつ森」用にセッティングするのかもある程度知識が必要だ。
そこで本稿では、このメトロポリタン美術館参入を記念した「メトロポリタン美術館作品を100%楽しむためのガイド」をお届けしたい。「あつ森」を始めたばかりの人にもわかるよう、その手順をいちから解説していく。
メトロポリタン美術館40万点の作品を「あつ森」で楽しむための3ステップ
今回のメトロポリタン美術館参入で最も熱いポイントは、メトロポリタン美術館のサイト内に「あつ森」専用ボタンが設置されたことだろう。このボタンはシェア機能のひとつとして置いてあり、TwitterやFacebookなどのSNSと同じ並びにある。もはや、「あつ森」は世界的なソーシャルネットワークサービスに肩を並べる存在となったわけだ。
ではこの「あつ森」ボタン、どのように使っていけばいいのだろうか。その使い方を説明するために、まずは「あつ森」側で必要な準備を整えていきたい。
ステップ1:「あつ森」と「タヌポータル」を連動させる
メトロポリタン美術館のシェアボタンを使うためには、「あつ森」の「マイデザイン」機能が必要になる。「マイデザイン」そのものはゲーム内の最序盤から利用できるが、ポイントは「タヌポータル」が利用できるかどうかだ。
「タヌポータル」は、スマートフォンアプリ「Nintendo Switch Online」内にあるゲーム連携サービスで、「あつ森」で手続きを完了させると使えるようになる(参考記事)。なお、機能を利用するためにはNintendo Switchのオンラインサービス「Nintendo Switch Online」への加入(有料)が必要になる。
手続きを終え、スマートフォンアプリ「Nintendo Switch Online」に「あつ森」の項目が登場して「タヌポータル」が起動できるようになったら、ついに準備完了だ。
ステップ2:メトロポリタン美術館のサイトでデータを作る
メトロポリタン美術館のサイトでの作品検索は、「Open Access」内から可能。わかりやすいのは、gogh(ゴッホ)など作家名で検索する方法だ。米国のサイトということもあり、アルファベット検索のみなので、あらかじめ画家や作品の英語表記を調べておこう。
一覧から作品を選択し、シェア機能からさらに「あつ森」ボタンを押すと、「Crop your artwork」という窓が登場する。ここでは、利用者の好きなように作品のトリミングが可能で、「あつ森」用に正方形に切り抜くことができる。
切り抜き方はまさにお好みだが、ポイントは拡大するほどディテールを再現できること。構図や色使いが印象的なら全体、細部に特徴があるなら拡大と、作品によってトリミングを変えていくとより豊かに楽しめるだろう。
ステップ3:「タヌポータル」と「あつ森」でデータを取り込む
トリミング位置が決まったら、いよいよゲームへの取り込みである。同じ画面にはQRコードがあり、トリミング位置に合わせて自動で変化していく。このQRコードを「タヌポータル」で取り込むわけである。
「タヌポータル」からの手順はとても簡単だ。「タヌポータル」内で「マイデザイン」を開き、スマホのカメラ機能を使ってQRコードを読み取る。データを取り込めたことを確認したら、今度はNintendo Switchの「あつ森」を開く。
「あつ森」内でスマホメニューを開き、さらに「マイデザイン」を開く。「タヌポータル」と連動できていれば、この画面から+ボタンで「ダウンロード」ができる。すると、先ほど「タヌポータル」に登録したデータが「あつ森」の中に取り込めるというわけだ。
取り込んだデータは書き換えこそできないが、他のマイデザインと同じ扱い。イーゼルに飾ったり、壁にかけたりすることで、ついにメトロポリタン美術館作品を「あつ森」で堪能できるようになった。
注意すべきは、QRコードの読み取りには「スマホを使う必要がある」こと。
作品の検索自体はスマホでも可能だが、「タヌポータル」のQRコード読み取りはスマホのカメラ機能を利用する。せっかくスマホでQRコードを呼び出しても、そのスマホでQRが読み取れないのだ。このため作品の検索は、PCなどを使うといいだろう。筆者としては、PCブラウザ上だと検索やトリミングの作業がより手軽で、スマホによるQRコードの読み取りもラクだった。
思い切って「MET部屋」を作ってみる
せっかくなので、メトロポリタン美術館(略称はMET)の作品を最大限活かした「MET部屋」をマイホームに作ってみたい。
40万点ある作品群の中には、「メトロポリタン美術館を訪れたら必見」クラスの名画が多くランナップされている。中でも個人的なおすすめ作家は以下の通りだ。
・ラファエロ(raffaello)
・ルーベンス(rubens)
・ベラスケス(velazquez)
・ダヴィッド(david)
・ルノワール(renoir)
・クールベ(courbet)
・シスレー(sisley)
・マネ(manet)
・ゴッホ(gogh)
・ゴーギャン(gauguin)
・モロー(moreau)
・ミレー(millet)
・ドガ(degas)
・セザンヌ(cezanne)
・クリムト(klimt)
・葛飾北斎(hokusai)
・写楽(sharaku)
ざっとこんな感じだ。検索は当然英語なので、作家名も英語で入力する必要がある。上には英語名も併記したので、大いに役立てていただきたい。
作品の色合いによってはジェネレーター上でほぼモノクロに近い状態になってしまう場合もあるが、陰影はしっかりと再現されるので、「あつ森」に持ってくると意外に悪くなかったりする。
ルノワールが描く女性をアップにしてみたり、セザンヌの静物画は全体を取り込んでみたり。作品に合わせてトリミングに気を遣いながら、「ここ」と思うポイントでQRコードの読み込みを行なう。そして、検索とトリミングをどんどん繰り返し、今度は作品をマイホームの壁に飾っていく。
QRコード作成時点ではかなり大雑把な再現なので、途中でやや不安になるところもあったが、一斉に並べてみるとどれがどの絵画なのか一発でわかる。ドット同士がつながるような「マイデザイン」独特の表現も相まって、飾って楽しむには十分なクオリティだろう。
今回、メトロポリタン美術館の収蔵作品に何があるかを調べるところから作業をスタートさせたが、オープン化されていない作品も含め、西洋絵画の知識をかなり得た実感がある。
「メトロポリタン美術館で見ておくべき作品は?」と聞かれたらすでにある程度答えられるし、筆者の「MET部屋」を見てもらえれば、ある程度の予習にもなってしまう。この、文化的な充足感が心地いい。
新型コロナウイルスの影響で、メトロポリタン美術館自体は休館となっている。だからこその今回の施策だと思われるが、無事警戒期間を終え、大手を振って世界を歩けるようになった際は、「ぜひメトロポリタン美術館を訪れて本物を鑑賞したい」と思っている自分がいる。その点で、メトロポリタン美術館の取り組みは大成功と言えるだろう。