【特別企画】

「仁王2」β体験版インプレッション

妖怪化しても落命は免れない!?「戦国死にゲー」再び!!

2020年3月12日 発売予定

価格:8,580円(税込)

 コーエーテクモゲームスは11月1日から10日までの期間限定で、2020年初頭に発売予定のPS4向けアクションRPG「仁王2」のβ体験版配信を開始した。体験版では、東京ゲームショウ2019の試遊版とは異なる新たなステージや新たな妖怪が登場し、体験版をプレイしたユーザー向けに後日アンケートも実施されるとのこと。

 今回は、仕事の都合でゲームショウに馳せ参じることが叶わず、前作も未プレイのいわば「仁王ルーキー」である筆者が、死装束よろしくまっさらな気持ちで体験版のファーストインプレッションをお届けしていきたい。

妖怪化の能力を持つ主人公と「藤吉郎」の立身出世物語!

 「仁王2」の舞台となるのは、織田信長や豊臣秀吉が活躍した「織豊時代」。前作が秀吉亡き後の関が原を舞台としたことからも、本作はいわゆる前日譚を描いた物語とも言える。前作からのファンは、本作の物語がどのように一作目の「仁王」に繋がっていくのかも気になるところだろう。

 さて、そんな「仁王2」だが、前作は金髪碧眼の「ウィリアム」が主人公だったのに対し、本作ではキャラクタークリエイトを採用。プレーヤーは性別だけでなく、体格や顔つきなどの外見も細かく調整でき、好みの主人公を作ることが可能となった。今回はまさかのどストライクな女性キャラを発見してしまったため、くノ一スタイルでプレイを開始!ちなみに作ったキャラクターは「外見設定コード」を発行し、他ユーザーに共有することもできる。

美麗なオープニングムービーで妖怪化を披露する男主人公
戦国時代を舞台にしながらも、主人公は純和風から異国情緒あふれる見た目まで、より取り見取りのテンプレが用意されている
「金髪ツインテール娘」に悶絶する筆者。その完成された造形にほとんど手を加えることなく、いざ本編!

 キャラクターの作成後、まずは刀や斧などの武器から使用するものを2種類まで選択することに。選ばなかった武器も後で入手すれば自由に変更できるので、とりあえず好みで選ぶのもありだ。なお、武器ごとに上・中・下段を切り替える「構え」や妖怪が生み出す特殊な空間を消す「常世祓い」など、前作でも特徴的だった戦闘システムは本作でも健在。さらに「妖怪化」などの新たなシステムもあり、かなりできることが多いので、前作をプレイしていない方はチュートリアルで一通り慣れておくのがお勧めだ。

 武器を選んだら早速メインミッションの「あやかし一夜城」へ。ここでミッションの説明を読んでいたら、主人公が藤吉郎(秀吉の前名)から「秀の字」と呼ばれているらしいことに気づいた。「秀」の主人公と「吉」の藤吉郎で、二人あわせて「秀吉」……なるほど、本作は後の天下人と、それを陰で支える主人公が出世街道を爆走するバディ物語というわけだ!この設定は歴史好きならずとも、かなり熱い。

今回はくノ一スタイルを意識して「二刀」をメイン武器に選び、さらに金髪ツインテール娘といえば「槍」しかない!ということで早々に決定
どう見ても「墨俣一夜城」の逸話を基にしたミッションは、戦国時代ファンなら垂涎ものだ
本作から新たに追加された「妖怪化」システム。守護霊に応じて見た目や攻撃スタイルなどが変わり、ほぼ無敵状態で敵をタコ殴りにできる

ザコ敵なんてものは存在しない!極限の命のやり取り

 メインミッションの地「墨俣」に降り立つと、そこは色鮮やかな紅葉が美しい林の中。だが数歩も進まぬうちに、筆者は「戦国死にゲー」とも評される本シリーズの洗礼を受けることに……。のっそりと近づく野武士、刀を抜き応戦する筆者。連続攻撃を加えても簡単には死なず、あまつさえこちらの攻撃までガードしてくる始末。最初に出遭う敵のくせに、鍔迫り合いになるってどういうことやねん!?と突っ込む間もなく、ツインテール娘があっけなく落命。茫然自失の状態になりながらも、これが……「仁王」か!と武者震いした筆者(たぶん気のせい)。

 このゲームでは攻撃、防御、回避、どれをとっても気力ゲージを消費するため、むやみにボタンを押しても息切れ必至。敵の攻撃を防御や回避で捌きつつ、隙を見て攻撃を加える。そんな真剣勝負さながらの読み合いが勝敗を分けるのだ。一瞬の油断が命取りになる世界。そう、これが「仁王」なのである!

拙者、死にゲーに不慣れなゆえ、ちょんまげ侍がこれほど恐ろしいとは思いもしなかったで候……
この後も幾度となく落命する筆者。もはや落命のバリエーションが楽しみになるくらいには精神崩壊するのであった

 もちろん、道中の強敵は人間だけではない。餓鬼や猿鬼、山姥など、見た目から恐ろしい妖怪が次から次へと立ちはだかる。1体だけでも手強いのに、複数で来られた日には筆者の技量ではもう逃げ回るしかないのだが、そうやって逃げながら先に進む道がないか探すのも、それはそれで楽しい。何度も何度もやられているうちに、どうやったら倒せるのか、あるいはどうやったら戦わずにやり過ごせるのかと試行錯誤する。その過程を楽しめる方には、かなり味わい深いゲームだと言える。

山姥なんて目が合ったら物凄い速さで追いかけてきて、そのうえ容赦なくメッタ刺し。夢に出てくるんじゃないかってくらい怖すぎて、恐怖で逆に笑えてくる
まるで熊の前で寝たふりをする絵になってしまったが、それだけ序盤では恐ろしい存在の「猿鬼」。どっか行ってくれ!と願う間もなく落命したのは言うまでもないだろう
命からがら目的の砦までたどり着いた筆者。まだまだ先は長い……

 道中のセーブポイントでもある「社」(やしろ)についても簡単に紹介しておきたい。社では敵を倒して入手した「アムリタ」で能力値を伸ばしたり、死んだ地点に残した守護霊を呼び戻したり、不要な装備品を奉納することでアイテムを入手したりできる。唯一と言っていい安楽の場所なので、ここで入念に準備を整えよう。特に本作の新システムでもある「妖怪技」は、社でしか付け替えできない。特定の妖怪を倒して入手した「魂代」を守護霊に付けると、様々な妖怪技が使えるようになり、戦闘が幾分かは楽になる。新たな魂代を入手したら必ず社に立ち寄ろう。

所持していたアムリタは死んだ地点まで行けば取り戻せるが、そこにたどり着く前に死ぬと全て消滅してしまう。危険を冒して取りに行くか、潔く消費して守護霊を呼び戻してしまうか、悩ましいところだ
今作からの新要素「木霊のガラクタ市」。武具の奉納で手に入る「神饌米(しんせんまい)」で仙薬や矢などのアイテムと交換できる。アイテムの中では体力を回復できる「仙薬」が特に重要で、筆者も今回のテストプレイでかなり重宝した
筆者を散々苦しめてきた猿鬼も魂代を落とす。昨日の敵は今日の味方、というわけではないが、存分に活用させてもらおう

砦を抜け、森の奥で真の恐怖とご対面!!

 一夜城への改装のため砦を進んでいくと、味方の武将が一時的に共闘してくれることに。これは精神的にも、ゲーム攻略的にもかなり有難かった。新システムの妖怪化を使う余裕も出てきたが、爽快かつ圧倒的な強さを誇る代わりに使用時間は体感的に数秒程度だ。新たなシステムを導入しても、最終的に勝敗を分けるのはプレーヤーの腕次第、という絶妙なゲームバランス。強力な敵ほど、妖怪化だけでどうにかなるものではないのだ。

妖怪化すれば猿鬼とも互角に渡り合えるが、それだけでは勝てない
弓矢でヘッドショットを狙う筆者。失敗しても仲間がいるから何とかなる精神で突き進む
ボスと見紛うほどの迫力がある「わいら」と遭遇。味方の武将の力を借りても勝てず、脱兎のごとく逃げました……
砦を抜けた先の温泉で、まさかのサービスショット。くノ一にして正解だったぜ!!

 敵は1体ずつやっつける。慌てて攻めず、まずは防御や回避で敵の攻撃パターンを覚える。そんな慎重なプレイの積み重ねで、幾度もの落命を経て、やっと砦を抜けた筆者。味方の武将と別れることになり、森の奥へと歩みを進めると、ついに真の恐怖が姿を現した。β体験版のボス(と思しき)「鎌鼬」の登場である!思しき、と書いたのは、妖怪技や妖怪化を駆使しつつ、何十回もリトライしたものの、結局は執筆時点で鎌鼬を倒せていないため……。情けないことこの上ないが、1つ目のステージの鎌鼬戦を超えた先に何があるのか、この先の展開はぜひ読者諸君の目で確かめてほしい!

 なお、今回はβ体験版の配信前のテストプレイだったため、オフラインでのプレイとなったが、配信版ではオンラインでの協力プレイも可能。どうしても先に進めない、ボスに勝てないという場合は、他プレーヤーの協力を仰ぐことも一考の価値ありだ。基本的なコンセプトを洗練しつつ、妖怪の要素を突き詰めて進化した戦国死にゲーの新作「仁王2」。製品発売前の「今」を味わえる貴重な体験版を、前作からのファンならずとも、ぜひプレイしてみてほしい。

ボス戦の前に、セーブポイントへのショートカットを発見!本作では心が折れる寸前で社を見つけることが多く、絶妙なマップ配置に何度も救われた
鋭い鎌と竜巻、何よりそのスピードに翻弄される鎌鼬戦。防御と回避のタイミングが合えば致命傷は避けられるが、なかなか攻撃に移れない筆者
鎌に貫かれて落命すること数十回……どうか筆者の屍を越えてくれ!