【特別企画】

先輩プレーヤーに誘われて「マビノギ」をはじめてみた!!「MMORPG」ほぼ初心者の「マビノギ」体験記

 ゲームと一口に言っても、ジャンルはたくさんある。筆者は比較的ジャンルを気にせず遊ぶタイプではあるが、1つだけあまりやってこなかったジャンルがある。「MMORPG」である。何回かチャレンジしたことはあったが、うまく知り合いが作れなかったり、コンテンツ量に目移りしてしまったりと、いろいろな理由で長続きしかなかった。

 そんな折、ライターの先輩から「マビノギ」をプレイしてみないかと誘われた。最初は全く気乗りしなかった。正直断ろうと思った。でも、もしかしたらなにかおもしろいことがあるかもしれない。そう思って、思い切って受けてみることにした。結果として色々新しい体験をして、ゲームに対しての興味が強くなった。

 「マビノギ」以外にも、10年以上サービスされているMMORPGはたくさんある。ぶっちゃけちょっと入りにくいが、コンテンツはとても分厚く、色々な要素が入っている。勇気を持って飛び込むことで面白い体験ができ、やりこみがいのある世界が広がっている。今回それを実感できた。“親戚のおばちゃん”のように親切な先輩プレーヤーも面白い。

 今回「MMORPG」プレイ経験がほとんどない筆者が、先輩プレーヤーに連れられて、「マビノギ」の世界に飛び込んでみた。その模様をレポートしたいと思う。

ジャイアントで飛び込んでみた「マビノギ」の世界

 「マビノギ」は2005年4月にネクソンがサービスを開始したWindows用「MMORPG」である。「ケルト神話」をモチーフとした世界「エリン」が舞台となり、プレーヤーは「星から来たもの(ミレシアン)」として、剣と魔法の世界で新しい生活をはじめるというものだ。

 「マビノギ」の世界では、人間、エルフ、ジャイアントの3種族の中から選ぶことができる。能力値に差がありエルフは遠距離系、魔法系に特化し、ジャイアントは近接戦に特化している。人間はその中間のオールラウンダーというところだ。筆者は近接戦が好きなので、迷わずジャイアントを選択した。戦闘スタイルは「剣術」や「格闘術」などいろいろある中から「槍使い」を選択した。

キャラメイクは年齢や顔のパーツなど細かく決められる

 「マビノギ」の特徴としては、「スキル制のゲーム」であるということが上げられる。戦闘、魔法、錬金術、音楽、生活など多岐にわたって存在するスキル。この中から、プレーヤーがどういうキャラクターを作りたいかによって、選んだスキルのレベルを上げていくことでより個性的なキャラクターができあがっていくという仕組みだ。

 スキルレベルを上げるためには、スキル経験値を貯めるだけでなく、キャラクターのレベルアップや年齢を重ねるごとに得られるAP(アビリティポイント)の消費も必要となる。スキル経験値はスキルを使うことで獲得できるが、APはレベルアップなどでしか得られないので、キャラクターレベルが上がるにつれてAPが溜まりにくくなる。

 そこで「転生」というシステムを使い、キャラクターのレベルや年齢をリセットすることができる。リセットすることでまたAPを獲得しやすくなる。こうしてより個性的なキャラクターを作ることができる。

 ちなみに「マビノギ」は年齢によって身体の大きさが変化する。年齢は1週間で加齢し、10歳のちびっ子体系から20歳の大人体系まで姿が変わっていく。年齢による変化は20歳までで、老人にはならない。転生することで年齢が変えられるので、子供の姿のままのプレーヤーもいる。

転生時には謎めいた少女ナオに出会うことができる。彼女も気になる存在だ
スキルアップするとAPを消費する

 ちなみに、筆者はこのシステムを随分あとになって知った。最初に調べておけばよかったのだか“転生”というシステムになじみがなかったのと、プレイ開始後はとにかく先輩プレーヤーついていくことで必死だったのだ。

 筆者はゲームシステムなどを把握するより前に、キャラメイクやチュートリアルもそこそこに、先輩と「マビノギ」の世界で合流した。この日は初日ということもあり、「マビノギ」の世界をぐるっと観光に連れて行ってもらった。想像よりずっと「マビノギ」の世界は広かった。王都やドラゴンを掘っている場所、サバンナ、雪原の国や炭鉱などぐるっと見て回っただけでも随分と広かった。その中でも驚いたのが、ある程度大きな建物は騎乗ペットに乗って移動が可能であるということだ。広さゆえなのだろうがなかなか斬新に感じた。

空を飛びながら案内してもらったのだが、とにかく広かった。
お城の中を騎乗ペットに乗って移動

先輩に連れられるまま、ダンジョンや影の世界を体験!

 先輩プレーヤーに連れられてダンジョンも挑戦してみた。操作がなかなかうまく行かなくて最初は本当に苦戦したが、先輩プレーヤーの方々にうまくフォローしてもらってなんとか攻略することができた。しかしながら、先輩プレーヤーに見守られながらダンジョンのボスを倒すのはなかなか恥ずかしかった。

 また、影の世界という特殊な場所も体験したのだが、ダンジョンとはまた違った独特な世界でちょっと開けたダンジョンみたいな感じだった。ダンジョンに比べてクリア条件が特殊なこともあり、こちらはクリアできないものもあったがそれもまたおもしろかった。

ダンジョンにも挑戦した。
見守られながらボスを倒すという貴重な体験
影の世界はどこか気味が悪い
クリア失敗。影の世界はクリア条件が特殊なものもある

 大所帯で参加するイベントも見ごたえがあった。筆者は初心者すぎるゆえできることも少なかったが、それでも他のプレーヤーの方々の連携や攻撃方法など見ているだけで楽しかった。

先輩プレーヤーの声掛けでたくさんのプレーヤーさんと会うことができた
皆でドラゴンを見に行ったり
温泉に浸かってみたり

広大な世界で1人ぼっちの寂しさ。皆に迎えられて感じさせられた楽しさ

 ちなみに「マビノギ」の世界では、騎乗ペット以外の野生動物にのる事も可能だが、先輩プレーヤーと野生の馬に騎乗していたら全く別の方向へ馬が走り出してしまい、先輩プレーヤーとはぐれてしまうというトラブルが発生した。全く知らない場所に1人ぼっちで佇んだときはさすがに孤独感を覚えた。しかし、現在地の特徴を伝えるとあっという間に先輩プレーヤーが迎えに来てくれたので事なきを得た。このときばかりは先輩プレーヤーと一緒で良かったと心の底から思った。筆者1人だけだとそのまま心が折れてログアウトしてしまったかもしれない。

カバに乗って川を渡ったり、野生馬を捕まえて草原を駆け抜けることも可能
馬に乗っていたら先輩プレーヤーとはぐれてしまい1人ぼっちに。孤独感が襲う
颯爽と先輩が迎えに来てくれた

 個人的に気に入ったのが宝探しだ。先輩プレーヤーが連れて行ってくれたのだが、「Lロッド」というアイテムをつかってダウジングしながら、周囲の宝箱を探すのが地味にツボに入ってしまった。トレージャーハント系が大好きな筆者は「コンコン」という音をたどって、宝箱を探す作業は一晩中やっていられる自信がある。間違いなくまた1人でも探しに行くと思う。

音の回数が増える方向へ全力疾走
宝箱を発見

 先輩プレーヤーの友人の方々とも一緒にプレイさせてもらったが、軒並み皆さん優しかった。先輩プレーヤーに連れられているというのもあるかもしれないが、それでも優しい。皆、「新人」と聞くや否や、たくさんアドバイスをくれるし、アイテムまでくれる。とにかく皆なにかしようとしてくれる。ここまで来るとある既視感を覚えた。

 「親戚の叔母さんたち」だ。久しぶりに実家に帰省してみるといつのまにやら集まってきて、「アレ食べる?」、「コレいるか?」としきりに聞いてくる感じ。ありがたいやら申し訳ないやらなんとも複雑なむずがゆさを覚えたが、これが本当の人の優しさかなと感じた。正直右も左もわからない新人にこんなに優しくしてくれることもあまりない。基本的な操作やストーリーはチュートリアルでなんとかなるし、わからなければWikiでも調べれば良いわけである。

 そんな中で、顔も見たこと無いはじめましての人間に優しくいろんなことを教えてくれるなんてこんなありがたいことはない。「画面の向こうにいるプレーヤー同士のコミュニケーション」これが「MMORPG」の醍醐味なのかもしれない。

 余談だが、先輩プレーヤーの方々も復帰された方が多かったようで、「あの場所どこだっけ?」とか「このスキルどこで手に入れるんだっけ?」など相談しながらプレイしているのはほのぼのとした雰囲気を感じられた。今まで筆者がプレイしてきた対人ゲームが殺伐としすぎていたのかもしれないが、「マビノギ」という世界を楽しむには丁度いい時間の流れなのかもしれないと感じた。

先輩プレーヤーの方々がいろいろ相談しながら、筆者を導いてくれた。ありがたい

チャット早すぎ! 先輩プレーヤー達の早口チャットと溢れる親切心はちょっと……

 「マビノギ」をプレイし始めて筆者が困惑したことが2つある。 まず1つ目が「スキル」だ。「マビノギ」の世界ではどんな行動を起こすにも「スキル」が必要になる。そんな事も知らない筆者はチュートリアルもそこそこに先輩プレーヤーと合流してしまった。

 簡単な攻撃スキルしか持っていなかった筆者は先輩プレーヤーに指摘されて、初めて「マビノギ」のゲームシステムを理解した。慌ててチュートリアルクエストをこなして、基本的な「休憩」など「スキル」を手に入れることができた。

 また、チュートリアルクエストで基本的な操作方法や騎乗できるペットなど便利アイテムを手に入れることができるので、これから「マビノギ」をはじめる方は必ずチュートリアルをほぼ終えてから、他のプレーヤーと合流して遊んでほしい。チュートリアルはサクサク進み、基礎を覚えられるのでオススメだ。

ただ座るにしても「休憩」というスキルが無いと座れない。
空飛ぶ騎乗ペットもチュートリアルで手に入る
牛の乳を絞るスキルや料理スキルも比較的簡単に手に入るスキルだ

 2つ目が「チャット」だ。「MMORPG」において「チャット」は、他のプレーヤーの人とコミュニケーションを取る方法として当たり前のように繰り広げられている。実はこれが1番苦戦した。普段ボイスチャットを使っていると、まず文字で他のプレーヤーとコミュニケーションを取ることはほぼない。しかし、「チャット」となるとキーボードを使ってコミュニケーションを取らなくてはならない。

 チャット慣れしていない筆者はキーボード上でチャットとキャラクター操作がごちゃごちゃになってしまい、なんだかよくわからない行動をとってしまう。やむなく会話に参加するのを諦めたりもした。こればかりは慣れが必要ということだ。しかし、そこは先輩プレーヤーの方々も汲んでくれたのか、会話できなくてもやさしくフォローしてくれる。

 ただ、ここでも問題が発生する。「先輩プレーヤーのチャット早すぎ問題」である。複数の先輩プレーヤーが、一気にたくさんアドバイスをくれると、チャット慣れしていない筆者は目が滑ってしまい「何がなんだか…」という状況に陥ってしまった。ここで「ちょっと待って下さい」が言えれば良いのだが、いかんせん、チャット慣れしていないのでサラッと書くこともできない。

 そこで重宝したのが「メッセージログ」である。これを開いておくと読んでいたアドバイスが途中で流れることなくしっかり読めて、次のアドバイスも読むことができる。見落としがなくなる。反応がかなり鈍くはなるが、読み逃して困ったり、残念な思いをするよりはずっと良い気がした。なによりせっかくアドバイスしてもらったものを読み逃す方がもったいない。

先輩のアドバイスを読み逃し、イベントでできることもなくただ佇むしかない
メッセージログは筆者にとって命綱

演奏、ストーリー! これから「マビノギ」でやってみたいこと

 「マビノギ」の世界に入って思ったことは、とにかくできることが多いということだろうか。「メインストリーム」と呼ばれるメインストーリーの他にも、ダンジョン、PvPなど戦闘系、「楽器演奏」、「料理」、「紡織」、「釣り」、「合成」などのスキルの向上、自分だけの農場を作ることもできる。ちなみに先輩プレーヤーの農場を見学させてもらったがあまりのクオリティの高さに度肝を抜かれた。

先輩プレーヤーの農園がすごすぎて言葉にならなかった

 筆者は今現在「合奏」というスキルが気になっている。せっかく他のプレーヤーの方と知り合ったのだから、なにか一緒にやってみたい。特に「マビノギ」は吟遊詩人が口承したと言われる「ケルト神話」がベースとなっていることから、「楽器演奏」や「作曲」ができることが1つの特徴となっている。これはもう演奏するしかない。今から急いで「楽器演奏」スキルを上げたいところだ。

 まだまだ「マビノギ」を始めたばかりで本当に右も左もよくわかっていない状況だが、いろいろな人と知り合って行くうちになんとなくだが、おもしろくなってきている。上記に上げたこと以外も何ができるかもしれない。もう少し「マビノギ」の世界に浸かってみようと思う。

 次回はもっとゲームシステムを理解し、スキルを磨くと共に、合奏も含め色んなスキルに挑戦してみたい。また、先輩プレーヤーオススメの「ストーリー」も進めていきたいのでお楽しみに!