【特別企画】

7日間が終わり、また始まる―NetEase GamesとDeNAが贈る異色のRPG「永遠の七日」先行プレイレポート

2019年春 配信予定

価格:無料(アイテム課金制)

 ディー・エヌ・エーが2019年春に配信を予定しているAndroid/iOS用マルチエンディングRPG「永遠の七日(とわのなのか)」。本作は、「荒野行動」など日本でも人気のタイトルを手がける中国NetEase Gamesの新作RPG。すでに中国、香港、マカオ、台湾、韓国などで配信されており、各地で高い評価を得ているという本作。それがディー・エヌ・エーの手によって、満を持して日本上陸を果たす格好だ。

 ゲームシステムはプレーヤーの選択や行動によってシナリオが分岐するマルチエンディング方式を採用。タイトルにもある通り、ゲーム内で7日間が過ぎると強制的にエンディングとなり、また新たな7日間に挑戦する、というサイクルになっている。スマートフォンの特性を活かした操作感覚、ソーシャル性を兼ね備えながら、スタンドアローンのゲームに似たストーリー体験ができるのは大きな特徴と言える。

 今回、そんな本作を配信に先駆けてプレイする機会が得られた。短い時間ではあったものの、しっかり最初のエンディングを見ることができたので、その中で見えてきた本作の魅力を紹介していこう。

7日間で何を選び、何を捨てるか

 ある日突如として現われた異界と通じる穴、黒門「ブラックゲート」。黒門からは未知のモンスターが現われ、人々の生活を脅かす。そんな中、神器と呼ばれる専用の武具を扱う能力に目覚めた神器使いたちと、彼らをサポートする能力を有する主人公が力を合わせ、街を守る戦いに挑む……というのが本作のあらすじだ。

 会話のシーンでは要所で選択肢が登場し、どれを選ぶかによってその後のストーリーが大きく変化する。ストーリーの分岐は膨大で、1周するだけでは自分の理想通りの展開とはならないだろう。しかし一応、ストーリー展開のヒントとなるものも存在する。会話の中で出てくる些細なセリフがヒントになっていることもあるし、他プレーヤーの選択を比率で確認することも可能だ。もちろんこれらがベストの展開につながっているとは限らないが、判断の材料にはなるだろう。

 そしてプレーヤーの心強い味方である神器使いたちだが、こちらは老若男女、様々なキャラクターたちが存在する。バトルでは彼らと共に戦場に赴くことになるのだが、それだけでなく、ストーリーの展開にも深くかかわってくることになる。選択次第では、彼らと別れなければいけない展開になることも。ただし、ストーリー上で別れてもバトルでは引き続き使用できるので、その点は安心してほしい。

神器使いはゲーム内通貨を使用する召喚に加え、ストーリーの進行によって仲間になるケースもある

 本稿の中で何度も触れてきている通り、本作はゲーム内で7日間が終わると強制的にエンディングを迎えてしまう。ストーリーが中途半端な状態であっても、必ず終わりが来る。つまり、ある程度効率を考えてアクションを起こさなければならないわけだ。

 1日のうちプレーヤーが行動できるのは12時間。そして何か行動するたびに1時間が経過するので、1周あたり1日12回、7日で84回の行動に限られる。時間が経過する行動は主に戦闘、そして街の発展や街の巡回。基本的には戦闘を繰り返していけば新しいストーリーにたどり着けるのだが、エリアによっては事前に街を発展させなければ行けないケースも多い。より正確に言えば行けはするのだが、神器使いたちの体力の消耗が多くなってしまい、効率的ではない。焦らずじっくり街を発展させてから攻略に臨むか、それとも強引に突破を図るかはプレーヤー次第だ。

時間帯やストーリーの進行具合によって、都市の雰囲気も刻一刻と変化していく
神器使いたちと街の巡回をすると、アイテムが入手できることも。また、親密度があがり、神器使いごとに用意されたイベントに発展することも
1日の最後には神器使いを食堂に誘い、食事を摂ることで体力を回復できる。神器使いたちが共に生活するパートナーであることがよくわかる演出だ
ストーリーを進めると神器使いや主要キャラクターからメールが届くことも。RPGでありながら、シミュレーションゲームを遊んでいるような芸の細かさ

多彩なフィールドが舞台のバトル

 バトルのほうは、3体の神器使いを使い分ける見下ろし型のアクションRPGという仕上がり。操作は仮想パッドで移動、画面右側のボタンで攻撃やスキルを繰り出せる。また画面左上のアイコンをタップすれば、同行している別の神器使いへ瞬時に切り替えることも可能だ。

 操作方法自体はかなりシンプルで、スマートフォンアプリに慣れている人ならチュートリアルなしでもなんとなく理解できると思う。初遭遇の敵が出現した際には特徴や弱点を教えてくれるし、オート操作も賢く作られている。敵が強くて負けることはあっても、操作に戸惑い負けることはほぼないはずだ。

メインストーリーでのバトルは、仮に負けてもそのまま進行できる。バッドエンディングを回収するため、わざと負ける選択肢もあり、かもしれない

 神器使いには「剛」、「巧」、「霊」という属性のうちいずれかが設定されており、有利不利がはっきりしている。戦闘前にはその属性が有利か教えてくれるので、毎回しっかり考慮してパーティを組みたい。より確実な勝利を求めるなら、剛・巧・霊それぞれを3体ずつ育てておくのが理想か。

 また神器使いそれぞれの戦い方にも個性があり、プレーヤーはどのキャラクターを使うか、嬉しい悩みを持つことになるだろう。近接系から遠距離系、「時間を4秒巻き戻す」といった個性的なスキルを持つ神器使いもいる。遠距離系だけを見ても、広範囲を攻撃できるものから、威力と引き換えに弾の出が遅いものまでさまざま。お気に入りの神器使いを探すのも、本作の攻略ポイントとなりそうだ。

 1つのミッションはコンパクトにまとまっており、どんなに長くても5分程度で終わる。敵の殲滅に目的地への到達、NPCの護衛など、ミッションの目標もさまざま。なにより、すべてのマップがまったく異なる構造をしており、使い回しを感じさせないリッチな作りになっていることに驚かされる。似た構造のマップばかりで見飽きる、という事態になりにくいので、モチベーションも保ちやすいはず。周回プレイが前提の本作において、このこだわりは非常にありがたい。

 グラフィックスの質もさることながら、洗練された操作感、神器使いの個性を感じられる演出、7日間のループを活かしたストーリー、これらすべてが高品質で、中国発のタイトルの力強さをあらためて印象づけている。中国作品でありながら、キャラクターボイスには日本の豪華声優陣が起用されており、さらに主題歌はアニメソングで有名な鈴木このみさんが担当。押さえるべきポイントはすべて押さえている作品だ。

 余談だが、筆者は1周目の終盤、なんとか敵の元へたどり着いたものの敢えなく敗戦。かなりのバッドエンディングになってしまった。言い訳っぽくなるが、事前情報なしでは多くの人が似た状況になるのではなかろうか。1周目で選択肢をミスしたり、準備不足だったりしても、それは経験として2周目以降に活かされるだろう。長い時間をかけ、じっくりと楽しんでいきたい。