インタビュー

「遊戯王カードゲーム」の世界大会が開催目前! 「Yu-Gi-Oh! WCS 2026」の魅力を公式解説・南雲大輔氏にインタビュー

究極の“遊戯王オタク”が作品への愛と大会の注目要素を語る

【Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026】
開催期間:8月28日~30日
会場:東京ガーデンシアター

 年に一度、世界最強の決闘者(デュエリスト)を決める「遊戯王カードゲーム」の祭典「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026(WCS 2026)」が8月28日より30日にかけて開催。30日の各部門の決勝は東京ガーデンシアターにて開催される。

 3日間にかけて行なわれる本イベントでは「遊戯王オフィシャルカードゲーム」、「遊戯王 デュエルリンクス(スピードデュエル)」、「遊戯王 デュエルリンクス(ラッシュデュエル)」、「遊戯王 マスターデュエル」の4つの部門で世界中の猛者たちがしのぎを削り合う。今年の開催地が日本という事もあり、白熱のデュエルシーンを生で見られるチャンスに多くの「遊戯王カードゲーム」プレイヤーが注目しているイベントだ。

【In 2026, the WCS is coming back to Japan!】

 そんな「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」の開催に先駆け、公式配信にて実況・解説を担当する南雲大輔氏に本イベントの見所について今回インタビューする事ができた。

 「遊戯王カードゲーム」の実況・解説と言えばこの方と言っても過言ではないほどの見識者であり、実際の競技シーンを何年も実況し続けてきたからこそわかる“現代遊戯王”ならではの魅力や、競技シーンに挑む選手たちへの“熱いドラマ”に加え、“今年の「WCS」ならではの楽しみ方”などを余すことなく語ってもらったので、早速紹介していこう。

南雲大輔氏

 声優として活躍する人物で、アニメ「遊☆戯☆王SEVENS」や「遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!」に出演。「遊戯王カードゲーム」のイベントではMCや実況・解説として出演し、名デュエルの数々を盛り上げてきた。開催を控える「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」においても大会の解説を担当する。

【【遊戯王OCG 日本選手権(個人戦)】日本一決定戦 2026.7.19】
取材は「遊戯王OCG 日本選手権」が開催された当日に実施。このイベントでも南雲さんの詳しいデュエル解説が行われていたぞ!

「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」オフィシャルカードゲームの部のゲーム環境

――本日はよろしくお願いいたします! 早速ですが自己紹介をお願いします。

南雲氏:「遊戯王カードゲーム」の実況と解説に携わらせていただいて10年目になる南雲大輔と申します。本日はよろしくお願いいたします!

――今日の日本選手権の実況もお疲れさまでした。相変わらずの素晴らしい実況・解説でした。

南雲氏:いえいえ、どれも素晴らしいデュエルばかりで感動しました!

――それでは本題となる「WCS 2026」のオフィシャルカードゲームの部 についてお話を伺えればと思います。まず最初に大会イベントに馴染みのない方に向けて、「遊戯王オフィシャルカードゲーム」の競技シーンではお馴染みの「マッチ戦※」の魅力についてお話を聞ければと思います。

南雲氏:多くのプレイヤーはまずワンデュエル戦から始められると思うのですが、マッチ戦はやっぱり実際にやってみないと分からない面白さ・奥深さがあります。15枚のサイドデッキからどれだけ先攻・後攻の有利を覆せるカードを投入できるか、相手に対して的確な対策カードを選択できるかという部分に独自の面白さがありますし、限られた枚数の中で環境に合わせたカードを読んで構築するという段階からプレーヤーの実力が出るのも面白い部分だと思います。

 ワンデュエル戦だと1回の勝負で終わるところが“合計で2回勝つ必要がある”に変わることでチャンスが大きく広がりますし、サイドデッキによりデッキ変更後の試合はお互いに最適化された状態のデッキでゲームが始まるため、何が飛んでくるか分からないワクワク感も含めて面白い試合になりやすいのも魅力ですね。

:マッチ戦は3ゲーム中に2本先取したプレーヤーが勝利となる大会フォーマット。

――本日開催された「日本選手権」では環境デッキである「トゥーン」の対策としてサイドデッキによるデッキ変更後に「滅亡龍 ヴェイドス」が飛び交うシーンが見受けられましたね。

南雲氏:そうですね。加えて最近のカードには“後攻だからこそ輝く”といった特性を持つカードも数多く登場していますし、逆に先攻を有利にする昔ながらの「神の宣告」がまだまだ強かったりするなど、マッチ戦になることで真価を発揮するカードが「遊戯王オフィシャルカードゲーム」(遊戯王OCG)にはたくさんありますから。「遊戯王OCG」を遊び始めてすぐのタイミングはよりシンプルなワンデュエル戦の方が良いとは思いますが、ぜひ皆さんにもいろいろなカードに触れてもらってマッチ戦の深みにもハマっていってもらいたいです!

日本選手権では流行している「トゥーン」デッキの対策として展開の基軸となる「完全なる世界 トゥーン・ワールド」を「滅亡龍 ヴェイドス」によって妨害するシーンが多々見受けられた

――パリで昨年行われた「WCS 2025」でマッチ戦の奥深さを感じた印象的なシーンなどはありましたか?

南雲氏:僕の中で熱量がドカンと湧き上がったのが、昨年パリで開催した「WCS 2025」でベスト4に輝いた「Roselle Thorkildsen」選手が使用していた「閃刀姫」デッキのデュエルですね。

 サイドデッキから投入されたであろう「水霊術-「葵」」によって手札を確認したシーンは熱かったですね! メチャメチャ古いカードである「水霊術-「葵」」が「WCS」の舞台でちゃんとした妨害カードとして採用されるという驚きもありつつ、「閃刀姫」には「閃刀姫-シズク」という出しやすい水属性モンスターがいる事からデッキの方向性としてもマッチしているという構築力の高さにも感動しました。

 海外ではサイドデッキに「紅蓮の指名者」の採用が多かったのですが、禁止カードになってしまいその代用カードとしてベストなチョイスだったと思っています。

「WCS2025 パリ」にてサイドデッキから投入された「水霊術-「葵」」が活躍するワンシーン

――リミットレギュレーションの話題が出たのでお伺いしたいのですが、「WCS」は日本と海外の禁止制限を合体させた特殊なレギュレーションでの環境が魅力の1つだと思います。今年の大会で注目の禁止・制限カードなどはありますか?

南雲氏:ここに関しては大きな分岐点になっていた「増殖するG」の存在は大きいですよね。今までは海外では禁止カードで、対する日本では複数枚使えるという形式の影響により環境に大きな違いを生み出していましたが、今は日本でも制限カードになりプレイ感がかなり近くなったように思います。

――以前までは海外プレーヤーが「増殖するG」が存在しない環境で戦っていたため、海外フォーマットに近い「WCS」だと普段に近い環境が海外勢に有利に働いていたという経緯がありますからね。「増殖するG」を切り捨てた強気な展開といった部分は日本にも根付いてきた印象があります。

南雲氏:逆に海外では「マルチャミー」カードが登場した事で今までより展開系のデッキが少し息を潜めるようになった部分もあるので、今回は日本と海外でゲームの速度感が合致した大会になるのではと考えています

「増殖するG」は「遊戯王カードゲーム」のゲーム性の根幹を担っているドロー系カード。海外では長らく禁止カードになっていたが、日本では今年の1月に制限カードとなり影響力が薄まりつつある
「増殖するG」の規制と「マルチャミ―」カードの登場で日本と海外のゲーム感覚の違いはかなり無くなった

南雲氏:日本では使えて海外では使用できないカードでいうと「虹光の宣告者」、「次元障壁」、「レッド・リブート」などが使用できないのは大きな相違点の1つになりそうですね。

 他にも今までも使用できなかったカードとして「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」や「聖騎士の追想 イゾルデ」といった多くのデッキの展開力を引き上げるモンスターや、「フルール・ド・バロネス」や「ヴァレルロード・S・ドラゴン」などの汎用の無効妨害を構えられるモンスター、「フォッシル・ダイナ パキケファロ」や「結界像」カードのような出すだけで多くのデッキを機能停止させるカードも使えないのも「WCS」ではお馴染みかと思います。

 直近のカードの組み合わせだと「マグネット・ウォリアー」が新規カードの登場で強化されていましたが、「WCS」では「ブロックドラゴン」が使用できないのは痛そうですね。

――逆に?本のリミットレギュレーションの影響で海外で流?しているデッキが使いづらくなるパターンもありますかね?

南雲??筆頭となるのが「キラーチューン」ですかね。海外のレギュレーションでは主要なパーツはほとんど規制を受けていませんが、?本ではリペアのプランとして採用されている「蒼の深淵 ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン」がまだ海外では未発売ですので、今大会では禁止カードになっています。デッキのパワー自体は高いので、「地縛囚人ストーン・スィーパー」のようなカードで再構築できればチャンスはあるのではないかとも思っています。

――「WCS2025」以降に発売されたカードで今大会に強く影響を与えそうな注目しているカードなどはありますか?

南雲氏:「マルチャミー」関連のカードもですが「ドミナス」関連の新カードや、「調和ノ天救竜(フィドラウリス=ハルモニア)」などの強力な手札から妨害できるカードが登場したのは大きなポイントになりそうだなと思っています。

 どれも強力な効果を持つ代わりに採用するデッキタイプを限定するカードなので、世界大会レギュレーションで活躍しそうなデッキの中に投入できそうなアーキタイプがどれほど存在するのかは重要になりそうだなと。

特定の条件を必要とする代わりに強力な効果を持った手札誘発が昨年よりも増えている

――全体的に展開カードにメスが入り、新たな手札から妨害できるカードが登場している事を踏まえると中速のミッドレンジを得意とするデッキが活躍しそうですかね?

南雲氏:いや~難しい所ですね! 手札から妨害できるカードに対して止まり所を用意できる中速デッキが台頭すると読むならドロー系カードの「マルチャミー」等が減る可能性があるので、逆にその隙を突いた展開系デッキがチョイスされる可能性も……。前回までとはガラッと違う環境である事には違いないので、選手たちがどのような環境読みをするのかは非常に面白いポイントになると思います。

――ズバリ今大会で南雲さんが活躍しそうだと注目しているデッキテーマは何でしょうか?

南雲氏:注?しているテーマでいえば北?の世界?会予選で多くのプレイヤーが使?した「キラーチューン」と、その「キラーチューン」に対して強く、世界大会レギュレーションでの禁?制限の影響もほぼない「閃?姫」でしょうか。

 あとは中速で戦うデッキテーマの中では「光と闇の儀式」にも注目していまして、個人的に大好きなテーマというのもあるのですが「トゥーン」が登場する前の環境ではしっかりトーナメント環境でも活躍できていた点や、海外環境では「罪宝狩りの悪魔」を3枚使用した「ディアベルスター」ギミック投入型の独自構築が各地域で開催された予選で勝ち上がっていたりと、十分なパワーを持っているテーマだと思っています。原作再現度も高く、非常にエモいテーマなので「WCS」の舞台でも活躍して欲しいなと個人的には思っちゃいますね(笑)。

――「光と闇の儀式」はミッドレンジ系のデッキの中でもパワーがありつつ、先述した新たな手札から妨害できるカードも取り込めるので確かに注目ですね!

南雲氏:他にも幅広いゲームレンジで戦えるデッキテーマ「烙印」にも注目しています。この辺りのデッキがメタゲームの中心になるのかなと思いつつ、思いもよらないデッキが台頭する可能性も十分あるので、基盤がちゃんと強いデッキは全てチャンスがありそうだなとアンテナを張っています。

「WCS」が紡ぐ人間ドラマ! 参加選手たちの戦いの記録に注目して欲しいと語る南雲さん

――「WCS」を実況・解説する側の目線と、プレーヤーとしての目線の両方を持つ南雲さんだからこそ分かる「WCS」の魅力について語ってほしいです!

南雲氏:まず僕は今この日本で一番「WCS」に熱量を持っている自負がありますね(笑)

――すごい自信ですね!

南雲氏:「WCS」に関しては今年で合計7回目の実況・解説をさせていただくのですが、個人的な楽しみ方として日本国内の競技シーン以外にも海外の「WCS」予選の隅々まで注目して「WCS」に参加した世界中の全選手のデータを収集していたりします。なので選手を見ていると「このプレーヤーはこの年この大会で結果を残していてこのデッキを使っていたんだなぁ~」みたいなドラマや歴史を感じたりもしているんですよね。

――確かにプレーヤーでも日本の選手は知っていても海外の選手の活躍まで網羅している人はそういませんね……!

南雲氏:直近だと北米で行われた「WCS」の予選で「Ryan Yu」というプレイヤーが優勝したのですが、彼は「WCS 2017」の小学生の部で「チェーンバーン」を使用して優勝していた子なんですよ。

:カードの効果によりライフポイントにダメージを与えていくデッキ

 そんな彼が成長して「遊戯王 マスターデュエル」の予選に参加して1位通過し、その上で「WCS 2026」への出場権利を持っているのに「Yu-Gi-Oh! TCG」の大会にも出て「閃刀姫」デッキを使い18-0の戦績で優勝しているんですよ……もう、メチャメチャすごいんですよ! もう日本で言ったらたすく選手レベルのプレーヤーじゃないかと僕は思っていますね。

――世界中にいるんですね……たすく選手のような生粋の決闘者が……!

Ryan Yu選手。「WCS 2017」の小学生の部で優勝し今もなお活躍しているカナダの選手(画像は2017年の試合より)
たすく選手。「遊戯王OCG」や「遊戯王 マスターデュエル」にて様々な結果を残している日本の選手(画像上がたすく選手。2024年の試合より)

南雲氏:こんな感じで僕だけが「これ、もうマンガのキャラクターじゃないか!」といった感想を持ちながら、熱いプレーヤーの歴史を収集していたりしますね。それを少しでも実況・解説目線で選手の情報を皆さんに共有できればなと思っています。「世界中に凄いプレーヤーがいてそれが激突するんだぞ!」っていうのが「WCS」の大きな魅力だと思うので……。もう少し選手について語っても良いですか?

――もう存分にお願いします!

南雲氏:「WCS 2018」で「トリックスター」デッキを使ってチャンピオンになっている「Chia Ching Wang」という選手もアジアの「WCS」予選を抜けて今回参戦しますし、今回「日本選手権」で繰り上がり5位という形で出場を果たした「コサカ コウキ」選手も「WCS 2019」のチャンピオンだったりします。

 さらに先述した「Ryan Yu」選手が1位に輝いた大会で惜しくもベスト4位になった「Charley Futch」選手は2018年度の小学生部門での世界チャンピオンだったりと様々な経歴を持つ選手が今回たくさん出場します。

――各時代の様々なチャンピオンが勢揃いじゃないですか……! 子どもの頃からずっと続けて今も実力者として活躍しているのは感慨深いですね。

南雲氏:データを収集していると「大人になっているじゃないか!」みたいな出会いもあって楽しいんですよね! そういった世界の名だたる強豪が特に今回の「WCS 2026」で一堂に会するという事でね。本当にオールスターなんですよ! 僕だけが1人で盛り上がってます!

――本当に今年はオールスター感が凄いですね……! 私も「遊戯王カードゲーム」を長く遊んできましたがそんな夢の大激突みたいな事になってるとは知らなかっ
たです!

南雲氏:日本にいるとどうしても海外のプレイヤーを知る機会は「WCS」のタイミングだけになってしまうと思うのですが、今年は本当に熱い激突が繰り広げられるので選手達のバックボーンなども押し出していけるように実況できればと思います!

注目選手の話を嬉しそうに話す南雲さん。「遊戯王カードゲーム」プレーヤーの全てを熟知してるのではと思うほどの熱意と情報が溢れだす!

南雲氏:パリで開催された「WCS 2025」の熱いシーンでいうと、チャンピオンである「Julien Kehon」選手がアメリカ代表として出場していました。実は出身はフランスで、地元のプレーヤーが活躍していることを受けて決勝戦で登場した際には、もうJulienコールがすごかったですからね! カードを使うたびに会場が割れんばかりの盛り上がりで「サッカーの会場かな?」とも思いました(笑)。

――会場が一丸となって応援している様子は海外独自のノリや文化を感じられて良いですよね!

南雲氏:今回の「WCS 2026」は日本が舞台ですが皆さんが楽しく盛り上がれるような実況ができたらなと思っています。

――そんな「WCS 2026」ですが南雲さんが特に注目してほしいプレイヤーがいたら教えてほしいです!

南雲氏:まずは先ほどから登場している「Ryan Yu」選手ですね。数々の大会でチャンピオンになり、「遊戯王 マスターデュエル」でも「Yu-Gi-Oh! TCG」でも勝利を積み重ねています。加えてちょっとバズってましたが海外の南雲大輔のような「steve kangas」という「遊戯王カードゲーム」の実況・解説者がいまして、彼が「Ryan Yu」選手に実施したインタビューが良いんですよね。「今回キミが選んだデッキの調子はどうだったんだい?」という問いに対して、少しはにかみながら「デッキが強いんじゃなくて、俺が強かったんだよ」と答えたんですよね(笑)。

――良いですね! メチャメチャキャラが立ってるじゃないですか!

南雲氏:そのコメントを聞いた瞬間の海外プレーヤーの盛り上がりが凄まじかったですね! ビッグマウスではあるけどもそれを言えるだけの実績と実力があり、加えてスター性も高いので「Ryan Yu」選手にはぜひ注目して欲しいです。

 他にもアジアだと「Chia Ching Wang」選手は手堅いプレイヤーですよ。2018年にチャンピオンになっているのに翌年の2019年にも日本の「コサカ コウキ」選手と決勝戦で「転生炎獣」デッキミラーを繰り広げるという実力の高 さを見せてますからね!

――それでいうと今回「コサカ コウキ」選手も出場していますし因縁の対決という感じがしてまた熱いですね! 日本の選手で特に注目している方はいらっしゃいますか?

南雲氏:「マスターデュエルの部」だと日本ではお馴染みの「たすく」選手が率いるチームが参戦するのはまず見逃せないですね。他にも今回の日本選手権で権利を獲得した5名の中からは「WCS」経験者の「コバヤシ リョウヘイ」選手と今回独自の構築で見事 2 位に輝いた「エノキゾノ セイゴ」選手にも注目が集まっていると思います。

――各選手が持つ歴史的な部分は今まであまりフォーカスされてこなかった部分なので、本大会ではぜひ注目したいポイントになりました!

南雲氏:僕からしたら、もう本当に今回の大会はオールスターのようなメンバーでの大会ですので、この興奮を皆さんにお届けできればなと思っています!

日本選手権を勝ち抜いた代表選手の活躍にも期待だ!

公式実況・解説者であり究極の遊戯王オタク・南雲大輔という男が語る「遊戯王カードゲーム」への愛

――すこし脱線しますが、直近で登場したカードで個人的に印象深かったカードはありましたか?

南雲氏:直近で胸が熱くなったカードは8月に発売する「UTILITY SELECTION」に収録される「冥府よりの使者」ですね! 僕ら世代のデュエリストたちなら誰しもがお世話になったことのある「冥府の使者ゴーズ」が基となったカードということで、いまだに「ゴーズケア※」が染みついているレベルで印象深いモンスターが令和ナイズされてよみがえるのは、めちゃめちゃ嬉しかったです。

 同じパック内には「氷結界の龍 トリシューラ」や「ダーク・アームド・ドラゴン」など当時の競技シーンで活躍したカッコいいモンスターがリメイクされた姿で登場します。「あのカードと一緒にもう一度戦える!」という喜びが凄まじくて個人的には「冥府よりの使者」が最高過ぎましたね……!

※:ダイレクトアタック時に攻撃力の低いモンスターから攻撃することで、リスクを最小限に抑えるプレイングとしてユーザー間で生まれた俗語

 こちらが8月発売の「UTILITY SELECTION」にて収録される「冥府よりの使者」。「冥府の使者ゴーズ」は2006年に登場してから長らく競技シーンでも活躍し続けたカード。「攻撃力の低い順番から攻撃しないとゴーズに攻撃を止められる」といったケースが多発した事で“ゴーズケア”というプレイングがユーザーの間では常識となった

南雲氏:直近というくくりだと好きなカードが沢山あって悩んじゃいますね。本当に今年は自分の好みを狙い撃ちされているのではないかと思うレベルで最高のカードが生み出され続けているので……。その中でも 2026年4月に発売した基本パック「カオス・オリジンズ」で登場した「光と闇の儀式」というテーマはしっかりカードゲームとして面白い展開を可能にしながら原作再現も完璧という「カード作りが上手すぎだろ!」と思わず感じてしまったテーマなので印象に残っています。

 「二つの心」って書いて「マインド・シャッフル」ですよ? それでエースモンスターを交互に呼び出して相手のカードに対抗しながら戦えるって……デザイン凄すぎませんか?

【光と闇の儀式】
原作「遊☆戯☆王」にて主人公の闇遊戯が使用した2体の儀式モンスターが基となったテーマ。キーカードである「二つの心(マインド・シャッフル)」のエモさに加え、テクニカルな戦い方と随所の原作再現度の高さで非常に人気の高いテーマだ

――最近は特に「懐かしのカード達を基に新たなカードが登場!」みたいな展開も多いですからね! その中でも過去に遊んでいたプレーヤーに見てほしいカード/商品などはありますか?

南雲氏:それこそ「光と闇の儀式」も該当するのですが、直近だと「ビヨンド・ザ・ブレイブ」で登場した城之内くんのカードも素晴らしかったですね~! 今までは彼が使用したカードでも単独のテーマで登場する事が多かった中で“バトルシティ編の城之内”という切り口で原作で使用したカードを1つにまとめてデッキを組めるというのは感動しました。

 あと私「遊戯王オタク」なのでちょっと長く語っちゃうのですが、「バトルシティ編」の城之内は「真紅眼の黒竜(以下、レッドアイズ)」を遊戯に託してデュエルしているんですよ。つまり「メインデッキにレッドアイズが入っていない状態」で戦い続けるのですが、今回「時の黒魔術師」の効果を使うとEXデッキではあるけれども、年季を経たレッドアイズを出せるというね……。本当にカード作りがうまいなあと感動しました。

【時の黒魔術師】
原作「遊☆戯☆王」にて「城之内」の使用したカードを1つのテーマとしてまとめたデッキ。懐かしのモンスター達で戦いながら、原作さながらの“ギャンブル戦術”が随所で楽しめる完成度の高いデッキだ!

南雲氏:CMご覧になりましたか? もうとんでもない完成度ですよ「待っててくれレッドアイズ……!」って! あの時の城之内の気持ちを代弁したかのようなコメントに泣いちゃいましたもん。拍手喝采ですよアレは!

――あのCMは「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」を知る人間なら誰もが感動する内容でしたもんね!

南雲氏:やっぱり私と同世代の人達は幼少期に1度は「遊戯王カードゲーム」を遊んでいた方も多いと思うんですよ。特に「バトルシティ編」なんてドンピシャの世代の人も多いと思うので、そんな方にあのCMが届いて欲しいなって思いますよね。またデュエルを始めてみて、凄いカードがいっぱいあるってことが伝わってくれると良いなと思ってます!

【【公式CM】遊戯王OCG デュエルモンスターズ BEYOND THE BRAVE(ビヨンド・ザ・ブレイブ) 30秒】
「ビヨンド・ザ・ブレイブ」のTVCM。7月18日に発売された

――別の切り口として最近行われた「遊戯王カードゲーム」のイベント等で特に印象的だったものはありますか?

南雲氏:最近一番凄いなと思ったのはMCとしても参加させていただいた「遊戯王 マスターデュエル AI コンテスト」ですね。いろいろな学校の方が開発されたAIに「遊戯王 マスターデュエル」をプレイさせて競い合うというイベントなのですが、僕は「遊戯王カードゲーム」の新しい可能性の一つになるのではないかと思っているんですよね。

 最近の「遊戯王カードゲーム」はカードの効果もボリューミーで少しシンプルに捉えづらい部分も増えているので、始めるハードルが高いと思っていらっしゃる方もいると思うんですよ。そういった方に向けたAIによるアシストモードみたいなのが生まれたりとか、それこそ新しい遊び方としてデッキは自分で構築するけど実際のデュエルはプレースタイルを選んでAIに任せて見守る……みたいな、今までとは異なる楽しみ方もできるんじゃないかと思うんですよね。

――デッキを必死に回している自分のAIを応援するみたいな形でしょうか?

南雲氏:そうですね! 「このカードを入れたらしっかり大事な場面で使ってくれたね」とか「あそこで手札から妨害するカードを使っちゃうのなんでだ?」みたいな面白さが見つかるかもしれないですし、カジュアルに「遊戯王カードゲーム」を楽しむ切り口の1つにもなるんじゃないかと思います。このAI機能がもっと研究されて「遊戯王 マスターデュエル」に実装されたら今までに無い化学反応が起こるんじゃないかと期待もしています!

――最近だと手札や戦況から勝率をAIに計算させるゲームも増えてきましたし、AIと「遊戯王カードゲーム」が起こすムーヴメントにも期待しちゃいますね!

【【公式】特別番組 遊戯王 マスターデュエル AIコンテスト 本編映像】

長年「遊戯王カードゲーム」に向き合ってきた男が語る"現代遊戯王"の面白さと本大会にかける思い

――世界大会の開催を控えていますが昔遊戯王を遊んでいたプレーヤーに向けて南雲さんが思う“現代遊戯王”が持つ面白さについてお聞きしたいです。

南雲氏:僕も色々なカードゲームを触ってきましたが「遊戯王カードゲーム」はその中でも独自の進化を遂げて来たゲームだと感じています。

 他のカードゲームは、複数ターンにかけてコストを確保したり、ためたりする必要があることが多いです。対して即座に様々なカードをプレイしてコンボを連鎖させる快感は「遊戯王カードゲーム」ならではの面白さだと思っています。ユーザーの声として「ゲームスピードが早すぎる」という意見もありますが「このスピーディーなカードの連鎖と応酬が楽しいじゃん」と僕は思うんですよね!

――ゲームのスピードが上がってターン数は少なくなっている傾向ですけど、ターンの密度は信じられないくらい濃いのが魅力ですもんね。

南雲氏:そうですね。特に僕は昔から「ジャンクドッペル」、「インフェルニティ」、「ライトロード」といった展開系のデッキを好む傾向がありました。ですので、どんどんカードが連鎖して効果を発動していく部分が「遊戯王カードゲーム」の花形だと感じている部分もあります。よく2・3ターンでゲームの決着がつく事を気にされる方もいますが、この間には凄まじい密度の攻防が繰り広げられているので他のゲームと違う次元で戦っていると僕は思っています!

――このスピード感が「遊戯王カードゲーム」の味といっても過言じゃないですからね!

南雲氏:ぜひこの濃密なカードの応酬を「WCS 2026」で多くの方に見ていただきたいと思っています。実際のデュエルはターンが短くても1ターン目から繰り広げられる超速の戦いは非常に見応えのある部分だと思いますので。初心者プレイヤーの方 には“私たち最強の実況・解説チーム”がいるのでぜひ安心して「WCS 2026」を楽しんでいただければと思います! 一度も「遊戯王カードゲーム」に触れたことのない人でも、可能な限り置いてきぼりにならないようにその場で起こっている激闘の詳細をお伝えします!

――メチャメチャ頼もしいお言葉ですね! 最後にこれから「WCS 2026」のライブ配信を見る、あるいは現地に見に行くプレイヤーに向けて、おすすめの楽しみ方をお願いします!

南雲氏:今回かなりの数のプレーヤーの皆さんが事前に応募されていると思いますし……まずは“昔、「遊戯王カードゲーム」を遊んでたよ”というプレーヤーの皆さんにはまずどこかのタイミングで「光と闇の儀式」のデッキを触っていただきまして……(笑)

――まずはそこなんですね(笑)

南雲氏:少し冗談ですが、とはいえ昔自分が触っていたカードが今でも活躍・強化されていたり、対戦環境が全く異なる「遊戯王 デュエルリンクス」などではまた違った活躍をしているケースもあったりします。ですので、直近の「遊戯王カードゲーム」環境が分からなくても自分の知っているカードが活躍する瞬間があったらぜひ胸を熱くして頂ければと思いますね。

 加えて、全ての参加者に伝えたい事としては今回のような大きな会場でカードゲームの大会を観戦する機会は、なかなかない貴重なイベントです。そのためライブ感を楽しんでほしいですね。実況・解説席の僕らも含めてすごいプレイが出たときは「うおぉぉぉ!」と盛り上がれるような熱量に乗っていただけると、よりイベントを楽しめるのではないかと思います。盛り上がれるような流れは僕たちが作るので“ぜひ楽しむ心構え”を持ってイベントに参加して楽しんでいただければと思います!

――本日はありがとうございました!

 「Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026」は8月28日より30日より3日間にわたって開催。現地の観戦チケットはすでに申込受付を終了しているが、会場近くでは大会の開催を記念したイベントが実施されるほか、YouTubeで各試合の模様が配信される。熾烈なデュエルが繰り広げられるので、南雲さんの実況にも注目だ!

【【デュエルリンクスの部】Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026 / DAY1】

【【OCG・TCGの部】Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026 / DAY2】

【【OCG・TCG/デュエルリンクス/マスターデュエル】Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026 / DAY3】

【【OCG・TCGの部】Yu-Gi-Oh! WORLD CHAMPIONSHIP 2026 / DAY3】