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「ストレンジャー ザン ヘヴン」の戦闘は左右の拳を操る“殺る気”の喧嘩。TGS試遊レポート【TGS2026】

1915年の小倉、1929年の呉、1943年の大阪。街並みや暮らしから感じる時代の変化

【STRANGER THAN HEAVEN】
2027年1月15日 発売予定
価格  スタンダード・エディション(ダウンロード版):8,990円
スタンダード・エディション(パッケージ版):9,900円
デラックス・エディション:11,990円
Collector's Edition:18,000円

 セガは、9月17日より開催されている「東京ゲームショウ2026」のセガ/アトラスブースにて、アクションアドベンチャー「STRANGER THAN HEAVEN(ストレンジャー ザン ヘヴン」をプレイアブル出展している。

 「STRANGER THAN HEAVEN」は、「龍が如く」シリーズを手掛ける龍が如くスタジオの最新作。1915年から1965年まで、約50年にわたる主人公・大東真の人生を描く。

 試遊時間は約20分。1915年の小倉、1929年の呉、1943年の大阪という3つの時代、3つの地域が用意されており、好きな順番でプレイすることができた。

 今回の試遊は戦闘を中心とした内容で、実際にプレイして特に印象に残ったのもその戦闘だった。本作の殴りや蹴りはスタイリッシュで派手なものではなく、むしろ泥臭く、一撃一撃が重い。そこから感じられたのは、本気で相手を倒そうとしている人間同士の暴力だった。

 さらに、左右それぞれの攻撃を個別に入力する独特なシステムも不思議な感覚がある。決められたコンボを入力しているというより、「次はどちらの手で殴るか」を自分で考えながら喧嘩をしているようなイメージだ。

 本作の戦闘はかなりクセが強い。正直なところ、20分の試遊では最後まで使いこなせず、かなりぎこちない戦闘になってしまった。しかし、この操作方法だからこそ生まれる“自分の身体で殴っている感覚”は、本作ならではのものだ。

【『STRANGER THAN HEAVEN』2ndトレーラー】

左、右、そして蹴る。自分で喧嘩を組み立てる独特の戦闘

 本作の戦闘では、Xboxコントローラーの場合、LB/RBがそれぞれ左右の弱攻撃、LT/RTが左右の強攻撃に割り当てられている。

 たとえば左、右、左側の強攻撃と入力すれば、左右の拳から蹴りへと攻撃がつながっていく。一方で、左側の弱攻撃ボタンばかりを連打しても攻撃はつながらず、左右の攻撃や強攻撃を組み合わせながら、ひとつの流れを作る必要がある。

 一般的なアクションゲームでは、決められたタイミングで決められた順番でボタンを押し、用意されたコンボを成立させるという作品が多い。

 だが本作では、左で殴ったあとに右を出すのか、そこから再び左の拳につなぐのか、それとも左の強攻撃を出すのかを自分で選んでいく。決められたコンボをタイミングよく入力して発動させるというより、その場で次の一手を考えながら大東の身体を動かしている感覚に近い。

一撃一撃、どんな攻撃を出すか自分で選んでいく。ボタン連打で決まったコンボを出すタイプではない

 左右の攻撃を意識して使わせるからこそ、“身体を使って戦う”という感覚が強くなっており、その感覚をさらに押し上げているのが、攻撃時の演出だ。

 攻撃がヒットした際には、わずかに“溜め”のような間が生まれる場面があり、相手の身体へ力が伝わったことがしっかりと伝わってくる。大ダメージの攻撃にはヒットストップに近い表現もあり、「今の一発は重かった」と視覚的にも手応えとしてもわかりやすい。

 テンポよく敵をなぎ倒していく爽快なアクションというより、一発一発に体重を乗せて殴り合うような、野蛮で荒々しい戦闘だ。

一撃の重さが伝わる、野蛮で荒々しい戦闘

 今回の試遊では、素手だけでなく、金槌、包丁、バール、日本刀など、さまざまな武器を使用でき、武器を持った際に感じる暴力性は素手を軽く超えるものだ。

 特に印象に残ったのが、敵を倒して馬乗りになり、金槌を振り下ろすフィニッシャーだ。大東は相手の上へ乗り、そのまま金槌を思い切り叩きつける。ここには「戦闘をしている」というより、本気で相手の命を奪おうとしている強い殺意を感じた。

 そうした徹底した荒々しさが、大東という人物や、彼が生きる時代の空気と結びついているように感じられた。

相手を“殺る気”で戦っているような本気さを感じる

パリィは強力。ただしタイミングはかなりシビア

 攻撃だけでなく、防御要素も用意されている。基本的なガードはBボタンを押せばよい。試遊で試した範囲ではほとんどの攻撃がこれだけで防ぐことができた。だが、ガード操作と左右いずれかの入力を組み合わせることで、敵が攻撃してくる方向に合わせて防御できる。うまくタイミングを合わせればパリィとなり、敵に大きな隙を作ることができる。ただし、タイミングは思った以上にシビアだった。

 1929年の呉で戦った強敵は、攻撃前に大きく振りかぶるため、「次は左から来る」「今度は右側だ」と方向については容易に判断できた。何度か成功することはできたものの、いざ狙って出そうとするとなかなかうまくいかない。タイミングの問題なのか、咄嗟に左右を間違えてしまっているのか、うまくボタン入力ができていないのか、自分でも原因を判断できないまま失敗を繰り返した。

パリィに成功すると大きな隙を作れるが、狙って安定して出すのは難しかった

 だが、もっとも苦戦したのが1943年の大阪の強敵だ。相手は上半身裸で肩に入れ墨を入れた、日本刀を持つ男。1対1での戦いとなる。見た目からして、ここまでの敵とは明らかに雰囲気が違う。実際にこの敵は強かった。

 呉で戦った強敵は振りかぶるモーションが大きかったので、攻撃が来るタイミングも、左右どちらの攻撃かもわかりやすく、ある程度の判断が容易だった。しかし、この敵は遠距離からでも居合のような動作で一気に距離を詰めてきた。「振りかぶったからガードしよう」と考える頃には、すでに斬りつけられているという体たらくだった。

 結局、筆者は3回挑んで3回敗北し、そこで試遊時間が終了した。この敵に関しては「もう少し練習すれば勝てる」というような手応えを感じるレベルには到達しておらず、試遊時間がもう少し長かったとしても、この相手に何度も挑戦し続けていただろう。

見るからにヤバそうな日本刀使い。実際、その強さも別格だった

 ただ、今回選択した難易度はノーマルで、メニュー画面にはイージーも用意されていた。

 「何とかノーマルで倒したい」という気持ちは筆者にもある。だが、製品版を長く遊ぶ中でどうしても先へ進めなかったら、筆者自身、素直にイージーへ下げると思う。それくらい、本作の戦闘は「ボタンを連打していれば何となく勝てる」という作りではなかった。

 戦闘では、敵味方双方に気力が設定されていた。敵の気力を削り切ればダウン状態となり、そのままフィニッシャーへつなげられ、大東の気力を削られると尻もちをついてしまう。尻もちをついた状態では敵の強力な攻撃を受ける危険があるが、そのまま無防備になるわけではなかった。地面へ倒れた状態からキックで反撃したり、左右へ転がって敵の攻撃を回避したりすることができる。立っている状態だけで戦闘が完結しない点も面白く、ここも戦闘の泥臭さを感じた部分だ。

尻もちをついても、その場から蹴り返したり、左右へ転がって回避したりできる

1915年の小倉は朝の明るさ。1929年の呉には雪、1943年の大阪にはネオン

 今回の試遊は戦闘が中心だったが、個人的にはそれぞれの舞台となる街そのものも非常に気になった。今回歩けた3つの街だけでも、雰囲気はかなり違ったからだ。1915年の小倉は、朝から午前中のような陽の光が差し込む明るい街で、1929年の呉では雪が降り、一部には雪が積もっている。街そのものから寒さが伝わってくるようで、小倉から移動すると、同じ日本でありながら空気が大きく変化したことがわかる。

 そして1943年の大阪は、日が沈んだ後の街だ。赤提灯などの暖かな光とネオンが通りを照らしていた。季節や時間帯が変わっているのももちろんだが、そもそも時代が変化しているため、そういった面でも街の雰囲気は大きく異なる。

 同じ主人公を操作しているにもかかわらず、時代が変わるたびに周囲の街並みも、人々の服装も、そして大東自身も年齢を重ね、ルックスや服装が変わっていく。

 年代を数字で示すだけではなく、街並みや服装、大東自身の外見の変化によって時間の経過を実感できる作りになっていたのが印象的だ。

1915年の小倉、1929年の呉、1943年の大阪。時代も土地も異なる3つの街は、それぞれ空気感が大きく違う

 また、街では、わずかな時間ながら探索もできた。

 今回プレイした範囲では、日本酒を購入したり、露店で牛丼を食べたり、店でビールを飲んだりできた。特に印象に残ったのが、ビールを飲むモーションと、美味そうに牛丼を食べる大東の姿だ。こうした細かな演技は、ゲームシステムとして重要かと言われれば、必ずしもそうではない。しかし、「この人はこの街で生活している」と感じさせるうえではかなり効いている。

ビールを飲み、牛丼を頬張る大東。こうした細かなモーションからも、この街で生活している感覚が伝わってくる

 飲食物も年代に合わせて細かく変化しているようで、筆者が確認できた範囲では1943年の大阪では“配給用のビール”という表記が確認できた。1943年という戦時下の社会状況が、こうしたアイテム名にも反映されている。

 建造物だけでなく、商品や飲食物、人々の服装といった生活に近い部分まで年代ごとに変化させているのだ。

飲食物の名称にも時代背景が反映されている。1943年の大阪では“配給用のビール”という表記も確認できた

 今回の試遊では戦闘に触れる時間が長かったこともあり、左右の攻撃を使い分ける独特の操作や、強敵を相手にした際の難しさが特に印象に残った。うまく大東を動かせなかったもどかしさも含め、製品版ではもう少し時間をかけて戦闘に慣れてみたいと思う。

 そして、今回の試遊で製品版がさらに楽しみになったのは、大東の物語と、時代や舞台ごとに異なる街の姿だ。

 1915年から1965年までの50年間は、日本社会そのものも大きく変化した時代だ。この50年間、時代が移り変わっていく中で、街はどう変わっていくのか。そして、その時間を生きた大東自身がどのように年齢を重ね、何を経験し、どんな人生を送っていくのか。その物語をさらに見てみたいと思わせてくれた20分だった。