インタビュー

札幌は“最高の舞台”。「ALGS Year 4 Championship」優勝チーム「GoNext」インタビュー

【ALGS Year 4 Championship】

開催期間:1月29日〜2月2日

開催場所:大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)

 Electronic ArtsとRespawn Entertainmentが開催しているバトルロイヤルゲーム「Apex Legends」の公式世界大会「Apex Legends Global Series(ALGS) Year 4 Championship」において、ギリシャのプロeスポーツチーム「GoNext」が優勝した。

  「ALGS Championship」は、2024〜2025年シーズンの年間王者を決める世界大会。初のアジア開催となった今回は北海道札幌市の「大和ハウス プレミストドーム」で約3万人を動員し、ファイナルは9試合続く大熱戦となった。本稿では見事優勝を飾った「GoNext」よりLzhidan選手、Hiarka選手、Uxaco選手、Stevezコーチのインタビューをお届けしたい。

【ALGS Year 4 Championship Day 5 Match Point Final】

ヨーロッパ初のトロフィーは“僕たちがベスト”

――これまでのALGSは、TSMやDarkZeroといった北米チームが優勝を重ねてきました。今回ヨーロッパ勢では初めてトロフィーを持ち帰ることになります。今の心境を教えてください。

Hiarka選手:僕たちがベストだと思います(笑)。多くの方が“また北米チームが優勝するんでしょ?”と考えていたと思いますが、私たちが勝つことができて本当に良かったです。

――「GoNext」は7試合目でマッチポイントが点灯しました。どのような心境で試合に挑んでいたのでしょうか?

Hiarka選手:自信はあったのですが、少しスロースタート気味でいくつかミスもあって、私も感情的になってしまう場面がありました。ですがそこはチームメイトに助けてもらいつつうまく盛り返して、7試合目でマッチポイントが点灯した時は“いける”と思いました。最終マッチはゾーンに入ってましたね。

――7試合目では既にマッチポイントだった「Alliance」や「Team Falcons」を止めて、チャンピオンになりマッチポイントを点灯させました。あの時の気持ちを教えてください。

Hiarka選手:私たちは自分たちのプレイだけに集中していました。あの試合は本当に勝たなければならなかったので、最終的に勝って喜んでいる時に初めて「あぁ、あれはAllianceとFalconsだったんだ」と気付きました。

「GoNext」がトロフィーを掲げた瞬間

――今回、ファイナルの7試合目でマッチポイントが点灯したり、ウィナーズブラケットの7試合目でも重要な局面を迎えていました。ここぞという試合で勝つ秘訣などはありますか?

Hiarka選手:僕たちはサッカー選手で背番号7番のクリスティアーノ・ロナウドが大好きなんです(笑)。大体「7」という数字に縁があるというか、7試合目は必ず勝つぞみたいな意気込みでやっていました。

Stevezコーチ:私たちチームはスロースタートになることが多いのです。序盤で犯したミスを相談しながら調整していって、大体6〜8試合目で勢いが出てくることが多いですね。マッチポイントが点灯したらあとは運要素も強いと思いますが、今回は本当にラッキーだったと思います。

――今回、多くのチームでジブラルタル、ニューキャッスル、ランパートという構成が多い中、GoNextはランパートの代わりにカタリストを入れてきました。ここにかけた思いというのはありますか?

Hiarka選手:実は練習中にランパートを試していたのですが、私たちのプレイスタイルにフィットしなかったという経緯があります。そこでコーチがLzhidanに「カタリストを試してみたら?」とアドバイスをして使うことになりました。

Lzhidan選手:実際プレイしてみると、ゲーム終盤ではランパートよりカタリストの方が有利になると感じました。ランパートはゾーンの中心を制圧するのに向いていますが、全体的に考えるとカタリストの方が柔軟な選択肢があって、私たちは好きですね。

「GoNext」はカタリストのスキルを活用した動きが多く見られた

またALGSを日本で開催してほしい! 札幌は“最高の舞台”

――日本でも「Apex」のプレーヤーが多いのですが、上達のコツなどはありますか?

Hiarka選手:私から一つヒントを言うとすれば、トリオやデュオなどチームメイトを組んで練習するのが重要だと考えています。野良でプレイするのも楽しいですが、大体うまくいかなくて上達しないので、ソロでプレイするのは上手くなってからがオススメです。

Uxaco選手:プロのプレーヤーとか、自分よりも上手い人のプレイを見てレビューするのもオススメです。プロプレーヤーがどういう風に状況を把握しているのか、そしてどういう判断をしているのか、ゆっくり見てみたら色々学びがあると思います。

――今回のALGSのテーマは「運命が呼んでいる」でした。皆さんはどういった経緯でチームを組むことになったのでしょう?

Hiarka選手:私たちはずっと一緒にプレイしたいと思っていたのですが、色々な理由で叶いませんでした。ですが、ちょうどいいタイミングでLzhidanがFAになって、最初はなかなか結果が出なかったのですが、今日の結果が全てだと思います。

――Hiarka選手とUxaco選手は組んで長いと思いますが、お互いのプレイで信頼できるところ、直してほしいところはありますか?

Hiarka選手:直してほしいところはたくさんあります(笑)。上手くいかないカップルみたいな感じで、今回だけは全てのピースが上手くハマったと思います。ずっと別れていたカップルがあるディナーで一緒になって、そこでまた炎がついた感じです。Lzhidanは“ギャルソン(レストランのウェイター)”ですかね(笑)。

左からUxaco選手、Hiarka選手、Stevezコーチ、Lzhidan選手

――札幌ドームで開催された今回のALGSは史上最大規模となりました。この会場で試合に臨んだ感想を教えてください。

Hiarka選手:最高の舞台だと思います。ものすごい数の観客に見られて、戦って、優勝できたのは本当に嬉しいです。皆さんも愛していると思いますが、私たちが愛しているゲームを皆さんに見ていただけて嬉しいですね。

――札幌では今回初めてeスポーツの大会に来たという方も多いと思いますが、eスポーツの魅力を伝える時、どういったことを伝えたいと思いますか?

Hiarka選手:まず最初に日本のファンの皆さんは本当にベストだと思います。実はヨーロッパでも“高いお金を払ってeスポーツの大会に行くの?”と考えている方もいますが、実際に行ってみるとすごく楽しんでくれてファンになってくれる方が多いです。日本でも似たような状況なのかもしれませんが、今後こういったイベントがもっと増えて、足を運んでくれたらたくさんの人がファンになってくれると思います。

――札幌の印象はいかがでしょう?

Hiarka選手:美しい街です!

Uxaco選手:会う人みんな暖かいですし、ヨーロッパにないものがたくさんあってリスペクトしています。お店も夜遅くまで開いてますからね(笑)

――札幌に来て、美味しかったもの、これから食べたいものはなんでしょう?

Uxaco選手:寿司とラーメンが美味しかったです!

Lzhidan選手:私は日本に来て、チキンがすごく美味しくてずっと食べています(笑)。今夜、何を食べるかはまだ決まっていないです。

――このあと、お祝いしたいとか、美味しいものを食べたいとか、シャワーを浴びたいとか、とりあえずこれがしたい!というのはありますか?

Uxaco選手:今挙げていただいたこと全部やった後に休みたいです(笑)。

Hiarka選手:でもしばらくは電話に触らないと思います。さっき少しみたらメッセージの通知が凄くて(笑)。

――また日本でALGSを開催して欲しいですか?

一同:もちろんです!その時は皆さんも来てくれますよね?

――もちろん、また来たいです。今回は優勝おめでとうございます。ありがとうございました。