インタビュー

「VALORANT」ZETA Laz選手、crow選手インタビュー「世界大会が誘致されるのは昔じゃ考えられないし、そこに日本チームとして居たい」【VCT Pacific】

【VCT Pacific プレイオフ】

5月19日〜 開催予定

Laz選手

 3月末から韓国にて開催されている、FPS「VALORANT」のアジア地域大会「VCT Pacific」。日本代表としてこの大会に参加しているZETA DIVISION(以外ZETA)のレギュラーシーズン最終戦となるGen.G戦が5月14日に行われた。

 ZETAは2マップ目こそ相手に渡したものの、試合全体を通して強さを発揮し2-1で勝利。これによりプレイオフ進出を自力で確定し、Masters TOKYO進出への望みをつないだ。

 以下は試合終了直後に、筆者が現地でLaz選手に伺ったインタビューをお送りする。

Laz選手「やっぱりそこに日本チームとして居たい」

――まずは勝利おめでとうございます! 試合前にひとりずつ写真を撮らせてもらったときに全員表情が柔らかかったので、あまり緊張はしていないのかなと思いましたが、実際はどうしでしたか。

Laz選手:負けるとプレイオフが危うくなるということで、実際は今までの試合の中でもだいぶプレッシャーがかかる試合だったかなと思います。試合前、回ってないカメラに向かって喋り出すぐらいですから(笑)。※筆者が写真を撮らせてもらったときに、Laz選手だけ動画と勘違いしてコメントを喋り出すハプニングが発生

――あはは、そうでしたね。試合は1マップ目は強さを発揮していたので、この勢いなら2マップ目もいけるかなと思いきや……という展開になりましたが。

Laz選手:向こうの攻めが上手くて、その攻めに対する明確な回答が試合中にどうしても出せなかったのが敗因だったかなと思います。

――それでも後がなくなった3マップ目では、再び強さを取り戻していましたね。

Laz選手:向こうの構成とも相性が良かったのでまあ負けないだろうなっていう感じで行って、大差で勝てて良かったです。

――お互いのピックマップで勝てなかったのが印象的でした。

【ZETA vs Gen.G戦】

Laz選手:ヘイヴンは相手が結構プレイをしていたのを知っていたのですが、最近はあまりピックをしていなかったので、変えてくるだろうなと予想しつつ自分たちの戦い方をしようという形で臨みました。アセントはこっちのピックですしもちろん自信もあったんですけど、単純に向こうが上手かったなっていう感じでしたね。

――では、今日の自分のプレイの中で、印象に残っているのはどのシーンですか。

Laz選手:フラクチャーでcrowのクラッチの前に……3on4だったかな。ヴァイパーのウルトをサイトにたかれちゃって、リテイクがかなりきついシチュエーションがあったんですけど、ヴァイパー自体を壁抜きで倒せたのであれは結構デカかったなと思っていますね。あとはヘイヴンの攻めでAプラントした後の1on2をちゃんと取りきれたのは、わりと流れをつくれたラウンドだったのかなと思います。

壁抜きでヴァイパーを倒したシーン。ウルト発動中のヴァイパーは非常に強力なため、倒せるかどうかで勝敗が大きく左右する

――今日でVCT Pacificのレギュラーシーズンは終了となりますが、振り返ってみてどうでしたか。

Laz選手:僕がIGLを始めてから初めてのシーズンで、こうやってみんな成長していこうっていう目的がはっきり見えていたのがWeek1からWeek4ぐらいで、実際そのときはみんな成長速度が速かったんですけど、その後わりと地盤が固まってきてじゃあこれからどうやっていいところを伸ばしていこうかっていうところで、初動ほどの成長スピードには足りなかったなと思っています。ただ最終的にプレイオフ進出という最低ラインは越えることができたので、みんなで頑張ってここまで来れてよかったなという感じですね。

――VCT Pacificに参加しているほかのチームや選手との交流はあったりしますか。

Laz選手:元々は「ご飯行こうよ」みたいな話もしてて結構乗り気だったんですけど、リーグが始まったらほとんど時間がなくて、住んでいる場所も全然違うし(笑)。基本、大会の次の日が休みなんですけど、寝てたら1日終わるって感じですね。会場で顔を合わせることはあっても試合前はあまり話せないし、試合後は時間が遅いことが多くてすぐ帰っちゃうので。ただ、T1のxetaとかはめっちゃいい奴で結構仲良いです。

ユニフォーム交換も行なったLaz選手とxeta選手





――そうなんですね! xeta選手はこの前日本語でツイートしてましたけど、やっぱり日本語ができるんですか。

Laz選手:あ、いや、多分翻訳機かな(笑)。2年ぐらいアメリカにいて英語ができますね。昔「CS:GO」のときに今のDRXにずっといて、そこでbarceと仲良くなって、そこから交流が続いている感じです。だからもう4年とか、結構長いですね……ってあんまり試合と関係ない話はしない方がいいですかね(苦笑)。

――大丈夫ですよ(笑)。こちらも次の質問は、韓国での生活はどうですかって聞こうと思ってましたから。あと、ゲーミングハウスでの共同生活についてとかも聞きたいです。

Laz選手:ひとつの部屋に集まって一緒にゲームができるっていうのはやっぱりすごいいいなって思いますね。ゲームをやっているとき以外にも、自分たちが思ったことを話し合えるというのはこのゲームでめちゃくちゃ大事だなって。韓国での生活は、最初のころは出前とかも取れなかったりご飯食べるのも大変でしたけど、今はスタッフ陣が頑張ってくれて。実は新しいスタッフの人が急きょ韓国に来て、ご飯つくる係になってくれたんです(笑)。

――ええ!? じゃあ和食とか食べちゃってる感じですか。

Laz選手:そうですね、肉じゃがとか。ご飯をつくってくれるようになってから、本当にみんなだいぶ良くなったなっていう感じです。あとは個人的にPM2.5にアレルギーが出ちゃってて、ずっと頭痛や咳が出ちゃってるのでそれが結構大変ですね。

――正直ソウルの空気は良くないですからね。お大事にしてください。ではそろそろインタビューも締めに入ろうかなというところなんですが、やっぱりMasters TOKYOの話が聞きたいです。我々が知り合った2016年頃の日本ではeスポーツの知名度は全然なくて、国際大会に出場できる機会自体が少なかったのに、それが今や東京で国際大会が開かれるんですよ。

【MASTERS TOKYO】
東京で開催される世界大会。6月11日より6月25日までの約2週間にわたって開催が予定されている

Laz選手:すごいですよね。「VALORANT」が日本で盛り上がってくれて、大会をするだけでめちゃくちゃ色んな人が見ててくれるようになったっていうのは、昔じゃ考えられないし、信じられないようなことでめちゃくちゃありがたいなと思ってます。日本で世界大会が開かれるっていうのはそれだけ日本が盛り上がってくれたっていうことだし、世界的に認知されているっていうことだと思うので、すごいところまで来たなぁという気持ちですね。これだけ盛り上がって世界大会も誘致されるほどになってくれたわけですから、やっぱりそこに日本チームとして居たいですよね。

――頑張ってください! 最後に、ファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

Laz選手:皆さん本当に応援ありがとうございます。毎回同じになっちゃうんですけど本当にすごい力になってて、選手やってて良かったなっていうのはすごく感じますね。現地まで応援に来てくださる方もたくさんいて、めちゃくちゃ励みになります!