インタビュー

「VALORANT Masters TOKYO」EDG ZmjjKK選手インタビュー「オペレーターの上手さは生まれ持った素質」

【Masters TOKYO】

6月11日〜 開催中

ZmjjKK選手

 6月11日(日)に開幕した「VALORANT」の世界大会「Masters TOKYO」。その後も連日試合が行われ、平日開催にも関わらず大変な盛り上がりを見せている。

 筆者は会場となっているTIPSTAR DOME CHIBAにて韓国チームの取材を実施してきたが、現地で中国メディアの方にお声がけいただき、運良く中国チームEdward Gaming(以下EDG)の「カンカン」ことZmjjKK選手にインタビューを行なうことができた。

 なお、インタビューは6月14日(水)の試合終了後に実施したものである。その後EDGはプレイオフにてTeam Liquidと対戦したが、2-1で惜しくも敗北し、ローワーブラケットに回っている。

【EDG】

ZmjjKK選手「まだ優勝していないので、それまでは主人公じゃない」

――まずは、急きょインタビューに応じてくださって本当にありがとうございます。

ZmjjKK選手:(日本語で)ダイジョウブ!

――グループステージでNatus Vincere(以下NAVI)とT1を倒してのプレイオフ進出、本当におめでとうございます。正直EDGがここまで強いとは予想していなかったので驚きましたが、ご自身では予想していましたか。

ZmjjKK選手:僕は予想していました。実は今年5月に行われた「FGC Valorant Invitational 2023 Act 2」が終わった後のある日の夜、ゲーミングハウスで寝ていてNAVIに勝つ夢を見たからなんです。

――おお、正夢になったというわけですね。T1に対しては初戦で敗北して今回がリベンジ戦となりましたが、どんな準備をしてきましたか。

ZmjjKK選手:とにかく自分のメンタルを整えるようにしていましたね。歌を聴いて気持ちを落ち着かせて、それから「俺が一番すごいんだ」と自分に言い聞かせることで、簡単にリラックスすることができました。

――それにしてもなぜ、T1に対してあのような大差で勝てたのだと思いますか。

T1相手に2-0で勝利したEDG

ZmjjKK選手:前回の対戦の経験が教訓になりましたね。それで今回は自分のプレイを上手くやれたので、大差で勝つことができたと思います。

――そのおかげもあって、今大会でEDGがすごく注目を集めています。ただ、ZmjjKK選手以外のメンバーについてはまだあまり知られていない気がするので、良かったらチームメイトたちがどういう選手なのか、簡単に紹介していただけないでしょうか。

ZmjjKK選手:いいですよ。まずHaodongはチームのブレインですね。そしてnobodyは、乱戦のなかでも冷静さを保つことのできる人です。彼が一番冷静ですね。危機に瀕しているチームメイトのカバーなどもよくしています。CHICHOOはクラッチキング、(日本語で)「カミサマ」です。そしてSmoggyは、何でもできる人。必要に応じて何でもやってくれるっていう感じですね。

左からHaodong選手、ZmjjKK選手、nobody選手、Smoggy選手、CHICHOO選手

――ありがとうございます。では是非ZmjjKK選手ご自身の紹介もお願いします!

ZmjjKK選手:皆さんこんにちは!僕はEDGの……

――あ、いや、そういう意味の自己紹介ではなく、同じようにどういう選手なのかを説明をしていただきたかったんですが(笑)。

ZmjjKK選手:(日本語で)オレハ、セカイサイキョウノ、オペレーター!

オペレーターを使ったプレイが得意なZmjjKK選手

――えっ、日本語上手くてビックリなんですけど、やっぱりZmjjKK選手といえばオペレーターですよね!一体どんな練習をしたらあんなに上手くなれるんですか。

ZmjjKK選手:生まれ持った素質です。

――なるほど……練習とかではない、と(苦笑)。もうひとつ気になっているのがモニターの角度なんですが、あれはなぜなんでしょうか。

ZmjjKK選手のモニターセットアップ。一般的なプレーヤーと比べるとかなり斜め上を向いている

ZmjjKK選手:あれはもう習慣になってるだけですね。モニターをあの角度にするとさらに集中できる気がするんです。

――そうなんですね。いつからあの角度にするようになったんですか。

ZmjjKK選手:ブラジルから帰ってきた後ですね。「LOCK//IN」のときもああやってプレイしていたので、ブラジルから帰ってからもずっとこの習慣が続いています。頸椎にはすごく良くないんですけどね。

――気をつけてくださいね。そして今回ZmjjKK選手が注目されている理由のひとつに、試合外でのパフォーマンスもあると思うのですが、ああいったものは準備してきているのですか。

ZmjjKK選手:いえ、自然にやっているものですね。立ち上がったときも、自分がやりたいようにやったって感じです。

話題となったオペーレーターポーズ

――先日の合同インタビューでちょっとうろ覚えではあるんですが、「魂を燃やして生きている」というような感じのことをおっしゃっていたのがとても印象的でした。具体的にはどういう意味なんでしょうか。

ZmjjKK選手:悔いが残らないように、自分の100%の力を発揮するということですね。なんか、日本のアニメの主人公みたいな感じかな。

――それで言うとすでに日本の「VALORANT」コミュニティでは、「まるで漫画の主人公みたいだ」と言われていますよ。

ZmjjKK選手:僕としてはまだ優勝していないので、それまでは主人公じゃないと思っています。

――おお、わかりました。では優勝、期待しています。それにしても先ほどから日本語をちょこちょこ話していて驚きましたが、もともと日本に興味があったのですか。

ZmjjKK選手:そうですね。僕は二次元のものが好きなので、秋葉原に行きたいと思っています。それと子供のころは、兄の影響を受けて「仮面ライダー」のファンでしたね。

――日本の文化に興味を持ってもらえて何だか嬉しいです。日本には、今大会でZmjjKK選手のファンになった「VALORANT」ファンがたくさんいるので、最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いしてもよろしいでしょうか。

ZmjjKK選手:皆さん、いつもEDGを応援してくださってありがとうございます。皆さんの期待を裏切らないように頑張ります。

――ありがとうございました!

 ZmjjKK選手のインタビューは以上となる。今回特別にインタビューの場を設けてくださった中国のRoxyさん、そして簡単な通訳をしてくださったJamieさんにこの場を借りてお礼を伝えたい。ちなみに中国語に関しては筆者も勉強中なので、記事を書く際は録音を聞きながらなるべく選手の中国語を直接聞き取り、ニュアンスの近い語彙をチョイスするよう工夫した。貴重な選手の声を楽しんでいただけたら幸いである。そして今後ZmjjKK選手が本当の主人公になるところを見届けるべく、引き続き注目していきたい。

次回EDGは、6月18日12時よりLOUDと対戦する