インタビュー

「FINAL FANTASY VII REMAKE」、日本語版を初お披露目

すでに第2作目の制作も進行中! 北瀬P「原作を超える意気込みで臨んでいる」

【FINAL FANTASY VII REMAKE】

2020年3月3日発売予定

 E3 2019最終日の6月13日、日本のメディア向けに「FINAL FANTASY VII REMAKE」の日本語版が初お披露目された。UIやメニューのほか、フルボイスによる日本語音声が収録された完全日本語版で、いよいよ発売が近づいてきたという実感を得ることができた。本稿では日本メディア向けの日本語版デモンストレーションの模様をお届けしたい。

【FINAL FANTASY VII REMAKE Trailer for E3 2019】

 日本語版デモの前に、「FFVII REMAKE」プロデューサーの北瀬佳範氏によるプレゼンテーションが行なわれた。

「FFVII REMAKE」プロデューサーの北瀬佳範氏

 北瀬氏は、まず、多くのゲームファンの記憶に残る作品となった「FFVII」のリメイクプロジェクトについて、原作のストーリーやキャラクター、背景をさらに深く掘り下げ、単なる移植やリマスターではない「まったく新作です」と語り始めた。

 原作のプレーヤーに対しては、「FFVII」のリメイク作品にあって欲しいという期待に応える作品、「FFVII」を知らない新規ユーザーに対しては、当時の原作に勝るとも劣らない新鮮な驚きを与えたいという。原作の世界観をもっとも象徴する「ミッドガル」を魅力的に描くため、ミッドルガルの内部構造を新たに設計し直し、そこに暮らす住民達の生活描写や新規エピソードも加え、最終的には原作の「ミッドガル脱出」までのストーリーを描くだけで、Blu-ray 2枚組の大容量作品となったそうだ。

 開発チームが目指しているものは、「FF」の精神そのものである、革新的であり、限界に挑戦することで、プレーヤーに驚きを与えるというもの。この精神は、原作当時と変わらず、同等のパワーで取り組んでいるという。

 開発メンバーは、プロデューサーの北瀬氏を筆頭に、ディレクターの野村哲也氏、そしてシナリオライターの野島一成氏ら、当時のコアメンバーが再集結し、さらに当時はプレーヤーとして「FFVII」ファンだった若い層が、全世界から集まり、開発チームメンバーとして関わっているという。「FFVII REMAKE」の開発メンバーを求人した際、世界中から応募があり、わざわざ日本に来てプロジェクトに参画しているクリエイターもいるということで、かつてないほど国際色豊かな開発チームになっているようだ

 その「FFVII REMAKE」だが、「FFVII」のリメイク、あるいはリマスターは、ずっと前からファンやメディアから期待されてきたが、単にグラフィックスを綺麗にするだけでは作る意味がないとして、なかなか着手できなかった。今回オリジナルメンバーで再度作る機会に恵まれたことで、最先端の技術で「FFVII」を完全に作り直すことを目標に、「原作を超える意気込みで望んでいる」(北瀬氏)という。

 今回、「FFVII REMAKE」は分作になることが発表され、今作では主にミッドガルを舞台にした物語が描かれる。ミッドガルと言えば、「FFVII」を象徴する街であり、ダークで、スチームパンク、夜のシーンが多いなど、斬新な演出が当時のゲームファンの心を鷲掴みにした。

【ミッドガル】

 北瀬氏は、最新のライティング技術を使って、暗いシーンでもライティングエフェクトを工夫することで、バラエティに富んだ景色、地域の表現を目指しているという

 ちなみにグラフィックスについては、イメージイラストを見てもわかるように、かなりフォトリアル寄りだが、それだけでなく「FFVII」がもともと持っているスタイル、色味を大事にしているという。まずは、それを「FFVII」の象徴であるミッドガルでしっかり表現することを目指し、現在すでにプロットが進行中という2作目にも活かしていく考えだ。

 キャラクターについては、22年前の原作は、まだ3Dゲームの黎明期でボイスも、モーションキャプチャもなかったため、キャラクターを魅力的に表現することが難しかった。今回は最先端の技術を投入し、フォトリアルなキャラクターのモデリングのみならず、フェイシャルの表現、髪の毛が揺れるシミュレーション、3Dによるカメラワークなど、原作の雰囲気を活かしつつ、原作のストーリーを再現しているといことだ。

【キャラクター】
クラウド
バレット
エアリス
ティファ

 北瀬氏のプレゼンテーションに続いて行なわれたデモでは、待望の日本語版がお披露目された。今回E3で公開されているトレーラーはすべて英語版だが、日本のメディア限定で日本語版が公開され、英語版とはまた違った雰囲気での日本語ボイスをたっぷり聞くことができ、「FFVII REMAKE」がグッと身近に感じられた。

 デモの内容は、原作のオープニングをなぞる形で、列車のシーンから、アバランチのメンバーとの交流、クラウド単独でのバトルシーン、途中からバレットを加えてのパーティーバトルなど、スクウェア・エニックスブースでの「FFVII REMAKE」試遊で遊べたエリアの少し手前までを見ることができた。

 筆者は当然のことながら、当時原作をプレイした世代だが、当時プレイしてから20数年が経過して、脳内で相当に美化された「FFVII」像が、そのままリアルタイムで動いているという印象を受けた。

 リアルタイムレンダリングによるカットシーン、フルボイスによる演出、バトルからカットシーンへのシームレスな繋ぎ、ローディングのないゲームプレイ、磨き上げられたサウンドなどなど、当時はすべてなかったものばかりだが、あたかも当時からそうであったかのような錯覚に陥る。それぐらい現代のテクノロジーと「FFVII」が“馴染んでいる”ことに驚かされた。

【当時からこういうゲームだった錯覚に陥る自然さ】

 日本語版で嬉しかったのは、日本語によるフルボイスだ。クラウドは、様々な形で登場し、何度もボイスが当てられているが、バレットやジェシー、ビッグス、ウェッジといったアバランチのメンバー達にもしっかり声が当てられており、キャラクター性が深掘りされているところがおもしろい。

 たとえば、ジェシーはクラウドに対する好意?が、カットシーンの台詞の中でより濃厚に描かれる。クラウドは冷淡な態度をとり続けるわけだが、「FFVII」のファンなら、それだけでニヤニヤしてしまうだろうし、「FFVII」未経験でも、「FF」シリーズがもたらしたJRPG的なエッセンスが濃厚に詰め込まれており、カットシーンだけでも楽しめるはずだ。

 バトルについては、このデモで新たに判明した要素として、キャラごとに固有アビリティがある。たとえばクラウドの場合2種類のスタンスを持ち、バトル中にそれを切り替えて戦うことができる。アサルトモードをデフォルトに、攻撃特化のブレイブモードが用意されている。これは移動速度が歩くより遅くなる代わりに、剣戟のスピードが増し、強力な連撃を繰り出せるというものだ。

【バトルシーン】
アクション性の高いバトルシステム。これまで同等、時間の進みを遅くしてコマンドメニューを出して魔法を唱えたり、味方に指示を出したりすることもできる

 「FFVII REMAKE」のバトルシステムは、「FFXV」を彷彿とさせるアクション性の高いバトルシステムでありながら、「FFVII」らしさを大事にした改良を加えている。その1つはバーストシステムだ。敵に攻撃を加え続けることで、敵がバースト状態となり、一定時間ダメージボーナスが加わる。この状態はあまり長くないため、この間に、いかにダメージをたたき込めるかがバトルの鍵を握る。ブレイブモードはそういった時に切り替えて、アビリティやリミットブレイクも交えて文字通り爆発的なダメージをたたき込むためのスタンスといえる。

【固有アビリティ】
ティファの固有アビリティはバッシュ

 「FFVII REMAKE」のバトルシステムは、爽快なアクションとコマンドRPGの融合、そして攻撃に対する敵のリアクション、全体の演出など、短時間の内容ながら極めて充実した内容になっており、2020年にリリースするAAAタイトルに相応しいクオリティに仕上がっていると感じた。

 E3で公開したプロローグシーンからガードスコーピオンを撃破した先に、どういう展開が待ち構えているのか。二大ヒロインであるエアリス、ティファにはどういった形で会えるのか。「ミッドガル編」とはどこまでを指し、次回作はいつリリースされるのかなど、気になる要素はまだまだ多いが、完成が非常に楽しみな大作RPGだ。

【「FFVII REMAKE」は30以上のE3アワードにノミネート】
「FFVII REMAKE」インタビュールームにビッシリ張られた各メディアのE3アワード。ノミネートも含まれているが、その数30以上。私が知る限り最多だと思う