インタビュー
日本最強の「鉄拳」プロチームTeamYAMASA直撃ロングインタビュー
ユウ、ノビ、タケ。の3人に使用機材「BenQ ZOWIE RL2460S」の使い心地から、プレイスタイル、プロとしての信念までたっぷりと聞いた
2019年2月4日 12:00
eスポーツブームの中、世界中で熱い戦いが繰り広げられている対戦格闘ゲーム「鉄拳7」。そして、世界中の強豪が集う大型大会で目覚ましい活躍を見せるのが日本最強の鉄拳プロチーム「TeamYAMASA」。メンバーは「ユウ」、「ノビ」、「タケ。」。日本代表とも呼べる3人だ。
3人はこれまで数々の大会で好成績を収めており、1月12日~1月13日に長崎で開催された大会「eSports Nation 2019 in Nagasaki TEKKEN7 TOURNAMENT」では、メンバーの1人であるノビ選手が優勝。その圧倒的な実力を改めて世に知らしめた。
そして2月15日には、格闘ゲームのプロ選手としては大きな目標となる日本最大級の格闘ゲーム大会「EVO JAPAN」が開催される。この大会開催に先立ち、TeamYAMASAのメンバーにインタビューを実施した。
現在の心境やEVO JAPANへの意気込み、そして、格闘ゲームファンの筆者が気になっていることを余すことなく伺ってきた。第一線で活躍するプロゲーマーから聞けた、貴重なお話をお届けしよう
強敵の韓国プレーヤー、そして注目の若手選手について
――本日はよろしくお願いします。先日の長崎の大会はみなさんお疲れ様です。ノビ選手は優勝おめでとうございます。
ノビ:ありがとうございます。
――決勝で戦ったULSAN選手をはじめ、韓国の選手のレベルの高さを改めて感じましたね。
ノビ:はい。どんな大会でも韓国の選手がベスト5に必ず残るので、いつも通りといえばいつも通りでしたね(笑)。
――プロの目線から見て、韓国のプレーヤーの強みや、日本のプレーヤーとここが違うといった所はありますか?
ノビ:精神面の部分が1番強いと思います。韓国の選手は負けそうなシーンから勝つことがすごい多いんですよ。どんな局面でも勝ち筋がしっかり見えている所は韓国のプレーヤーならではの強さですね。
――なるほど。国内国外問わず、みなさんが注目する鉄拳プレーヤーはいますか?
ユウ:そうですね、日本の注目のプレーヤーはノロマですね。
タケ。:たしかに若いもんね。
ユウ:若いというのもあるけど、すごい個性的なプレイをするんですよ。ノビもそうなんですけど、ノロマにもすごい当てはまってて、このままいけば彼は日本を背負うプレーヤーになると思いますね。
――ノロマ選手、期待の若手ですね
ユウ:韓国はどんどん若いプレイヤーが入ってくるんだよね。
ノビ:そうそう。この前決勝で戦ったULSAN選手は18歳ですからね。何年か前から韓国ですごい強い高校生がいるって噂になっていて、そこからスポンサーを得て、大会で結果を残していますね。
ユウ:韓国最強といわれる「Knee選手」が1番苦手とするプレーヤーがULSAN選手と言っているんですよ。大会成績ではKnee選手が負け越しているんで、間違いなく韓国最強格の1人ですね。
――それはこの先も恐ろしい相手になりそうですね。
ユウ:日本でも「弦」っていう高校生で、世界でこいつが1番強くなるだろうと思っていたプレーヤーがいるんですけど、彼は今受験を一生懸命頑張っていて「鉄拳」から離れているんですけど、受験が終わったらまた復帰するとのことなので期待しています。
ノビ「『鉄拳』が上手くなるまでの工程って100段階くらいある」。「鉄拳」との出会いについて
――みなさんがプロゲーマーになられたきっかけってなんですか?
ユウ:最初にプロゲーマーになったのは自分とノビなんですけど、その当時の大会で優勝したり好成績を出して目立っていたっていうのがきっかけですね。それで、自分達がいつも一緒にやってて強いプレーヤーがいるからその人も加えてチームで活動したいと山佐に申し出て、それで加入したのがタケ。で、現在に至るって感じです。
――なるほど、実力の結果プロになっているってことですね。プロを目指していたという訳ではないんですね。
ノビ:目指していた訳ではないですけど、高校生の頃とかは食事代を浮かしてゲームセンターにお金を使っていましたからね。それをいつか還元してもらおうとは思っていましたね(笑)。
――「鉄拳」シリーズはいつごろから始めたんですか?
ユウ:1作目から遊んでいましたが、本格的にプレイするようになったのは「鉄拳4」からですね。高校生の頃だったんで18年くらい前ですね。ずっとアーケードでやってました。
ノビ:僕は13年前ですね。中学3年生のときに「鉄拳5DR」を初めてプレイしました。そのときはもうユウさんは神様だったんですよ(笑)。
ユウ:すぐ過去形にする……。
ノビ:僕が初めて「鉄拳」の聖地と呼ばれるゲームセンターに行ったときは、ユウさんは日本で1番強い頂点のプレーヤーだったんですね。
タケ。:僕も始めたのはユウさんと同じくらいですね。
――タケ。さんもアーケードオンリーで?
タケ。:そうですね。当時は地元が渋谷で、基本地元から出たくなくてずっと渋谷のゲームセンターでプレイしていました。
ノビ:籠ってるんですよねこの人(笑)。
タケ。:籠ってはいたんですけど、通っていた地元のゲーセンが潰れてしまって、遠出はしたくないけど「鉄拳」はやりたくて、新宿が栄えていると聞いて、そこでやっと新宿までは行けました。
ユウ:そこから新宿をホームにして。
タケ。:ホームにしたんですけど、そこも過疎っちゃって(笑)。それで次は巣鴨のゲームセンターに行ったんですよ。そこでノビがインストラクターをやっていて、そこで初めて出会いました。
――インストラクターですか?
ノビ:ナムコ巣鴨店には当時36台「鉄拳」があったんですよ。だけど、土日のゴールデンタイムに2~3人程度の人がプレイしているといった状態で、とにかくそこを盛り上げてもらいたいと言われ、契約社員みたいな形でナムコと契約して、「鉄拳」を教えるインストラクターというのをやっていたんです。それで今も千葉の方で毎週講習会をやったりして、これまでに5,000人くらいに鉄拳を教えていますね。
――5,000人はすごいですね! どういった方が教わりにくるんですか?
ノビ:半分くらいは初心者の方ですね。これから「鉄拳」を始めたいっていう人も結構教わりにきますね。
――格ゲーを人に教えるってすごく難しくないですか?
ノビ:マニュアルとかも作っていて、「鉄拳」上手くなるまでの工程って100段階くらいあるんですよ。だけど初心者の方にそれをすべて教えても嫌になっちゃうので、これだけ覚えればある程度形になって戦えるというポイントをまず教えますね。それができた人は、徐々に段階を上げて教えていくっていうのがモチベーションを保ちながら上達させるコツですね。
――教えるのも上手いとはすごいですね
ノビ:格闘ゲームを初めて遊ぶ人って、もちろん最初のうちは全然勝てないんですよ。でも、ボコボコに負けるのが悪いことではないっていうのはまず初めに教えますね。
――なるほど。こういった努力で、どんどん格ゲー人口の増加や、ゲームセンターが活気づくといいですね。
ノビ:そうですね。さっきのタケ。くんの話もそうだけど、今ゲームセンターは結構減っていますからね。
ユウ:モニターとかヘッドホンとか最近はデバイスがすご過ぎて、アーケードよりも家庭用の方が正直を言うと快適なんですよね。家にいながらオンライン対戦もできるし。そういった理由もあってみんなゲームセンターから遠のいているんですよね。
――オンラインは確かに便利ですけど、その場で向かい合わせで戦うっていうゲームセンターならではの面白さはあるんですけどね。
ユウ:すごくいいですよね。ゲームセンターで遊んで、その日の締めくくりにみんなでご飯食べに行ったり(笑)。
ノビ:楽しいですよ。めちゃくちゃ金掛かりますけど。
一同笑い
ノビ:僕とタケ。くんとユウさんで一時期秋葉原のゲームセンターに籠っていた時期があるんですよ週7とかで。そのときは一週間で5~6万とか掛かってたんですよ(笑)。
ユウ:ゲームをして、終わったらご飯を食べてっていうのをずーっと繰り返していたんですよ。面白かったなぁ。
「鉄拳7」で使用している持ちキャラについて
――今使われているキャラクターについていろいろ聞かせていただけますか。
ユウ:2カ月くらいに前に大型バージョンアップがありまして、キャラクターの調整が大幅に入ったんですよ。僕らがメインで使っているキャラクターがみんな下降修正が入っているんですよね。
――それは大変ですね! それについて対策などは?
ユウ:もちろんキャラクター変更も考えました。ノビの使っていたキャラの1人、スティーブは最新バージョンで最強クラスの強さなのでドラグノフから鞍替えしてますね。
ノビ:そうですね。基本はスティーブを使って、うまくいかないときはドラグノフを使うっていう感じで。
ユウ:タケ。の使っている一美というキャラがこれまで強かったんですけど、今回からすごく弱くなって、EVO JAPANではどうするのかっていうのは個人的にも注目のところですね。
ノビ:今のバージョンの一美をめっちゃ練習してるって。
――それではタケ。さんはEVO JAPANでも一美で?
タケ。:めっちゃ練習はしているんですけど、まだちょっとしっくりこない感じなんですよね。
ノビ:シーズン2にアップデートして、強かったキャラは下方修正されて、中級クラスのキャラはみんな最強クラスになりましたね。ユウさんの使っているフェンはもとより最強格のキャラではなかったのにめちゃくちゃ弱体化してますね(笑)。
ユウ:上のランクのキャラと戦うと、性能の差で厳しいんですよね。なので今は“被せ”っていう、相手に合わせて有利なキャラを使うというふうにしています。
ノビ:弱くなるなら半年前くらいから告知欲しいよね(笑)。
――今使っているキャラクターを決めた理由はなんですか?
ユウ:僕はフェンっていうキャラクターを「鉄拳5」で初登場の頃から使っています。フェンにしかない特殊なガードや構えがあって面白いなって当時は思って使い始めたんですよ。それでずっと使い続けて今に至るって感じです。
タケ。:僕のキャラの選び方は、まずキャラクターを一通り全員触ってみるんですよ。技とかも全部確認して。それで自分に合ってるか合ってないかを選別していくんです。自分のプレイスタイルに合ってるなって思えるキャラを4人くらいに絞るんですよ。それでそのキャラを使って対戦して、1番強かったキャラを持ちキャラにします。
――タケ。さんは一美の前はブライアンを使われていましたが、変えた理由はなんですか?
タケ。:ブライアンは大会向きじゃないんですよね。キャラ相性が露骨に出やすいキャラなので。
――今のバージョンでは一美が結構弱体化したようですけど、ブライアンに戻そうと思ったことはないんですか?
タケ。:ないですね。キャラ相性が露骨に出るという点は変わらないので、大会で使うことはないですね。弱くなってもスタイル的に自分に合っているのは一美なので。それに、弱くなっても勝てるっていうのは誇れるじゃないですか(笑)。
大会と同じ環境でプレイできるゲーミングモニターについて
――これまで様々な大会に出られているみなさんですが、大会において1番大変な場面はどこですか?
ユウ:やっぱ最初が1番あぶないよね。
ノビ:どんな大会でも初戦って1番大変なんですよね。どんな相手であっても、初戦ってほんとうまく動かないので。
ユウ:その日のコンディションや、イスの高さなどの環境なんかをチェックするのも初戦ですし、普段通りのプレイができないことが多いんですよ。
ノビ:なので、初戦をうまく乗り越えられればなんとかなるだろうと思っています。
――環境ですか。それですとモニターとかも重要になってきますね。
ユウ:はい。なので大会でよく採用されるBenQのモニターを普段から使っています。大会で最初に気にする部分ってラグや遅延などの機材面なんですよ。だから大会で使用するモニターが使い慣れたBenQだと「やった!」ってなりますね(笑)。
――普段から使われているBenQのゲーミングモニターの魅力はどこでしょうか?
ユウ:格闘ゲーマーがもっとも気にする所が“入力遅延”なんですよね。正直を言うと、そこ以外は最低限の品質が保てていればOKって思っているんですよ。僕は普段からBenQのRL2460という、昔の古い機種の頃から使っているんですけど、入力の遅延を一切感じない作りでありながらも他と比べて値段が1番安くて、とにかくコスパが良いんですよ。
――値段が安くて手が出しやすいって要素も大きいですね。
ノビ:格闘ゲーマーはまず初めにBenQのゲーミングモニターを買うという風潮はありますもんね。
タケ。:そうだね。
ユウ:やっぱり大会に採用されることが多いっていうのが1番の魅力ですね。鉄拳に限らず、カプコンプロツアーでもRL2460シリーズが使われていますし。僕らとしては安価で簡単に入手して、大会と同じ環境で普段からプレイできるのが最大のメリットですね。
ノビ:あと、BenQのモニターっていろんなモードがあるんですよね。“ゲームモード”みたいなザックリした感じじゃなくて、格闘ゲームモードやFPSなどジャンルごとに細かくあるのがすごいなと。
ユウ:格闘ゲームモードはプロゲーマーのJustin Wongが監修だしね。これでプレイして間違いないやつだよね(笑)。
タケ。:その名前だけで信頼感がすごい(笑)。
ユウ:モニターの機能で「Black eQualizer」というのがあるんですけど、それを初めて「Dead by Daylight」で使ってみると結構変化があって、真っ暗なシーンもかなり明るく見えて、快適にプレイできましたね。
――それは自分も後で試してみたいと思います。「Dead by Daylight」の話が出ましたけど、みなさんは普段は「鉄拳」以外のゲームもプレイされるんですか?
ノビ:僕は「フォートナイト」とかも大好きです。
ユウ:あと、ノビは最近スマホゲーとかもよくやってるよね。タケ。はあまりやらないよね。
タケ。:僕は他のゲームはできないので(笑)。
ユウ:不器用だからねタケ。は(笑)。
――タケ。さんは他の格ゲーとかもまったくプレイしない感じですか?
タケ。:はい。「鉄拳」以外に唯一プレイしているゲームは「モンスト」です。
一同笑い
ノビ:かわいいよね(笑)。
ユウ:「鉄拳」にステータス全振りだからね(笑)。
ノビ:「鉄拳」プレーヤーはタケ。みたいに他ゲーやらない人は多いよね。
――そうなんですか?
ユウ:2D格ゲーとかだと、覚えた事って別のゲームになっても活かせる部分が多いんですけど、「鉄拳」って作品はまともに動かすだけでかなりキャパが必要になるので他のゲームと両立しにくくなっちゃうんですよね。
――なるほど。ノビさんとユウさんは「鉄拳」の合間に別ゲーをやる余裕があるんですね。
ユウ:よくノビが言うんですけど、やっぱり“ゲームのストレスはゲームで発散”って事なんですよ。
――それはすごい分かります(笑)。
ノビ:「鉄拳」でムカついたら「フォーナイト」を楽しむし、「フォートナイト」ばっかりやってたら「鉄拳」もやりたくなるし、結果バランスは取れていますね(笑)。
――まったくの別ジャンル、それも敷居の高い「フォートナイト」を合間にやれるっていうのはすごいですね。
ノビ:自分で言うのもアレなんですけど、結構要領が良い方なんですよ(笑)。こういう風にやれば上手くなるだろうっていうのとかも何となく理解できて。なので、いろんなジャンルのゲームをやってみて、これなら世界を狙えるなって思えるものをやり込んでいます。
ユウ:(ノビは世界)取った事ないですけどね。
ノビ:何でそういうこと言うの?
一同笑い
ノビ:「フォートナイト」でも入力遅延がないのはすごく遊びやすいので、格ゲー以外のTPSやFPSでもBenQのモニターは活躍しますね。
目前に迫るEVO JAPANについて
――EVO JAPAN 2019の開催が目前に迫ってきましたが、練習は如何ですか?
ノビ:“練習”っていうのは自分の中では完成していると思っているんですよ、立ち回りとか対策とかを含めて。なのでやれる事というと精神的な部分しかないなと思ってます。去年1年間振り返って、負けた理由が勝負所で緊張していつも通りできなかったというような敗因ばかりだったので、長崎の大会の時とかもジムでトレーナーをつけてメンタルを鍛えるという事しかしていなかったですね。
――すでにそういう境地なんですね。
ノビ:もちろん動画とかで強い選手の対策などを研究することはありますけど、ガッツリプレイして練習といった感じではないですね。
ユウ:バージョンアップとかはしますけど、基本的な部分はあまり変わっていないので、正直煮詰まっているって感じはあるんですよ。「鉄拳7」が出てからもう3年が経ちますからね。
――そうですよね。結構経ちますもんね。
ユウ:長崎の大会でノビの試合を見ていて思ったのは、やり込みとか練習量よりも、相手のクセとかを見抜く“人読み”の部分が強かったなと思いましたね。
――決勝戦でも終始ノビさんが圧倒している展開でしたもんね。
ノビ:なんなんでしょうね、あの時は負けるって感じは正直しなかったですね。……なにがあったんですかね?
一同笑い
――EVO JAPANに向けての意気込みを聞かせて下さい。
ユウ:特にEVO JAPAN前にガチガチにやり込むという感じではないですけど、今まで通りレベルの高い韓国の選手の対策をしたり、後は当日のコンディションを整えて結果を出したいですね。
ノビ:EVOといえばタケ。くんだよね。彼は参加したEVO、すべてベスト8に入っているんですよ。
――それはすごいですね!
タケ。:なんかEVOは相性がいいんですよね(笑)。やっぱり目標は昨年よりも良い結果を出すというところですね。1年やってきた事が報われるのか、そうでないのか、それを試す場でもありますねEVOは。
ユウ:EVO JAPANもBenQのRL2460Sなので安心して戦えますね。
ノビ:これは初戦の勝率上がりますよ(笑)。
――そこはホント大事なんですね。
ユウ:めちゃくちゃ大事ですよ。海外の大会の話なんですけど、大会で使われたモニターが湾曲モニターだった事があって(笑)。
ノビ:あれはすごかったなぁ(笑)。
ユウ:没入感とかが凄くてとても良いモニターではあるんですけど、明らかに格ゲーに向いているタイプではなかったんですよ。2人横並びで対戦したんですけど、端の方とかが見づらくて見づらくて(笑)。
――そんな環境での大会もあるんですね。
ユウ:なぜこれを選んだ? っていうのは海外ではよくありますね(笑)。
――近年はeスポーツブームですが、何かこれまでと変わったことはありますか?
ノビ:街中にいる時も意識はするようになりましたね。最近は街中でよく話しかけられるので。
ユウ:意識してたらユニフォームでスロットやらないでしょ(笑)。
ノビ:むしろ意識してるから山佐ユニフォームでやるんでしょう?(笑)。
ユウ:どこに知っている人がいるか分からないのに、これでスロットとかありえなくないですか? それも山佐の機種じゃないし(笑)。
――最後に、応援してくれているファンに一言いただけますでしょうか?
ユウ:スポンサーがついているプロの「鉄拳」プレーヤーって少ないので、ある意味日本代表的な位置で戦っているので、これからも是非応援をお願いします。
ノビ:今まで応援をしていただいてうれしい反面、プレッシャーもすごかったんですよ。でも今は、そういった不安なども全部通り越せました。自分は“応援してください”というよりも、“結果を出して見せます”ので信じて待っていてください。
タケ。:仲間内以外に、SNSや会場とかで応援してくれる人がいるというのはありがたい事ですね。自分の試合を見てくれているファンや「鉄拳」プレーヤーのためにも、夢を見せられるような活躍をしたいと思います。
――本日はいろいろなお話をありがとうございました。EVO JAPANでの活躍も期待しています。
TeamYAMASAの3人も太鼓判の「BenQ ZOWIE RL2460S」を実際に体験
インタビューでも話に挙がった格闘ゲームに特化したゲーミングモニター「BenQ ZOWIE RL2460S」。EVOをはじめ数々の格闘ゲーム大会で使用されてきた実績のある「RL2460」の後継機である。このシリーズの特徴は、HDMI OUT端子がついており、特殊な機材無しで2台のモニターを簡単に接続することができる。向かい合わせで対戦できる環境が容易に整うため格闘ゲーム大会では重宝されているモニターだ。今回紹介する最新機種のRL2460Sは昨年の12月26日に発売され、価格はオープンで、実売価格は25,000円前後となっている。
最新機種のRL2460Sには、RL2460に無かった新要素が2つ追加されている。1つ目は「Color Vibrance機能」の追加。ゲームのプレイ環境や自分好みに合わせて、色の鮮明さを20段階で調節できるようになっている。調節してみると見え方に結構な変化があり、FPSなどのゲームで活躍しそうな機能である。そして、もう1つがスイーベル機能の追加だ。台座を固定させたまま画面を左右に回転させることができるようになり、使いやすさがさらに上がっている。
このモニター最高のウリは、なんといっても1msという高速な応答速度だ。世界中の格ゲーマーからも評価が高く、絶大な支持を得ている。筆者もイチ格ゲーファンとして、TeamYAMASAお墨付きのこのモニターでいろいろな格闘ゲームをプレイして、その性能を確かめていきたいと思う。
サイズ:24型 |
---|
パネル:TN |
解像度:1,920×1,080ドット表示(フルHD) |
表示サイズ:531.36×298.36mm(横×縦) |
表示色:約1677万色 |
画素ピッチ/画素密度:0.276mm |
応答速度:5ms(GTG 1ms) |
水平/垂直周波数:30-83KHz/50-76Hz |
ティルト角度:上下:-5°/15° |
入出力端子:HDMI 1.4×2/D-sub/DVI-D/HDMI out×1 |
本体サイズ:579×502~392×213mm(幅×高さ×奥行) |
梱包状態サイズ:724×427×222mm(幅×高さ×奥行) |
本体重量/梱包重量:5.2kg/7.8kg |
初めに画面モードの設定から。プリセットには、「動画」、「写真」、「FPS」など様々なモードが用意されており、用途に合った画面の明るさや色味で快適な環境でプレイできる機能だ。もちろんここはプロゲーマーのJustin Wongが監修した「格闘ゲームモード」を「鉄拳7」で試してみた。
「格闘ゲームモード」は、標準モードと比較すると明るさがマイルドになっていて、初めはちょっと暗いかな? といった印象を受けた。しかし、プレイしてみると、攻撃をヒットさせた激しいエフェクトの発光が抑えられており、目の刺激をかなり軽減してくれる印象がある。撮影した画面の写真で見比べてみると違いは一目瞭然だ。「鉄拳」に限らず、基本的に派手なエフェクトが多い格闘ゲームを長時間プレイするなら、眼精疲労を抑えるためにも格闘ゲームモードに設定するのが最適だろう。
次に「鉄拳7」で応答速度を体感していこう。激しい動きの際の残像の少なさや、動きの滑らかさは格闘ゲームでは重要な要素だ。普段筆者が使っているモニターも、格闘ゲームをプレイするのを視野に入れているので応答速度は速い部類の5ms。本モニターはそれを超える1msという応答速度。どれだけ変化が出るのかを比べていきたいと思う。
「鉄拳7」はステップを刻む立ち回りが重要で、他の格闘ゲームに比べて動きがとても激しい。まず初めに筆者のモニターで目まぐるしくステップを踏んでみると、動きがカクカクといった感じはしなかったが、意識して見ると意外にも残像が結構残っていた。
気になるRL2460Sの方だが、比べてみると若干だが筆者のモニターよりも動きの滑らかさを感じ、そしてなによりも驚いたのは残像の少なさだ。肉眼ではまったくブレを感じさせず、動画でスロー再生をしなければ絶対に感知できないほど、ほんの僅かにしか発生していないということが分かった。
もっとも重要な操作した感触だが、少し触っただけでも違いが分かる動きのキビキビ感。操作してからのタイムラグを一切感じさせず、まるで別物のゲームのように軽い動きを体感することができた。私物のモニターで長年プレイしてきて、多少の動きの重さはもはや当たり前に思っていたのだが、RL2460Sと比較した後に自分のモニターでプレイしてみると、その重さが際立って感じる。
敵の攻撃に反応してとっさにガードすることや、硬直の一瞬の隙を突いて攻めに転じる行動などがスムーズにでき、プレイしていて爽快感がすごい。「鉄拳」のキモとなるコンボの精度もかなり上がり、本モニターの高い性能を実感した。
「鉄拳」の他にも、「ストリートファイターV」や「DEAD OR ALIVE 5」など、いろいろな格ゲーをプレイしてみたが、どのゲームも操作していて違和感や不満点などは皆無で、思ったような動きがしっかりとできるのが遊んでいてとても気持ちが良い。
「ストリートファイターV」は「鉄拳7」ほどスピード感のあるゲームではないので、キャラクターを動かしたときの違いはさほど感じられなかったが、対戦をしてみるとこのモニターの凄さが理解できた。その場面は、厄介な下段ガードを潰す中段攻撃を綺麗に防げたところだ。いつもならばすぐに反応してもガードが間に合わず、「いや、今のちゃんと立ったって!」と文句を言っているところなのだが、高い応答速度のおかげもあって、相手の攻撃動作を見てから立ちガードが優に間に合ったことに感動した。
相手の飛びを見てからの対空技や、コンボを繋ぐ際の目押しなども普段使っているモニターよりもかなり安定することができて大満足。これだけの利点があれば対戦でも大きく差が出るように思えた。
次にプレイしたのは「DEAD OR ALIVE 5」。この作品は相手の攻撃を受け止める「ホールド」というカウンターシステムが重要で、発動させるには相手の攻撃がヒットする直前にコマンドを入力しなければならない。今までプレイしていてホールドをジャストで入力したにも関わらず、発動前に攻撃で潰されてしまうというイライラがよくあったのだが、RL2460Sで試してみたところ、そんなストレスとはまさに無縁。打てば響くという反応速度で、気持ち良いほど相手の攻撃を受け止めることができた。入力受付時間が短く、シビアな追加入力技も安定して出せたのもかなり大きなポイントだ。どの格闘ゲームでも快適なプレイが保証されていることを身をもって知ることができた。
格闘ゲームの快適さは存分に体験することができたので、インタビュー中にユウ選手が話していた「Black eQualizer」機能を最後に試してみたいと思う。基本的に画面が暗く視界の悪い「Dead by Daylight」だが、Black eQualizer機能を調節して明るさを増してみると全体的に視界が良くなったり、通常よりも標的を見つけやすく感じた。1人称視点のFPSなどではこのBlack eQualizer機能が活躍しそうだ。
今回、「BenQ ZOWIE RL2460S」に触れてみて、さすがは第一線で活躍しているプロゲーマーが愛用しているだけあって、操作感の面では何一つ不満の出ないゲーミングモニターだと感じた。
“しっかりガードしたはずなのに間に合っていない”、“ちゃんと入力したのに技が出ない”などの日頃プレイしていてよくある問題もこのモニターなら改善すること請け合いだ。ありがたいことに価格もお手頃なので、格闘ゲームファンはぜひ1度この快適さを味わってもらいたい。