【特集】
スタジオカラー×サンライズの「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」はどのようなアニメになるか? 劇場公開に先がけ期待を語ろう【年始特集】
2025年1月3日 00:00
- 【機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-】
- 1月17日より全国劇場公開
2024年12月13日、「ガンダムカンファレンス WINTER 2024」にて新作アニメ作品「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」が発表された。本作は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」を手がけたスタジオカラーと、サンライズの制作となるという。
「ジークアクス」はTVシリーズのアニメとして制作されるが、放映に先がけ、数話分を劇場上映用に再構築して2025年1月17日より劇場先行版「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」として全国の劇場にて上映されるという。
「ジークアクス」はどんなアニメになるか? 本作はPVだけでなく、「ガンダムカンファレンス WINTER 2024」で本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるバンダイナムコフィルムワークスの執行役員 IP事業本部 ゼネラルマネージャーの小形尚弘氏と、プロデューサーのカラー制作部杉谷勇樹氏が本作に関してコメントをしている。また、先行して商品情報なども出ているので、これらから「ジークアクス」を期待したい。
PVやカンファレンスから見えてくる「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」
まず最初に、公開されている「ジークアクス」の基本的なストーリーを紹介したい。
宇宙に浮かぶスペース・ コロニーで平穏に暮らしていた女子高生アマテ・ユズリハは、戦争難民の少女ニャアンと出会ったことで、非合法なモビルスーツ決闘競技"クランバトル"に巻き込まれる。エントリーネーム「マチュ」を名乗るアマテは、GQuuuuuuXを駆り、苛烈なバトルの日々に身を投じていく。
同じ頃、 宇宙軍と警察の双方から追われていた正体不明のモビルスーツ「ガンダム」と、そのパイロットの少年シュウジが彼女の前に姿を現す。そして、世界は新たな時代を迎えようとしていた。
次にPVを見ていこう。かわいらしさだけでない何か想いを秘めてそうな黒沢ともよさん演じる「マチュ」の声。ガンダムファンにはおなじみと言える円筒形のオニール型スペースコロニー。日常的なシーンの中に「クランバトル」、「ガンダム」、「命がけ」といった気になるワードが断片的な会話と共に提示されていく。ガンダム作品でありながら、これまでの作品とは違った雰囲気とストーリーを予感させる。
何より、その"動き"に目が惹きつけられる。コロニー内部だろうか、広大だが閉鎖された空間、凄まじい勢いで動くカメラが、GQuuuuuuXともう一体のMSとの戦いを捉える。そして物語そのものを象徴するような、MSの伸ばされた腕から飛び出すマチュとハロ……スタジオカラーらしさを感じさせる映像だ。
ガンダムカンファレンスでは「ジークアクス」のエグゼクティブプロデューサーを務めるバンダイナムコフィルムワークスの小形尚弘氏と、プロデューサーのカラー制作部杉谷勇樹氏の2人によって「ジークアクス」が制作された背景が語られた。
「ジークアクス」は監督を鶴巻和哉氏。鶴巻氏は「フリクリ」や「トップを狙え2!」そして「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズでは監督を務めながら絵コンテやデザインワークスも担当している。「エヴァンゲリオン」に深く関わった鶴巻氏が「ガンダム」を手がけるという所は、非常に興味深いところだ。
この企画そのものは2018年から始まっているという。今作でプロデューサーを務める杉谷氏は「機動戦士ガンダムユニコーン」にも関わっており、そこでエグゼクティブプロデューサーとなる小形氏と仕事を一緒にした関係が、「ジークアクス」制作のきっかけとなったという。
小形氏の方から杉谷氏に「鶴巻監督でカラーでガンダムを作ってみないか」と声を掛け、杉谷氏はすぐにカラーに話をした。「鶴巻監督の新作をガンダムで!」という企画はカラー社内でも反響は大きかったとのこと。そしてカラーが作る「ガンダム」を制作するにあたり、小形氏から「自由にしてくれ」という声を掛けてもらったとのことだ。
「ジークアクス」のスタッフに関してはシリーズ構成に榎戸洋司氏、メカニカルデザインには山下いくと氏が務める。鶴巻監督が安心して任せられるスタッフが集められたという。
カンファレンスでは山下いくと氏によるティザービジュアルも公開。赤、白、青、黄色というガンダムらしい配色だが、細身で、有機的なラインも感じさせる。ちょっとエヴァンゲリオンのような意匠も見て取れる。面白いのが主役機・ジークアクスが"斧"を武器として持っているところだ。
本作は企画として「エヴァンゲリオンのデザイナーがガンダムをデザインしたらどうなるか」というのがテーマの1つであり、ジークアクスのデザインはそのテーマを強く意識しているという。肩関節や股関節に人間らしい要素を入れたところが監督のこだわりだと杉谷氏は語った。
また足のデザインも特徴的だ。非常に独特な足の形をしている。これは従来のロボットデザインが「スキー靴を履いている人間は動きづらいんじゃないか」と、大きな靴を履いているようなシルエットを意図的に避けたデザインとのこと。左上に浮いているような人物から、ジークアクスが18mくらいの全長であることがわかるという。
登場キャラクターのデザインは竹氏。「ポケットモンスター サン・ムーン」など「ポケモン」シリーズや、「Fate/Grand Order」にも関わった方で、今回公開されたキャラクターのデザインは丸っこく、可愛らしい雰囲気がある。「ジークアクス」のキャラクターデザインに関しては鶴巻監督はイメージのみを伝えて、先入観をなくしてデザインしてもらったとのこと。
カンファレンスではさらに「クランバトルは2vs2のMS戦」、「2機1組の戦術を"MAV(マヴ)"と呼ぶ」、「ジークアクスのデザインは2Dから立体に起こし、さらにそこからデザインを手を入れるように時間をかけている」、「RX-78とジークアクスを並べた時が見所」などいくつもの情報が明らかになった。
さらに劇場先行版「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」が公開される1月17日に合わせ、ガンプラ「HG 1/144 GQuuuuuuX」が発売される。「ジークアクス」のデザインを立体で細かく楽しめるだけでなく、可動と、組み立てやすさも注力されるという。もちろんガンプラならではの"色分け"にも大いに期待したい。組み立てるだけで劇中のイメージ通りに作れるだろう。
やはり気になるのが武器としての斧。これまでの「ガンダム」作品では斧といえばザクのヒートホークだった。またガンプラには角のような額の飾りで目を覆ったような頭部も付属している。手持ち武器に取り付けるであろうビームエフェクトなど、期待が高まる。
「ジークアクス」の発表を受け、ネットではからは「ジークアクスはエヴァみたいに口が開くんじゃないか?」という予想をしている声も聞かれた。またPVに一瞬写る黒い体とモノアイを持ったMSはザクのように見えるし、クランバトルのルールの説明に「相手の頭部を破壊すれば勝ち」というのは、「機動武闘伝Gガンダム」のオマージュも感じさせる。随所にガンダムファン、エヴァファンをニヤリとさせるたくさんのネタが仕込まれそうな作品である。劇場先行版「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」の公開が待ち遠しい。
(C)創通・サンライズ