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「GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載」レビュー

「CoD:BO6」の4K/最高設定プレイ&VTuber実況配信もラクラク!

 昨年、インテルはCPUブランドを「Core」から「Core Ultra」に変更した。初代Core UltraプロセッサーはノートPC向け製品しか発売されなかったが、2024年10月25日、Core Ultraプロセッサー初のデスクトップPC向けプロセッサー「Core Ultra 200Sシリーズ」の発売が開始された。今回は、そのインテルの最新CPUの最上位モデルである「Core Ultra 9 285K」を搭載したハイエンドモデル「GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載」を試用する機会を得た。

 今回はさっそくこの新たなゲーミングPCの最高峰を「Call of Duty」シリーズの最新作「Call of Duty:Black Ops 6」でどれだけ快適に遊べるか検証してみた。また、4K解像度でのVTuber実況配信にもチャレンジしたので、その結果も紹介する。

【GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載】
最新のCore Ultra 9 285Kを搭載したハイエンドモデル「GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載」

インテル最新CPU「Core Ultra 9 285K」とNVIDIAの「GeForce RTX 4090」を搭載

 まずは今回の主役といっても過言ではない「Core Ultra」プロセッサーについて紹介しておきたい。インテルのCPUブランドといえば、「Coreプロセッサー」を思い浮かべる人が多いだろう。初代「Coreプロセッサー」は2008年に登場しており、15年以上Coreブランドが使われてきた。

 最新のCoreプロセッサーは、2023年10月に発表された第14世代Coreであり、第14世代Core搭載ゲーミングPCが各社から発売されている。しかしインテルは、2023年12月15日、Coreブランドではなく、新ブランドを冠するCPU「Core Ultraプロセッサー」を発表した。このとき発表されたCore Ultraプロセッサーは、開発コードネーム「Meteor Lake」と呼ばれていたもので、インテルのCPUとして初めてAI処理用プロセッサー「NPU」を内蔵し、3種類のCPUコアを搭載するなど、新ブランドにふさわしい革新的な製品である。

 ただし、この初代Core Ultraプロセッサーは、ノートPC向け製品しか発売されず、デスクトップPCでは依然として第14世代Coreが使われていた。インテルは、2024年9月4日に開発コードネーム「Lunar Lake」と呼ばれていた第2世代ノートPC向けCore Ultraを発表しているのだが、デスクトップPC向けCore Ultraは、ノートPC向けCore Ultraから10か月以上遅れての登場となった。

 そして今回紹介する「Core Ultra 200Sシリーズ」の開発コードネームは「Arrow Lake-S」である。Arrow Lake-Sは、ノートPC向けのMeteor LakeをベースにデスクトップPC向けに改良が行なわれたもので、電力あたりの性能が優れていることが特徴だ。

【GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載】
CPU:インテル Core Ultra 9 285K(24コア/24スレッド、3.7GHz~5.7GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4090(24GB)
チップセット:インテル Z890
メインメモリ:32GB DDR5-5600MHz DIMM(16GB×2)
ストレージ:1TB NVMe Gen4 SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:669,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC30/MC16185.html

 今回レビューを行うGALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載(以下ZA9C-R49)は、インテルが2024年10月25日に発売したばかりの最新CPU「Core Ultra 9 285K」を搭載していることが最大の特徴だ。Core Ultra 9 285Kは、Core Ultra 200Sシリーズの中でも最上位となるモデルであり、高性能コアのPコアを8個、省電力コアのEコアを16個、合計24個のコアを搭載している。

 なお、第14世代CoreのPコアは1個につき2つのスレッドを同時に実行可能であったが、Core Ultra 200SシリーズのPコアは1個で1つのスレッドしか実行できないので、同時に実行可能なスレッドは最大24個となる。基本動作クロックは3.7GHzで、最大ブーストクロックは5.7GHzに達する。AI向けプロセッサーであるNPUの性能は13TOPSであり、Meteor LakeのNPUの11TOPSより多少性能が向上しているが、Copilot+ PCの要件である40TOPSには達していない(Lunar LakeのNPU性能は最大48TOPS)。

 GPUとしては、NVIDIAのGeForce RTX 4090が採用されている。NVIDIAの最新GPU「RTX 40シリーズ」の中でも最高峰に位置するGPUであり、その性能は非常に高い。

 ZA9C-R49は、ゲーミングPCの要となるCPUとGPUに、最新のハイエンドパーツを採用した製品であり、最新ゲームはもちろん、来年以降に登場するより負荷の高いゲームも4K解像度で余裕で遊べるスペックを誇る。

【内部パーツなど】
左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 4090」搭載ビデオカードを採用
ビデオカードの出力はHDMI×2とDisplayPort×2という仕様だ
24コアCPUで、最大24スレッドの同時実行が可能

PCIe 4.0対応高速SSDを搭載。シーケンシャルリードは7,000MB/s超え

 メインメモリも32GBと大容量で、高速なDDR5メモリを採用している。ストレージは、PCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDを搭載する。メモリもストレージも余裕があり、ファイルサイズの大きなAAAゲームも余裕で遊べる。

 「CrystalDiskMark 8.0.5」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は7,009.05MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が3,818.38MB/sと非常に高速であった。特に、シーケンシャルリードは筆者がレビューしたGALLERIAの中で最速だ。AAAタイトルの起動やデータサイズの大きなマップの読み込みも短時間で終わるので、快適にゲームをプレイできる。

【「CrystalDiskMark 8.0.5」の結果】
「CrystalDiskMark 8.0.5」の結果

メンテナンス性や拡張性に優れたオリジナルケースを採用

 GALLERIAのデスクトップPCでは、お馴染みのオリジナルタワーケースが採用されている。サイズはいわゆるミドルタワーサイズで、左サイドパネルの一部が透明になっており、中が見えるようになっている。内部のスペースも広く、メンテナンス性や拡張性も優れている。フロントパネルの周囲にはRGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく点灯する。

【フロントパネル周囲にLEDを搭載】
GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載のフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが青色に光る

 フロントパネルの上部手前側が斜め45度にカットされており、そこにフロントI/Oポートや電源スイッチなどが配置されていることも特徴だ。フロントのUSBポートへのアクセスがしやすく、USBメモリなどの抜き差しも容易だ。

 フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とサウンド入出力端子が用意されている。バックパネルのI/Oポートも豊富で、USB 2.0×4、USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 3.2 Gen2 Type-C、Thunderbolt 4 USB Type-C、サウンド入出力端子、5Gb対応LANポートが用意されている。さらに、Wi-Fi 7対応の無線LAN機能とBlutooth 5.4も標準搭載しており、アンテナ接続用端子も2つある。

 電源ユニットは80PLUS GOLD認定の1000Wと大容量であり、消費電力の大きなGeForce RTX 4090も余裕で動作する。

 本体底面には、電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽に行える。最近は使われることが少なくなった光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BDドライブなどをBTOで追加搭載することも可能だ。

【本体外観など】
GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載の右サイドパネル
GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載の左サイドパネル。中を覗ける透明な窓がある
GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載のトップパネル。格子状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されている
GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載のリアパネル
リアパネル部分のアップ。Wi-Fi用アンテナ端子もある
GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載の底面
底面には電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている
底面のフィルタはこのように引き出せる

CPUは簡易水冷と、3つのケースファンで冷却性能も十分

 CPUの冷却には、簡易水冷ユニット「ASETEK 624S-M2」が採用されている。ASETEK 624S-M2は240mmラジエーターと2つのファンを備えた水冷ユニットであり、静音性と冷却性能を両立させている。また、リアに140mm高速ファンが1つ、フロントにも140mm高速ファンが2基搭載されており、十分なエアフローを実現している。なお、高速ファンといっても、静音性はかなり高く、通常時のケースファンの音はほとんど気にならない(ゲームなどでGPUに高い負荷がかかるとビデオカードのファンの音が大きくなる)。

 マザーボードには拡張スロットとして、PCIe 5.0 x16スロットが1基、PCIe 4.0 x16スロットが2基、PCIe 4.0 x1スロットが1基の合計4基が用意されている。GeForce RTX 4090搭載ビデオカードがPCIe 5.0 x16スロットに装着されており、3スロット分のスペースを占有しているため、利用できるPCIeスロットはPCIe 4.0 x16スロットが2基となる。さらに、6Gbps対応のSATAポートが4基とPCIe 5.0 x4対応のM.2スロットが1基、PCIe 4.0 x4対応のM.2スロットが1基、PCIe 4.0 x4/SATA対応のM.2スロットが1基マザーボード上に用意されている。

 また、大型ビデオカードをしっかり支えてスロットへの負荷を減らす、リジッドカードサポートも採用されている。リジッドカードサポートでは、ビデオカードを上下からしっかり挟み込んで固定するので、輸送中の脱落やたわみによる接触不良を防ぐことができる。

【CPUクーラーと冷却ファン】
CPUには水冷ヘッドが装着されている
メモリスロットが4基あり、16GB DIMMが2枚装着されている
M.2スロットにPCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDが装着されており、ヒートシンクも搭載されている
ラジエーターは240mmで、120mmファンが2つ搭載されている
リアには140mm静音ファンが1つ搭載されている
フロントにも140mm静音ファンが2つ搭載されている
ビデオカードを上下から挟み込んで固定する、リジッドカードサポートが採用されている

「CoD」シリーズ最新作「Call of Duty:Black Ops 6」で性能を「極限」で検証

 ZA9C-R49は、インテルの最新CPU「Core Ultra 9 285K」とNVIDIAのフラッグシップGPU「GeForce RTX 4090」を搭載したハイエンドゲーミングPCであり、絶対性能の高さが売りだ。

 そこで今回は、2024年10月25日にリリースされたばかりのAAAタイトル「Call of Duty:Black Ops 6」(以下CoD:BO6)を利用して、パフォーマンスを計測してみた。「CoD:BO6」は、シリアスなFPSゲームとして人気の「Call of Duty」シリーズの最新作であり、2020年に発売された米ソ冷戦をテーマとした「Call of Duty: Black Ops Cold War」の続編となる。レーティングはCERO Zであり、ゾンビモードなどの描写はハードコアなものになっている。

 「CoD:BO6」はWindows PC以外にプレイステーション 5/4やXbox Series X/S、Xbox Oneでもプレイ可能なタイトルだが、Windows版の推奨環境はCPUがIntel Core i7-6700KまたはAMD Ryzen 5 1600X、GPUがGeForce GTX 1080 Ti/RTX 3060またはRadeon RX 6600XT、Intel Arc A770とかなり高めだ。4K最高画質で快適に遊ぶには、さらに高いスペックが必要となるだろう。

 製品版では、マルチプレイヤーモードにベンチマークツールが追加されていたので、そのベンチマークツールを使ってフレームレートを計測した。

 まず、4K解像度で、グラフィックのプリセットを一番上の「極限」に設定し、アップスケーリングとDLSSフレーム生成をオフにした状態でベンチマークを実行したところ、平均フレームレートは96fps、下位1%(最低)フレームレートは67fpsという結果になった。実際のプレイフィールも平均90fps以上出ているので、素早い移動時にも残像感はほぼ感じることがなく、エイミングも快適に行なえた。

 次に、グラフィックのプリセットはそのまま、アップスケーリングをDLSS、DLSSフレーム生成をオフにして計測したところ、平均フレームレートは142fps、下位1%(最低)フレームレートは109fpsとなった。平均フレームレートは46fpsも向上しており、DLSSの効果はかなり大きいといえる。

 最後に、グラフィックのプリセットはそのまま、アップスケーリングをDLSS、DLSSフレーム生成をオンにして計測したところ、平均フレームレートは167fps、下位1%(最低)フレームレートは74fpsとなった。下位1%フレームレートが低下しているのは不思議だが、平均フレームレートはさらに25fps向上している。

 そこで今度は、4K解像度でグラフィックのプリセットを一つ下の「ウルトラ」に変更し、極限の場合と同様にベンチマークを計測してみた。アップスケーリングとDLSSフレーム生成をオフにした状態では、平均フレームレートは101fps、下位1%(最低)フレームレートは69fpsとなり、プリセット「極限」に比べると、平均フレームレートは5fps向上している。アップスケーリングをDLSSにし、DLSSフレーム生成をオフにした状態では、平均フレームレートは148fps、下位1%(最低)フレームレートは112fpsとなり、大きくフレームレートが向上している。アップスケーリングをDLSS、DLSSフレーム生成をオンにした状態では、平均フレームレートは172fps、下位1%(最低)フレームレートは78fpsとなり、平均フレームレートはさらに向上している。

【「CoD:BO6」の4Kベンチマーク結果】
「Call of Duty:Black Ops 6」のトップメニュー画面
ベンチマークツールでは、ロータウンが舞台となる
5つのゾーンで計測を行なう
まず、4K解像度/極限/アップスケーリングオフ/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が96fps、下位1%(最低)が67fpsとなった
次に、4K解像度/極限/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が142fps、下位1%(最低)が109fpsとなった
最後に、4K解像度/極限/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オンで計測を行なった
平均が167fps、下位1%(最低)が74fpsとなった
今度は、4K解像度/ウルトラ/アップスケーリングオフ/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が101fps、下位1%(最低)が69fpsとなった
次に、4K解像度/ウルトラ/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が148fps、下位1%(最低)が112fpsとなった
最後に、4K解像度/ウルトラ/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オンで計測を行なった
平均が172fps、下位1%(最低)が78fpsとなった

 同様に解像度をフルHDまで下げて、フレームレートを計測してみた。フルHD/極限/アップスケーリングオフ/DLSSフレーム生成オフでは、平均フレームレートは161fps、下位1%(最低)フレームレートは116fpsとなり、4K解像度に比べてフレームレートは大きく向上している。フルHD/極限/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オフでは、平均フレームレートは173fps、下位1%(最低)フレームレートは115fpsとなり、下位1%フレームレートはほとんど変わっていないが、平均フレームレートは12fps向上している。また、フルHD/極限/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オンでは、平均フレームレートは307fps、下位1%(最低)フレームレートは131fpsとなり、平均フレームレートが大きく向上している。4K解像度に比べて、フルHD解像度のほうがDLSSフレーム生成の効果が大きい。

 さらにフルHD解像度でグラフィックのプリセットを一つ下の「ウルトラ」に変更し、極限の場合と同様にベンチマークを計測してみた。アップスケーリングとDLSSフレーム生成をオフにした状態では、平均フレームレートは169fps、下位1%(最低)フレームレートは121fpsとなり、プリセット「極限」に比べて、平均フレームレートは8fps向上している。アップスケーリングをDLSSにし、DLSSフレーム生成をオフにした状態では、平均フレームレートは179fps、下位1%(最低)フレームレートは122fpsとなった。アップスケーリングをDLSS、DLSSフレーム生成をオンにした状態では、平均フレームレートは320fps、下位1%(最低)フレームレートは149fpsとなり、平均フレームレートが大幅に向上している。

【「CoD:BO6」のフルHDベンチマーク結果(極限)】
まず、フルHD解像度/極限/アップスケーリングオフ/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が161fps、下位1%(最低)が116fpsとなった
次に、フルHD解像度/極限/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が173fps、下位1%(最低)が115fpsとなった
最後に、フルHD解像度/極限/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オンで計測を行なった
平均が307fps、下位1%(最低)が131fpsとなった
【「CoD:BO6」のフルHDベンチマーク結果(ウルトラ)】
今度は、フルHD解像度/ウルトラ/アップスケーリングオフ/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が169fps、下位1%(最低)が121fpsとなった
次に、フルHD解像度/ウルトラ/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オフで計測を行なった
平均が179fps、下位1%(最低)が122fpsとなった
最後に、フルHD解像度/ウルトラ/アップスケーリングDLSS/DLSSフレーム生成オンで計測を行なった
平均が320fps、下位1%(最低)が149fpsとなった

 以上の結果を、グラフにまとめてみた。ZA9C-R49なら、アップスケーリングやDLSSフレーム生成といった、フレームレートを向上させる技術を使わなくとも、「CoD:BO6」を4K解像度/最高画質で快適に楽しめるパフォーマンスを持っているといえるだろう。

【「CoD:BO6」のベンチマーク結果】
ベンチマーク結果のグラフ(4K解像度)
ベンチマーク結果のグラフ(フルHD解像度)

4K/最高画質でも快適にプレイ可能

 このようにZA9C-R49は、最新FPS「CoD:BO6」でも4K解像度の最高画質で、96fpsという高い平均フレームレートを実現しており、美しいグラフィックスと快適なプレイフィールを両立できる。マルチプレイヤーモードなどでフレームレートを重視するなら、アップスケーリングやDLSSフレーム再生をオンにすることで、4K解像度の最高画質でも平均フレームレートは167fpsまで向上する。

 「CoD:BO6」は、最新ゲームだけあり、砂漠などの空気感や爆発やスモークのパーティクル表現が素晴らしい。磨かれた床への景色の映り込みや光と影の表現なども美しい。新しい移動方法オムニムーブメントを駆使すれば、アクション映画みたいな動きも可能であり、よりダイナミックな戦いを楽しめる。製品版では、ゾンビ映画感あふれるゾンビモードや重厚なストーリーが楽しめるキャンペーンモードも追加され、よりボリューム感がアップしている。

 以下に、4K/極限/アップスケーリングオフ/DLSS生成フレームオフでのスクリーンショットをいくつか紹介したい。

【「CoD:BO6」4K/極限画質スクリーンショット】
マルチプレイヤーモードでのスクリーンショット。割れたガラスの表現なども美しい
マルチプレイヤーモードでのスクリーンショット。スモークや爆発の煙の表現も素晴らしい
ゾンビモードでのスクリーンショット。ゾンビが次々と押し寄せてくる
ゾンビモードでのスクリーンショット。人型ゾンビだけでなく、蜘蛛型クリーチャーも登場する
ゾンビモードでのスクリーンショット。アポミネーションはボス的な存在で、耐久力・攻撃力ともに高い
キャンペーンモードでのスクリーンショット。米ソ冷戦をモチーフとする重厚なストーリーが展開される。炎や影の表現が見事だ

VTuberゲーム実況配信でさらに負荷を掛けてみる

 ZA9C-R49は、非常に高性能なゲーミングPCであり、単に最新ゲームをプレイするだけではなく、ゲーム実況配信なども余裕でこなすことができる。そこで、ここでは、ゲーム画面だけを実況配信するよりも負荷が高い、VTuberアバターを表示させながらのゲーム実況配信をやってみることにした。

 まず、3Dモデル作成ソフトの「VRoid Studio」を使ってアバターの3Dモデルを作った。VRoid Studioは、無料で利用できる3Dモデル作成ソフトだが、多くのパーツが用意されており、カスタマイズの自由度も高いので、自分好みの3Dモデルを作ることができる。3Dモデルが完成したらVRM0.0形式でエクスポートすればよい。

 3Dアバターを動かすためのソフトとしては「Webcam Motion Capture」を利用した。Webcam Motion Captureは、Webカメラだけで顔の向きや表情などのフェイストラッキングはもちろん、指や手の動きまでリアルタイムにトラッキングできる優秀なソフトだ。Webcam Motion Captureは、無料で全ての動作を確認できるが、月額199円のサブスクリプションに加入しないと、オーバーレイ表示されるメッセージとUIをオフにすることはできない。Webcam Motion Captureに先ほどVRoid Studioで作成した3Dモデルを読み込ませ、Webカメラの前で顔を動かしたり、手を動かしたりして、動きを確認する。ゲーム画面の上に3Dアバターを重ねて表示させるには、背景を透明にすればよい。

【VTuber用3Dモデルを作成する】
「VRoid Studio」を使って3Dモデルを作成する
服やアクセサリなども豊富に用意されている
3Dモデルが完成したらVRM形式でエクスポートする
「Webcam Motion Capture」はWebカメラだけで高精度なフェイストラッキングやハンドトラッキングができる優れたソフトだ
VRoid Stuidoで作成した3Dモデルを読み込ませたところ
背景を透明にする

 3Dアバターの準備が完了したら、配信ソフトの「OBS Studio」を起動して、配信準備を行なう。「CoD:BO6」の解像度も4Kにしているので、まずは、4K/60fpsでビットレート20000Kbpsに設定して、YouTubeでライブ配信を行なってみた。

 「CoD:BO6」のゲーム画面とWebcam Motion Captureの画面をそれぞれゲームキャプチャで取り込み、ゲーム画面の上に3Dアバター画面を重ねて背景を透過させる。このアバターは、配信者(プレイヤー)の画面には表示されないが、視聴者には見えるようになる。視聴者の邪魔にならないような位置とサイズにアバター画面をリサイズして配置すれば、配信準備は完了だ。

 実際にYouTubeでのライブ配信を開始し、他のPCからそのゲーム実況配信を視聴してみたが、高画質で動きも滑らかであり、快適にゲーム実況を楽しめた。配信者側もリアルタイムで配信を行なっている影響を全く感じず、通常にプレイしているのと同じ感覚で対戦を楽しめた。プレイ中は配信者が顔をそれほど大きく動かすわけではないが、3Dアバターのトラッキング精度やレスポンスも優秀で、表情や腕の動きなどもしっかり反映されていた。

 参考までに、CPU使用率をチェックしてみたが、配信中のCPU使用率は70%前後で、まだ余裕はある。配信解像度をフルHD解像度に下げ、ビットレートも10000Kbpsにしたところ、CPU使用率は60%前後に低下した。ファンの音もそれほど大きくならず、配信の邪魔にはならなかった。

【「OBS Studio」を使ってゲーム実況配信を行なう】
出力解像度は3,840×2,160ドット、FPSを60に設定した
配信設定で、映像エンコーダを「ハードウェア(NVENC HEVC)」にし、ビットレートを20000Kbpsに設定した
3Dアバター画面を適当な位置とサイズに配置したところ
実際にYouTubeでライブ配信を行なっているところ。4Kp60で配信が行なわれている
コマ落ちすることもなくスムーズに配信されていた
VTuberとしてゲームの4K実況配信を行なっても、CPU使用率は70%前後でまだ余裕がある
次に出力解像度を1,920×1,080ドット、FPSを60に設定した
配信設定で、映像エンコーダを「ハードウェア(NVENC HEVC)」にし、ビットレートを10000Kbpsに設定した
実際にYouTubeでライブ配信を行なっているところ。1080p60で配信が行なわれている
フルHD解像度での実況配信では、CPU使用率は60%前後まで低下した

4K/最高画質で最新ゲームをプレイしながら4Kでの実況配信も可能なハイエンドマシン

 ZA9C-R49は、インテルから登場したばかりの最新CPU「Core Ultra 9 285K」とNVIDIAのフラッグシップGPU「GeForce RTX 4090」を搭載したハイエンドゲーミングPCであり、最新の「CoD:BO6」も、4K/最高画質で快適にプレイできるだけでなく、VTuberによる4Kゲーム実況配信も余裕でこなすことができた。まさに期待通りのモンスターPCといえるだろう。性能が高いだけでなく、CPUの電力効率(いわゆるワットパフォーマンス)が高いため、MMORPGなどで長時間ゲームをプレイしたり、長時間にわたってゲーム実況配信を行なったりするにも適している。

 もちろん、性能が非常に高い分、本体の価格も安いとはいえないが、今後数年にわたって最前線で戦えるスペックを持っており、最新ゲームやVR、ローカルでの生成AIの推論など、高いスペックが要求される用途には最適だ。このハイエンドマシンの真価を活かすには、最低でも4K/144Hz程度の表示が可能なゲーミングモニターが必要であろう。最近、4K/160Hz対応ゲーミングモニターなども登場しており、そうした高解像度・高リフレッシュレートで、最新ゲームを最高画質で遊びたいという人にもお勧めだ。

【GALLERIA ZA9C-R49 Intel Core Ultra搭載】