使って試してみました! ゲームグッズ研究所

連載第392回

Nintendo Switch携帯モードに十字ボタンを! HORI「十字コン(L)」や任天堂純正「Nintendo Switch充電スタンド」を試してみた

 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。

 Nintendo Switchを携帯モードで遊んでいるとき、「十字ボタンで操作したいなぁ……」と思ったことのある人は少なくないはず。そんな気持ちに応えてくれるのが、HORIより7月発売予定の「携帯モード専用 十字コン(L)for Nintendo Switch」だ。こちらを発売前に試してみたので、その使用感についてお伝えしていこう。

 もうひとつ、任天堂より発売された周辺機器で、Nintendo Switchのテーブルモードを快適にプレイするのに最適なスタンドの「Nintendo Switch充電スタンド(フリーストップ式)」も使って試してみた。テーブルモードでよく遊んでいるという人はこちらもチェックして頂きたい

Joy-Conデザインを忠実に再現しつつ、感触のいい十字ボタンを搭載した待望のコントローラー!

メーカー:HORI
価格:2,678円
対応機種:Nintendo Switch
発売日:7月発売予定

 Joy-Conの左をそのままに再現し、Joy-Conでは方向ボタンが上下左右に独立したボタンになっているところ十字ボタンにしているコントローラーだ。

 名前のとおり「携帯モード」専用となっていてNintendo Switch本体とレールコネクタと繋げた状態でのみ動作する。ワイヤレス機能がなくバッテリーも搭載していないので、完全に携帯モードの本体接続状態だけで使えるコントローラ-だ。

 機能面ではその他にも、「HD振動」、「プレイヤーランプ」、「シンクロボタン」、「SLボタン/SRボタン(レールコネクタ内にある横持ち時のL/Rボタン)」も搭載していない。これら機能も大幅に削り、携帯モードに特化させて価格を抑えている。

 なお、「加速度センサー」と「ジャイロセンサー」はJoy-Conの右に搭載されているものが機能するので、この「携帯モード専用 十字コン」を組み合わせているときにも使えるということだ。

Joy-Conの左そのものな「携帯モード専用 十字コン(L)」。十字ボタンが搭載されている以外は、Joy-Conのデザインを忠実に再現している

 コントローラーの外観はまさにJoy-Con左そのもの。色はJoy-Conのカラーバリエーションには今のところない、濃いブルーになっている。

 コントローラー筐体はJoy-Conのしっとりスベスベなマットな質感をちゃんと再現していて、レールガイド内のシンクロボタンやコントローラー番号を示すLEDも、形状だけではあるが再現されている。

 サイズは約100×約37×約28mm(縦×横×厚さ)となっていて、Joy-Conのサイズとほぼ同じ。重量は約30gで、Joy-Con左の約49gよりも軽量。

 十字ボタンは、サイズ感としてはJoy-Con左の方向ボタンに合わせての無理のない大きさ。「Nintendo Switch Proコントローラー」の十字ボタンともほぼ近いサイズになっていて、違和感のないサイズだ。押下感は少し柔らかめではあるがしっかりとしたストロークがあって、クリック感、ボタンが戻るときの反発感ともに自然な感触だ。

 Lスティックの再現度も高く、スティックのラバーの質感からスティックのサイズと高さもそのもの。倒したときの感触はJoy-ConのLスティックよりも少し軽めだが、操作そのもに違和感は感じられなかった。

 LボタンとZLボタンは、Joy-Con左のそれよりもわずかにボタントップが高くなっているが、よく見比べないとわからない程度。押した時のカチッとしたクリック感が少し硬めな感触になっている。

 キャプチャーボタンと-ボタンのみ、Joy-Con左とは質感の異なる硬質ラバーのボタンが使われていて、ここだけは感触にも違いがある。サイズも基本的には近いのだが、-ボタンはボタントップが少々高め、キャプチャーボタンはサイズが大きめになっている。

濃いブルーが「携帯モード専用 十字コン(L)」、水色はJoy-Con(L)。サイズやレイアウトを忠実に再現していて、細部にごくわずかな違いがあるだけでほとんど同じと言っていい仕上がりだ

 実際にゲームプレイに使って試してみた。

 まずはNintendo Switch本体への着脱だが、装着させたときのカチッとした感触がJoy-Conよりも少し硬めではあるものの、使用感はほぼ同じで違和感のないものになっていた。取り外しボタンを押しながら引き抜くのも同様だ。

 コントローラー登録などの下準備は一切必要ない。この「携帯モード専用 十字コン」はレールガイドの裏にあるコネクタで本体と繋がる方式になっていて、本体に装着した時点で認識されて操作もできる状態になる。

 ゲームプレイをしてみると、やはり十字ボタンの恩恵は大きい。そもそも親指を置いたときの安定感から違いがあって、Joy-Conの独立した方向ボタンだとどうしてもボタンの隙間に指が入りがちで落ち着かない感触がするが、十字ボタンなら指の収まりがよくて安定する。指を置いているだけでも安心感がある。

 操作しての感触はというと、おかしなクセも一切なくて期待通りの操作性をした十字ボタンだ。適度なストロークの深さに適度な反発力のある押下感とバランスに優れていてる。

 特に恩恵を感じるのはやはり斜め方向の入力。「アーケードアーカイブス」シリーズをはじめとした2Dアクションゲームでの操作は特に快適で、Joy-Conの方向ボタンで2ボタン同時押しに斜めを入れていたときよりも格段に楽に自然に入力できる。格闘ゲームでコマンドを入れるときも圧倒的にスムーズだ。

 もちろん、そうした2Dタイトル以外でもプレイ中にたびたび「やっぱり十字ボタンだと触りやすいな」と感じる瞬間は多くて、携帯モードで1人でゲームを楽しむ上ではベストな組み合わせと思える。

 ただし当然ではあるが、ワイヤレス機能がなくて「おすそわけプレイ」はできないので、例えば友達とJoy-Conをおすそわけしての「テーブルモード」で遊ぶことが結構あるという人だと、別でもう1個Joy-Con左を持っておいた方がいい。このあたりはあくまで本製品は「携帯モード」用だというところ。また、HD振動も搭載していないためJoy-Con右だけが振動するようになってしまうので、振動機能をオフで楽しむ人向けというところもある。

2Dアクションなどの十字ボタンで操作するのが1番しっくりくるタイトルも多いNintendo Switch。そうしたタイトルを携帯モードで遊ぶなら「携帯モード専用 十字コン(L)」は最適な選択肢だ

 誰もが1度は思ったであろう「十字ボタン」搭載のJoy-Conスタイルのコントローラー。ライセンス商品のコントローラーも多く手がけてきたHORIだけに、クセがなく感触のいい十字ボタンとなっていた。あらためて十字ボタンの良さを感じるところもあったほどで、その他の部分もJoy-Conにしっかり近づけてあり、再現度も高い。十字ボタン向きなタイトルも多くあるNintendo Switchだけに、それらタイトルを楽しんでいて携帯モードでも楽しむという人には、必携レベルのアイテムと言える。

テーブルモードでの充電&角度調節を快適に!任天堂公式のNintendo Switch用スタンド

メーカー:任天堂
価格:1,814円
対応機種:Nintendo Switch
発売日:7月13日

 任天堂より発売された新たな公式周辺機器がこの、「Nintendo Switch充電スタンド(フリーストップ式)」だ。

 Nintendo Switchは本体のみでも簡易スタンドで立てかけてのテーブルモードプレイが楽しめるが、それだと充電しながらのプレイはできなかった。それを解消し、快適にテーブルモードプレイを楽しめるようにする周辺機器を、任天堂自ら発売したというわけだ。

 サイズは、45×44×28mm(縦×横×厚さ)と非常にコンパクト。重量も約28gほどと非常に軽量だ。このコンパクトサイズにしているのはおそらく、テーブルモードは友達の家などの外出先で楽しむことも多いだろうということから、持ち運びやすいものにしているためだろう。

 スタンド中央にNintendo Switch本体と接続するUSB Type Cのオス型のコネクタがあり、その側面にもUSB TypeCのメス型のコネクタがある。側面のほうに給電用のUSBケーブルを繋げるというわけだ。製品的には、底面で塞がってしまうUSBコネクタを側面に逃がす作りになっている。

コンパクト&軽量なスタンド。USB Type Cのコネクタを側面にまわす作りになっているほか、可動式のついたてで画面の角度を自由に調節できる

 背面には可動型のついたてを搭載。このついたて部は好きな角度に広げて使える無段階調整タイプで、90度近くに立てた角度から、寝かせるぐらいの角度まで、画面の角度を自由に変えられる。ついたての可動部には適度に硬さがあって、しっかり角度を維持して止まってくれる。

スタンドの角度調節は写真のように90度あたりからかなり寝かせた角度まで自由に調節できる

 そのコンパクト&軽量さだけに、着脱のときにはスタンドごと本体を持って取り外すことにはなる。そうしたところからも据え置いて使うスタンドではなく携帯型のスタンドと言える。家の中でもテーブルモードか携帯モードをメインで使っているという人なら、スタンドを着けたまま使うのもありかもしれない(ただしぶつけたりしてコネクタを痛めないようにご注意を)。

 シンプルな製品ではあるがテーブルモードで欲しい機能をしっかり押さえていて、コンパクトさから持ち運びもしやすいという、バランス感覚の優れた製品となっていた。頻繁にテーブルモードで遊ぶことがある人、そしてテーブルモード時の充電に困った経験のある人にオススメだ。