コメディアンBJ Foxの脱サラゲームブログ
連載第6弾
マーベルファン歴20年超の僕がPS4「Marvel's Spider-Man」を遊んだら、日本の洋ゲーファンを心から尊敬できるようになった
2018年10月16日 07:00
Oh No!! すっかり遅くなってしまった! 「Marvel's Spider-Man」はどうしても早めにプレイしたいタイトルだったのに、色々遅れが出てしまってギリギリモンスタータイトルラッシュが始まる直前の10月となってしまった。なんてことだ!
言い訳をすると、その遅れのひとつは、2回も買いに行ったのに、2度とも品切れ状態で買えなかったんだ。海外レビューの高い評価や、イギリスの友達が凄く期待していたからすぐ遊びたかったんだけど、日本でアメコミのゲームが売れ切れるなんてまったくの予想外だった。
僕の感覚だと、2004年辺りのPS2「スパイダーマン」ゲームあたりから、長い間、スーパーヒーロー系がゲーム界から姿が消えてしまった気がする。ゲーム機がPS3に進化しても、PS3のパワーにマッチできるゲームがなかった。そして、まるでスーパーヒーローのごとく、「バットマン アーカム・アサイラム」が ファンたちを救助しにきてくれた。僕はありがたかった。
「バットマン アーカム・アサイラム」は、ロンドンのRocksteady Studiosというあまり有名ではないメーカーの作品だったにも関わらず、ステルスのゲームプレイが新鮮で、攻撃システムは画期的、そしてストーリーや声優も半端なかったね! もちろん、売れ上げも半端なかった。アメリカは大ヒット。ヨーロッパも大ヒット! 日本は……売れなかった。それも2、3桁くらい少なかった。なぜ日本で売れなかったかと聞いてみたら、アメコミが日本で人気がないという説が返ってきた。でも、今回の「Marvel's Spider-Man」の好調な国内セールスを見ると、その時代はもう終わったと言えそうだね。
やっと渋谷の某交差点にある某ゲームショップで「在庫あり」を発見してやっとプレイができたので、今回は大好きな「Marvel's Spider-Man」にしたいです。DLCの1段の配信開始(10月23日)はまだだから、プレイレポートはまだセーフだろう。
しかも、これを読んで、Batmanのアーカムシリーズの画期的なゲームプレイをちょっと味わってみたい方には、シリーズの1弾と2弾を収めたPS4の「バットマン:リターン・トゥ・アーカム」をお勧めする。それともいっそのこと、ほぼゲームプレイをそのまま再現しているPS4「Marvel's Spider-Man」でもいいかも(笑)。
僕はかなりのマーベルのファンだ。高校時代最初のバイトはヒースロー空港の近くのアメコミ輸入ストアで、大学を卒業するまで主にX-Menのコミックスをコレクトしていたし、今でもできる範囲でフォローしている。もちろん、過去10年間の映画を全て見たし、どちらかというと、オルドスクールファンであり、映画で入ってきてニューファンを少し見下ろしている。「ユニクロのMARVELコラボTシャツだけではファンは増えないよ!」と町の中とたまに叫びたくなる。
というわけで「Marvel's Spider-Man」は期待度が高かったし、どのスパイダーマンが出てくるのが気になっていた。もっとも歴史が長く、結婚離婚再婚までやったコミックスのやつ? 新しいファンに向けて割と最近のニューコミックスのまだ高校時代スパイダーマン? 映画のスパイダーマン? 映画ならば、どのシリーズかな? さすがにスパイダーマンは、歴史が長いので、全てのファンの期待に合わせて難しいだろう。
だからこれに関しては、メーカーのInsomniac Gamesが素晴らしかったと思う。まるで新しい世界だ。ディテールも豊富で、歴史の重みでも感じられる新世界だ。
いろんなバリエーションのあったスパイダーマンスーツも新しいバージョンであり、ファンだと馴染みのあるやつもアンロックできる。ピーター・パーカーと運命の恋人のMJは、コミックスのステータスのように結婚はしていないし、映画によくある、“まだ会ってはいなくてこれから恋に落ちる”ステータスでもなく、“別れているけど、連絡をとっている”微妙な感じ。
ピーターは、高校生でもないし、新聞写真家でもなく、研究生で、彼の担当博士は、なんと覚えのある人。天敵のノーマン・オズボーン(別名:悪役のグリーンゴブリン)は、ニューヨーク市の市長だ! 結構スパイダーマンの経歴が弄ばれている感じだけど、新しいファンに入りやすいし、コアファンにも興味を持たせらせるだろう。あのキャラはこういう取り組み方なんだ、という嬉しいモーメントも数回あった。上に書いたように全体的に世界の重みが感じられてファン的によかった。
しかもその世界も美しい! Xbox Oneで「Forza Horizon 4」、そしてPS4で「Marvel's Spider-Man」を連続プレイして私の目は甘やかされている。ニューヨークの高層ビルをウェブスイングの爽快感は他にない。映画並みの描写で、別にファストトラベルシステムを導入していただかなくても良いくらいの楽しさ。地面に落ちると、少し「ああ、ゲームだな」と現実に戻る時もあるが、とにかくスムーズなシステムだ。
とにかくスムーズ! とにかく美しい! とにかく素晴らしいゲームだ。
が、恥ずかしいことに、思っていたほど、楽しめていないんだ。その理由は、ゲームやメーカーのせいではなく、どちらかというと、自業自得だね。
僕は日本語版を買った。英語版に切り替える方法が見つからないか、装備されていないか、とにかく日本語だ。全て日本語だ。全ての会話、全ての無線ラジオのアップデート、全てのSpider-Manのマシーンガントークが丁寧にフルローカライズされている……辛い。スパイダーマンの特徴のひとつは、どのに辛い状況に遭ってもジョークが止まらないところで、そのジョークが敵を挑発したり怒らせたりしてミスを起こす。あの容赦なく早口のジョークを日本語で聞いているうちに、スパイダーマンの敵の方に同情するようになった。あんなに聞かされたら、僕も彼の顔にロケットランチャーを撃ち込みたくなるよ。
「日本だから、当たり前だよ!」って思う人いるだろう。確かにそのとおり。しかも日本語のゲームも何回もプレイしてきたよ。でもほとんどは文章がメインでRPGで今回アクション・オープンワールドゲームは初めて。半分辛い思い、半分英語がわからなくて「Grand Theft Auto(GTA)」をプレイしてきたファンにやっと共感できるようになった感じ。大変だったでしょう!よくみんな頑張るね。よくカーチェイス中に前にある車のタイヤをピストルで狙いながら、画面上の指示を同時に読み、同時に従兄弟のロマンの電話の話をフォーローしていたね。
ロックスターゲームスの日本での記者会見では日本のメディアから必ず聞かれる質問のひとつは
「吹き替え版の予定はありますか?」
だった。それに対しては、僕らからのその定番の答えとは
「英語音声の方が没入できるから、吹き替え版は字幕となる」
だった。今、第2カ国語でオープンワールドでかなり苦労してきた僕は、自分の意見を少し見直してきたね。
僕が抱えている問題とは、日本語がわかるけど、集中して聞かないとなかなか入ってこないことだ。たとえ電車の中で本を読んでいるときに、アナウンスがあるとしたら、英語だと、自然に耳に入ってくる。日本語だとただスルーしてしまう。このゲームをプレイして最悪のスパイダーマンとなっちゃった。警察の無線報告をどんどん、「日本語わかんない!」とスルーしてしまった。本当に日本人の洋ゲーファンに対して新たな尊敬の念を抱いた。
と思ったら、スーパーヒーロー的なハッピーエンディングもきた。友達にこの言語の話をしたら、問題がBJのPS4本体が「イギリス英語」にしていることにあるかも、と指摘してくれた。確かにそう。帰ったら、言語設定をEnglish (UK)からEnglish (USA)に切り替えって見たら、英語言語データがダウンロードができた!ブリッティッシュイングリッシュとアメリカンイングリッシュは、単語やスペルなど、いくつかの違いがあるんだけど、違いがゲームの言語データまでに及ぶとは知らなかった。
私な好きなスーパーヒーローの1人がまた素晴らしくゲームで再現されてよかった。その素晴らしさも日本人のファンにも伝わっていることもさらに嬉しいものだ。スクエニの「アベンジャーズ・プロジェクト」の期待度が自分の中でかなり上がってきたかも。
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