レビュー

「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!」レビュー

見た目カジュアルでも中身が“ガチ”め。「ゴルシちゃんの大冒険II」がやっぱりすごかった

【ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!】

8月30日 発売

価格:
通常版(パッケージ/ダウンロード) 4,840円
SPECIAL EDITION(ダウンロードのみ) 6,930円
DELUXE BOX(パッケージのみ) 14,800円

 いよいよ本日、8月30日「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!(以下、ハチャウマ)」発売だ! 「ハチャウマ」は、Cygamesが展開する「ウマ娘 プリティーダービー(以下、ウマ娘)」のウマ娘たちがドット絵ビジュアルとなり、タイトル通り“ハチャメチャ”な勝負を繰り広げるNintendo Switch/プレイステーション 4/Steam用カジュアルアクションゲームだ。

 前回、先行体験会に参加してその魅力について存分に語ってきた。本作の魅力は幅広い層が楽しめるカジュアルアクションだが、やり込むほど奥の深さが味わえる対戦ゲームとしての魅力も大きい。そのため、正直数時間のプレイでは物足りない! もっとやらせてくれ! ということで、今度はよりしっかりとプレイして、改めて内容を紹介していきたい。

 なおプレイできる4つの競技については前回でしっかり紹介しているので、本稿では割愛する。実際のゲームサイクルや、ゲーム全体の手触り感、またその魅力について触れていきたい。

本作はウマ娘たちを操作するアクションゲーム。競技はどれもシンプル操作ながら奥の深い仕組みが多く、激しいバトルになる
登場するウマ娘はゲーム開始時20名だ
「ハチャウマ」タイトル画面。出場ウマ娘たちがゲーム内と同様にコースを左から右に向けて走っていくループなのだが、よーく見ていると20名のウマ娘以外のウマ娘たちの姿が見える……ということは?
おまけのゲーム内ゲームとして「ゴルシちゃんの大冒険II」も収録! 条件をクリアすることですぐに開放されるのでガッツリ攻略していきたい!

「ストーリー」全クリアで5人のウマ娘が新たに利用可能に!

 「ハチャウマ」を起動したらまずは「ストーリー」に挑戦していきたい! 「ストーリー」はチーム毎に用意されており、それぞれ全7章のシナリオで構成されている。

 ストーリーでは、本作に登場する4種類の競技「バスケット奪取ステークス(以下バスケ)」、「ウマドッジチャンピオンシップ(以下ウマドッジ)」、「大食いダービー(以下大食い)」、「ファン大感謝祭 障害物競走(以下大障害)」をプレイすることになり、チュートリアルのような役目を果たしている。

 また、いずれも最終章が本番で、4種競技のすべてに挑戦することとなる。こうして全ての「ストーリー」をクリアする事で、4種競技それぞれのルールやコツ、勝利するためのポイントなどが少しずつ理解できる。体を慣らす意味でも最初のうちに「ストーリー」を全て攻略するのがいいだろう。

「ストーリー」モードでは全4チームのウマ娘たちが「ハチャメチャGP(グランプリ)」を通して、友情や勝負に対する考え方などをぶつけ合う王道シナリオが展開される。シナリオには必ず1種類以上の競技が含まれており、競技を1位でクリアする事でシナリオを進められる

 いずれの「ストーリー」も今回の「ハチャウマ」に合わせて新規に作られたオリジナルだ。このシナリオはスマホ用ゲーム「ウマ娘」のシナリオ担当のスタッフが開発に関わっており、ウマ娘たちの心情や他のウマ娘たちとの接し方など細かいやり取りについて、スマホ版と相違なく表現されている。

 例えばチーム<コスモス>なら、スペシャルウィークが大食いでオグリキャップに圧倒され、自信を失いかけるところを他の仲間がフォローする、といったもの。チーム<リリィ>なら、過去のトラウマから全力が出せないスティルインラブに本気で走ってもらうために、仲間たちが協力してお膳立てをするなど、ウマ娘のキャラクターたちの性格や考え方を知っていればより味わい深く、もしあまり詳しくなくてもその“入口”としてよくできている、そんな「ウマ娘」らしいストーリーが展開するのだ。

チーム<コスモス>は悩みを抱えるスペシャルウィークやエルコンドルパサーに対して、セイウンスカイのふんわりしたテイストがシナリオでも存分に発揮されている。キャラクターのリアクションもウマ娘らしさ全快でいい感じ!
チーム<フリージア>はサイレンススズカの走りに対する思いが強く出てくる。それと、マチカネフクキタルがにぎやかすぎて笑ってしまう
チーム<ローズ>はシンボリルドルフとトウカイテイオー、ツルマルツヨシたちとの掛け合いがかなりグッとくる。特にシンボリルドルフの目線で見るとかなり涙腺崩壊気味の良シナリオだ。ゴールドシップは相変わらずの変わりものっぷりが最高だ
チーム<リリィ>はスティルインラブに注目だ。ただ、スティルインラブの過去回想までドット絵で表現されているなど、終わってみればかなりいいエピソードに仕上がっていた印象だ。あとダイワスカーレットとウォッカのコンビの仲の良さが改めて再認識できるのもいい!

 ドット絵という見た目の変化はあるが、その内容はギャグあり、涙ありのウマ娘らしさ全快の物となっている。さらに全てのセリフに音声がついているので、イヤホンなどで聞くとウマ娘ファンにとっては尊さがハンパない。スマホの「ウマ娘」やアニメ、漫画など、ウマ娘コンテンツが好きな人には是非全てプレイしてほしい、そんな内容に仕上がっている。

 シナリオ内でプレイする事になる4種競技では、1位を取るのが勝利条件となっているが、ゲーム自体の難易度は比較的緩めだ。だが、勝利するためのポイントが見極められずに負けてしまった場合は、無制限で何度もリトライが行なえる。そのため、勝てるまで繰り返し挑戦し、クリアを目指してプレイしていれば、気が付くと本作の4種競技にもすっかり馴染んでいるという寸法だ。

 なお、いずれのシナリオにもスキップが用意されている。スキップでは競技手前の会話のみのスキップや競技のプレイ自体をクリアした扱いにするスキップ、シナリオを丸ごとスキップする機能もある。これらスキップを使用した場合も、一応シナリオをクリアした扱いにはなるのだが、クリア報酬と初回クリア報酬が貰えない。

 実のところ、ここで貰える報酬が本作のその他コンテンツを楽しむための重要なリソースとなるので、ここは全てのシナリオをしっかり堪能しつつ、競技もプレイするのがいいだろう。

いきなりこの機能を使う人はあまりいないと思うが……一応、シナリオをスキップする機能も備えている。いきなり競技にチャレンジすることも可能だし、競技そのものをスキップすることもできる
ただし、競技をスキップした場合、クリア報酬が貰えないので注意
シナリオクリア時の報酬で手に入る総合ファン数とトレセンポイント。トレセンポイントはショップでの買い物など本作で楽しめるコンテンツをゲーム内で購入するのに使うマネーなので貰える物はガンガンもらっておきたい

 初回クリア報酬やクリア報酬では、トレセンポイントや総合ファン数のポイントが稼げる。加えてチーム毎のストーリー全7章を全てクリアすると、シークレット扱いとなっていたウマ娘が開放される。

 具体的にはチーム<コスモス>のシナリオクリアでオグリキャップが、チーム<フリージア>クリアでサトノダイヤモンドが、チーム<ローズ>クリアでミスターシービー、チーム<リリィ>クリアでキタサンブラックが使えるようになる。いずれのキャラも「ストーリー」内で微妙に絡んだり絡まなかったりしているのも面白い。

チーム<コスモス>のシナリオクリアでオグリキャップが使えるように!シナリオ内ではライバルとして登場していたがカスタムチームでは仲間にできる頼もしい存在だ
チーム<フリージア>クリアでサトノダイヤモンドが開放!シナリオ内ではキタサンブラックとのコンビで登場していたが、ここではサトノダイヤモンドのみが開放となる
チーム<ローズ>クリアでミスターシービーが使えるようになるのだが……どういう経緯でシナリオ内に登場するのかは、是非全7章のストーリーをクリアしてみてほしい
チーム<リリィ>クリアでキタサンブラックが使える。シナリオではキタサンブラックが1人で登場して、一緒に協力してくれる頼もしい存在となっていた

 また、全てのシナリオをきっちり遊び、初回クリア報酬を貯めていくと、総合ファン数が5万をオーバーすることになる。これにより、もう1つの条件である「総合ファン数5万人以上」がクリアされ、ハッピーミークが使えるようになる。つまりストーリーを全てクリアすれば、DLCを除く本作の隠し使用キャラが全て利用できるようになるのだ。

 ここまでに登場した使用可能なウマ娘は全部で25名。ここに今後DLCで追加予定のウマ娘が15名と発表されており、最終的に本作に登場するウマ娘は40人となる予定だ。「ストーリー」も追加になるようなので新チームとしてどんなウマ娘たちがやってきて、どんなストーリーが展開するのかも楽しみのポイントといえる。

総合ファン数5万人以上を達成するとハッピーミークが使用可能に! お久しぶりです! なお、「ストーリー」を順番に進めていると、チーム<リリィ>の第3章シナリオクリアのタイミングで総合ファン数が5万人を超えた
追加キャラ5人でカスタムチームを編成してみた。なお、後述するが、既存4チームのキャラも追加キャラもカスタムするには「スカウトチケット」が必須だ

「ローカル対戦」でトレーニングして「オンライン対戦」の対人戦で勝利を目指せ!

 「ストーリー」を終える頃になると、恐らくそれなりに4種競技がプレイできるようになり、ふつうのCPU相手なら楽勝で勝てるレベルまで腕が上がり、それなりにプレイにも自信がついていることだろう。

 そんな自信を粉々に打ち砕いてくれるのが、「ローカル対戦」のCPU対戦や「オンライン対戦」による他プレーヤーとのオンライン対戦など、まだ見ぬ強豪たちとのガチ対戦だ。「オンライン対戦」については発売前ということもあり、残念ながらマッチングがうまくいかなかったため、今回は「ローカル対戦」の対CPU戦について紹介していく。

「オンライン対戦」ではオンラインにいる誰かと簡単にマッチングできる「クイックマッチ」と仲間同士で気軽に遊べる「ルームマッチ」が用意されている
「オンライン対戦」や「ローカル対戦」ではデフォルトの4チーム及びカスタムチームが利用できる

対戦を繰り返してトレセンポイントを稼ぐ!

 オンライン対戦もローカル対戦も、4種競技の総合得点で優勝を目指す「ハチャメチャGP」のほか、大障害、バスケ、ウマドッジ、大食いのどれかひとつを選んで対戦する「ひとつの競技で遊ぶ」が用意されている。「オンライン対戦」のマッチングは対戦したい人同士をスムーズに選ぶ「クイックマッチ」とフレンドなど友達同士で遊べる「ルームマッチ」の2種類がある。

 「ローカル対戦」の場合は、複数のコントローラーを繋いで最大4人のオフラインプレイが可能なほか、CPUを混ぜて有人2人、CPU2人といった対戦も可能だ。さらに「ローカル対戦」では、競技の詳細をカスタマイズしたり、4種競技を3種に変えたりするなど、自由にカスタムできる「カスタムして遊ぶ」も用意されている。

マッチング中の画面。今回は発売前ということもあり、残念ながらうまくマッチングできなかった

 競技のカスタムは例えばバスケなら競技時間を通常の3分から最大5分に変更したり、目標得点を通常の300から100まで下げたり、コートに出現するギミックやチャンスボールなどの有無が選択できる。

 なおCPUを相手にした「ローカル対戦」であっても、プレイするごとに総合ファン数とトレセンポイントが貰える。本作ではトレセンポイントをいかに稼ぐがひとつのポイントになっていて、後述の「ゴルシちゃんの大冒険II」や「部室」カスタム、オリジナルのカスタムチーム結成で必要になるスカウトチケットの購入などでは、かなり多額のトレセンポイントが必要になる。

 そのための資金は潤滑にあって困るものでもないので、対戦を繰り返して稼いでおきたい。特に「スカウト」で全てのウマ娘をスカウトするには、単純に2万×25人=50万ものトレセンポイントが必要になる。「ストーリー」全てをクリアしてもここまで稼げない。

 バスケを例にすると通常の試合で総合ファン数が130、トレセンポイントが200稼げた。ただし「カスタムして遊ぶ」を使って時間を5分、目標得点を700にしてトライしてみたところ、総合ファン数は30、トレセンポイントは60しか稼げなかった。単体競技を遊んで稼ぎたい場合は「ひとつの競技で遊ぶ」でプレイする方が効率はよさそうだ。

「ローカル対戦」では「オンライン対戦」と同じく「ハチャメチャGP」や4種競技の1つのみをプレイする「ひとつの競技で遊ぶ」ほか、競技のルールをカスタムして遊べる「カスタムして遊ぶ」も用意される
バスケの場合なら、競技時間や目標得点、チャンスボールやギミックの有無などがカスタム可能だ

「さいきょう」に勝てるようになることがひとつの目標に

 そして「ローカル対戦」の「ひとつの競技で遊ぶ」を遊ぶ事で、個々の競技の練習が行なえる。難易度設定は全部で4種類あり、「ストーリー」でプレイしているとそのほとんどが「よわい」か「ふつう」の設定になっているが、ローカル対戦ではその上の「つよい」と「さいきょう」が用意されている。

 こうしたCPUとの対戦は、言ってしまえば格闘ゲームのトレーニングモードのようなものだ。「オンライン対戦」で行なわれるネットの向こうの強豪たちとの熾烈な争いに備えて、ここで修行を積んでおき、少なくとも全ての難易度のCPUに勝てるようにしておくことで、対人戦への準備をするという意味合いが強い。

 なので、今後「オンライン対戦」の対人戦で各種競技を遊んでいきたい人は、是非「さいきょう」のCPUに挑戦してみてほしい。今まで「ストーリー」内のCPU戦では楽勝であっても、これらのCPU戦はかなり苦労するはずだ。

1人で遊んだり、来るべき仲間との「オンライン対戦」に備えて競技を鍛えたい場合にも「ローカル対戦」が役に立つ。CPUの難易度は「よわい」「ふつう」「つよい」「さいきょう」の4種類あり、自分の腕も考慮しつつ、適した難易度のCPUを選択して試合に挑める

 筆者も実際に何度か挑んでみたが、ぶっちゃけるとこれが全然勝てなかった! 筆者はバスケがかなりプレイしやすく、「ストーリー」では他のCPUを圧倒できるほどには強くなっていたので、「ローカル対戦」で「さいきょう」のCPUたちとプレイしてみたが、とにかく圧倒的敗北の連続! 正にトウカイテイオーの「僕が負けるなんて~!」状態で激しく落ち込む事態となってしまった。

 ただ、この「さいきょう」CPUとの対戦は決して理不尽な物ではなく、より的確にプレイするなど、CPU側の攻略の腕が確実に上がっているのが分かる。バスケで言えば、まずシュートのブロックが見事だ。「ストーリー」プレイ中のCPUはパーフェクトレンジなミドルシュートと相手のドリブルをカットさえできれば割とどうにかなったが、「さいきょう」CPUたちはとにかく、こちらのシュートをほぼブロックするし、こちらのドリブルはかなり積極的にカットしてくる。さらにダンクやレイアップなどゴール下でのシュートを多用してくるので、対策が難しい。

 こうした「さいきょう」CPUとの対決を繰り返すうちに、バスケの場合は、ジャンプのタイミングがかなり重要というのが理解できたし、スキルの使用もシュート直前に相手を行動不能にしたり、自身をバリアするような使い方で得点を重ねる必要がある事が理解できた。このように、競技の基礎を見直すという意味や、上級者がどう動くかの指針にもなるので、「オンライン対戦」でオンラインの向こうの強豪と対人戦を行なう前に「さいきょう」CPUたちとの戦いは1度経験しておくのがいいだろう。

「さいきょう」CPU相手だと、筆者イチオシのゴールドシップが放った必殺の「デリシャスワンダフルシュート(普通のシュート)」もあっさりスペシャルウィークにカットされるなど、全く歯が立たない……われらの実力差がここまでとは……!
勝敗に関わらず、総合ファン数とトレセンポイントの報酬がゲットできる!「ローカル対戦」最高だな!
あまりの勝てなさに思わずヘルプページを見直す。シュートの種類など「ストーリー」プレイ時はあまり気にしていなかったテクニックなどが書かれており、相手との駆け引きの材料の豊富さに驚愕!
カスタムの試合終了時の報酬はルール設定の内容に関わらず、低めに設定されていたので、これはトレーニングに使うメニューのようだ。練習しつつ、ポイントを稼ぎたい場合には「ひとつの競技で遊ぶ」を使う方がメリットは大きい

チーム編成のカスタムには「スカウト」が必要

 なお、「オンライン対戦」や「ローカル対戦」で使用するウマ娘やチームについてだが「ストーリー」で登場した4チームについては、編成をカスタムしなければ、そのまま「オンライン対戦」や「ローカル対戦」で使用できる。

 ただし、メンバーを入れ替えて、自分だけのオリジナルチームを作りたい場合には「スカウト」が必要になる。「スカウト」では「ストーリー」クリア時に開放された追加ウマ娘をチームに合流させて使う事ができるほか、もともとのチーム編成を無視して、好きなメンバーのみでチームを編成できる。

 カスタムするためにはウマ娘を改めて“スカウト”しなければならず、このスカウトにはアイテムの「スカウトチケット」が必要になる。チケットは「ストーリー」モードの初回クリア報酬で手に入るほか、トレセンポイントを消費してショップで購入することもできる。

ウマ娘たちをカスタムチームに加えるには「スカウトチケット」を使ってスカウトする必要がある。スカウトチケットは、「ストーリー」の初回クリア報酬などで手に入る
スカウトチケットはトレセンポイントで購入することも可能だが……高いな?

 なお、カスタムにおいてリーダーに設定したウマ娘は通常のメンバー枠と比べてステータスがアップする仕組みとなっている。お気に入りのウマ娘を最強にしたい場合は、リーダー枠に設定して使用するのがいいだろう。

 このようにウマ娘たちをスカウトして、自由にチームを編成して、CPUと対戦して遊んだり、「オンライン対戦」で対人戦に挑んだりといったところも本作の面白いポイントだ。

追加になったウマ娘たちはスカウトしないと使えないが、4チームのウマ娘たちはチーム単位でなら「ローカル対戦」や「オンライン対戦」で使える
カスタムチームに加えるためにはスカウトが必要となる。やはり「皇帝」はチームに必要な存在!
カスタムチームは自由にチーム名を変更することができる。ゴルシちゃんをリーダーに「最強ゴルシちゃんチーム」を結成だ!

 なお、ここで編成したチームのウマ娘たちがカスタム項目にある「部室」内に滞在するようになる点も重要だ。部室内に滞在したウマ娘たちは、設置された家具のことを呟いたり、キャラごとに色々なセリフを呟くようになる。これは、色々なウマ娘をチームに入れたくなってしまう!

 しかも複数のチームを登録したい場合は部室を増やす必要があり、部室を増やすには「拡張チケット」が必要となる。つまり、たくさんの部室を開放して、多くのウマ娘たちを部室で遊ばせて幸せな気分に浸りたい場合には、より多くのトレセンポイントを稼ぐ必要があるというわけだ。

部室=カスタムチーム枠という括りとなっており、カスタムチームに編成したウマ娘たちがカスタムした部室に集合して、のんびり過ごす様子が観察できる。こうなってくると部室の装飾や家具などもどんどんほしくなっていくので、そのためにはトレセンポイントを稼がないと……となる。うまくできてやがるぜ!
部室=カスタムチームの枠は最大5つまで拡張が可能だが、拡張には「拡張チケット」が必要で、価格は40,000トレセンポイント!

勝利のために、ウマ娘のスキルをチェック!

 将来的に「オンライン対戦」で対人戦を行なうのに際して、4種競技の腕をさらに磨きあげるのにチェックするべきポイントの1つがスキルだ。カスタムメニューのウマ娘では、「スカウト」のメニューから全てのウマ娘たちのステータスやスキルがチェックできるので、ここでスキルの詳細を事前にチェックしておきたい。

 一方で競技に適したステータスのウマ娘をチョイスすることも重要なので、スキルとステータスのバランスの良さが重要になってくる。スキルについては自身を強化するバフタイプ、相手を邪魔するデバフタイプ、その両方を備えるスキルもあり、競技ごとに自分のプレイスタイルに向いたスキルのチョイスが重要になるだろう。

 例えばバスケの場合、周囲に他のウマ娘が近づけないようなバリアを貼る防御系のスキルもあれば、猛ダッシュで相手にぶつかっていき、ボールを奪い、相手を一定時間行動不能にしたり、前方5方向や範囲攻撃で一定時間行動不能にするなどの攻撃的なスキルもある。

 邪魔されずに近付いてダンクなどを決めたい場合は、防御系スキルの方が役に立つし、相手から積極的にボールを奪いたい場合は攻撃系スキルの方が使いやすい。プレイスタイルにあったスキルを精査するのは、「さいきょう」CPUが相手の場合も、対人戦の場合もかなり重要な要素と言える。

ウマ娘たちのスキルは「ウマ娘」の「スカウト」で個々のウマ娘たちの競技ごとのスキルが全て確認できて便利だ。競技ごとに自分のプレイスタイルに合ったスキルをチェックしたり、競技に適したステータスのウマ娘かをチェックしてバランスを見るのはかなり難儀だが、オリジナルの最強カスタムチーム編成のためにはやむをえまい!

奥深すぎてハマる裏のメインコンテンツ「ゴルシちゃんの大冒険II」

 そしてもうひとつ、本作の裏のメインコンテンツとも言える「ゴルシちゃんの大冒険II」(ゴルシちゃん)に挑むことにしたい。

 プレイするにはカスタムメニューのショップで「家庭用ゲーム機」(500トレセンポイント)を購入し、これを部室カスタマイズの機能で部室内のどこかに設置するだけでOK! ゲームメニュー最下部の「ゴルシちゃんの大冒険II」が開放されれば、いよいよ「ゴルシちゃん」がプレイできるようになる。

 本作はいわゆるローグライトなシンプルアクション「Vampire Survivors」の要素を持ったヴァンサバライクの横スクロールアクションゲーム。強制スクロールで右に進んでいくゴルシちゃんを操作し、道中拾える経験値アイテムを稼いでレベルを上げ、新たな武器の使用や武器のレベルを強化していく。これらを繰り返して障害物や敵を撃退しながら、目標の距離を制限時間内に走破できればクリアとなる。

 詳しいプレイの様子は公式動画配信サイト「ぱかチューブっ!」でも公開されているので、こちらも参考にしてみてほしい。

【【ハチャウマ】「ゴルシちゃんの大冒険II」全宇宙最速プレイだ!】

 なお、本作が「ゴルシちゃんの大冒険II」と第2作目としている理由についてだが、これは2022年に「ぱかチューブっ!」にて公開された「【新作ゲーム?】ゴルシちゃんの大冒険!」が“第1作目”だからのようだ。こちらはゲーム風動画というネタだったが、「II」は本当にゲームになってしまった、というわけである。

【【新作ゲーム?】ゴルシちゃんの大冒険!】

 改めてガッツリ遊んでみたが、やはりこの中毒性はヤバい。やることはシンプルで、ゴルシちゃんを操作して上下に移動したり、時にはジャンプや減速などを行なって敵や障害物を回避して進んでいく。手元の武器は自動で攻撃を行なってくれるので、こちらはとにかく敵や障害物に接触しないようにすることのみ意識して進めていく。

 前回は細かくチェックしていなかったが、想定以上に装備が重要な要素だったので改めて紹介したい。装備はフィールドに落ちているアイテムの1つで、入手時には何の役にも立たないが、ゲーム終了時に何をゲットしたかが明らかとなる。再度ゲームを開始する際、メインメニューの「EQUIP」から「そうびへんこう」を選び、そこで装備することで使えるようになり、ゴルシちゃんのステータスも強化できる。また、装備に付与されているパッシブスキルも適用されるようになる。

「EQUIP」を選ぶと装備変更の画面が表示される。ここの見方だが、右のスキルは現在装備した全てのアイテムに付随するスキルの情報が全て表示される状態となっている。画像では「ハイヒール」が選ばれているが、ここで黄色くなっているスキルがアイテムに付随するスキルということになる

 本作は最初に目標距離が設定された4ステージをプレイし、これらをクリアすることで目標距離のない最終「エンドレス」モードに挑んでいくことになるので、序盤の4ステージで先ずは基本装備を充実させたい。

 装備についてはステータス強化も重要だが、それ以上に重要になるのがスキルだ。非常に多くのスキルがあり、例えば「カミナリそうち+」のスキルはゲーム中、本来レベル10までしか上げられない能力「カミナリそうち」(ランダムに敵を狙って攻撃。レベルアップ時に獲得可能)のレベル上限を15まで引き上げてくれる。

 他にもアイテム「とけい」(残り時間を増やす)を拾った時の効果を増やせる「タイムイズマネー」や、障害物を減らせる「しかいりょうこう」など、どのくらい数があるのか見当がつかないレベルでたくさんのスキルがある。

 スキルについては装備済み欄の右に表示され、黄色くなった項目のスキルが有効になっている状態だ。不要な装備については、ここから「インベントリへ」を開いて売却するとトレセンポイントが稼げる点もポイントだ。より強力なパッシブスキルを持つ装備を使って、凶悪なエンドレスモードに挑んでハイスコアを目指していきたい。

アイテムごとのスキル情報をチェックしたり、不要な装備を売却するには、装備変更画面から「インベントリ」を開いて、そこで売却が行なえる
装備に含まれるスキルの中にはゲーム内で入手する武器のレベル上限を上げられる「+」スキルもあり、これはかなり重要なスキルだ!
このように従来はレベル10が上限の「カミナリそうち」のレベルが15まで引き上げられている

 そして1点だけ、とても残念なポイントに気が付いてしまった。「ゴルシちゃん」のプレイには特に制限はないと思っていたのだが、改めて見てみると、ステージ4をプレイするには500トレセンポイントが、エンドレスモードをプレイするには1,000トレセンポイントが必要となっていた。

 つまり、前述のウマ娘カスタムでスカウトチケットや拡張チケットを買いまくったり、部室内の家具などを買いまくってトレセンポイントを散在していると、「ゴルシちゃん」のエンドレスモードがすぐに遊べなくなってしまうのだ!

 ちなみに筆者はトレセンポイントなんて他に使うところもないだろうと、スカウトチケットを買いまくって豪遊してから「ゴルシちゃん」をプレイ開始したため、エンドレスモードを繰り返し遊ぶうちにトレセンポイントが枯渇する事態に陥ってしまった。「ゴルシちゃん」を心ゆくまで楽しむためにも、ここはもう少し割引価格に設定しておいてほしかったところだ。

 なお、ステージ3まではトレセンポイントを消費しないので、まったり何度も遊びたい場合にはステージ3を楽しむのがいいだろう。

エンドレスモードの開始画面。よーく見ると、「うんちん」が1,000TPと表示されている。「ゴルシちゃん」をずっと遊びたくても実質それができず、個人的には本当に残念なポイントだったなので、是非今後のアップデートなどで「うんちん」を10くらいまで値下げしてほしいところだ

 そして気になるゲーム中に登場する武器セットについて、ベストのセッティングについてはまだ考察中だ。本作において武器は最大6種類しか使えない。このうちウォーターショットはデフォルト武器なので実質5種類だ。本作では12種類の武器が登場するので、この中から実質5種類を厳選しなければならない。登場する武器は画像を参照してほしい。

 そのため、正面への攻撃となると、ウォーターショット以外は、正面に飛ぶ「ちをはうロケット」、黒色のクラッカーが転がり、接触すると爆発を起こす「ころころクラッカー」、被ダメージを減少させ、接触した敵にダメージを与える「バリア」、正面にどデカいレーザーを放つ「ごくぶとレーザー」の4種類となるので、この4種類にあと1つ、近距離攻撃の「ブレード」やゴルシちゃんの周囲を回転して攻撃する「じんこうえいせい」のいずれかを含めたセットが現状、筆者のベストセッティングと考えている。

初期装備のウォーターショットは最大まで強化しても思ったより強くならない
ちをはうロケット「ちいさいてきにあたるぜんぽうこうげき、しょうがいぶつにつよい」レベルが上がると正面の敵にかなりのダメージを与えられる。「ちをはうロケット+」スキルの効果でレベル15まで上げられるのでメインで使いたいところ
ころころクラッカー「はんいこうげき、しょうがいぶつにつよい」。黒色のクラッカーが転がり、接触すると小爆発を起こす
バリア「ひダメージ↓、ちかづくてきにダメージ」なお、バリアのレベルを上げていたら、6レベルから形状が変化!より硬そうな外見になった
ごくぶとレーザー「ぜんぽうのはんいこうげき」安心感のあるビジュアルだが、ダメージがどこまで出てるかが気になるところ
ブレード「きんきょりこうげき」今回ダメージを細かく精査できていないため、強さがまだはっきり分からないところが悩ましい
じんこうえいせい「しゅういをかいてんしてこうげき」ゴルシちゃんの周囲を開店する強力な攻撃。上下の敵にもダメージを与えられるところがメリットでもありデメリットでもある

 ただ、エンドレスモードも距離で言えば5,000mくらいになってくると、敵が非常に硬く強固になってくるため、難易度がさらに上がってくる。こうなってくると、上下の移動やジャンプなどの回避行動が増えてくるため、正面以外の敵も考慮した武器のセッティングが大事になってくる。

 具体的には周囲を攻撃できる武器「じんこうえいせい」や、レベルアップで獲得する能力だと隣のラインを連射攻撃する「ごるしドローン1ごう」などが役に立つほか、画面内の敵をランダムで攻撃する「カミナリそうち」や多方向にショットが打てる「3WAYショット」、近くの敵を追尾できる「ごるしドローン2ごう」などが役に立ちそうだ。

 これら武器セットを検討するのも「ゴルシちゃんの大冒険II」における楽しみの1つだ。本作はハイスコアを出しても特にご褒美や報酬は存在しない。ただ、より遠くまで走り続けてハイスコアを目指す。そのために色々と工夫したり、検討しながら、より最適と思われるアクションや武器、装備を模索する過程も含めて、純粋にアクションゲームとして遊ぶことが楽しいのだ。

ごるしドローン1ごう「となりのラインをれんしゃでこうげき」。上のラインでレーザーを発射する。戦力が分散してしまうのが悩ましいところ
ごるしドローン2ごう「ちかくのてきをついびこうげき、しょうがいぶつにつよい」追尾性能は高く、障害物も破壊する優れもの
カミナリそうち「ランダムにねらってこうげき」画像は「カミナリそうち+」の効果でレベル12まで上げた状態だ
ドッジボール「はねまわってこうげき」それなりに画面内にボールが残り続け、壁などに反射して敵を撃退していくがランダム要素が強すぎる点が悩ましい
3WAYショット「3ほうこうにみずをはっしゃする」ウォーターショットが3分割で発射されるが、攻撃が分散してしまうので、今の段階ではやや使いづらい印象だ

 また、その他のドロップアイテムで優先するものについてだが、本作において最重要な要素は「残り時間」だ。残り時間が0になると、体力0になると同様、ゲームオーバーになる。

 もちろん体力も重要になるのだが、例えば障害物などに当たった場合、ゴルシちゃんの体力はもちろん減ってしまうが、この際に速度も低下してしまうので時間も余計にかかるようになる。つまり常時減り続ける「残り時間」を回復する「とけい」はかなり優先度が高いと言っていいだろう。

 他にも、装備が充実するまでは装備が獲得できるアイテム「ジャージ」も優先度高めで取っていくべきだろう。何なら始めたばかりであれば、死んでもいいから取るべきとも言える。本作はゲーム終了時にプレイ中に稼いだトレセンポイント、ファン、マイルが獲得できる。加えて、拾った装備もゲットすることになるため、もう変える必要がないほどに充実した装備が揃うまでは、ジャージも必死に集めておきたい。

 なお、たまに登場する宝箱についてだが、これを取ると「TREASURE!」の文字とともに一定のトレセンポイントが入手できるほか、装備が個数ランダムで1~3個(筆者が確認した範囲)がゲットできる。必須ではないものの、見かけたらなるべく取っておきたいアイテムだ。

レベルアップ時に好みの装備(能力)が出ない場合、1度だけスキップする事も可能だ

 そして、何より重要になるのが「運」。ドロップするアイテムもそうだが、武器セッティングを決めてもレベルアップ時にほしい武器が出るか出ないかは運の要素がかなり強い。

 プレイ中は一定の距離を進むと発生する特殊エリアがあり、ここでは大量のザコ敵が湧くエリアや、武器禁止エリア、破壊不能なボスのような敵が攻撃してくるエリアなどが登場するのだが、ここで何のエリアが発生するかもランダム。エリアの編成によって難易度がかなり変わってくるので、これも運要素のひとつと言える。

道中に「WARNING」のアラートとともに発生する特殊エリアでは武器が使えないエリアなどが出現するので、ここで500mを耐え忍ぶ必要がある。うまく走破すればご褒美がゲットできる

 「ゴルシちゃん」のエンドレスモードは、特に5,000m以降は、とにかく敵が強く硬くなり、こちらの武器のレベルが高くてもそれ以上にダメージを食らいやすくなっていく。そのため、ジャンプや減速などの操作で敵を回避するアクションのテクニックがより重要で、筆者はやや苦戦しているポイントだが、それでもなぜかやめられない。それほど、どっぷりハマれるコンテンツだ。

 散々偉そうに語った筆者だが、現在のハイスコアは6,426mなので、先はまだまだ遠い。ゴルシちゃんのスコアはオンラインのランキングにも対応しているので、この後も引き続きトライして、ランキング上位を目指していきたいところだ。

今回のハイスコアは6,426mで止まってしまった。この辺りまで進むと500近いトレセンポイントが稼げているので、今の倍くらい走破できるようになれば、1プレイごとに1プレイ分のトレセンポイントが稼げるかもしれない

DLCによるキャラクター追加など今後も楽しみ!

 「ハチャウマ」は、一見するとカジュアルでハチャメチャなゲームに見える雰囲気を醸し出しながらも、中味はかなり奥深いテクニックが要求される内容で、対人戦を楽しむアクションとしてもかなり仕上がっている印象だった。

 「ストーリー」モードはゲーム部分をスキップすることでストーリーのみを楽しむことができるなど、かなり柔軟な作りになっており、誰でも手軽にウマ娘のサイドストーリーを楽しめるようになっている点は好印象だ。

 また、各種競技も「ストーリー」モードでは難易度が低めとなっているので、多少アクションが苦手な人でも、画面全体を見ながら何度もリトライして遊んでいるうちに、テクニックが磨かれていく仕組みになっている。ウマ娘たちが楽しく語らい合うほっこりした物語を満喫しつつ、ゲームにもトライして全ストーリーを楽しんでみてほしい。

 「ローカル対戦」では、難易度を下げてCPUとのんびり対戦して、トレセンポイントを稼いだりする楽しみ方もあるし、「部室」カスタムで従来ではあまりないようなウマ娘同士の組み合わせを同じチームに編成して部室内での様子を堪能するという楽しみ方もあり、末永く幅広く遊べる印象だ。もちろん「ゴルシちゃんの大冒険II」のやり込みも言わずもがなだ。

 将来的にはDLCの追加で新たなウマ娘やストーリーなどが追加になる予定もあるようなので、現状明らかになっているウマ娘以外にどんなウマ娘がドット絵になってやってくるのか、今からDLCの詳細発表が待ち遠しい。2025年にはオグリキャップが主人公の「ウマ娘 シンデレラグレイ」のアニメ化も決定しているなど、まだまだウマ娘からは目が離せないだろう。