PCゲームレビュー「Grand Theft Auto V」

Grand Theft Auto V

マシンパワーを限界まで引き出すグラフィックス
クリエイター魂を燃え上がらせるエディターが魅力

ジャンル:
  • オープンワールド
発売元:
  • ロックスター・ゲームス
開発元:
  • ロックスター・ゲームス
プラットフォーム:
  • WIN
価格:
7,560円(税込)
発売日:
2015年4月14日
プレイ人数:
1人(「GTA Online」:最大30人)
レーティング:
CERO:Z(18歳以上対象)

 PC版「Grand Theft Auto V」は、海外の噂ではSteamのみでも販売初日で全世界で100万本の売り上げを達成したと話題を集めている。世界中のPCゲームユーザーが待ち望んでいたタイトルと言っても過言ではないだろう。

 弊誌ではPS3/Xbox 360版を皮切りに、いくつもの記事で「GTAV」を紹介している。特に「GTA Online」に関しては「『GTA Online』大満喫連載 急がば奪え!」で毎週取り上げ、その魅力を語っている。そこで今回は、PC版ならではの要素にフォーカスして紹介していきたい。

最高のグラフィックスは、ハードに合わせた細かい設定が可能

フランクリンとマイケル、2人の出会いで物語が始まる
「GTA」史上最凶人物、トレバー
エキセントリックなキャラクター達が次々に登場する
非常に細かい設定が可能なグラフィックスオプション

 「GTAV」の最大の魅力と言えば、やはりストーリーモードだ。マイケル、フランクリン、トレバーというエキセントリックで、魅力溢れるキャラクターが濃密なドラマを繰り広げる。

 銀行強盗から特殊な“証人プログラム”で足を洗い悠々自適の生活を手に入れながらも、家族はめちゃくちゃ、自身は無気力になってしまったマイケル。大金を得たいと思いながらも、犯罪スレスレの取り立て屋をやっているフランクリン。この2人が出会うことで、マイケルは再び犯罪の道に歩み出し、物語が動き始める。

 そこにトレバーが現われる。マイケルは10年前に死んだはずだった。彼はなぜ生きていたのか、10年前から抱え続けた友を失った大きな悲しみは何だったのか……。3人の物語は、多くの人を巻き込み、ロスサントスに大きな嵐を巻き起こしていく。プレーヤーは、上昇志向を持つフランクリンに感情移入し、キレてとんでもない行動をするマイケルにしびれ、そして次に何をするかわからないGTA史上“最凶”のトレバーに圧倒されるだろう。

 高速道路で大きなボートを運ぶトラックとドンパチを繰り広げ、仲間を募って宝石強盗、墜落した旅客機を追いかけたり、巨大ヘリをかっぱらったり、潜水艇で宝探しをしたり……展開するシーンはどんどん派手に、過激になってくる。

 他機種版をプレイした人も新鮮な気持ちでプレイできるだろう。「こいつってここに出てくるのか!」、「ロンってこんなに老けてたっけ?」、「このメンバーは強盗ミッションでおなじみのやつだ」……色々な記憶が刺激され、プレイが楽しくなる。「やっぱり『GTAV』は面白い」と、誰もが思うだろう。

 PC版「GTAV」の大きなセールスポイントがグラフィックスである。先日の体験会では全てのオプションを最高にした本作の最高パフォーマンスを体験できた。今回はGeforce GTX 960のミドルクラスのマシンでプレイした。それでもグラフィックスは充分美しかったし、60fpsでプレイできた。

 本作のグラフィックスオプションは多彩で、ビデオカードのメモリの占有率も表示されているため、スペックを意識しながら調整できる。ほとんどの項目を高めに設定しても快適にプレイできるが、特にマシンのパワーを必要とするのは「テクスチャ」の項目で、「推奨上限を無視」という項目がオフのままだとテクスチャの設定をノーマル以上にできない。これを高くするとGTX 960ではパフォーマンスが低下する恐れがあるという。今回はあえて上げてみたがやはりフレームレートが低下するし、移動中も引っかかるような感じがした。

 逆にグラフィックスオプションを全てノーマルにしてみると、植物の色合いが減ったり、細かく見ると違いが出る。また、解像度も変えてみた。通常はフルHD(1,920×1,080)だが、SVGA(800×600)、WXGA(1,280×768)、HD+(1,600×900)の画面も撮影してみた。低解像度ではやはり本作の魅力が半減するが、それでも「GTAV」がプレイしたい、という人にはありかもしれない。

 ただ、やはり高性能なPCの性能を引き出したい、という人にとって、「GTAV」は魅力的なゲームだ、という印象を持った。今回の環境では「高度なグラフィックス」にある項目を変えても、体験会での4K出力の時にはっきり感じた、影などの変化が確認できなかった。本作の最高パフォーマンスを実感できるPCが手頃な値段になるのはもう少し先だろう。“次世代”を視野に入れたグラフィックスを実現している作品なのだ。

【グラフィックス設定を変えてみる】
上がノーマル、下が設定を高くした画像
ベンチマークプログラムも用意されている

【解像度による変化】
フルHD(1,920×1,080)
SVGA(800×600)
WXGA(1,280×768)
HD+(1,600×900)

【美しいグラフィックス】
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(勝田哲也)